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EARTH [Hex: Or Printing In The Infernal Method]


2月22日に遂に新作「Bees Made Honey In The Lion’s Skull」の日本盤が登場してしまうEARTH

f0045842_23414693.jpgこの新作を前に現代音楽界の最重要バンドEARTHの音楽を振り返ろう。おそらく今回の新作は前作「Hex: Or Printing In The Infernal Method」を通過した音になる事が予想されるので、是非このアルバムは紹介しておく必要があります。

ドラムレスでリズムの全く無い空間を歪んだギターやベースのリフのみを執拗なまでに延々と繰り返す究極の表現形態「ドローン・ミュージック」の始祖的存在であるEARTH。あのSUNN O)))はこのEARTHに憧れ、自身のバンドにその名前をつけたという伝説がります(EARTHと対を成す意味で「SUN」とした)。そして数々のフォロアーを生み出した現在でさえもその影響力は計り知れない(EARTHLESSなんて名前のフォロアー・バンドまで登場)。
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カート・コバーンの最後の友人であるディラン・カールソン。この男こそがEARTHの中心人物(ちなみにカート・コバーンが自殺したショットガンを所持していたのがディラン・カールソン)である。
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シアトルで結成されたこのEARTHは1991年にミニ・アルバム「Extra-Capsular Extraction」をリリースし、そのあまりにも衝撃的なドローン・サウンドで聴く者の度肝を抜き(このアルバムにはカート・コバーンも参加)、1993年にドローン・ミュージックのマスターピースとも言える涅槃の境地に達したアルバム「Earth 2: Special Low Frequency Version」(下写真)をリリース。この恐怖のドローン・サウンドはリリースから15年経った今でも全く色褪せず圧倒的な存在感を放っています。
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その後1995年に3rd「Phase 3: Thrones And Dominions」と1996年に4th「Pentastar: In The Style Of Demons」をリリースし、ドローンという枠を更に押し広げもはや孤高の存在となったEARTHですが、この後ヘロインでボロボロになったディラン・カールソンの為にEARTHは自然消滅することになります。

そして突如2002年に復活。ライブ盤を挟み、2005年に長い沈黙を破り9年振りにリリースされた5作目「Hex: Or Printing In The Infernal Method」において、またもやEARTHは聴く者の度肝を抜きました。
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もはやここにあるのはドローンという表現形態の先駆者としての姿ではなく、その代わりにEARTHは全く別次元の音楽を提示しています。歪んだギター・サウンドは極力抑えられえ、その代わりにクリーン・トーンのギターが全編を支配する世界。

そしてその世界が描くのは広大な大地の原風景。時代に取り残された雄大なアメリカの荒野をたゆたうサウンドだ。カントリーやブルーズの根底にある闇の部分を内包しつつ、アメリカーナの叙情的な臭いを感じさせる壮大なサウンドスケープ。もちろんサイケデリックともドローンとも似ていない何とも得体の知れない不気味なサウンド。しかしただ不気味なだけではなく、大きな物語を語るようなストーリー性を感じさせるサウンド。聴く毎にどんどん深みにハマっていきます。
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ディラン・カールソンはギターだけでなくバンジョーなども使用しており、そのサウンドを更にノスタルジックなものにしており、そして時折挟まれるスライド・ギターのフレーズはブルーズのフィーリングを感じさせます。アルバム内の写真は全て西部開拓時代のモノクローム写真が使われており(デザインはSUNN O)))スティーヴン・オマリーが担当)、その写真がまたこのアルバムの郷愁さと不気味さが同居するサウンドと非常にマッチしています。An Inquest Concerning Teethでの不気味な反復リフからスライド・ギターが入ってくる展開には神々しさを感じさせます。人間の中にある潜在的に眠った記憶を呼び覚ますかのような儀式的な音。その音の端々に一種の「霊的なモノ」を感じずにはいられません。
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ドローンを極めた先駆者が新たな方向性を打ち出し、その圧倒的なオリジナリティで全く別の頂点を極めた一大傑作。「Earth 2: Special Low Frequency Version」のようなサウンドを期待する人は愕然とするかもしれないが、これは音楽の根源を見直させてくれる作品と言っていいだろう。狭義の意味では問題作だが、音楽という広義の意味において超傑作。新作を前に是非聴いてみて欲しい。
 
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by Blacksmoker | 2008-02-10 00:22 | DOOM

ACID KING [Busse Woods]

やってしまった…。アシッド・キングの初来日公演を見事忘れていました。今気付いた次第です。くそ~超楽しみにしていたのに~!

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アシッド・キングは女性ボーカル、ロリS率いるサンフランシスコ出身のスラッジ/ドゥーム・ロック・バンド。とてつもなくスローでプレス機のようにヘヴィなモンスター・リフ満載のスラッジ・ギターにロリS嬢の雄叫びが乗るグレイトなサウンドで、その轟音スラッジなギターは極上のサイケデリック・トリップを誘発します。ちなみにロリS嬢はTHE MELVINSのドラマー、デイル・クローヴァーの元奥さん。
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さて、その彼らの代表作を紹介します。 昨年5年振りのアルバム「3」 をリリースしましたが、彼らの代表作f0045842_1283424.jpgというとやはり1999年にリリースされた「Busse Woods」 でしょう。元BUZZOV.ENのベーシスト、ブライアン・ヒルが新加入でスラッジ・サウンドに磨きがかかり、ロリS嬢のボーカルも迫力満点(ダミ声じゃないのがポイントです)。じわじわ攻めて来るスラッジなサウンドに身を任せるとそこはもう桃源郷。そのサイケデリックな酩酊感なあのマイブラが子供に見えますよホント。


ああ、ライブ観たかった~!無念です。



 
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by Blacksmoker | 2006-02-05 01:47 | DOOM