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2016年の11曲。

相次ぐテロに、大物ミュージシャンの訃報の連続、イギリスのEU離脱やアメリカ大統領選挙など激動の2016年。他にもアメリカで起こったBlack Lives Matter運動など、アーティストの曲に直接影響を与える社会情勢が印象的でした。やはり歌詞は重要です。今年もほとんどがアナログで聴いてて、シングル単位で聴くことは少なかったですが、やはりPVが印象的な曲は何度も観てしまいますね。それでは2016年のベストソング。今年は11曲!


<2016年の11曲>

■第1位
Michael Kiwanuka [Black Man In A White World]
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アメリカで起こったBlack Lives Matter運動を象徴するような1曲。しかもイギリスのノース・ロンドンから。フォーキーで穏やかな歌が特徴だった男の怒りのメッセージ「俺は白人社会の中の黒人だった」。
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LA在住の日本人監督Hiro MuraiのPVも秀逸。



■第2位
Nevermen [Mr. Mistake]
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Faith No Moreのマイク・パットンと、TV On The Radioのトゥンデ・アデビンペ、AnticonのラッパーDoseoneという変態3人の合体したバンドで、3者の変態的個性が絶妙に混ざり合ってポップに昇華した奇跡的な曲。歌詞も面白い。アルバム全編こんな曲ばかりだったら絶対にベストアルバムでしたが、この曲が一番際立ったました泣。
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日本人学生の二瓶紗理奈の制作したPVがかなり変で面白い。Boards of CanadaがRemixしたヴァージョンも素敵です。



■第3位
KA [Just]
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NYブルックリンのベテランMCの超ドープでダークな渾身の一曲。
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ストリート・ハスリングのカルマを、封建社会の侍の精神を通して描いた文学のような重厚な歌詞に唸らされるばかりです。




■第4位
Black Mountain [Mother of The Sun]
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カナダのサイケデリック・ロックバンドの6年振りの新作からの1stシングル。8分34秒。時代性など無視した60年代後半のようなスペーシーなヘヴィ・サイケ。HawkwindとBlack SabbathとPink FloydとLed Zeppelinの精神を受け継ぐサイケデリック曼荼羅。
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PVも怪しさ満点。男女2人のヴォーカルもシャーマニック。これくらいの長さは早送りせずに聴ける忍耐を身に付けましょう。しかし、このバンドが世界的に人気というのはロックの希望だ!


■第5位
Diva [Divinity in Thee]
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LAのオリエンタルなシンセポップ・アーティスト(Leaving RecordsのMatthewdavidの奥さんでもある)Divaの新作から。
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今は猫も杓子も80’sサウンドですが、この人は元からそういう音だったというのも評価できます。



■第6位
UA [JAPONESIA]
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2016年のUAが辿り着いたのがヤポネシアというのが面白い。もはやインドネシアやタイとかの東南アジアの音楽と並列で聴かれるべき。



■第7位
Jamila Woods feat. NoName [VRY BLK]
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これもBlack Lives Matter運動を象徴する1曲。シカゴの女性詩人/シンガー/ラッパーのフリーダウンロード・アルバム[HEAVN]からの1曲で、女性ラッパーNoNameを迎えて黒人として生きるハードな現状を訴えるメッセージソング。
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アルバム全体もおそろしく素晴らしいので、今すぐダウンロードして聴いてください。




■第8位
DJ Shadow feat. Run The Jewels [Nobody Speak]
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DJ Shadowの新作から。バリバリのサンプリングに、過激すぎる2人のラップが畳み掛けるフロアバンガーな必殺の1曲。でもサビでは大合唱にならないで、いきなりブレイクに入るところがニクい!分かってらっしゃる。
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乱闘PVが最高に笑えます。



■第9位
Psychic Temple [When I Know]
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どこぞの教祖のような風貌のChris SchlarbのプロジェクトPsychic Templeの3枚目の新作から。容姿や名前からしてどんなサイケなんだと思ったら、優しく穏やかなフォークロック。
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Sufjan StevensのレーベルAsthmatic Kittyからのリリース。



■第10位
Brain Eno [The Ship]
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2016年の”Ambient 1: Music for Airports”とも言えるアンビエント21分。アナログ盤の音が凄くてお薦め。途中で入ってくるイーノのエフェクトされたヴォーカルも気持ちよい。



■第11位
Mary Chapin Carpenter [The Things That We Are Made Of]
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13作目の新作からラストを飾る曲。この人は簡素な言葉を羅列してもの凄い綺麗な文を作る人で、この曲は夫や子供や自分が作り上げてきた物への感謝の歌。
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夜に一人で聴いてたら涙が出てきます。
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by Blacksmoker | 2016-12-31 17:55 | 2016年総括

2016年の12枚。

今年の個人的ハイライトはピーター・バラカンさんに私のラジオ番組にゲストで出ていただき対談したことですかね。ラジオをやることも、しかもピーターさんと対談することも5年前の自分には想像できなかったです。来年もいろいろやっていきますので、よろしくお願いします。

さて音楽の方ですが、アナログ派なのでもうサプライズ・リリースとか全然ついていけません。なのでUSのメインストリームは全く疎くなってしまいましたが、気が付くとなんとサウンドやファッションが80'sに席巻されていることか! でも今年はアメリカーナ/フォーク周辺のアルバムも傑作連発でこっちは嬉しい悲鳴。あとミュージシャン同士のコラボアルバムも異常に多かったな。ということで今年は12枚。なぜか西アフリカの音楽が3枚も。今年も全てアナログ盤での評価です!



<2016年の12枚>

■第1位
Lambchop [FLOTUS]

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ナッシュビルのオルタナ・カントリーバンドの4年振りの新作。驚きの変貌。事前に「70年代の電子音楽に影響を受けた」と聞いていて恐る恐る聴いたら、控えめなアナログシンセの音に、これまた控えめなボーカル・エフェクターと"あくまで控えめに"変わってて、コレが妙にクセになるサウンドで堂々の一位獲得。
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抽象的なメロディも秀逸な美しいアルバムです。でもおそらく次作はまた元に戻ってると思います。
ちなみにアナログ盤は低音が凄くて、iPhoneのmp3を車で聴いたら全然違ってて驚きました。



■第2位
The Body [No One Deserves Happiness]
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ポートランドの激重ノイズ・スラッジデュオ。今年はFull of Hellとのスプリットアルバムも超強力でしたが、この単独名義の新作は今までの作品以上に怨念が籠ってる。デュオというフレキシブルさを最大限に活かしてアヴァンギャルドなノイズ、電子音楽、女性コーラスも融合したとてつもない作品。
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2015年の来日で初めて観て衝撃だった血管ブチ切れたヴォーカルが可愛く思えてきます。


■第3位
Open Mike Eagle + Paul White [Hella Personal Film Festival]
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個人的に大注目のシカゴのラッパーOpen Mike Eagleが、イギリス人トラックメイカーPaul Whiteと組んだデュオ作。
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今年はDanny Brownのアルバムをプロデュースして先鋭的なトラックを提供していたPaul Whiteが、このアルバムでは非常に多彩でオルタナティヴ感満載のトラックで楽しませてくれます。
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そしてOpen Mike Eagleのメロディアスなラップ/フローが見事に融合。傑作!



■第4位
Goat [Requiem]
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スウェーデンの多国籍トライバル・サイケデリック・バンドの3作目。サイケデリックと言ってもこちらはアフリカン・サイケデリック。
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砂漠のブルーズ直系のギターやマリンバなどの民族楽器を使ったトランス効果抜群のサウンド。


■第5位
Sam Beam & Jessica Hoop [Love Letter for Fire]

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Iron & Wineのサム・ビームが、カリフォルニアのSSWのジェスカ・フープを迎えたデュオ・アルバム。
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サム・ビームの低いディープな声を中和するようなジェスカの澄んだ声が相乗効果を生んで出来たとても美しい作品。



■第6位
Aly Keïta / Jan Galega Brönnimann / Lucas Niggli [Kalo Yele]
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西アフリカの民族楽器バラフォン奏者アリー・ケイタ +サックスとドラマーのトリオ作。どこか郷愁的すらあるバラフォンの響きと安定感のあるサックスのアンサンブルが新鮮。ジャズも細分化されいろんなジャズがありますが、民族楽器をメインにしたジャズにはリズムの面や楽器のアンサンブルなどまだまだ可能性がある。


■第7位
Ryley Walker [Golden Sings That Have Been Sung]
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シカゴのギタリスト/シンガーの3作目。前作から初めて披露したヴォーカルも、今作はさらにその歌声にも深みが出てきて、楽曲の完成度もむちゃくちゃ高い。アコースティック・ギターの響きも素晴らしい。



■第8位
Mark Ernestus’ Ndaga Rhythm Force [Yermande]
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ベルリン・ミニマル・ダブテクノの総本山Basic Channelのマーク・エルネストゥスが、セネガルの伝統音楽のミュージシャンと作ったディープなアフリカン・ミニマルダブ。伝統と未来の融合した衝撃的なポリリズミックなリズムの嵐。


■第9位
Bob Weir [Blue Mountain]
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ボブ・ウィア超久々のソロ。若手SSWジョシュ・リッターが作詞作曲し、The Nationalのメンバーが参加したアメリカーナ路線の素晴らしいアルバム。ボビーの声に痺れました。


■第10位
Steve Mason [Meet The Humans]
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元Beta Bandのフロントマンのソロ3作目。今やポップ・マエストロのようなメロディセンスの高品質ロックアルバムを作る人になっていますが、今作も超素晴らしい完成度。もはやPeter GabrielやPhil Collinsにも匹敵する男。


■第11位
William Tyler [Modern Country]
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ナッシュビルのフィンガー・ピッキング・ギタリスト(元Lambchopのメンバー)の3作目。John Faheyの遺伝子を受け継ぎながらも、それに捉われない実に芳醇で映像的なインストゥルメンタル・ギターアルバム。


■第12位
Lucinda Williams [The Ghosts of Highway 20]
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ルシンダ・ウィリアムズの13作目。良い感じの枯れ具合と力強さの両方を兼ね備えた彼女の声のバックで、ビル・フリゼールとグレッグ・リースという私が好きな2人の鬼才ギタリストの奥行きのあるサウンドが素晴らしい。


■次点
[Day Of The Dead] (10LP BOX)
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エイズ撲滅を目指す非営利団体Red Hot Organizatinの企画する超豪華メンツによるGrateful Deadのカヴァーアルバム全59曲。プロデュースはThe Nationalのデスナー兄弟。彼らは大半の曲に演奏でも関わっているので、バラバラのようでいて実は統一感のある出来になっています。
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アナログ盤は入魂のカラーヴァイナル10枚組。絶対にアナログ盤をお薦めです。
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by Blacksmoker | 2016-12-30 19:37 | 2016年総括