ISIS & BARONESS @ 心斎橋クラブクアトロ 3/3(水) 2010


超強力タッグ!

ヘヴィ・ロック界のカリスマ、アーロン・ターナー率いるISISの来日公演。もちろんISISは新作「Wavering Radiant」リリース後のツアーというだけあって、前回の来日(Sunn O)))Borisなどが出演した轟音イベント「Leave Them All Behind」)よりも更に進化した姿を見せてくれるのはもちろん楽しみだが、今回のもう一つの楽しみは初来日となるBaroness(下写真)だ。
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2007年のアルバム「The Red Album」(個人的には2007年度のベスト10にランキング!)でヘヴィ・ロック好きに衝撃を与えたジョージア州サバンナ出身のBaroness。その後2009年の「Blue Record」(右写真)において、前作f0045842_21471944.jpgを更に凌駕したプログレッシヴ的な展開でファンを唸らせ(これはMastodonの新作での変化に匹敵する)、その地位を確立したと言って良いでしょう。

さらにはBaronessのヴォーカル兼ギターの、ジョン・ベイズリーの病的だが美しい独特のアートワーク(他にもPig DestroyerKylesaのアルバム・カヴァーも手掛けている)にも個人的には注目です。

まず最初に登場したBaroness。アーティスト写真で観ると長髪だったヴォーカルのジョン・ベイズリーは坊主になっていて、アゴ髭を伸ばした伝統的なハードコア・スタイル
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その彼をセンターにベースとギター、そしてドラムというオーソドックスな4人編成。ドラマー以外のフロント3人は全員黒のカットTシャツというのも由緒正しきメタル・マナーです。

1曲目はザクザクのリフで始まる「Blue Record」のオープニング・ナンバーThe Sweetest Curse。2本のギターから繰り出される強力なリフと雷鳴のごときドラムからして、凡百のヘヴィロック・バンドとは一線を画しているのは一目瞭然。展開が次々に変化する曲も、かなり複雑で面白く、中盤ではIron Maidenばりのツイン・ギターのユニゾンが綺麗にキマる瞬間なんて最高のカタルシスです!根は生粋のヘヴィメタル・バンドながら、ハードコアを通過し、卓越した演奏力でプログレッシヴ・ロックのような展開に進む姿は、ホントに最近のMastodonにかぶりますね。
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ドラムはConvergeにも通じるハードコア的なタイトなドラム。ワイルドに爆走するメタル/ハードコア的側面と、静的なパートが混在した楽曲はライヴ映えしまくります。レコードで聴けるようなアコースティック・ギターの導入は残念ながらライヴでは観れませんでしたが、それを補って余りある堂々たる迫力のパフォーマンスは観に来ていたISISのファンも充分に捻じ伏せられるものでしたね。
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そして見た目は非常にイカついヴォーカル兼ギターのジョン・ベイズリーの真摯なMCも高感度高し(個人的な統計ですが、こういう見た目のイカついミュージシャンは得てしてイイ奴が多いです)。1時間弱のステージでしたが、日本初登場となったBaronessは日本の轟音好きに大きな拍手を持って迎えられたと言っても良いでしょうね。やっぱりコイツらはハンパなかったです。

続いてはISISの登場。
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ISISというバンドは結成当初からメタル/ハードコアの本流にいるバンドではなかった。そういった本流とは対極の位置にある「極北」で独自のスタンスを築き上げ(更にはそこからも進化して)、最新作「Wavering Radiant」で今や誰も手の届かない真の意味での孤高のバンドになったわけですが、こちらは貫禄のステージングでした。

そのISISの頭脳であるヴォーカル兼ギターのアーロン・ターナーは、こちらはBaronessジョン・ベイズリーが坊主頭になっていたのとは逆に、写真では坊主頭だったが、今は伸びきった髪とヒゲの風貌はまるで「世捨て人」。
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それとは逆にアーロン以外の4人のメンバーはと言うと、見た目は完全に「職人集団」。アーロン・ターナーの脳内音楽を忠実に再現する鉄壁の凄腕プレイヤー達。まるでTortoiseのごとき隙のない緻密な演奏が、静寂→緊張→爆発という大きな流れで大海原で起こる津波のようなスケールで迫ってくる様は圧巻!アーロンのノーマル・ヴォーカルと、鬼の形相から繰り出される咆哮ヴォーカルのコントラストも凄まじかったですね。

メタル/ハードコアの本流にいては決して生まれないノイズ/アンビエントの要素やヒップホップの要素も飲み込んだ壮大なサウンドに、観客も息を飲まずにはいられないほどの圧倒されまくっていました。
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セットリストは、前作「In The Absence Of Trurh」からHoly Tearsや、アルバム「Panopticon」からWillie Dissolveなども組み込んでいましたが、ほぼ8割が新作「Wavering Radiant」から。流れを途切れささない息もつかせぬ1時間半。数年前に観たISISよりも断然スケールアップしたバンドに進化してました。

最後は何と初期の名曲Celestial(The Tower)が登場!まだまだBlack Sabbathの名残りを感じさせるスラッジの範疇にある音楽性だった頃のISIS必殺曲
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今のバンドによる演奏の殺傷力の高さが更にこの曲を暴力的なものにする凄い演奏でしたね。最後はギター・ノイズのフィードバック音をステージに響かせバンドは去って行きました。

今回は、未だ日本では得体の知れない存在だったBaronessと、完璧な孤高の存在であるISISの現在進行形の姿を両方目の当たりにする事が出来た素晴らしいライヴ。少し前もBrutal Truth & Convergeという最凶のカップリング・ツアーがあったし、「Extreme The Dojo」シリーズでもスタイルの違った3バンドのカップリング・ツアーもあるし、こういうバンドというのは最低でも2バンドくらいでツアーをやってくれるとかなり楽しめます(個人的に3バンドは少ししんどい・・・)。是非ともこういう轟音バンドによるカップリング・ツアーはどんどん増やして欲しいですね。例えば「Wolves In The Throne Room & Nachtmystium」とか「Shrinebuilder & High On Fire」とか「Minsk & Rwake」とかそんな組み合わせを期待したいです!



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by Blacksmoker | 2010-04-13 20:41 | ライブレポート
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