BONE THUGS-N-HARMONY [Strength & Royalty]

とうとう3人組になっちゃいましたね~。

f0045842_23115350.jpgオハイオ州クリーヴランド出身の孤高のラップ・グループ、ボーン・サグスン・ハーモニー。兄弟や従兄弟を中心に結成された5人組だった彼らですが、1994年の1stアルバムのリリースと同時にメンバーのフレッシュン・ボーンが脱退。そしてもう一人のメンバーである問題児ビジー・ボーンも離脱→復帰→逃亡→ソロ活動→服役などを繰り返した末、遂に正式に離脱(クビ?)し、遂に3人組となってしまいました。しかし、この新作「Strength & Royalty」の出来はボーン・サグスン・ハーモニー史上最高の1枚と言ってよいだろう。個人的に大好きな1997年の2枚組の大作「The Art Of War」と並ぶ傑作です。

本国アメリカでは絶大な人気を誇り超ビッグな存在であるボーン・サグスン・ハーモニーですが(この新作もビルボード・チャート初登場2位を記録!)、いまいち日本ではその知名度は低い。いや低いというレベルではなく全くの無名だ。彼らの事を好きになってもう10年以上が経つが、この間私の周りで彼らの事を好きな人になんてお目に掛かった事がない。
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まあその理由も分からないでもない。まず第一に名前が憶えにくい。長い名前もさることながら、メンバーの名前も「○○○・ボーン」で統一されてて誰が誰やら分かり辛い。第二にメンバー全員が何言ってるか分からない程の変態的超高速ラップをハモリまくる歌い方。この二つが主な原因だ(他にも分析すると要因はたくさんあるだろうが、上記の二つが占める割合は非常に高いと思う)。だが良く考えてみたら、名前が覚えにくいアーティストでも人気のあるアーティストだって普通にいる。Sa-Ra Creative PartnersだってThree 6 MafiaだってChamillionaireだって、かなり覚えにくい名前だが、まだボーン・サグスン・ハーモニーよりは日本では知名度が上だ。超高速ラップだって、トゥイスタリュダクリスバスタ・ライムスだって正直早口過ぎて何言ってるか分からんし。やはり何か他に要因があるんでしょうかね。皆目見当が付きません。

そんな超ビッグ・ネームでありながら日本では無視され続ける彼らが、日本で認知度を上げる最後のチャンスとなるであろうアルバムがこの新作「Strength & Royalty」だ。とにかく素晴らしい力作。これがスルーされるなら、もうボーン・サグスン・ハーモニーが日本で認められるようになる事は永遠にないでしょう。
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まず今作だが何とSwizz Beatzのレーベル「Full Surfice」からのリリース。一時期のスランプに「トライトンのサンプラーのプリセット音を使い果たした」と揶揄されてたりしたSwizz Beatzだが、今やトップ・プロデューサーに返り咲き。昨年のバスタ・ライムスNew York Shitを始めとして膨大な数のクラシックを生み出す大ヒット請負人。その彼がボーン・サグスと組んだのは非常に意外。しかもボーン・サグスに対する敬意の表れか、実はSwizz Beatzは1曲だけしか手掛けていない。その曲Candy PaintはいかにもSwizz Beatzらしいド派手な掛け声系バウンス・トラック。そこにボーン・サグスの超早口フローが畳み掛けるヒット・ポテンシャルの高い1曲です。

しかし今回のアルバムの特徴は非常に外向きだ。今まで彼らの音はDJ U-NEEKという人物がほとんどを手掛けていた(この男は、いまだに顔も詳しい経歴も全く謎)。そのDJ U-NEEKが一切参加していない。変わりに迎えられたプロダクション陣が超豪華!Swizz BeatzAkonJermaine DupriWill.I.AmToompNeo Da Matrixなど尋常じゃない顔ブレ。そしてゲストにはマライア・キャリーAkonトゥイスタザ・ゲームバウ・ワウ、そしてゴスペル界からヨランダ・アダムスとこれまた凄い顔ブレです。

1曲目Flowmotionからジグソーの超有名ネタ、ミル・マスカラスの入場テーマとしても有名な曲Sky Highの上で超早口な変態的フローを展開するボーン・サグスに驚きます。クレイジー・ボーン(左写真)もかなり頑張っていますね。その後も今までになく派手なトラックを乗りこなす姿に新鮮味を感じます。ただf0045842_23184528.jpgやはりボーン・サグスの真骨頂はThe CrossroadsIf I Could Teach The Worldなどのメロウ・バラードです。彼らはやはり美しいスロウなトラックが素晴らしい。そんな意味ではファースト・シングルになったAkonがフックを歌うメロウで美しいI Triedが抜きん出て素晴らしい!その他にもメロウでキャッチーなトラックに女性コーラスが耳を引くポップなSo Good So Rightなどもヒット・ポテンシャルは非常に高いでしょう。

マライア・キャリーにフックを歌わせた豪華なLil Loveザ・ゲームWill I.Am.が参加したストリートなハードな上がりなStreets、早口ラップ対決のようなトゥイスタを迎えたミッド・ウェスト賛歌C-Town、そしてゴスペル界から何とヨランダ・アダムスが登場した異色のOrder My Stepsなど話題満載の曲ばかりです!


高音で変態的に早いラップを披露すf0045842_23363653.jpgビジー・ボーンが不在なのは残念だが、その分他のメンバーの頑張りが非常に目立っています。特にビジーがいなくなった為に一番高音を担当する事になったレイジー・ボーン(右写真)が良い働きをしています。低音域のウィッシュ・ボーンクレイジー・ボーンの2人との対比がはっきりしたように思えます。3人になったことで一人一人にスポットが当たるようになったので、今まで誰が誰やら分からなかった人でも今回のアルバムでやっとメンバーの声と名前が一致するんじゃないでしょうかね。

ボーン・サグス史上最もコマーシャルな傑作アルバム。是非、なんとか、どうにか、聴いてみて欲しいです!

そしてSo Good, So Rightの中のリリックでレイジー・ボーンが「俺たちはビジーがいたからこそなんだ オレは叫んでる ビジーどこへいっちまったんだ ムショのフレッシュン・ボーンにも愛を捧げるぜ」と言っているように、いつの日か5人のメンバーが再集結してくれる事を願いますよ。
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(個人的に一番のお気に入り曲If I Could Teach The World(1997)のPVはコチラ。無駄に金掛かってて凄いです。ストーリーも意味不明!チェック!当時メンバーだったビジー・ボーンはこのPVの撮影をバックレたそうで、彼のパートは声だけ聞こえるだけになってますが・・・。)
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by Blacksmoker | 2007-06-05 00:25 | HIP HOP
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