EXTREME THE DOJO VOL.20 [出演:AT THE GATES, DILLINGER ESCAPE PLAN, MAYHEM] @難波Hatch 5/8(木) 2008


もはやBlacksmokerのライフワーク・イベントとも言える「Extreme The Dojo」シリーズ。

参戦率8割を超えるイベントですが、初めて参戦したのが2002年にEyehategodSoilent Greenが登場した「Vol.2」ですから、今年で早くも6年になります。2004年には開催10回目を記念したイベント(ヘッドライナーはAnthraxでした)が行われましたが、今回は20回目を記念したスペシャル・イベントです。

会場に着くと既にInto Eternityというバンドは終わっており、Pig Destroyerが演奏中。このPig Destroyerは観るのは2度目だが、相変わらずグラインド指数が異常に高い!
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Anal Cuntスコット・ハルによる12弦ギターから繰り出される超絶なスラッシュ・リフも強烈だが、やはりドラムのブラストビートの凄さには圧倒されます。SE担当もいてノイズまみれな素晴らしいグラインド・コアを炸裂させていましたが、そんな彼らが1000人は入るであろうデカいホールの会場で演奏しているのが面白かったですね。違和感ありすぎ。そして、あまりの超絶なスピードに観客も完璧に置いてけぼり。最高でしたね。

続いては今回、Blacksmokerの一番楽しみにしていたバンド、Mayhemの登場。
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90年前半に教会放火や殺人などの残虐な悪行で世界を震撼させた北欧ブラックメタル・シーン。そしてその中でブラックメタルに燦然と輝く最高傑作「De Mysteriis Dom Sathanas」(右写真)を創り上げf0045842_236843.jpgMayhem。その狂気を孕んだ時代の空気を凝縮したようなアルバムは、前任ヴォーカリストがショットガンで頭ぶち抜いて自殺、ギタリストのユーロニモスがナイフでメッタ刺しにされ殺害(しかも何とこのアルバムでベースを弾いているカウント・グリシュナックユーロニモスを殺害した張本人!)という、とんでもない話題性でもって今や伝説となっていますが、後続まで影響を与えることになるその残虐な音楽性も唯一無二のアルバムです。

そのMayhemが遂に初来日。伝説のEmperorのメンバーが結成したZyklonなど数々のブラックメタル・バンドが来日する中で、最後の大物ともいえるMayhemが遂に日本の地を踏むという、これはある意味「事件」なのです。

2007年に、「De Mysteriis Dom Sathanas」でヴォーカルをとっていた奇才アッティラ・シハー(左写真)がf0045842_239823.jpg復帰したアルバム「Ordo Ad Chao」をリリースしいまだにその影響力は絶大なこのMayhemアッティラ・シハーは、昨年日本を震撼させたSunn O)))の伝説の来日公演に参加しその呪術的なヴォーカルで観る者を震え上がらせたわけですが、そのアッティラをフロントに据え、ドラムには名盤「De Mysteriis Dom Sathanas」でドラムを叩いていたヘルハマー、そしてユーロニモス殺害事件後に加入したギタリストのブラスフェイマー、そしてベーシストのネクロブッチャー(初期Mayhemのメンバーで事件後に再加入)というメンバー構成。もうこの時点で「凄い」わけですがステージはさらに凄かったです。

まずはステージ中央には祭壇のようなものが置かれており、その祭壇には本物の豚の頭と足、そして地球儀、さらに2本の蝋燭が置かれ黒魔術的な異様な雰囲気を出している。そして薄暗い照明の中、遂にMayhem登場。
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最新作「Ordo Ad Chao」よりWalls Of Waterで幕を開けたステージ。既にスタンバイしたメンバーの中で一番最後にステージに現れたブラックメタル界でも唯一無二の奇才アッティラ。毎回異様で奇抜な衣装を身に纏い登場するわけですが(衣装というより特殊メイク)、今回は真っ白な作業着の衣装でエプロンをつけまるで料理人のような格好をして、顔にはゾンビのような特殊メイク!もう異常な存在感です。
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そしてそのヴォーカルは従来のブラックメタルを超越しています。Sunn O)))の来日公演でも披露したそのヴォーカルはやっぱり凄い。凄いというは怖い。オペラ的な声、地の底で蠢くような呻き声、狂気に満ちた咆哮など使い分けるその表現力はハンパじゃない。

そして、もう「要塞」とも言うべきドラムセットに囲まれたヘルハマーのドラムも常軌を逸しているとしか言いようのない壮絶さ。何なんだこの凄さは!そして全く動くことなく黙々とギターとベースを演奏するブラスフェイマーネクロブッチャー。動かないながらも出す音は邪悪そのもの。ちなみに1995年にヘヴィ・メタルを考察したドキュメンタリー映画「メタル:ヘッドバンガーズ・ジャーニー」の中に、このブラスフェイマーネクロブッチャーの2人のインタヴューが収録されていますが、最初から最後まで「Fuck You!」としか言っていない壮絶なインタヴューで必見です!
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選曲は最新作「Ordo Ad Chao」を中心に過去の代表曲をバランスよく配置。最新作でのスローパートも存分に盛り込んだ展開のある曲がカッコイイ。アッティラはナイフを振り回したり、奇怪な動きで、どんどんその異様な存在感を増していきます。豚の頭にナイフを突きたて、地球儀にワインをかけ、その宗教的儀式とも言えるパフォーマンスに目が釘付けになります。もの凄いおどろしい声で「オオサカ~」とか「アリガト~」とか言うアッティラには笑えましたね。
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後半になりアッティラのコールによりFreezing Moonが遂にドロップ。名盤「De Mysteriis Dom Sathanas」に収録されているブラックメタル屈指の超名曲!!震え上がりました。会場からの歓声もハンパなし。面白かったのは、ブラックメタルというものは、残虐性を際立たせるためにわざと音質を悪くしたサウンドにしているのですが(8トラックでのレコーディングなら「やりすぎ」らしい)、ライブでは逆に音の分離が良すぎてハイクオリティなサウンドになっていてそれがとても新鮮でしたね。しかもそういうハイクオリティなサウンドになることでより曲の凄さが際立っていましたね。
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最後はPure Fucking Armagedonアッティラも祭壇を破壊して、大盛り上がり。最後の大物Mayhemの初来日は観る者に最大級のインパクトを去っていきましたね。ブラックメタル界のレジェンドの噂通りのハンパない壮絶なステージング。完全に捻じ伏せられました。

さて次はカオティック・コアのキングDillinger Escape Plan
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新作「Ire Works」も好調な彼らですが彼らのライヴは3回目。正直言うとBlacksmokerDillinger Escape Planの初代ヴォーカリストのディミトリがいた頃のライヴの凄さを体感しているので、今のヴォーカリストのグレッグにはかなりの物足りなさを感じていたのですが(もちろんグレッグも凄いんですが、ディミトリの方が数倍狂ってます)、今回のステージではなかなかグレッグの堂々たるステージングも貫禄が出てきて見直しました。
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しかし毎回思うんですがコイツラの演奏はありえない!あんなテクニカルな演奏なのにギタリストはギターはブンブン振り回しすぎ!他のメンバーも暴れまくりで凄い。なんであんなに大暴れしているのに、こんな高度な演奏が出来るのかが分かりません。
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海兵隊あがりのような筋骨隆々のグレッグTestamentのTシャツもナイス!)はアンプをステージ前に引っ張り出してきてその上に乗って客を煽動。早くもフロアにはモッシュピットが出現。その後も客席にダイブかましたり最高すぎるアクションでガッチリと客をロックしてました。まさしくカオティック!

そしてヘッドライナーにはAt The Gatesが登場。
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1995年にメロディック・デスメタルの名盤中の名盤「Slaughter Of The Soul」(右写真)をリリースし翌96年に解散、その後このアルバムは数多くのフォロアーを生み出したスウェーデンのデスメタル界のカリスマ的存在At The Gates。先日スウェーデンの音楽専門誌「Close-Up」が1991年以降にf0045842_23263441.gifリリースされたメタル、ハード・ロック、ハードコア、パンクの中で最も優れたアルバムを100枚選ぶという企画を行ったところ、第1位が何とこのAt The Gates「Slaughter Of The Soul」でした(ちなみに2位がMetallicaの「Metallica」で、3位がPantera「Vulgar Display Of Power」)。正直言うと私自身このアルバムにはそこまで入れ込んでなかったんですが、このアルバムにそこまで影響力があるとは私も想像出来ませんでしたね。確かにKillswitch Engageとか、In Flamesとか、Shadows Fallとか明らかにAt The Gatesのフォロアーだろうバンドを数々生み出した功績は大きいです。

さてそんなAt The Gatesが2008年に一時的に再結成。その再結成初のライブがこの日本公演というから会場の気合いや熱気もハンパない。凄い歓声を受けてAt The Gatesのメンバーが登場。
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ボーカルはどこかで観たことあるなぁと思ったら、2002年の「Extreme The Dojo Vol.4」に登場したバンドLock UpNapalm Deathシェーン・エンバリーと故ジェシー・ピンタードによるプロジェクト)のボーカリストとして来日していた人でした。

一発目からいきなり名曲Slaughter Of The Soul!もう会場が爆発したといっても言い盛り上がり。
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その後もこのアルバムからのナンバーの応酬。ビシビシ決まる演奏が異常なほどのカタルシスを生み出します。いちいちキレの鋭いスラッシーなツイン・ギターやタイトなドラミングにもうアドレナリンが出まくり。Suicide NationNeedなど久しぶりに聴きましたが今でも十分に通用する殺傷力を持っています。
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アンコールは名曲中の名曲Blinded By Fear。さすがこの名曲の破壊力は凄かったですね。モッシュも激しくなりクラウド・サーファーが続出。当初この曲が聴ければもう十分だと思ってましたが、他の曲も圧倒的な演奏力の凄さで完全に捻じ伏せられたと言っても良いでしょう。参りました。

今回の「Vol.20」はお祭り的要素の高いイベントの様相でしたが、蓋を開けてみれば全くそんな事はない壮絶な演奏を見せ付けたバンドばかりでした。しかしこれでこそこのイベントの醍醐味。初めて体験するこの手のバンドの凄さに圧倒されるカタルシスは何物にも代えがたいですね。

次回もエクストリームなバンドを期待しています!

  
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by Blacksmoker | 2008-05-16 00:02 | ライブレポート
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