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SOLOMON BURKE [Nashville]

さて前回は「ソウル界の巨人ソロモン・バークの1968年のアルバム「King Solomon」を紹介しましたが、今回紹介するのはそのソロモン・バークの昨年出た最新作「Nashville」を紹介します。これが非常に良いのです。

SOLOMON BURKE [Nashville]_f0045842_23232432.jpg「King Solomon」の頃は28歳ですが、この2006年の「Nashville」の時にはソロモン翁も既に67歳!でもここ最近はアルバム出したり、ライブやったり、様々なアーティスト達と競演したりとかなり精力的な活動をしています。体がデカくなりすぎていて、杖をつきながらしか歩けないし、ライブでもイスに座ったままでしか歌えませんが、その圧倒的な歌声は全くもって健在です。

そんな御大が出したアルバムはその名もズバリ「ナッシュビル」。読んで字の如くソロモン・バークがテネシー州ナッシュビルに赴き、プロデューサーであるバディ・ミラーエミルー・ハリスのバンドのギタリストでもあり、ディキシー・チックスも手掛けてます。)と共に10日間で録音したカントリー・アルバムです。
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そして御大の為にナッシュビルに駆けつけた様々なカントリー系アーティスト達をゲストに迎え、そのアーティストが御大の為に書き下ろした新曲や、カヴァー曲も交えてセッションしたアルバムになっています。前回の「King Solomon」の所でも触れましたが、ソロモン・バークという人は昔からソウルという枠には収まりきらないヴォーカリストで、ゴスペルやカントリーもお手のものなので、この全編カントリーのアルバムも違和感など微塵もありません。

カントリー界というのはおそらく想像以SOLOMON BURKE [Nashville]_f0045842_23282683.jpg上の「タテ社会」かと思うので、御大の為に駆けつけたアーティストも非常に豪華なラインナップ。ドリー・パートンエミルー・ハリスという女性カントリー・シンガーの二大巨頭はもちろん、更にはベテランのギリアン・ウェルチ(左写真)やパティ・グリフィン、そしてパティ・ラヴレスも参加。各人がデュエット及びコーラスでガッチリと親分をサポートしています。まさしく万全の体制。ギリアン・ウェルチパティ・グリフィンは日本ではあまり馴染みが薄いですがアメリカでは絶大な支持のある実力派。彼女達のアルバムは素晴らしい作品ばかりですので一度は聴いてみて欲しいですね。

曲の方はほとんどが古いカントリーのクラシックのカヴァーですが、古すぎてよく知らない曲が多くてほとんど新曲に聴こえますね(ドリー・パートンTomorrow Is Foreverと、ブルース・スプリングスティーンAin’t Got Youくらいしか知りませんでした・・・)。ちなみにパティ・グリフィン(下写真右)は新作からのナンバーを御大とデュエットしています。
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さて御大のヴォーカルですが非常に「深い」。深みがあるという言い方も出来るが、業が深いと言った方が良いかもしれない。人生の酸い甘いを体験しきったような重みのあるズシンとした声が凄いですね。もちろん声にエコーかけたり、オーヴァーダブするような事は一切行っていないので、生々しさの塊のようなRAWな録音になっています。ソウル度たっぷりな声で歌われる哀しいカントリー・ソングには自然と涙が零れます。
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このアルバムは何年にも渡って愛聴盤になるでしょう。まだまだソロモン・バークには現役で作品を残して欲しいですね。
by Blacksmoker | 2007-03-20 00:12 | COUNTRY / BLUEGRASS
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