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THE ROOTS @ Blue Note Osaka 1/12(金) 2007

ザ・ルーツは「No.1 ヒップホップ・バンド」ではない。「No.1 ロック・バンド」だ。
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新作「Game Theory」(下写真)を引っさげての来日公演で分かった事は、ザ・ルーツはもはや最強のロック・バンドだという事。天下のDef Jamに移籍しての初アルバムとなる「Game Theory」もかなりジャズ色が希薄になり荒々しいロック色を前面に出した作品でしたが、今回のブルーノート公演でもそのバンドの変化が如実に分かる演奏でした。

THE ROOTS @ Blue Note Osaka 1/12(金) 2007_f0045842_2253353.jpgそれにしてもザ・ルーツがブルーノートでライブをするというのはもはや恒例になってきましたね。3年前にブルーノート大阪(移転前の)で観て以来のザ・ルーツのライブですが、ブルーノートという場所は彼らのライブを観るには絶好のハコだと思いますね。ライブ・バンドとしての実力をいかんなく発揮するザ・ルーツなので、音響もクラブに比べれば格段に良いし、ステージと客席の距離がほとんどない会場というのも客のヴァイブがすぐに伝わって爆発的な盛り上がりを見せるブルーノートというのは非常にマッチしている。

ただ惜しむべくはチケット代の高さと演奏時間の短さ。ライブ・バンドならではの演奏中に徐々にエンジンが掛かってくるようなステージはやはり2時間くらいの長さは必要だと思う。1日2セットというステージなので、やはり1回の演奏時間は短くなってしまいます(今回も1セット80分くらいでした)。1日1回の公演でいいので2時間はやって欲しいものです。あとあの会場の雰囲気とBボーイ達のミスマッチ感もいつもながら面白い。
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さてライブの方ですが、今回はヒューマン・ビートボクサーのスクラッチはツアーには不参加。彼は「Game Theory」にも参加していなかったので当然ですが、生でスクラッチ音やサンプリング音を声で出すあの脅威的なパフォーマンスを観た事があるので少し残念。ただ今回のライブはそれを補って余りある生々しいロックなパフォーマンスがかなり良かったですね。まずはギタリスト、カーク・ダグラスの激しいパフォーマンスに代表されるかなりロック・テイストが満載。ベースは物凄い低音を響かせてます。(余談ですが少し前に加入したキーボードのカマールジャングル・ブラザーズのマイクGにそっくりでした・・・。)

MCのブラックソートもステージ狭しと動き回り荒々しいラップを聞かせます。そしてやはりザ・ルーツの演奏の要はドラムのクエストラヴ!「音楽をやっているヤツであのドラムが欲しくないヤツなんているのか?」と言われるタイト極まりないクエストラヴ(下写真)のリズムがこの曲者揃いのメンツをしっかり纏めている。パーカッショニストがドラムと全く同じリズムを叩いており、音がかなりブ厚くヘヴィでタイト。
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アルバムのタイトル曲「Game Theory」でスタート。新作と前作「Tipping Point」を中心にしたセット。「Don’t Say Nuthin」「In The Music」「Don’t Feel Right」と続くかなりロックなパフォーマンスがかなり新鮮でしたね。「Love Of My Life」「The Next Movement」「Mellow My Man」「Double Trouble」などの以前のヒット曲なども挟みかなりの盛り上がり。ブラックソート(下写真)がJ.Dillaの遺作「The Shinning」に参加した曲「Love Movin’」のラップを少し披露していたのには少しグっと来ましたね。
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途中でレッド・ツェッペリン「Immigrant Song」のカヴァーも披露。ヴォーカル・パートはギターのカーク・ダグラスが歌っていました。今のロックなザ・ルーツにはこの選曲はかなりハマってましたね。

ロックなパフォーマンス中心でしたが、実はそれだけではないのもザ・ルーツの凄いところ。ファンカデリック以上にファンクだし、ツェッペリンよりロック、ジャジーな演奏もお手の物。こんな凄いバンドなんてそういるもんじゃないですね。そのスケールのデカさには驚きでした。

そしてハイライトは名曲「You Got Me」!いつになってもこの曲は色褪せません。エリカ・バドゥのパートを歌うのはまたもやギターのカーク。彼は今回大活躍でしたね。
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80分とかなり短いライブなのが実に残念でしたが(アンコールを呼ぶ拍手が鳴り止みませんでしたが)、ザ・ルーツの計り知れない実力を見せつけられたライブでした。このライブを観てから新作を聴き直すと、またかなり新たな魅力が発見出来ますね。

是非未聴の人はこの新作「Game Theory」を聴いてみて下さい。素晴らしい力作ですよ。
by Blacksmoker | 2007-01-20 00:02 | ライブレポート
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