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SOLOMON BURKE [King Solomon]

2007年は個人的に「Year Of The Soul」。今年はSoulを中心に掘っていこうと決心して早くも2ヶ月以上が経ちましたが、そろそろソウル・レコードを紹介していこうかと思います。

今回紹介するのはソウル界の巨人ソロモン・バーク

超大御所ですね。しかし超大御所と言われるSOLOMON BURKE [King Solomon]_f0045842_22141647.jpgわりに、なぜか日本ではウィルソン・ピケットオーティス・レディングらと違ってイマイチ人気が薄いような気がするんですよね。最近の作品は日本盤も出ていますが、昔の名盤ですら日本盤は未発売だったりするし。映画「Lightning In A Bottle」でのあの圧倒的な存在感や絶大な人気ぶりを観ると、やはり本国アメリカと日本ではかなり温度差のある人だと思います。そのソロモン・バークの1968年の名盤「King Solomon」を紹介します。

1940年にフィラデルフィアに生まれたソロモン・バークは9歳から、祖母の設立した教会の聖歌隊ソロイストを務め、12歳になる頃には既に歌手としてステージをこなしており、僅か14歳で初レコーディングという驚異の早熟ぶりを発揮、1960年に名門アトランティック・レコードと契約し数々のヒット曲を飛ばしていたそうです。一般的にソロモン・バークというと60年代が全盛期と言われていますが、この68年の「King Solomon」はその全盛期の1枚でもあります。(ちなみに映画「キング・ソロモンの秘宝」とは何の関係もありません。)
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まず1曲目It’s Been A Changeですが、これが予想を裏切るロックンロール・ナンバー。ジェリー・リー・ルイスらに代表される黒人ロックンロール。ソウルをふんだんに込めたドスの利いた声が激しくシャウトするナンバーです。

2曲目のTake Me(Just I Am)はアメリカ南部の香りのするゴスペル・ナンバー。この曲はシングル・ヒットを記録したナンバーだそうで、薄っすらと響くオルガンの音が良いですね。スロー・テンポだが後半に徐々に激しく歌い上かってくるソロモンの声と、それに寄り添うような女性ゴスペル聖歌隊のコーラスが胸を揺さ振る名曲です。

ソロモン・バークと聞くと「ソウルの巨人」という一般的なイメージがありますが、ソウルだけでなくロックンロールやゴスペルなどSOLOMON BURKE [King Solomon]_f0045842_2221887.jpg予想していたよりも遥かに幅の広い音楽を難なくこなします。そのジャンルを自由に横断する圧倒的なヴォーカルはまさしく彼が「キング」と呼ばれる所以。さすがというしかないですね。この頃はウィルソン・ピケットがメンフィスで録音した南部音楽をヒットさせていた時期で、ならってソロモン・バークも南部のミュージシャンとの録音を敢行している。よってNY録音でありながらアルバム全体的にホーン・セクションを使ったメンフィス風サウンドが漂っていますね。

ゴスペルからカントリー風バラード、軽快でキャッチーなサザンソウルなナンバーなど非常に多彩な曲が揃っていますが、この頃まだ28歳というソロモンの凄い声量のヴォーカルがホントに魅力的。この頃の録音機材では仕方がないが、ヴォーカルが凄くて少し音が割れてしまってる所もありますね。それくらいの迫力です。

現在、御歳67歳でも現役で活動するソロモン・バーク。その声はもはや円熟の極みとも言うべき圧倒的なヴォーカルですが、この若かりし頃のソロモン・バークの若々しい勢いのあるヴォーカルもまた素晴らしいです。
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日本では人気が薄いですが、是非ともこの「ソウルの巨人」の本物の歌声に耳を傾けてみてください。
by Blacksmoker | 2007-03-17 00:13 | R&B / SOUL
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