WILLIE NELSON [Songbird]

アメリカ・カントリー界の生きる伝説ウィリー・ネルソン
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現在73歳にもかかわらず、老いてもなおその創作意欲は衰えを見せません。最近もマリファナ所持で逮捕されるなど、そのアウトローぶりも未だ健在です。

f0045842_2217638.jpg2006年は、女性カントリー・シンガーのシンディ・ウォーカーの曲を取り上げた素晴らしいカヴァー・アルバム「You Don’t Know Me: Songs Of Cindy Walker」をLost Highwayからリリースしたウィリー・ネルソンですが、何と今年になって2枚目となるアルバム「Songbird」が登場しました。

今回のアルバムの注目は何といってもライアン・アダムスとのコラボレート!前々から話題になっていたライアン・アダムスがプロデュースを手掛けたアルバムなのです。

f0045842_22225027.jpg弱冠31歳のライアン・アダムス(左写真)が72歳のウィリー・ネルソンをプロデュースするなんて信じ難い話だが、ライアンの才能に惚れ込んだウィリー・ネルソン直々の依頼だったという。気分屋であり昨年フジロックのステージを途中で投げ出して帰ってしまったこの世紀の問題児で、しかしながら世紀の大天才というこのライアン・アダムスとのコラボレートがどのようなアルバムを生み出すか非常に注目されていたが、予想以上の素晴らしい出来になりました。

まずウィリー・ネルソンのバックをガッチリ務めるのはライアン自身のバンド、ザ・カーディナルズ(下写真)。もちろんライアン本人もギターとベースを演奏している(歌での参加は一切なしでした)。ツワモノ揃いのザ・カーディナルズの余裕感たっぷりの演奏が「生きる伝説」を強力にサポートしている。
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作風で言うと昨年リリースされたライアン・アダムス&ザ・カーディナルズ名義での「Jacksonville City Nights」の延長線上にありますね。あのアルバムは現代版ザ・バーズSweetheart Of The Rodeo(ロデオの恋人)」ともいうべき素晴らしいカントリー・ロックの名盤でしたが、この「Songbird」もカントリー・ロックの系譜を受け継いでいる。余談だが、ザ・カーディナルスのギタリストであるニール・カサールは今年素晴らしいソロ・アルバムをリリースしたばかりで今年の年末には単独で来日してライブを行う予定ですので要注目です。

f0045842_22573071.jpgそして驚くべきはウィリー・ネルソン御大のその。ガマガエルを潰したようなガラガラ声のボブ・ディランと違ってかなりの若々しさなのです。もちろんザ・カーディナルズによる演奏なので、音はライアンの音そのものなのですが、ウィリー・ネルソンの若々しい勢いのある声が一瞬ライアン・アダムスの声と被ってしまうところもあって、本当にライアン・アダムスの新作のように思ってしまいます。ちなみにライアン・アダムス本人の方ですが2005年に3枚のアルバムをリリースしたのに続き、早くも2007年にまた3枚のアルバムをリリースする予定だというから驚きます。どんだけ凄いんだアンタ!

さてアルバムの内容ですがウィリーによる書き下ろし曲、そしてライアンによる書き下ろし曲に、カヴァーを含めた全11曲。カヴァーの方はグラム・パーソンズの「$100 Wedding」やレナード・コーエンの名曲「Hallelujah」、そしてグレイトフル・デッドのライブでもお馴染みジェリー・ガルシアの「Stella Blue」や、フリートウッド・マックの「Songbird」など多彩。ザ・カーディナルズの力強い演奏に引っ張られ御大もパワフルです。
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1曲目の「Rainy Day Blues」はヘッドフォンで聴かないと分からないくらいだがサイケデリックな音処理がなされています。全曲そうなのかと思いきやこの曲と「Stella Blue」くらいだけだし、ライアン君よく分かりません。最終曲はライアン・アダムスがアレンジした「Amazing Grace」のブルース・ヴァージョンで哀しく締める。

もはやこの歳で現役でやっているミュージシャンというのは昔の音楽を現代に伝える語り部の役割を担っているので、彼らの新作というのは(以前に紹介したランブリン・ジャック・エリオットジョニー・キャッシュ、そしてボブ・ディランなども同じで)、ほとんどがカヴァー曲や昔のブルーズを自身の音楽に取り入れた曲などで構成されているものばかりだが、このウィリー・ネルソンの新作もそこにあてはまります。しかしライアン・アダムス率いるザ・カーディナルズ全く古びたサウンドにしていないのが素晴らしい。
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これは生きる伝説による最新のカントリー・ロック・アルバム。必聴です。

ココで視聴も出来ますのでチェックして下さい。
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by Blacksmoker | 2006-11-27 00:04 | COUNTRY / BLUEGRASS
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