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NAS & DAMIAN MARLEY [Distant Relatives]


Distant Relatives」=「離れた親戚

これがどういう意味なのかはアルバム最後に収録されたAfrica Must Wake UpでのNasのヴァースを聴けば分かる。「俺達はみんな同じ場所から来た アフリカだ。世界中の人たちがみんな家族。あちこちに散らばっているだけなんだ。だから遠い親戚たち 故郷へ帰ろう

f0045842_17353938.jpgヒップホップ界の最も崇高なリリシストNasと、レゲエ界のロイヤル・ファミリーの末弟ダミアン・マーリィによるコラボレーション・アルバム。しかし単なるコラボレーションという枠を超えてブラック・ディアスポラとしての2人、さらにはソウル・ブラザーとしての2人の渾身のアルバムと言って良いだろう。

アフリカン・アメリカンであるNas、そしてボブ・マーリィの末子であるジャマイカ人のダミアン・マーリィ。人種も宗教も違うこの2人だが、表題のようにアフリカをルーツにすれば皆が同じ兄弟。特にヒップホップとレゲエという「レベル・ミュージック」として音楽を選んだ2人の親和性はなおさら高い。
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Nasボブ・マーリィを聴いて育ったし、そのボブの息子であるダミアンNasを聴いて育った。この音楽的輪廻で繋がった2人が初めて邂逅したのが2005年のダミアンのアルバム「Welcome To Jamrock」の中のRoad To Zionだった。当時はその意外な組み合わせに驚いたが、その後この2人がどんどん親睦を深めていった事でこのコラボレーション・アルバムの登場にはそこまで驚きはしなかったが、実際にこんなとんでもなく凄いアルバムを完成さす事になるとは予想もしなかったですね。

f0045842_17421767.jpgとにかく今、この2人のラッパー/ディージェイとしての凄さは群を抜いている。個人的には、特にNasは90年代中期~後期にかけては精細を欠くアルバムが多かったが、2001年の強力なボムOne Mic以降、見事にハズレなしだ。最近のアルバムなんて震えるくらいスリリングなリリシストぶりを発揮していてますます孤高の存在感を放っている。(ちょっとケリスとの結婚&離婚で足を引っ張っられたけど・・・。)

そしてもう1人のダミアン・マーリィ。傑作「Welcome To Jamrock」でこちらも強力な存在感を身に付けて一皮剥けた彼ですが、その後マライア・キャリーグウェン・ステファニーアリシア・キーズといったポップ・フィ-ルドで活躍するアーティストとの競演から、スティーヴン・マーリージュリアン・マーリィといったレゲエ・ロイヤル・ファミリーの兄弟達への客演、さらにはB-RealGuruといったハードコアなヒップホップ・アーティストへの客演と、その行動範囲をジャンルレスに展開している。
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ここ数年で鍛えられたその声は「Welcome To Jamrock」の頃と比べても、まるで別人。弱冠の不安定さも見せたその声も、今では抜群の安定感と存在感を誇る。ディージェイだけでなく、シンガーとしての素晴らしさも特筆すべきだろう。今回のアルバムではプロデュースまで手掛けており、その音楽性の高さには舌を巻くばかりだ。ヒップホップ寄りでもなく、レゲエ寄りでもない、ちょうどそのど真ん中を行くサウンドはダミアンの折衷感覚の鋭さのなせる技だ。

更にはマーリィ家の次兄スティーヴン・マーリィ(右写真)が、このアルバムの制作に関わっている事も大きい。f0045842_17552183.jpgスティーヴンというと、全ての楽器を操る裏方的なイメージが強い人だが2007年に初のソロ・アルバム「Mind Control」をリリースしてマーリィ・ブラザーズとしての誇りとレゲエの「レベル」を受け継いだ精神性を見事に知らしめた男であるが(ちなみにこのアルバムは、決して派手ではないが、何年かあとに絶対聴きたくなるアルバムだ)、このスティーヴンがこのアルバムに関わる事で、深みが断然増しているのは間違いない。LeadersIn His Own Wordsで披露される父親にそっくりなその激渋な歌声もこのアルバムのレゲエ・サイドを担っていてヤバイです。このアルバムはNasダミアン名義ではあるが、ヒップホップのNas、レゲエのスティーヴン、そしてその真ん中を行くダミアンという3つ巴のアルバムと言っても良いだろう。
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パーティ・アルバム的な要素は排除して、実に重厚なメッセージ性の高いアルバムになっているのも良い。「レベル・ミュージック」として、エッジが立ちまくった攻撃的なアルバムだ。そしてもちろんRedemptionもある。大物でありながらストリートなザラついた感覚を漂わせてるのもカッコイイです(まあ、ケリスと離婚して月に1000万円の養育費を払えるNasと、家にはロールスロイスが何台もある豪邸を持つロイヤル・ファミリーの一員であるダミアンのどこが「ストリート」なのかという話もありますが・・・)。
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更にはゲスト陣もなかなか興味深い人選。特にルーツ・レゲエ界のレジェンド、デニス・ブラウンThe Promised Landの声をサンプルで使ったLand Of Pomiseは、まさしく過去と未来を繋ぐ意義を持つ1曲。更にロイヤル・ファミリー専属のスタジオ「Tuff Gong」の鍵を預けられたソマリア生まれの若きラッパーのK’naan(ワールドカップで大ブレイク!)、f0045842_18172646.jpgそして現在のアメリカのヒップホップ・シーンの寵児とも言えるリル・ウェイン(左写真)の参加も大きい。特にこのMy Generationというテーマ的にも非常に重厚な曲に召喚されたリル・ウェインなんて、こんな強烈なカリスマ2人の前ではフザけたオートチューン・ヴォイスのラップなんて披露したら、絶対に怒られるのは確実なので、最近のリル・ウェインには珍しく真摯なラップでめちゃくちゃ好印象。ヤレばできるじゃねーか!

本国ジャマイカでもヒットした1stシングルAs We Enter(2小節ごとにマイク回しをキメる2人が異常にスリリング!)から、アフリカン・ドラムに重厚なストリングスの絡むTribes At War、先日のSummer SonicNasも披露してたStrong Will Continueダミアンの堂に入ったシンガーぶりが素晴らしい)と、アルバム頭3曲でもうこのアルバムは凄い事になるのが分かりますね。いつものように異常にリリカルなNasの鋭いラップも冴えまくっている。一方のダミアンは旧約聖書に基づくラスタファリズムが全面に出た宗教色の濃いリリックスで、Nasの現実のストリートに根差した直接的なリリックの対比も面白い。
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ブラック・ディアスポラとしてのアイデンティティを持ったこの2人(スティーヴン・マーリィも合わせれば3人)による、レゲエとヒップホップの枠を超えた傑作。Nasのファン、ダミアンのファン、それぞれのファンも唸る素晴らしい作品です。

今のところBlacksmokerの2010年のベスト・アルバム間違いなく断トツの1位です!是非チェックしてみて下さい。

   
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by Blacksmoker | 2010-08-24 17:18 | REGGAE

HEAVY D [Vibes]


f0045842_1031682.jpg80年代後半から90年代前半に活躍したヒップホップ・グループのHeavy D & The Boyz。そのリーダー巨漢ラッパーHeavy Dの実に約10年振りとなるソロ・アルバム「Vibes」がかなりイイです。

でもあの90年代のようなヒップホップではなく、このアルバムは何と全編レゲエなんです。

何でレゲエなんだ?と思うでしょうが、実はこのHeavy Dってジャマイカ出身なんですね。そう言われるとHeavy D & The Boyz時代にもMood For Loveなどレゲエ調のナンバーもあったし、彼らのキャリアの中で最も有名な、Teddy ReilyのプロデュースのNow That We Found The Loveだって、オリジナルはジャマイカのレゲエ・グループThird Worldの曲だ。それ以外にもSuper CatBuju Bantonともコラボレーションしていたりしてましたね。だからこれは意外な事でも何でもなく、実に自然な「Back To Roots」なんですね。
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しかもレゲエと言ってもDJスタイルで歌うダンスホール・レゲエではなく、ミディアムなリディムの上をHeavy D御大がゆったりと歌い上げる歌物のレゲエだ。これが最高に気持ち良い出来になっている。

何たってこのHeavy Dの歌がめちゃくちゃ上手いんです!確かに以前にBuju Bantonとのコンビネーション曲でもかなり歌の上手さを披露していて印象に残ってましたが、こんな安定した堂々たる歌いっぷりは非常に心地良い。体系からは想像も付かないほど伸びやかな声にヤラれます。
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あのBarrington Levyをゲストに迎えたLove Me Like Thisでも、Barrington Levy以上に伸びやかなノドを披露してくれています。Sizzlaを迎えたPrivate DancerでもSizzlaの独特のクセのあるシングジェイに引けを取る事なんて全くない安定感抜群の歌です。薄っすらとアコースティックで味付けされた清涼感のある哀愁系Deliahでの歌い方には最近のWyclef Jeanを彷彿させますね。

そしてルーツ色の濃い土着的なレゲエ・サウンドではなく、洗練された非常に耳馴染みの良いレゲエ・サウンド(でももちろんベースは効きまくってます)なのはプロダクション陣によるところも大きい。もちろん約半数をプロデュースしているのはHeavy D自身だが、その他にプロデュースに関わるのがWarryn Campbell(Musiq Soulchildの新作でも良い仕事してましたね!)やTony Dofatなど以前からHeavy Dと仕事をしてきた面々。普段はR&B畑の職人達である彼ら(Heavy Dだって最近はAnthony Hamiltonの曲にも関わってたし)の作る音が土着的なレゲエ一歩手前の心地の良いレゲエで非常に聴きやすいのもポイントでしょう。女性コーラス隊もバッチリ入ってます。The Techniquesの名曲Queen Majestyのカヴァーなんて最高に気持ちイイ。
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Heavy D & The Boyz時代のラッパーとしての姿もカッコ良いHeavy Dですが、今回のレゲエ・シンガーとしてのHeavy Dも素晴らしいです。レゲエ・ファンならマストですが、それ以外にも十分にアピールする魅力満載の素敵なアルバムでもあります。是非チェックして下さい。そして次回作では久々のラップ・アルバムも作って欲しいですね!
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by Blacksmoker | 2009-03-11 10:07 | REGGAE

VYBZ KARTEL [The Teacher’s Back]


うおぉぉコイツはヤベえ!

これはストリートでリアルでハードコアなダンスホールレゲエ・アルバム!一枚聴き通すだけでこんなに体力を消費するアルバムは最近ではなかなかない。最後まで聴くともうグッタリです。それほどまでにこのバッドマンDJ、Vybz Kartel(ヴァイヴス・カーテル)の新作「The Teacher’s Back」は超強力な大傑作アルバムだ。

f0045842_8395272.jpgまずジャマイカにおいて「バッドマンDJ」と言えば、まず何はなくとも一番に挙げられるのはNinja Man。これに異論のある人はいないだろう(先日も超久々に来日していてかなりアツいパフォーマンスを見せてくれた模様・・・観たかったです)。そしてそのNinja Manの直系にあたるのは、もちろんBounty Killerであり、その彼の率いるAlliance Crewの面々。

そして、そのBounty Killerの次を狙うバッドマンDJの筆頭に挙げられるのが、Busy Signalであり、Mavadoであり、今回紹介するVybz Kartelだ。昨年のMavadoの「Gangster For Life」、そして9月にリリースされたばかりのBusy Signalの新作「Loaded」と強力なアルバムが続きましたが、その中でもこのVybz Kartelの新作「The Teacher’s Back」は更に強力。

1978年ジャマイカのキングストン生まれのこのVybz Kartelは、とにかく話題性には事欠かない「バッドマンDJ」。最も有名なのはf0045842_8473814.jpg2003年のジャマイカ最大級のフェス「Sting」において、大先輩にあたるNinja ManとのDJクラッシュにおいて口だけでなく本気で手を出してしまった事件でしょう(その後彼はNinja Manに謝罪)。そして師匠Bounty KillerのライバルであるBeenie Manとつるんだ事によりAlliance Crewを脱退したり、最近ではMavadoとのバトルなどかなりのバッドマンを地で行く人物。

ただVybz Kartelの魅力はバッドマン/ガンマンぶりだけではなく、そのスキルの高さにもあります。ガチガチに韻を踏む技巧的な言葉使いや、安定したフロウなどは同世代のDJの中でも群を抜いて凄い(Bounty Killerの数々のヒットを作っていたのも実はこのVybz Kartelだ)。更にどんなリディムも自由に乗りこなせる天才型DJ。Missy Elliottの2005年のアルバム「The Cookbook」に収録されている、その名もズバリなBad Man(共演にM.I.A.)でのギラリと光る鋭い客演も印象的でした。(ちなみにこのMissy Elliott「The Cookbook」は個人的に大傑作だと思います!)
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Mavadoのアルバムはまだまだかなりの荒さや不安定さも残っていましたが、Vybz Kartelのアルバムは非の打ち所がないくらい完璧。

更にこのアルバムは、シングル単位市場のダンスホール・レゲエ界において、アルバム一枚を一つの作品として聴かせるコンセプト・アルバムになっている。ゆえに全曲新録のブランニューのみで構成されている。ジャマイカのリアルな現状を「Teacher」であるVybz Kartelが激しく描写する内容だ。このリアルでハードコアな、ヒリヒリとした感覚は最近のダンスホール・レゲエではなかなか味わえないスリルがあります。

そしてこのアルバムの全ての曲を手掛けたのがジャマイカ・ダンスホール界の神童スティーヴン・マクレガー(下写真)だというのも話題の一つ。レゲエ界のレジェンド、フレディ・マクレガーの息子であり、今のジャマイカ・ダンスホール・シーンはこの男を抜きに語れないほどの数々のヒット曲を生み出す天才プロデューサー。
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その歳を聞くと驚愕の、何とまだ16歳!!要するにまだ高校一年生!そんな男の子が今やSean PaulMavadoElephant Manなどを手掛けているわけですが、そんな若さが信じられないくらいの強力でハードコアなダンスホール・チューンの連続です。しかし勢い一発なだけではなく、驚くほどゆれ幅の広い多彩な楽曲にも唸らされます。ホント、天才ですね。

前半はもう怒涛のダンスホール・チューン。初っ端からDreamCourt CaseAddi Add Addiなど重厚なリディムに畳み掛けるVybz KartelのDJに鬼気迫るものを感じます。
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得意のスラックネス(下ネタ)・チューンやガンジャ・チューンも随所に挟みながら最後まで聴き通させるのは、やはりVybz Kartelのスキルの高さゆえ。そしてスティーヴン・マクレガーの強力なリディムゆえでもありますね。お互い天才肌同士のぶつかり合いがこんな凄いアルバムを完成させてしまったわけです。

そして、こんな息もつかせない緊迫感のあるアルバムゆえに最後のワン・ドロップ的なLove、そしてメロウなLife Storyが非常に効果的。アルバムの構成としても完璧ですね。
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アルバム一枚を聴き通すのに相当な気力と体力を要するアルバムですが、現在のダンスホールDJの中で最も勢いのあるこの男の凄さを体感出来る強力なアルバムです。是非聴いてみて欲しいです。

ちなみに日本盤には、Broad DaylightWhat A Boy Canといった最近のVybz Kartelのヒット曲が 7曲も収録されているという更に凄い内容なので絶対に日本盤をオススメします!
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by Blacksmoker | 2008-12-03 08:33 | REGGAE

RICKIE-G [am8:59]


この男の声を初めて聴いたのは、2006年にリリースされたMighty Crownのレーベル「Life Style Records」によるコンピレーション「Life Style records Compilation Vol.2」の中に入っていたTonightという曲。この曲でFire BallのシンガーCrissと共演して、その美声を披露していました。

そしてこの男を初めて観たのは、レゲエのビッグ・イベント「Soul Rebel」。ダンスホール・レゲエのアーティストが大多数を占めるこのイベントにおいて1人ヒッピーの風貌で登場。彼が歌い始めた瞬間から会場の空気が変わりました。この男の優しく伸びやかな歌声が会場の空気を一気にレイドバックさせていたのは印象的でしたね。

f0045842_235958.jpg2006年に1stミニアルバム「Life Is Wonderful」をリリースし、ロング・セールスを記録した神奈川出身のレゲエ・シンガー、RICKIE-G。その後、数々のレゲエ・フェスやイベントに参加し、その名を広めてきた彼の満を持しての1stアルバム「am8:59」。これほどストレートで真摯なメッセージとサウンドの詰まったアルバムは聴いていて清々しい。Blacksmokerにとって生涯付き合っていくことになるアルバムになりそうです。

2007年にリリースされた逃避行ラヴソウルという2枚のシングルでもその片鱗は見せていましたが、このアルバムは現時点でのRICKIE-Gのまさしく集大成とも言える内容。ソウルフルで伸びやかなその声は人生においての調和を歌う。レゲエという枠を越えて幅広い層にアピール出来る魅力を備えています。スピナビルにも似たオリジナルな声ですね。
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シングルではまだまだ伝えきれていなかった、R&Bやソウルの要素も含んだRICKIE-Gの音楽性の広さがこのアルバムではしっかり表現されています。レゲエ・シンガーというだけでなくソウル・シンガーとして認識されるべき存在です。ちなみにアルバム・タイトルになっている「am8:59」というのは彼の生まれた時間だそうです。
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基本的には生バンドを主体としたサウンドになっていて、以前にリリースされていたシングル曲もアレンジし直されて再録されている。アコースティック・ギターと歌のみで始まるソウルっぽいEverybody Needs Love And Harmonyから、ルーツ・レゲエ色の濃いメッセージ・ソングLife Is Wonderful、そしてFire BallChosen Leeを迎えピリっと利いたリリックで平和を訴えるNo Peace No Lifeという冒頭3曲の流れで一気に引き込まれるでしょう。アコースティックに始まるナイヤビンギ調のBorn Again、もろR&Bなスターオアダストなどそのバラエティはとても豊か。
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個人的に最も好きなのは終盤のam8:59。自分の人生を振り返り、歌い手としての自分のこれからの人生への希望を歌う曲であり、またラブ・ソングでもあるこの曲。やさしく歌われるアコースティック・ナンバーに不覚にも涙してしまいましたね。RICKIE-Gの歌に宿る意志や精神は日本語という媒体を介してストレートに我々の心に届きます。
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レゲエというジャンルからスタートしたRICKIE-Gだが、このアルバムを聴くと全くその枠に収まっていない事が分かります。一言「Good Music」という言葉がピッタリ。そんな素晴らしいアーティスト。是非とも聴いてみて下さい。
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by Blacksmoker | 2008-04-13 01:56 | REGGAE

LUCIANO [Jah Is My Navigator]


f0045842_1517578.jpg昨年9月に愛知万博記念公園で行われた「Reggae X-Plosion 2007」においてヘッドライナーで登場し、その堂々たるステージを披露してくれたルチアーノ(意外にもアクティヴなステージングに驚きました)。ダンスホール全盛の時代においてもラスタファリズムを貫くその真摯な姿勢、そしてその優しい歌声。ジャマイカにおいても最大級のリスペクトを受けるシンガー、ルチアーノ。その彼の1年振りの新作「Jah Is My Navigator」が登場です。

今回のこの新作の話題は何と言ってもディーン・フレイザーとのコンビの復活です!

個人的に昨年出た若手ラスタ・シンガーのアルバムの中でもかなり素晴らしい出来を誇ったのが、トーラス・ライリー「Parables」デュエイン・スティーヴンソン「From August Town」の2枚のアルバム。この2枚のアルバムをプロデュースしていたのがジャマイカ・レゲエ・シーンの名サックス・プレイヤーであるディーン・フレイザー(下写真)でした。
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人間味溢れる素晴らしいメロディのサックスで昨今のワンドロップなルーツ・ロックの礎を築いたと言っても過言ではないでしょう。日本のレゲエ界にも多大な貢献をしておりRYO the SKYWALKERSeize The DayPUSHIMForeverAnything For Youなどの印象的なサックスもこのディーン・フレイザーによるものです。彼は名サックス・プレイヤーというだけでなく、歌心溢れるメロディアスな曲を作るプロデューサーでもあります。

このディーン・フレイザールチアーノのタッグとf0045842_15242169.jpg言えば、やはり2004年にリリースされたレゲエ界に燦然と輝く名盤「Serious Times」(左写真)。今でもこのアルバムからのGive Praiseはレゲエの現場では定番のビッグ・チューンです。昨年の「Reggae X-Plosion 2007」ルチアーノのステージでもディーン・フレイザー率いるJah Messenjah Bandがバックを務めていましたね。もはやディーン・フレイザールチアーノの魅力を最も上手く引き出す人物と言っても良いでしょう。

さてレゲエ界を代表する真摯なラスタ・シンガーであるルチアーノ、そしてレゲエ界で最も歌心のある曲を作るディーン・フレイザーという2人の久々のタッグによるこの新作「Jah Is My Navigator」。結論から言うと、これは「Serious Times」を超える傑作です。この2人の化学反応の素晴らしさはやはり別格。2008年のレゲエ界を代表する1枚になる事はマチガイナイですね。
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ルチアーノの高音域から中音域を自由に行き来する安定感抜群の伸びやかな歌声はやはりハンパなく上手い。トーラス・ライリーデュエイン・スティーヴンソン、そしてラス・シャイローリッチー・スパイスなど若手シンガーの台頭が目立っているが、声の伸びという点ではルチアーノの方が遥かに格上だ。
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そして曲の方も粒揃いの楽曲ばかり。女性コーラスを配した曲が多く、とてもメロディアス。Jahへの信仰を高らかに歌い上げています。ますます冴えるメロディアスなディーン・フレイザーの楽曲はホント素晴らしいです。そして面白いのが、先のトーラス・ライリーデュエイン・スティーヴンソンの両名が揃って自作の楽曲を提供している事。特にトーラス・ライリー作曲のJah Is My Navigatorなどはまさしく会心の出来のクラシックです。デュエイン・スティーヴンソン作曲のアコースティックで物悲しいDarknessなども彼の得意とするバラードだ。

さらにもう一つの注目はBlacksmokerがレゲエ界で最も好きな男ピーター・トッシュI’m The Tuffestのカヴァーです。1978年のアルバム「Bush Doctor」の中に収録されている名曲(綴りはToughestですが)をカヴァーしているわけですが、この曲で共演しているのがそのピーター・トッシュの息子アンドリュー・トッシュ(下写真)!
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ボブ・マーリィ、そしてバニー・ウェイラーと共にオリジナル・ウェイラーズとしてレジェンドである父親の声と瓜二つの歌声でコーラスを歌っています。このそっくりぶりにはホント驚き。最初はサンプリングかと思ったくらいです。これは注目の1曲でしょう。

その他にもボブ・マーリィの初期の曲Jah Liveのカヴァーも収録。レゲエ以外にも女性シンガーRochelle Bradshawを迎えたアコースティックでR&BなParadise Lastや、ピアノをバックに優しく歌い上げるHard Herbなどなかなかバラエティに富んでいます。
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ルチアーノのキャリアの中でも最高傑作として認められる作品であり、2008年のレゲエ界においても重要作品となるこの「Jah Is My Navigator」。是非ともチェックしてみて下さい。
 
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by Blacksmoker | 2008-03-14 00:43 | REGGAE

JAH CURE [True Reflections…A New Beginning]


2007年7月28日。一人の男にジャマイカ中が熱狂しました。

悲劇のシンガー、ジャー・キュアが実に8年振りに刑務所から釈放されたのです。

f0045842_1384640.jpg今回紹介するアルバムはそのジャー・キュアの新作「True Reflections…A New Beginning」です。しかし、このアルバムを説明する前にジャー・キュアがなぜ「悲劇のシンガー」と呼ばれるのか?を説明しないといけません。

このジャー・キュアはジャマイカのモンティゴ・ベイ出身のラスタ・シンガー。その才能は、ジャマイカの超大物シンガーのベレス・ハモンドをも魅了し(彼はジャー・キュアの最初のアルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーを務めている)、シズラケイプルトンと言った若手ラスタの実力者達からも一目置かれる存在でした。

しかし彼は1998年11月にジャマイカのモンティゴ・ベイで女性に対する暴行容疑及び銃の不法所持により逮捕される。この逮捕についてはジャマイカでは冤罪という説が非常に有力だそうだ。そして不十分な証拠にも関わらず1999年4月に禁固15年の刑が言い渡される。実は示談金で和解出来るところを、ジャー・キュアは一切受け付けなかったそうです。この事件は警察によるラスタへの見せしめのスケープゴートにされたというのがジャマイカの一般人の認識になっている。

その順風なキャリアの途上で起こったこの事件で、ジャー・キュアのシンガーとしての生命は絶たれたと思われましたが、実はここからジャー・キュアの第二のキャリアが始まるとは誰もが思いもしなかったでしょう。

f0045842_13121525.jpg実はジャー・キュアの服役する刑務所にはレコーディング機材があり、彼はこの刑務所内で録音したレコードをリリース。折りしも時代はダンスホールからコンシャス系ワン・ドロップな作風の曲が流行していた時期であったのもあり、ジャー・キュアはコンシャス系のシンガーの筆頭として一躍その名を馳せる事になるのです。ジャマイカ中のみならず世界中のレゲエ・シーンでビッグ・ヒットを記録したLonging Forを始めとして、Love IsJamaicaTrue Reflectionsなど次々に大ヒット。皮肉な話だが、ジャー・キュアは塀の中において時の人になってしまったのです。

さてこのアルバム「True Reflections…A New Beginning」は前述のビッグ・チューンに加えて、新曲も収録したベストヒット的内容になってます。このアルバムからの先行カットされているメロウ・チューンTo Your Arms Of Loveなどは早くも大ヒットを記録しています。この曲は現在ヒット中のGuardian Angelのリディムを使った曲(T.O.K.が現在大ヒットさせている曲ですね)。
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これらのレコーディングはあらかじめ出来たトラックを獄中のジャー・キュアに渡してヴォーカルをレコーディング。そしてヴォーカルを入れたトラックをプロデューサーがスタジオでミックスダウンして作られたそうです。そのせいか、曲によってはかなり荒削りなデモのような音質のものや、モノラル録音のようなものもあり、刑務所の録音機材などが、あまり良くなかった事が窺えます。しかしそんな悪条件でのレコーディングなど関係なくジャー・キュアの声はジャマイカ中に響き渡る力を備えていたのです。

ジャー・キュアの声を、1994年に28歳で他界した天才シンガーf0045842_13151259.jpgガーネット・シルク(左写真)と比較する人もいるそうだが、その真摯で切実に迫る歌声は少なからず近いものを感じます。もちろん、まだまだガーネット・シルクの柔らかく伸びやかな声には及ばないですが、声自体に悲しみを備えた所なども共通していますね(ちなみにジャマイカ人にとってガーネット・シルクという存在はほぼ神格化されており、新しいシンガーが登場する度にガーネット・シルクと比較されるという運命が待っています)。とにかくオープニングを飾るTrue Reflectionsだけでも是非聴いてみて欲しい名曲です。

これは「悲劇の獄中シンガー」という話題だけで彼がスターになったわけではない事を証明する素晴らしいアルバムです。是非この歌声に触れてみて頂きたい。
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遂に7月28日に8年振りに釈放されたジャー・キュア(刑期15年が8年に短縮されたそうです)。これからが彼の第2のキャリアのスタートです。ちなみに、この10月には3日間に渡るジャー・キュアの釈放を祝うフェスティヴァル「CUREFEST」がジャマイカで開催され、そこには本人も登場してステージを披露するとの事。また凄い盛り上がりになりそうですね。
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by Blacksmoker | 2007-08-09 00:50 | REGGAE

MAVADO [Gangsta For Life]

2006年のレゲエ・シーンで最も注目だった新人アーティストがGYPTIANだった。アルバム「My Name Is Gyptian」も大ヒットし、一気に大物の仲間入りを果たしたといっても過言ではないでしょう。

そして2007年はこの男がレゲエ界を震撼させる!

その男の名はMAVADOマヴァード)。
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この男は危険です。2年前にリリースしたReal McKoyでBussして以降、次々とヒットを連発しているそのMAVADO、現在ジャマイカのみならず全世界のレゲエ・ファンから最も注目されるこの男が遂に1stアルバム「Gangsta For Life」を完成させました。これは超強力です。

f0045842_15582176.jpgさてこのMAVADOですが、ジャマイカのギングストン生まれ。キングストンな中でもかなりのゲットー・エリアと言われるカッサヴァ・ピースの出身だ。ゲットー生まれの筋金入りのギャングスタとしてMAVADOは育ってきたわけです。アルバムのタイトルが物語るように「俺は一生ギャングスタだぜ」という超ハードコアな姿勢を貫いています。MAVADOは自分の事を「バッドマンDJ」と言っているが、そのスタイルはシンガーに近い。しかしリアルなゲットーを歌うDJ的な所も多分に持ち合わせている。いわゆるシングジェイなスタイルですね。ガラ声寸前のハスキーな声で伸びやかに歌い上げ、時に畳み掛けるようにライムを吐き出します。

その独特なラフでタフな歌声の凄みはハンパないです。ギャングスタといして生きてきた年季がその声からヒシヒシと感じられます。アイス・キューブとかスヌープ・ドッグとか50 CENTとか初めて聴いたときに感じるものと同種のものを感じるでしょう。「うわぁ~悪そうだなぁ!!」的な印象です。
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合言葉は「Anyway~!Gangsta For Life~!」。とにかく現場で「エニウェ~イ!」と聴こえたらそれは間違いなくMAVADOだ。

MAVADOが注目されるキッカケとなったのは、2005年にあのバウンティ・キラー率いる「アライアンス・クルー」に所属した頃から。数々のトラブルや抗争などで名を上げる事になったそうだ。本当に筋金入りのギャングスタですね・・・。師匠格のバウンティ・キラーと敵対するビーニ・マンや、アライアンス・クルーを離脱した兄貴分ヴァイヴス・カーテルまでも名指しでDisする事でその名を知らしめてきたのは有名な話です。

さて数々のハードコアなビッグ・チューンで勝ち上がってきたf0045842_1643316.jpgこのMAVADOが遂に放った1stアルバム「Gangsta For Life」。過去のビッグ・チューンReal McKoyDreamingTop Shotta Nah Missなどもガッチリ収録されている他、Brand Newな新曲をギッシリ詰め込んだスキットを併せて25曲というフル・ヴォリューム!単なる寄せ集めではない超危険でストリートなアルバムです。全編に渡ってハードコアで、ギャングスタなギラついた空気が流れています。荘厳で不穏な雰囲気を持ったドラマティックなオケが非常に多いです。イントロ一発でライター&拳を上げるチューン満載!狙った獲物はハズさねぇと歌うTop Shotta Nah Missなんて今一番現場で盛り上がる曲と言っても過言ではない。

全編に渡るリアルでハードコアなそのリリックに耳がいきますが、ギャングスタに憧れて無駄死にしていく若いヤツラを歌ったDyingや、ゴスペル的要素を採り入れたBorn & Raised、物悲しいSadnessなどのナンバーにも注目です。ゴリゴリなハードコアな男が見せる一瞬の人間らしさというものに得てして人間というものは惹かれるものです。
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まだまだ荒削りでラフな所はありますが、その若さ漲る圧倒的なパワーで一気に押し切ってしまう勢いが凄いです。若さと言えば、このアルバムの中のWeh Dem A DoAmazing GraceTop Shotta Nah Missのプロデュースを手掛けたスティーヴン・マクレガーという人物。最近ジャマイカで最も注目されているトラック・メイカーですが、何と15歳だそうです!どんだけ若いねん!あのフレディ・マクレガーの息子だそうですね。凄い才能に驚きです。

今年のジャマイカを揺るがすこの男のデビュー・アルバム。かなりタフなアルバムです。是非ともチェックして欲しいです!

ちなみにこの6月にMIGHTY CROWN主催の「World Connection」で来日予定でしたが、キャンセルになってしまいました・・・。何でも契約後にMAVADO側がギャラを吊り上げてきたのがキャンセルの原因だそうです・・・。なんともギャングスタなエピソード。でもそんな事をやってるとプロップスを失うので、もっと賢くなってビジネスにも強くなって欲しいものです(これはスタッフの問題か)。

しかし、昨年のGYPTIANの来日キャンセルといい、このMAVADOのキャンセルといい、一番旬な状況でのキャンセルというのは痛いですね。
 
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by Blacksmoker | 2007-07-12 00:13 | REGGAE

ANTHONY B [Higher Meditation]

話題作が目白押しの今年のレゲエ界ですが、この男の新作が出るとなるとやはり注目せざるを得ません。

アンソニー・Bの2年振りの新作「Higher Meditation」。やはりマチガイナイ出来です。

f0045842_23351435.jpg1976年生まれの現在31歳。1996年にアルバム「Real Revolutionary」で衝撃的なデビューを果たしたボボ・アシャンティのDJも、もはや堂々たるベテランの域に達してきましたね。当時、ラスタへ転向したブジュ・バントンの名盤「’Til Shiloh」の大ヒットを受けてスター・トレイル・レーベルリチャード・ベルが、そのブジュ・バントンの対抗馬として送り出したのがこのアンソニー・Bでした。

衝撃的なデビュー」と前述しましたが、アンソニー・Bの登場は文字通りの衝撃をジャマイカ中に与えました。何と言ってもその理由はFire Pon Romeという曲。何とまだ20歳のDJがローマ法王を名指しでディスしまくったのです。この曲はジャマイカではすぐさま放送禁止になるなどセンセーショナルな話題となり大ヒット。その後も政治家や企業など実名でコキ下ろす過激なラスタDJとして大ヒットを飛ばし、名実ともにカリスマDJとなりました。(Burn Down KFCとかありましたね。)
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その過激さゆえアンソニー・Bは「現代のピーター・トッシュ」と例えられる事が多い。ジャマイカ人にとってピーター・トッシュ(左写真)という存在はやはり戦闘的なカリスマというイメージが強いのだろう。ただ個人的に思うことだが、ピーター・トッシュはその歌詞に思慮深いメッセージと皮肉の込められた巧f0045842_23393725.jpg妙な言い回しという2面性を兼ね備えているのに対し、アンソニー・Bはもっと直球。トッシュ先生の「○○だから、△△なんだ」という論理的なメッセージではなく、もっとストレートなメッセージなのが大きな違いだ。過激という文字だけでこの2人を並列さすのは少々乱暴な気もするが、実は最近アンソニー・B本人が1番ピーター・トッシュを意識しているんじゃないかと思わせる曲も増えてきています。ちなみに2001年にリリースした名盤「That’s Life」ではそのトッシュのEqual Rightsをカヴァーしています。ただ個人的にはアンソニー・Bは、ブジュ・バントンというよりはシズラと比較されうるべき存在だと思いますね。

さてさて、この新作「Higher Meditation」ですが、ここ最近の作品をリリースしている名門Greensleevesレーベルからのリリース。制作にはマキシマム・サウンドからFrenchieがあたり、トロイ・スタンレーボビー“Digital”ディクソンといったツワモノがガッチリとサポートしています。
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正直このアルバム、一聴した時は地味な印象を受けたんですが、2回目・3回目と聴く毎にどんどんハマっていきます。ハードなダンスホール・ナンバーからルーツ・コンシャス系、そしてアコースティック・ナンバーもバランス良く網羅したアルバム構成もイイですね。そしてアンソニーの歌声も今までのシングジェイ・スタイルを更に深化させた堂々たる喉を披露しています。わざと音程を外したアウト・オブ・キーアンソニー独特のヴォーカルも非常に味があります。

f0045842_23421341.jpgオープニングのHigher Meditationからラスタファリズム全開。熱いです。そしてナッティ・キングを迎えた軽やかなメロディアスなミドル・チューンHonour To Marcus、相変わらずの過激さを見せ付けるEase Offボブ・マーリィー大先生の「Waiting In Vain」を下敷きにしてアンソニーの再解釈を加えたルーツ・チューンTired Of Waiting In Vain、アコースティックなナイヤビンギYour Time Has Comeタービュレンスが吼えまくる熱すぎるハードコア・チューンReal Worriorsなど傑曲揃い。

曲単位ではなく、アルバム全体で楽しめる仕上がり。ジャケもなかなかイカしてます。オススメの1枚です。
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by Blacksmoker | 2007-03-05 00:49 | REGGAE

ZIGGY MARLEY [Music Is My Religion]

さて前回ボブ・マーリーの息子達を紹介しましたが、ここ最近でボブの息子の中で一番ブレイクしたのがダミアン・マーリーでしょう。2005年にリリースされた「Welcome To Jamrock」はヒップホップを飲み込んでアメリカでも大ブレイクしましたわけですが、2006年はもう一人の息子のこの男がやってくれました。

ジギー・マーリー
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ボブ・マーリーの息子の中でも最年長で今年で38歳ザ・メロディー・メイカーズの一員としてデビューしたのが11歳だったので既に27年のキャリア!もはや超ベテランの域ですね。

その後、「ジギー・マーリー&ザ・メロディ・メイカーズ」名義で弟スティーブン・マーリーと活動した彼は2003年にザ・メロディ・メイカーズから独立しソロ・アルバム「Dragonfly」で再スタートを切ります。このアルバムはレゲエの枠を大きく超えたルーツ・ロック的なレゲエ・アルバムでRed Hot Chili Peppersジョンフリーも参加していましたね。

f0045842_2145392.jpgそして3年振りに出たジギーの2ndアルバム「Love Is My Religion」。これが非常に素晴らしい傑作です。レゲエに留まらないサウンドは更にスケールを増して、美しいメロディを歌います。今年出たアルバムの中でもLucianoGyptianなど素晴らしい歌モノのアルバムが数多くリリースされましたが、このアルバムも流行りモノとは一切無縁の不朽の名盤として記憶される一枚でしょう。

1曲目Into The Grooveからアフリカン・ドラムを取り入れたデカいスケールで、途中で入ってくるホーン・セクションが高揚感を煽ります。しかしジギーの声が本当にボブ・マーリーに瓜二つ。ダミアンの時も「そっくりだなぁ」と思いましたが、ジギーの声はそれ以上。アルバム・タイトルが「Love Is My Religion」だけあって普遍的な「」を歌う曲がほとんどで晩年のボブ・マーリーのような佇まいです。
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もちろんレゲエが基本ですが、スカもありハワイアンやアフリカンなサウンドもあって、とても豊潤。「Beach In Hawaii」ではウクレレ奏者ジェイク・シマブクロの名前なんてのも。ダンスホールな曲は一切ないので若いレゲエ・ファンには物足りないかもしれないが、こんなルーツに根差した素晴らしいレゲエを聴かせてくれるジギーの音楽は大人のレゲエ・ファンには堪りませんね。

そして今年は、4月に開催される「Springroove 2007」にて久々の来日が決定したジギー・マーリー。スケールの大きなレゲエで様々なファンを魅了して欲しい。
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by Blacksmoker | 2007-01-04 00:31 | REGGAE

ちょっと休暇。

今からシンガポール行ってChillしてきます。寒い日本から脱出です。

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                 ボブ・マーリー(享年36歳)
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               息子ジギー・マーリー
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                  スティーヴン・マーリー
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                   ジュリアン・マーリー
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                    キマーニ・マーリー
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                     ダミアン・マーリー
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                 全員立派なミュージシャン。
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by Blacksmoker | 2006-12-25 01:14 | REGGAE