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ORNETTE COLEMAN @ シンフォニーホール 4/3(月) 2006

ORNETTE COLEMAN @ シンフォニーホール 4/3(月) 2006_f0045842_2219291.jpgオーネット・コールマンは既存の様式化したジャズを解体し、西洋の音階や様式に囚われないフリー・ジャズを広めた先駆者。ハーモロディクス理論なんてちっとも分からないけど、ジャズってのは楽しい音楽だ。今回のライブではそう思える瞬間が何度もあったし、寒気がするほどスリリングな瞬間も何度もあった。フリー・ジャズを音楽と認めない人もいると聞くが、その人のキャパが小さいだけだからほっときゃ良い。

今回の来日公演は20年振りだそうだ。「こんな日が来るとは思ってもいませんでした。謹んで前座を務めさせて頂きます。」ORNETTE COLEMAN @ シンフォニーホール 4/3(月) 2006_f0045842_22351068.jpg興奮気味の山下洋輔。圧巻のソロ!ピアノを叩きつけるような奏法だが一音一音の響きが美しい。椅子からのけ反り、片足を上げながらの全身全霊の鬼気迫るプレーは何時間聴いていても飽きないです。逆にこっちが根負けしそうなくらいでした。

そして遂に登場した御大のカルテット。2人のベーシストを擁する「ツイン・ベース&ドラム」編成。長身のウッド・ベース奏者はジョン・ゾーンの『Masada』でお馴染みのグレッグ・コーエン(トム・ウェイツのいとこでもある)。この人はルー・リードのツアーメンバーだったり、トリッキーのアルバムにも参加してる。ドラムには御大の息子デナード・コールマン。最後に生きる伝説オーネット・コールマン登場。ヨタヨタ歩きで「おいおい大丈夫なのか?」と心配させる。1930年生まれだから76歳!おじいちゃんですよね。そして椅子に座り一息ついた後、一気に演奏が始まる。うわっ!凄ぇ。オーネットのサックスが響き渡る。全然衰えてないよ。息子のシンバルの残響音を活かした独特なドラムも父親のサックスとの相性ピッタリ。ツイン・ベース(コントラバス2台)も高速でボトムを支えている。まさにフリーの真髄を聴かせてくれる。歳の為、演奏中のしばしの途中休憩はご愛嬌。

途中からこのカルテットに山下洋輔が参加。フリー・ジャズの創始者と日本のフリーを支えてきた男の邂逅です。周りを見ながらサイドマンに徹する山下洋輔のピアノは控えめだが実に印象的。このピアノが入るだけでステージ、そして会場の雰囲気がガラっと変わりました。オーネット御大もご機嫌。この日のハイライト。終了後は観客総立ちのスタンディング・オベーション。

「1960年代かな、当初はみんなに楽しんでもらいたくて始めたが、誰にも理解されなかったよ。」とオーネット本人は語っているが、当たり前だろう。今でも十分に先行ってるんだから。
by Blacksmoker | 2006-04-05 22:54 | ライブレポート
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