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RICKIE-G [am8:59]


この男の声を初めて聴いたのは、2006年にリリースされたMighty Crownのレーベル「Life Style Records」によるコンピレーション「Life Style records Compilation Vol.2」の中に入っていたTonightという曲。この曲でFire BallのシンガーCrissと共演して、その美声を披露していました。

そしてこの男を初めて観たのは、レゲエのビッグ・イベント「Soul Rebel」。ダンスホール・レゲエのアーティストが大多数を占めるこのイベントにおいて1人ヒッピーの風貌で登場。彼が歌い始めた瞬間から会場の空気が変わりました。この男の優しく伸びやかな歌声が会場の空気を一気にレイドバックさせていたのは印象的でしたね。

RICKIE-G [am8:59] _f0045842_235958.jpg2006年に1stミニアルバム「Life Is Wonderful」をリリースし、ロング・セールスを記録した神奈川出身のレゲエ・シンガー、RICKIE-G。その後、数々のレゲエ・フェスやイベントに参加し、その名を広めてきた彼の満を持しての1stアルバム「am8:59」。これほどストレートで真摯なメッセージとサウンドの詰まったアルバムは聴いていて清々しい。Blacksmokerにとって生涯付き合っていくことになるアルバムになりそうです。

2007年にリリースされた逃避行ラヴソウルという2枚のシングルでもその片鱗は見せていましたが、このアルバムは現時点でのRICKIE-Gのまさしく集大成とも言える内容。ソウルフルで伸びやかなその声は人生においての調和を歌う。レゲエという枠を越えて幅広い層にアピール出来る魅力を備えています。スピナビルにも似たオリジナルな声ですね。
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シングルではまだまだ伝えきれていなかった、R&Bやソウルの要素も含んだRICKIE-Gの音楽性の広さがこのアルバムではしっかり表現されています。レゲエ・シンガーというだけでなくソウル・シンガーとして認識されるべき存在です。ちなみにアルバム・タイトルになっている「am8:59」というのは彼の生まれた時間だそうです。
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基本的には生バンドを主体としたサウンドになっていて、以前にリリースされていたシングル曲もアレンジし直されて再録されている。アコースティック・ギターと歌のみで始まるソウルっぽいEverybody Needs Love And Harmonyから、ルーツ・レゲエ色の濃いメッセージ・ソングLife Is Wonderful、そしてFire BallChosen Leeを迎えピリっと利いたリリックで平和を訴えるNo Peace No Lifeという冒頭3曲の流れで一気に引き込まれるでしょう。アコースティックに始まるナイヤビンギ調のBorn Again、もろR&Bなスターオアダストなどそのバラエティはとても豊か。
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個人的に最も好きなのは終盤のam8:59。自分の人生を振り返り、歌い手としての自分のこれからの人生への希望を歌う曲であり、またラブ・ソングでもあるこの曲。やさしく歌われるアコースティック・ナンバーに不覚にも涙してしまいましたね。RICKIE-Gの歌に宿る意志や精神は日本語という媒体を介してストレートに我々の心に届きます。
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レゲエというジャンルからスタートしたRICKIE-Gだが、このアルバムを聴くと全くその枠に収まっていない事が分かります。一言「Good Music」という言葉がピッタリ。そんな素晴らしいアーティスト。是非とも聴いてみて下さい。
by Blacksmoker | 2008-04-13 01:56 | REGGAE
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