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LAURYN HILL @ Zepp Osaka 3/30(金) 2007

いやぁ、出てくるまで恐る恐るでしたよ。

何たってここ最近のローリン・ヒルという人物の話題は危なっかしいものばかり

LAURYN HILL @ Zepp Osaka 3/30(金) 2007_f0045842_020392.jpg精神的に不安定な事がありありと分かる言動が目立ってばかりで、ライブには余裕で2時間は遅刻、バックステージでも他の人達に自分を見ないように壁に向いて立つように命令したり、ワガママし放題。一時期のマイケル・ジャクソンアクセル・ローズのような奇行ぶりです。そんな彼女のステージは精彩を欠いたものが多く、かなり「危ない人」になってきてしまってます。2005年に出た待望のTHE FUGEESの再結成シングルTake It Easyもイマイチの出来でしたし・・・。正直期待よりも不安が大きかったですね。

そんなローリン・ヒルの8年振りの来日公演。

その初日、大阪公演の前日に行われた横浜公演でもまたローリンはやってくれたようです!

2時間30分遅刻!

何でも「衣装を迷っていた」という理由がアナウンスされていたそうですが、これは以前にも使った事のある理由ですよね。しかもあんまり機嫌も良くなくライブもイマイチだったらしいですねぇ。いやはや。
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そんなローリンの大阪公演ですが、結論から言うと大阪はご機嫌でした。本人も終始笑顔で一安心。

8年前に私も大阪城ホールで彼女のライブを観ましたが、今回のライブはもう全く別モノと言って良いほどでした。まずバンドですが2人のサックス、3人の女性シンガー、2人のパーカッショニストも含めて総勢13人(!)の大所帯。ドラマーだけ特別に、2メートル近い高さの台に観客を見下ろすように配置されていました。積み上げられたアンプがやたらステージ前方に配置され、楽器類やマイクスタンドも全体的に前の方に寄せられており、観客の方へ迫るような奇妙なステージ配置が新鮮です。

そのバンドがかなりのヘヴィ・ファンクをブチかまし、その爆音と共にサングラスにグリーンのコートにワンピースでキメたローリン・ヒルが登場。もう大歓声です。
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しょっぱなからドスの利いたアジテーションのようなガナるラップでLost Onesを披露。原曲と全くアレンジが違っていて音だけでは何の曲か分かりません。リリックでようやく何の曲か判断出来るくらいです。

このソウル/ファンク的なアレンジは数曲を除いてほとんどの曲に渡って施されており、まるでジェイムス・ブラウンとかアース・ウィンド&ファイアのような黒いファンク・グルーヴが渦巻いていましたね。ベースがブリブリの低音を利かせ、ローリンもまるでJBのように客を煽り立てます。声が昔と違って低くハスキーなかすれ声になっていて貫禄出まくり。なんかメイシー・グレイに近い声質ですね。

続くはボブ・マーリーNatty Dread!!しかも超ファスト。これも途中まで歌詞を聴かないと分からなかったLAURYN HILL @ Zepp Osaka 3/30(金) 2007_f0045842_0432162.jpgくらいです。ローリンはステージの上からドラムの音やコーラスの入り方まで細かく指図していましたね。最初の方はこんなアジテーションのようなテンションで捲くし立てられ続けてどうなるか不安に駆られましたが、どんどん進んで行くうちに演奏の幅がレゲエなどにも拡がっていき表情豊かなサウンドになっていきました。そうなるとローリン・ヒルの歌い方もどんどん表現豊かになってきて、歌い上げるナンバーも増えてきましたね。

途中で披露したTo Zionはまったくアレンジが違っててコーラスに入るまで正直気が付かなかったくらいの変貌振りにビックリ。この曲の途中では再びボブ・マーリーIron Lion Zionのフレーズ「Iron Like A Lion In Zion~♪」を導入したりしてましたね。そういやもう1曲ボブ・マーリーの後期のナンバーZimbabwe(マニアック!)の激速カヴァーもやってましたね(しかしジギー・マーリーと合せて今日一日で一体何曲ボブ・マーリーの曲を聴いた事か)。

あんまり曲順は定かではないですが、THE FUGEESの懐かしのナンバーHow Many MicsFu-Gee-La、そしてReady Or Notもバッチリ披露。会場も物凄い盛り上がりでしたね。
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そしてアルバム「The Miseducation Of Lauryn Hill」から感動的なEx-Factor。これは比較的原曲に近いカンジ。ベースラインがWU-TANG CLANCan It Be All So Simpleにそっくりです。同じネタ使いなのかな?そのベースラインも忠実に再現してましたね。この曲ではローリンの歌声もじっくり堪能出来ました。昔とは違いますがやはり独特の素晴らしい声をしています。

LAURYN HILL @ Zepp Osaka 3/30(金) 2007_f0045842_0463285.jpgさらには60年代に活躍したマーサ&ザ・ヴァンデラス(右写真)の名曲Heatwaveのアップテンポで派手なカヴァー、そしてそこからDoo Wap(That Thing)。会場の盛り上がりは最高潮でしたね。サックス隊と女性コーラスがいるので、この曲のサビに入る前のホーンのサウンドはかなり原曲通りに表現。これは燃えましたね~。

アンコールではギターの弾き語りも披露。拙いながらもフィンガーピッキングで演奏してました。ふと周辺を見回すと何人か感動して泣いている女性もちらほら・・・。そしてトドメのKilling Me Softlyに会場は大歓声に包まれました。これには思わず私も涙腺が・・・。そして最後はEverything Is Everything。堂々と歌い上げて笑顔で去っていきました。
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ローリンは終始ご機嫌で、予想以上に良いステージを見せてくれました。2時間弱の長いライブでしたが、時間を全く感じさせませんでしたね。機嫌が良くて助かりました。

今回のライブでは8年前よりも「音」を追求する姿勢がかなり前面に出ていましたね。そしてアーティスティックな側面がより際立っていました。THE FUGEESの再結成の話や、新作の話も未定ですが、まだまだローリンには素晴らしい作品を作ってもらわなければいけないですね。一日も早く一線に戻ってくるのを待っています。
by Blacksmoker | 2007-04-03 00:12 | ライブレポート
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