いやぁ、出てくるまで恐る恐るでしたよ。
何たってここ最近のローリン・ヒルという人物の話題は危なっかしいものばかり。 精神的に不安定な事がありありと分かる言動が目立ってばかりで、ライブには余裕で2時間は遅刻、バックステージでも他の人達に自分を見ないように壁に向いて立つように命令したり、ワガママし放題。一時期のマイケル・ジャクソンやアクセル・ローズのような奇行ぶりです。そんな彼女のステージは精彩を欠いたものが多く、かなり「危ない人」になってきてしまってます。2005年に出た待望のTHE FUGEESの再結成シングル「Take It Easy」もイマイチの出来でしたし・・・。正直期待よりも不安が大きかったですね。 そんなローリン・ヒルの8年振りの来日公演。 その初日、大阪公演の前日に行われた横浜公演でもまたローリンはやってくれたようです! 2時間30分遅刻! 何でも「衣装を迷っていた」という理由がアナウンスされていたそうですが、これは以前にも使った事のある理由ですよね。しかもあんまり機嫌も良くなくライブもイマイチだったらしいですねぇ。いやはや。 8年前に私も大阪城ホールで彼女のライブを観ましたが、今回のライブはもう全く別モノと言って良いほどでした。まずバンドですが2人のサックス、3人の女性シンガー、2人のパーカッショニストも含めて総勢13人(!)の大所帯。ドラマーだけ特別に、2メートル近い高さの台に観客を見下ろすように配置されていました。積み上げられたアンプがやたらステージ前方に配置され、楽器類やマイクスタンドも全体的に前の方に寄せられており、観客の方へ迫るような奇妙なステージ配置が新鮮です。 そのバンドがかなりのヘヴィ・ファンクをブチかまし、その爆音と共にサングラスにグリーンのコートにワンピースでキメたローリン・ヒルが登場。もう大歓声です。 このソウル/ファンク的なアレンジは数曲を除いてほとんどの曲に渡って施されており、まるでジェイムス・ブラウンとかアース・ウィンド&ファイアのような黒いファンク・グルーヴが渦巻いていましたね。ベースがブリブリの低音を利かせ、ローリンもまるでJBのように客を煽り立てます。声が昔と違って低くハスキーなかすれ声になっていて貫禄出まくり。なんかメイシー・グレイに近い声質ですね。 続くはボブ・マーリーの「Natty Dread」!!しかも超ファスト。これも途中まで歌詞を聴かないと分からなかったくらいです。ローリンはステージの上からドラムの音やコーラスの入り方まで細かく指図していましたね。最初の方はこんなアジテーションのようなテンションで捲くし立てられ続けてどうなるか不安に駆られましたが、どんどん進んで行くうちに演奏の幅がレゲエなどにも拡がっていき表情豊かなサウンドになっていきました。そうなるとローリン・ヒルの歌い方もどんどん表現豊かになってきて、歌い上げるナンバーも増えてきましたね。 途中で披露した「To Zion」はまったくアレンジが違っててコーラスに入るまで正直気が付かなかったくらいの変貌振りにビックリ。この曲の途中では再びボブ・マーリーの「Iron Lion Zion」のフレーズ「Iron Like A Lion In Zion~♪」を導入したりしてましたね。そういやもう1曲ボブ・マーリーの後期のナンバー「Zimbabwe」(マニアック!)の激速カヴァーもやってましたね(しかしジギー・マーリーと合せて今日一日で一体何曲ボブ・マーリーの曲を聴いた事か)。 あんまり曲順は定かではないですが、THE FUGEESの懐かしのナンバー「How Many Mics」や「Fu-Gee-La」、そして「Ready Or Not」もバッチリ披露。会場も物凄い盛り上がりでしたね。 さらには60年代に活躍したマーサ&ザ・ヴァンデラス(右写真)の名曲「Heatwave」のアップテンポで派手なカヴァー、そしてそこから「Doo Wap(That Thing)」。会場の盛り上がりは最高潮でしたね。サックス隊と女性コーラスがいるので、この曲のサビに入る前のホーンのサウンドはかなり原曲通りに表現。これは燃えましたね~。 アンコールではギターの弾き語りも披露。拙いながらもフィンガーピッキングで演奏してました。ふと周辺を見回すと何人か感動して泣いている女性もちらほら・・・。そしてトドメの「Killing Me Softly」に会場は大歓声に包まれました。これには思わず私も涙腺が・・・。そして最後は「Everything Is Everything」。堂々と歌い上げて笑顔で去っていきました。 今回のライブでは8年前よりも「音」を追求する姿勢がかなり前面に出ていましたね。そしてアーティスティックな側面がより際立っていました。THE FUGEESの再結成の話や、新作の話も未定ですが、まだまだローリンには素晴らしい作品を作ってもらわなければいけないですね。一日も早く一線に戻ってくるのを待っています。
by Blacksmoker
| 2007-04-03 00:12
| ライブレポート
|
by Blacksmoker カレンダー
ブログパーツ
ライフログ
最新のトラックバック
カテゴリ
全体 ライブレポート レゲエ馬鹿道場(VERSION) TECHNO HIP HOP JAZZ FOLK ROCK R&B / SOUL COUNTRY / BLUEGRASS アフリカ ブラジル ELECTRONICA DOOM NEW ORLEANS BLUES REGGAE METAL PSYCHEDELIC TRANCE 映画 サウンドトラック BRIAN ENO 金の亡者 「THE BLUES」 DVDシリーズ UK GARAGE / GRIME 極北 GOSPEL スペイン DRUM & BASS 2006年総括 2007年総括 2008年総括 2009年総括 2011年総括 2012年総括 2013年総括 2014年総括 2015年総括 2016年総括 2017年総括 2018年総括 2022年総括 2023年総括 告知 Live Shots お気に入りブログ
超ブルーグラス入門 Rhymes Of An... 聴くまで死ぬな、この曲を... SHOWCASE CATCH A FIRE ■□ between t... 雑派日誌 ~SHINGO☆西成~ ... coffee days/... 以前の記事
2023年 12月 2022年 12月 2018年 12月 2017年 12月 2016年 12月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 05月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 09月 2012年 05月 2011年 12月 2010年 08月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||