QUEENS OF THE STONE AGE [Era Vulgaris]


ストーナー・ロック」― Stoneした(ラリった)ロック、トリップしたロック。この言葉は便宜上よく使われるが、これらにカテゴライズされるであろう多くのバンド達はこの言葉を好んではいないようだ。ではここで新たに命名しよう。「マリファナ・メタル」。これならどうだ!文句無いだろ?むしろ本望じゃないか?

f0045842_1191617.jpgさて前置きはこの辺にしておいて、そんなトリップしまくったマリファナ・メタル・バンドの中で最も成功したバンド、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ。クサの臭いを撒き散らしながら、荒廃した砂漠を爆走する異能のロックンロール・トリップ軍団による2年振りとなる新作「Era Vulgaris」がリリースされました。これが右脳と左脳を両方を宇宙の彼方にぶっ飛ばすような痙攣系ギター・リフが神経系を刺激する最高にヤバいアルバムです!

2000年に結成されたこのクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ。中心人物のジョッシュ・オムこそは健在だが、その他のメンバーは常に流動的。ジョッシュ自身もあまりそのバンドの形態にこだわっていない様子で、いろんな一癖も二癖もある人間が出たり入ったりという一種のコミュニティーのような形態をしている。
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中でも有名なのは元Screaming Treesのヴォーカリスト、マーク・ラネガントム・ウェイツニック・ケイヴにも通じるかなりディープでロウなハスキー・ヴォイスのこの男も、正式メンバーではないが頻繁にクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのアルバムにも顔を出しています(初来日公演にも帯同していましたね)。そしてあまりの素行の悪さからクビになっf0045842_11331013.jpgてしまいましたが、一番人気が高かったのがニック・オリヴェリ。スキンヘッド&アゴ髭&タトゥーのワイルド極まりない風貌で、素行も超ワイルドなこの問題児ニック・オリヴェリはヴォーカリスト&ベーシストとしてクイーンズにおいてジョッシュとの2枚看板として大きな人気を誇っていました。そしてFoo Fightersデイヴ・グロール(左写真)もその1人。2000年「Songs For The Deaf」においてドラマーとして参加し、グルーヴィー極まりない最強のドラミングでクイーンズのサウンドを更に強靭なものにしたデイヴもクイーンズ・コミュニティの1人だ(クイーンズの人気がメジャーなものになったのもデイヴ・グロールの人気に依るところも多かったかと思います)。

さて2000年のブレイク作の2nd「Rated R」、そしてメジャー・フィールドでの人気も獲得した2002年の3rd「Songs For The Deaf」、そしてビルボード初登場5位を記録した2005年の4th「Lullabies To Paralize」に続くこの5th「Era Vulgaris」。今回のアルバムの固定メンバーは、前作より参加しているギタリストのトロイと、ドラマーのジョーイ・カスティロ、そしてジョッシュの3人。
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だからなのかどうか分かりませんが、冒頭の3曲はドラムの音がスッカスカ!打ち込みかと思う程の単調なリズムに驚きますが、ギターに関しては、今まで以上に凝りまくった音で、分厚いリフが強烈です。元々ドゥーム・ロックの神と崇められたKyussのギタリストとして強烈過ぎるギターリフを繰り出してきたジョッシュ・オム(下写真)。
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ギターリフ・マスターとして、このクイーンズでも、その才能は爆発していますが、今回のアルバム「Era Vulgaris」でのギターは、より神経に突き刺さるようなクランチーで、エッジの立ったサウンドとそのギター音が重なり合った音圧で脳内トリップを誘発する。リフの重さはまさしくBLACK SABBATH直系だが、80年代パンク/ハードコアの爆走感も備えた無敵のギターリフはカッコ良すぎです。特に1stシングルになっているSick, Sick,Sickなんて、確実にクイーンズの代表曲になるであろう凶暴なギターリフで押しまくる極上の爆走チューンです(ちなみにこの曲にはストロークスジュリアン・カサブランカスが参加しています)。
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そしてもう一つのクイーンズの特徴でもあるそのヴォーカル・スタイル。この手のバンドといえば必ずスクリームか怒号のような咆哮なヴォーカル・スタイルなのですが、ジョッシュのヴォーカルはめちゃくちゃフリーキー。高音域のファルセットも織り交ぜ、地声で喋るように歌う独特なヴォーカル・スタイルはやる気があるのかないのか分からないフリーキーさ(おそらくあるのでしょうが)は、今回のアルバムでも健在です。

f0045842_1211797.jpg4曲目以降はドラムも多彩になり、ミドルテンポな曲から爆走チューン、そして変化球的なポップ・ソングまで、かなりヴァリエーション豊かな楽曲が並ぶが、ギターの音がやはり凄い。ほとんどの曲においてブーストしまくったギター音が3~4本くらいは重ねられていて、その割れまくった残響音がかなりサイケデリックです。アルバム・ジャケットに「You have MONO」という表記があるんですが、これってモノラル・サウンドなんでしょうかね?全然そんな感じがしないです。確かにアナログ盤で聴きたい音ではありますね。ジャケットもアナログ盤を意識した作りになっていますね。カッコイイです。

Misfit LoveBattery Acid3’s & 7’sRiver In The RoadRun, Pig, Runなどはマジでクイーンズの真骨頂ともいうべき爆走サイケデリック・トリップ・サウンドで必聴です。
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人気的にもピークだった3rd「Songs For The Deaf」以降、このクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジはよりアンダーグラウンドに、そして音楽的にはより過激な方へ向かっているような気がします。そしてよりラウドに、そしてよりシンプルになった神経系を刺激する痙攣ギター・リフは過去最強です。是非良い子はチェックして下さい。
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by Blacksmoker | 2007-09-24 00:13 | METAL
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