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PAUL SIMON [Surprise]

意外な伏兵(と言ったら失礼ですが・・・あくまで私的に)のアルバムにヤラれました。

PAUL SIMON [Surprise]_f0045842_6232215.jpgポール・サイモンの実に6年振りのソロ・アルバム「サプライズ」はタイトル通りの驚きの会心作!サイモン&ガーファンクルの再結成とかありましたが、最近はあまり目立った活躍のなかったポール・サイモン。しかしこれは彼の、1986年に南アフリカで録音された名作「Graceland」以来の傑作ですね。最近はコレばかり聴いています。

さてこのアルバム「サプライズ」ですが、もう一つのサプライズは何とブライアン・イーノ(下写真)が全面参加している事です。ポール・サイモンとイーノの組み合わせなんて誰が想像できたでしょうか。時代は変わるものですねぇ。当初はイーノがプロデュースとアナウンスされていましたが、プロデュースはサイモン本人で、イーノのクレジットはSonic Landscapeとなっている。Sonic Landscape =「音の風景」という粋なクレジットですが、それも結構言い当て妙な働きをイーノはしっかり果たしています(ちなみにミックスはチャド・ブレイクが担当)。ディPAUL SIMON [Surprise]_f0045842_6285441.jpgレイを効かせたギターの音色がU2エッジの出すあの独特の音色と同じで、あのU2の専売特許なサウンドはエッジというよりブライアン・イーノの創るサウンドだったんだと今さらながらに気付いた次第です。イーノの創る心地よいエレクトロニクスの海で、ポール・サイモンの陽性の優しい歌声が響きます。

そして、さすがあのボブ・ディランも一目置く存在のポール・サイモン(下写真)。アルバム全編に抜群のメロディ・センスが冴え渡っています。歌詞も非常にウィットに富んだ知的な表現が多くて面白いです。このアルバムはリリース前には「反戦アルバム」と言われていましたが、数曲は反戦の歌ですがあとは環境や人生の事を歌った内容になっていました。特にゲストのビル・フリーゼルが心の琴線に触れる情感溢れるギターを聴かせる「Everything About It Is A Love Song」での風景の描写力は素晴らしいです。「地球は青い そこに関わる全てのものがラブ・ソングになる」というロマンチック過ぎる歌詞が実に印象的です。
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ハービー・ハンコックのピアノが彩る「Wartime Prayers」も壮大なスケールで聴かせる感動的なゴスペル・ソング・ナンバーだ。最終曲の、娘に贈る「Father And Daughter」での“There could never be a father loved his daughter more than I love you”というフレーズは涙が出そうになります。インナースリーブで使われている写真も非常に綺麗で素敵です。

ちなみにこのアルバム、ビルボードTop200で初登場4位を記録!やはり根強い人気です。オフィシャル・サイトで視聴が可能(歌詞も載ってます)なのでチェックして下さい!
by Blacksmoker | 2006-06-01 07:12 | ROCK
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