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マリーザ・モンチ来日記念! 特別企画:第2弾


さてあと約2週間後に迫ってきましたマリーザ・モンチの来日公演
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今回の来日は2006年にリリースされた2枚の新作アルバム「Infinito Particular(私の中の無限)」と「Universo ao meu redor(私のまわりの宇宙)」のツアーなので、この2枚のアルバムからの楽曲が中心となって披露されますが、各国での今ツアーのセットリストを見てみるとこの2枚のアルバム以外にもたくさんの曲が披露されています。その中で目を引くのが「トリバリスタス」のアルバムからの曲が多い事です。

今回紹介するこのトリバリスタスというのは、マリーザ・モンチのキャリアの中でもかなり重要なポジションを占めるプロジェクト(バンド)です。

2003年に結成されたこのバンドのメンバーは以下の通り。

マリーザ・モンチ
カルリーニョス・ブラウン
アルナルド・アントュネス

このブラジルを代表する個性派の3人によって結成されたこのトリバリスタスですが、一見意外な組み合わせのようでいて、実は至極当然な成り行きで結成されている。
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何たってアルナルド・アントュネスマリーザの91年の2ndアルバム「マイス」の時点で既に参加しているし、カルリーニョス・ブラウンの99年の2ndアルバム「オムレツ・マン」はマリーザがプロデュースしている。そしてアルナルドの2001年のアルバム「パラデイロ」は今度はカルリーニョスがプロデュース。その他にも彼らの共演・共作など数えたらキリがないくらい多い。ブラジル音楽界というのはどこかで誰かが繋がっている。どんなところにも必ず顔を出すカエターノ・ヴェローゾしかりである。

マリーザ・モンチ来日記念! 特別企画:第2弾_f0045842_22561024.jpgそんな人気・実力共に申し分のない3人が結成した超話題のこのバンドなので、やはりブラジル本国、それだけでなく世界各国でも大ヒットを記録。ブラジルではチャート・バスターな大ヒット・アルバムにもなりました。

このアルバム「トリバリスタス」(右写真)、世界中で大ヒットしチャートを賑わせたアルバムという事なので、未聴の人は果たしてどんなに派手で凄いアルバムなんだろうかと想像するでしょうが、実はこれが肩透かしを喰らうほど落ち着いた大人のアルバムなんです。私もこのアルバムが出た当時はカルリーニョスが暴れ回り、マリーザが弾けまくっているようなアルバムをイメージしていたので、その落ち着いたアルバム全体の印象に正直驚きでしたが、じっくり聴いてみるとこのアルバムの尋常ならざる完成度に舌を巻きました。アコースティックな音色を中心に、落ち着いていて、ある種地味でいて実はもの凄い凝った作りになっています。

やはりこのトリバリスタスの真の要はアルナルド・アントュネスだろう。2006年のソロ・アルバム「クアルケール」も完マリーザ・モンチ来日記念! 特別企画:第2弾_f0045842_230137.jpg成度の高い絶品のアルバムでしたが、トリバリスタスの根底、つまりリラックスしていながらもめちゃくちゃ緻密なつくりになっているこのアルバムのサウンドを支えているのがこの男であることに間違いはないだろう。歌詞も手掛け、他の楽器も操る鬼才ですが、何たってボトムの低いバリトン系の声が素晴らしい。そして文学的で非常に表現力豊かな歌詞も素晴らしいですよ。(カルリーニョス・ブラウンがやや控えめな感じがしますが)

さらにこの3人以外にもこのトリバリスタスを支える2人のミュージシャンがいます。1人は前回紹介したノヴォス・バイアーノスからダヂ(右写真)。もマリーザ・モンチ来日記念! 特別企画:第2弾_f0045842_23357100.jpgはや今のマリーザにはなくてはならない存在ですね。そしてもう1人はバイーア出身のセーザル・メンデス。この2人の働きが随所に光っている。ダヂの演奏する不思議なヴィオラォン、そしてセーザル・メンデスの弾くガット・ギターのアコースティックな響きがとても心地よいです。ちなみにダヂは様々な楽器を演奏しているが本業であるベースは一切演奏していないのが面白い。このセッションがいかにリラックスした雰囲気だったが想像出来ますね。マリーザいわくこの2人もトリバリスタスの一員との事。

さて、このアルバムの中で私の一番のお気に入りはPassマリーザ・モンチ来日記念! 特別企画:第2弾_f0045842_238958.jpge Em Casa(家においでよ)。この曲は今回のツアーでも披露されていますが、バイーアの女性シンガー、マルガレッチ・メネーデスを迎えたアルバム中一番ポップでダンサブルな名曲。アルナルドのクールな語りのようなヴォーカルにキャッチーな女性コーラスが絡み、カルリーニョス・ブラウン(左写真)の出す様々な効果音も耳を引き、とても良いアクセントになっている。そしてマリーザの吹くハーモニカが素晴らしい!

全体的にとても落ち着いたアルバムですが、非常に聴き応えのある素敵なアルバムでもあります。流行り廃りの波に一切左右されない音楽ですね。マリーザ・モンチのキャリアにとっても非常に意義のあるバンドでありますが、ブラジル音楽ファンにとっても同時に重要なアルバムです。
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是非マリーザのアルバムと同様に、このトリバリスタスもチェックしてみましょう。
by Blacksmoker | 2007-05-17 00:28 | ブラジル
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