どの世界にも共通することだが、その時代に過小評価されてきたが後になってその功績が評価されることがある。特に分かりやすいのが音楽の世界で、アルバムが再発されると同時に一気に衆目を集め遅すぎる評価を受けるケースが多々あります。
今回紹介したいのがこのマージー・ジョセフの1972年のセルフ・タイトルのレコード。長年未CD化が続いていたらしく、2007年についに世界初のCD化となりソウル・ファンだけでなく、ポピュラー・ミュージックのファンの目にも触れるようになりました。そして今回私も初めてこのマージー・ジョセフの歌に触れることになりましたが、これがほんとに素晴らしいソウル・アルバム。時代が時代なだけに正当な評価されなかったらしいですが、今の時代なら必ず正当に評価されてしかるべきアルバムです。そして内容もさることながらこのジャケット!イイですね~。このスリー・ディグリーズばりのセクシーなマージー・ジョセフのショットにまずヤラれるでしょう。 このマージー・ジョセフはアレサ・フランクリンらと並ぶ70年代を代表するソウル・シンガーの一人。ミシシッピ州出身の彼女はニューオーリンズの大学に行き、カウンセラーの仕事もするほどの才人だったようですね。この時代に大学に行けるというのは、非常に裕福な家庭だったと思われます。しかし、その彼女も69年から71年の間に「ヴォルト」から2枚のアルバムをリリースしているが正当な評価がなされないままだったそうです。 そしてマージー・ジョセフが一番憧れていたアレサ・フランクリンと同じレーベルに入った事で、彼女はアレサが使っているミュージシャンをそのまま起用し録音しているのもポイントです。アレサのバックというとギタリストのコーネル・デュプリーやドラマーのバーナード・パーディなど凄腕プレイヤーばかり揃っているので演奏は素晴らしいです。当時のアトランティック・レーベル自体が南部録音のサウンドへ向かっていたこともあり、このマージーのアルバムもしっかりと南部のフレイヴァーが感じられますね。 アルバムの一番の注目はアル・グリーンのカヴァー「Let’s Stay Together」(左写真はこの曲が収録されている1972年のアルバム「Let's Stay Together」)。様々なミュージシャンがカヴァーしている名曲ですが、ソウル・ファンの間ではこのマージー・ジョセフのカヴァーが最も素晴らしいと言われています。原曲よりもピアノと前面に出し、途中でサックスなどを挿入し盛り上げる演奏に、張りのある伸びやかなマージーの声が素晴らしく、終盤のシャウトも堂々たる迫力です。 この他の曲も僅かに香るサザン・ソウル、適度な都会性という絶妙な演奏陣に負けず見事な歌唱力で熱く歌いまくるマージー・ジョセフのヴォーカルが気持ち良い仕上がりです。 しかしこのアルバムは前述の「Let’s Stay Together」がチャートの43位に昇った以外は大したヒットを生まずに終わったそうです・・・。しかし!改めて今の時代に蘇ったこのアルバムを聴くとなぜヒットしなかったのかと思う程の素晴らしい出来です。時代が時代なら売れていたに違いない。なので非常に運の悪かった1枚とも言える。しかし、この初CD化で新たにこの時代の彼女の魅力を堪能してもらえる事だろう。
by Blacksmoker
| 2007-04-26 00:41
| R&B / SOUL
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