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2015年の11曲。

どんどんヒットチャートと自分の聴く音楽の乖離が激しくなった2015年。享楽的なダンスミュージックもいいが、やはりVince StaplesやRun The Jewelsのカミソリのようなリリックの楽曲の方が自分は好きなんだなと実感。インストであっても強いメッセージが感じられる曲なんかも素晴らしいですね。あと長い曲(10分以上ある曲)大好きです。それだけで評価が甘くなります笑。それでは2015年のベストソング。今年は11曲選出。

<2015年の11曲>

■第1位
Senyawa [Di Kala Sudah (Replayed by Charles Cohen)]
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インドネシアの民族ハードコアSenyawaをフィラデルフィアの伝説の電子音楽家Charles Cohenが再構築。
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爆発寸前のマグマが沸々と煮えたぎっているようなじわじわくる反復リズムに独特な歌唱のトライバル感が中毒性抜群。



■第2位
J.A.K.A.M [Light]
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Juzu aka Moochy (J.A.K.A.M)による9ヶ月連続アナログリリースの第8弾。世界各国のあらゆる民族音楽を融合がテーマのこのシリーズですが、今回はエジプトの弦楽器ラバーバと管楽器ミズマール、西アフリカの弦楽器コラ、西アジアの打楽器ダフを使いイスラム色の強い歌声が見事に融合した壮大なコズミックな曲。
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それでいてMade in Japan色も感じられるのが素晴らしい。



■第3位
Punch Brothers [Familiarity]
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ブルーグラスをネクストレベルまで押し上げた後、クラシック方面へ進みバッハの曲までマンドリンでマスターしてしまったクリス・シーリの溢れ出す才能は果たしてどこまでいくんでしょうか?
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今度はXTCを彷彿させるひねくれたポップセンスまで習得してしまって、「プログレッシヴでポップなクラシック・ブルーグラス」と呼べる変貌を遂げた恐るべきアルバムからの10分に及ぶ超絶曲。


■第4位
Vince Staples [Señorita]
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カリフォルニアのロングビーチ出身のMCの放った2枚組の傑作[Summertime '06]からのシングルカットですが、"踊れる"とか"盛り上がる"要素を一切排除した不穏なビートの上でストリートの惨状をリアルに描写するヴィンスのラップの力だけで押し切るハードコア・チューン。救いすらない閉塞感に息が詰まりそうになります。恐るべきMC。PVの凄さも必見。



■第5位
James Taylor [Today, Today, Today]
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13年振りのアルバムからですが、ジェイムス・テイラーが天才シンガーソングライターと言われる所以がこの新曲を聴いた瞬間に身をもって理解出来ます。文句の付けようがない恐るべき完成度。あとデビューから声が変わってないのも凄すぎる。


■第6位
Run The Jewels feat. Zack De La Rocha[Close Your Eyes (And Count To Fuck)]
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2014年の曲ですが2015年に公開されたPVが強烈でした。圧倒的なラップ力で押し切るキラー・マイク、狡猾なフローで繋いで行くEL-Pの2人の強力コンビネーションに、さらにブチ切れのザックのラップも加わる特濃マイクリレー。
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もう胸焼けするくらいの男臭さ満載。


■第7位
Rhiannon Giddens [Angel City]
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Carolina Chocolate Dropsの紅一点の彼女のソロデビュー作から唯一の自作曲。貫禄さ漂う堂々たる風格でもうソロでも十分にやって行ける実力がありますが、やっぱりCarolina Chocolate Dropsもまだやって欲しいという願いもありますね。


■第8位
Dam-Funk [Somewhere, Someday]
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アナログ3枚組の大ヴォリュームの大作だった新作から。
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全曲が素晴らしかったわけではないんですが、キャッチーなシンセのフレーズをバックに瑞々しく歌いあげるこの曲は最高の一曲だ。


■第9位
Donnie Trumpet & The Social Experiment [Sunday Candy]
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Chance The Rapperも参加するバンドの待望のフルアルバム。しかも無料ダウンロード!アルバムは今年のベストアルバムに入れても良いくらい素晴らしい内容でした。この曲は昔のソウルの郷愁さとヒップホップの雑多さ、ジャズの洗練さが共存した名曲。PVも最高。


■第10位
Watkins Family Hour [Brokedown Palace]
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I'm With Herでの来日も素晴らしかったサラ・ワトキンスがBenmont TenchやGreg Leisz、さらにFiona Appleらと結成したバンドのアルバムからGrateful Deadのカヴァー。キャリアの長さから漏れる音の豊潤さが素晴らしいカヴァーになっています。
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Fiona Appleの久々の声も聴けて嬉しい。


■第11位
Mono [Death in Reverse]
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The OceanとのスプリットEPから11分に及ぶ新曲。Monoらしさ全開の美しいシューゲイズ・メタル。多くのこの手のバンドと比べてドラムが圧倒的に手数が多くリズムがメリハリがあって良いです。
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by Blacksmoker | 2016-01-01 22:50 | 2015年総括

2015年の12枚。

アナログ盤は息を吹き返し、Apple MusicやSpotifyの躍進でストリーミング文化が定着し、さらに本気なのか冗談なのかカセットテープまでも復活の兆しを見せる2015年。もはやCDのみが衰退の一途を辿ってる気がしますが、バランスよく混在している事が健全かと思います。という自分はもう完全にアナログ盤派に。いまだに聴いたことのない70年代のスピリチュアル・ジャズとか異常に掘っていましたね。新しい音より古い音を発掘して聴いていた回数の方が圧倒的に多かったですが、新しい音も面白いものが多かった。というわけで2015年のベスト・アルバム。今年も12枚。ほとんどはアナログ盤での評価です。



<2015年の12枚>

■第1位
goat [Rhythm & Sound]
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個人的に現在の日本の音楽シーンの最重要人物と思ってる男・日野浩志郎のバンドgoatの2nd。バンドなんですが、もう常人の理解を超えたミニマルテクノのような音になってます。サックス奏者がいますがもう普通のサックスの音はしません。音の革新性/斬新性/オリジナリティ/インパクトなど、どの点においても抜きん出てます。日野浩志郎のソロユニットYPYも注目。


■第2位
Kamasi Washington [The Epic]
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LA出身のジャズ・サックス奏者によるロックもソウルも飲み込んだ3時間に及ぶ総勢60人に及ぶスピリチュアル・ジャズ大作。
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サン・ラとかファラオ・サンダースを彷彿させますが、しっかり現代の空気も感じられやはり今の時代でなかったら成立しなかった音。


■第3位
Kendrick Lamar [To Pimp A Butterfly]
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世界のヘッズの高まりまくった期待値を大きく超えた(斜め上を行った)大傑作。ヒップホップをまた次のレベルに押し上げたと思います。
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今回は音の前に、まず言葉ありき。歌詞が分からないとタイトルの意味も含めおそらく3割くらいしかこの作品を理解出来ないでしょう。アナログ盤も買いましたが、日本盤CDの歌詞対訳は重要かと思います。


■第4位
Lizz Wright [Freedom & Surrender]
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ラリー・クラインをプロデューサーに迎えた5年振りの新作。洗練されたジャズとルーツ色の強いゴスペルが上手く融合されていますが、BPMを落としてじっくりと低い声で歌い上げる曲が抜群に良いです。声の向こうにアメリカ南部の風景が見えてくる。


■第5位
Fabiano Do Nascimento [Dança Dos Tempos]
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ブラジルのリオ出身のギタリストのデビュー作。プロデュースに巨匠アイアート・モレイラを迎え、アイアートをバックに従えて自由にファビアーノのギターが泳ぎ回ります。


■第6位
Goatsnake [Black Age Blues]
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15年振りに復活したドゥームメタル神の新作。ヴィンテージアンプをジリジリ言わせそうな70年代のホコリっぽい空気をぶち込んだ超ヘヴィなドゥーム。そのくせ異常にボーカルが伸びやかでそれもブルージーで最高。


■第7位
Father John Misty [I Love You, Honeybear]
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Fleet FoxesのドラマーだったJosh Tillmanのソロプロジェクト、まさかの大化け2nd。多彩な楽曲にドラマティックなボーカル、変化球な歌詞、そして遊び心満載のアルバムアートワークも含め素晴らしい作品。


■第8位
Czarface [Every Hero Needs A Villan]
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Wu-Tang Clanの燻し銀男Inspectah Deckと、ボストンのヒップホップ・デュオ7L & Esotericによる合体プロジェクトCzarfaceの2nd。"女性ファンは必要ない!"と言わんばかりのアメコミとSF趣味全開。90'sアンダーグラウンド・ヒップホップの男汁満載。ストリクトリー・ハードコア。限定盤にはコミックが付いていてこれも最高。


■第9位
Ashtray Navigations [A Shimmering Replica]

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エキゾ音楽の古典とも言える"Quiet Village"をカヴァーしているUKの謎のサイケデリック集団がいると聞いてアルバムを聴いてみたら、ホントにとんでもなかった。アシッドでトリッピーなドロドロのサイケデリックに、南国エキゾ音楽までブレンドされた涅槃の音楽。アナログLPとCDのセットで1つの作品だそうだ。


■第10位
松田美緒 [クレオール・ニッポン]
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日本の地方に眠る伝承歌、そして移民を通して海外に伝わった日本の歌。それらを発掘し現代のアレンジで見事に蘇らせた力作。日本を独立した島国と捉えるのではなく、南西諸島から続く一つの島として考えるヤポネシア論に共鳴する作品。



■第11位
With The Dead [With The Dead]
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Cathedralのリー・ドリアンの新バンドのデビュー作。Cathedralよりももっと怨念が籠っててスラッジなド級のヘヴィ・ドゥーム。


■第12位
Jamie XX [In Colour]
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実はThe XXは聴いた事ないんですが、リーダーのJamie XXのソロ作はミニマル・テクノがポップ・ミュージックへ接近したようなエグい重低音のポップ・サウンドでカッコ良かった。アナログ盤で聴いたら低音で地面が揺れました。限定盤カラー・ヴァイナル3枚組はデザインも良いし、音圧も抜群です。実に2015年的な時代の音。5年後に聴いたらどんな感想を持つのか分かりませんが。
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by Blacksmoker | 2015-12-31 14:41 | 2015年総括