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MERZBOW @ 新世界Bridge 4/29(土) 2006

f0045842_055112.jpgゴッド・オブ・ノイズ秋田昌美によるソロ・プロジェクト、メルツバウの珍しいワンマン・ライブに行ってきました。関西でのソロ公演はまだ2回目という貴重なライブ。その為、今回の公演には特別な音響システムが使用されるとの事。

さて最近の秋田昌美は「私の菜食生活」 という本を出版して菜食主義を貫く姿を書いています。それが音に表れているかは分からないが、鶏を抱いて写真に映ったり、毛皮反対運動に参加したりするストイックなほど菜食主義を前面に押し出した彼の姿勢はハードコアだ。

さて、Power Book G4が2台とエフェクターが無造作に繋がれたセットに秋田氏が登場。丁寧にも2台のG4ともに「MEAT IS MURDER」と書かれたステッカーが貼ってある。最初はパルス・ノイズが飛び交い、そのノイズが何層にも何層にも重なり合いさらなるノイズを生み出す。電子音の高周波が鼓膜に響いて耳が痛い。2003年にRelapseからリリースされた「Pulse Demon」 のようなノイズが空間を支配する。その後はメルツバウ特有のハーシュ・ノイズの嵐!!メルツバウにはサイケデリックを感じさせるホワイト・ノイズf0045842_134440.jpgなんてものはなく、ひたすら暴力的で肉体的な轟音ハーシュ・ノイズしかない。「菜食主義者なのにこんなエグい音出していいのか?」 と思うくらいのいつもの容赦ないノイズで、音響システムも低音がエゲつないほど体に響いて強烈でした。今回久々にメウツバウを観たので驚いたのですが、最近はラップトップ以外のものも使ってノイズを出してるんですね。新たに開発したと思しき変な鉄板にスプリングやペダルが取り付けられた楽器のような装置を使ってもノイズを出していました。手でそのペダルを押すと象の泣き声のようなノイズが出てましたよ。

結局2時間近くもその轟音地獄が続いた後、ピタっと音を止めて秋田氏は無言で去って行きました。拷問のようなノイズを全身に浴び続けて疲労感でクタクタな客の顔が面白かったです。

私もいまだに耳鳴りしてますよ…。
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by Blacksmoker | 2006-04-30 01:15 | ライブレポート

BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB [Howl]

最近のスピリチュアライズドや初期マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのような爆音サイケ・ロックンロールをf0045842_21284134.jpg奏で(個人的にはニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズに匹敵すると思っている)、「ロックンロール・リヴァイヴァル」 の片翼を担う存在の革ジャンに身を包んだ3人組ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ。2005年に出た3年振り3作目のアルバムのタイトルはズバリ「ハウル」!「吠える」と来たからには以前にも増して轟音かと思いきや、これがビックリの方向転換作。

全編アコースティックなのです。爆音は一切登場せず。爆走サイケ・ロックンロールの代わりに、基本になっているのf0045842_21323475.jpgブルースカントリー、そしてスピリチュアル(ゴスペル)。使われている楽器もスライド・ギターにブルース・ハープに、ハモンド・オルガンという徹底ぶりで黒人音楽・教会音楽へ完璧に振り切ってしまってます。しかし、これがマジにカッコイイ出来なのです。元からこのバンドはそういう音楽的要素を含んでいただけあって実に自然な転換ぶり。まだまだ若いのに早くもこの熟成ぶり。個人的にブルースやスピリチュアルが好きなのもあってこのアルバムはかなり好きな作品です。前2作が好きな人の感想も聞いてみたい。


アルバムのベスト・トラックはやはり1stシングル「Ain’t No Easy Way」 。カントリー調のアコースティック・ギターに、もう一本スライド・ギターのボトルネックの音が絡み、ブルース・ハープにタンバリンという装飾もいちいちカッコ良く、ほとんど同じ言葉を延々呪文のように吐き出す擦れたヴォーカルといい最高にクールな1曲。この曲は常々DJの時にかけてみたいと思っているんだが、次こそはかけてみようかな。
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ちなみにここで彼らのライブ音源がフルセットで聴けます。是非チェックして下さい!そして誰かこの音源のデータの保存の仕方教えてください!
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by Blacksmoker | 2006-04-28 00:01 | ROCK

CHARLIE HUNTER TRIO @ Blue Note Osaka 4/22(土) 2006

トリオ編成としての最新作「Copperopolis」 をリリースしたばかりのチャーリー・ハンターの来日公演に行ってきました。最近のジャムバンド・シーンの興隆の中でもこのチャーリー・ハンターは精力的なライブ活動と順調な作品のリリース頻度でこのシーンの中核を担う存在だ。

まずチャーリー・ハンターの代名詞といえば、驚異の楽器「8弦ギター」!これは凄いです。まず上の3弦がベースの弦、そして残りの5弦がギターの弦というこの人オリジナルに作られた特殊なギターなんです。フレットも変形しています。要するにギター音とベース音が鳴らせるこの楽器をチャーリー・ハンターは自在に操り、まるでギタリストとベーシストが同時に演奏しているような超絶な演奏を聴かせてくれるのです。言葉で書くとインパクトは少ないかもしれないが、彼の音源を聴いたらブッ飛びますよ。ギター・ソロを弾いているf0045842_3103488.jpgバックで全く別メロディのベースラインがランニングしているんですよ!有り得ない!100人中100人がコレを聴いても、1人で演奏しているなんて言ってもまずは信じてもらえないでしょう。それくらい凄い演奏力でインプロヴィゼーション中心のライブ・パフォーマンスを繰り広げるわけですから、ライブは超カッコイイ。ロバート・ランドルフソウライブなどに近いノリを持っていますね。

さて今回の来日公演ですが、トリオでの来日。彼のトリオには凄腕のミュージシャンが揃っている。まずサックス・プレイヤーのジョン・エリス。彼はこのバンド以外でも自身のリーダー・アルバムも発表している実力派サックス・プレイヤー。見た目は大人しい寡黙な兄ちゃんですが、メロディカやウーリッツァーも自在に演奏する姿はめちゃくちゃカッコイイ。そして1人だけスーツでキメた巨漢の黒人ジャズ・ドラマー、デレク・フィリップスの熱いプレーも最高にクールだ。ドラム・ソロなんて上着を脱いでの熱演。
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そしてリーダーのチャーリー・ハンターは相変わらずの超絶なプレーを見せてくれました。ディストーションを効かせたギターのファンキーなフレーズを弾くのと同時に、親指だけでベースの3弦を弾きながらまったく別フレーズが鳴っているという神技!もう一度言うが同時にですよ!今回は一番前のテーブルで超至近距離から観ていたわけですが、全く理解出来ませんでしたよ。一体どういう頭の構造なんだ、この人は!ずっと座りっぱなしでのプレーだったのでハードな動きが少なく大人しめな感じだったのが少々残念だったが、この神懸かり的プレーをブルーノートの素晴らしい音響で観れただけでも貴重な経験でしたよ。ジャム・バンドというよりはジャズでしたね。次回は3時間くらいのセットで存分に観たいです。
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ちなみにチャーリー・ハンターのデビュー・アルバムをプロデュースしたのはプライマスレス・クレイプール。あ~なるほどと納得。やっぱ変人の周りには変人が集まるんだなぁ…。
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by Blacksmoker | 2006-04-26 03:16 | ライブレポート

GHOSTFACE KILLAH [Fishscale]

f0045842_23124696.jpg2004年の前作「The Pretty Toney Album」 はかなり長い間カーステ占領盤となったわけですが、今回のゴーストフェイス・キラーの新作もかなりヤバい出来で、ステレオに入りっぱなし確実です。

商業的にも人気的にも完璧に勢いの無くなったウータン・クランだが、その中で実は一番安定したヒット打率を誇るのがゴーストフェイス・キラーだ。意外にも一番人気と思われるメソッド・マンよりも商業的には上なのだ。そもそも前作からDef Jamに移籍したのもデカい。商業的バックアップもバッチリでミッシー・エリオットを迎えたシングルカット「Tush」 のヒットも記憶に新しいところ。

ゴーストフェイスの人気の理由はソウルフルな泣きのハイトーン・ラップと、ヴィンテージ・ソウルのレコードを存分にサンプリングしたそのメロウなトラックのセンスにある。「ウータン随一のソウルマン」と呼ばれる所以だ。ジャズ・クラシックのサンプリングならア・トライブ・コールド・クエスト、ソウル・クラシックのサンプリングならゴーストフェイス・キラーという訳だ。フットワークも軽く、昨年ではプレフューズ73のアルバムにも参加していましたね。
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さてDef Jam移籍第二弾(そしてショーン・カーターaka Jay-ZのDef Jam CEOになって手掛けるゴーストフェイスの初のアルバム)となるこの新作ですが前作との違いは、前作でも出番が減って僅かながらしか関わっていなかったウータンの首領RZAの名前がこのアルバムで完全に無くなった事。代わりにトラックのプロデュースを手掛けているのがピート・ロックJ ディラ aka ジェイ・ディー、そして覆面ラッパー兼トラックメイカーのMFドゥームというまったくメジャーから出ていると思えないメンツ!何なんだこの人選は?確かにピート・ロックやMFドゥームやJ ディラなどは知名度は相当だがメジャー・フィールドのトラックメイカーではない。この中に参加しているトラックメイカーではジャスト・ブレイズくらいじゃないか、メジャー級と言ったら。そんな意外すぎる人選だが中身は相変わらずのソウル・クラシック使いのメロウなサウンドが満載。

まず注目なのはファースト・シングル「Back Like That」 。現在自身のアルバムが大ヒット中のDef Jam驚異の大型R&B新人Ne-Yoをfeat.した泣きの失恋ソング。完璧なギャル・チューンに仕上がっております。当然のことながらヒット中。クラブに行くときは押さえておきましょう!

f0045842_2318553.jpgその他には昨年から話題だったピート・ロック(右写真)が手掛けた「Be Easy」 。クラブでもガンガンにプレイされていて盛り上がってましたよコレは。どんなミックステープにも必ず入ってたし。ザ・シルヴァーズの名曲「Stay Away From Me」 使いのフロア・アンセム。そういやニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド「Spark Da L」 も同ネタ使いでした。

話題として注目度が高いのは「9 Mili Bros.」 。なんと故ODBまで含めたウータン・クラン全員集合のハードコア・ポッセ・カット。RZAが全員の名前をシャウトアウトし始まるこの曲は男なら熱くなる事マチガイナイShit。驚くのはこの曲のプロデュースがMFドゥーム(下写真)!MadvillainDanger Doomf0045842_23262767.jpg他にもキング・ギードラなど様々なプロジェクトを持つこのアンダーグラウンドの謎の鉄仮面男MFドゥーム。Danger Doomの時にゴーストフェイスが参加していたとはいえ、彼がウータン・クランを手掛けるなんて夢にも思わなかったが、意外と相性バッチリなクラシックの誕生です。ピアノの響きが印象的だ。MFドゥームはこの他にも3曲手掛けております。全曲ヤバいくそドープなトラックを提供している。

f0045842_2331650.jpg今年3月に惜しくも他界したJ ディラ(右写真)のトラック「Whip You With A Strap」カニエ・ウェストばりのソウル・レコードの声ネタ早回し手法で超メロウなチューン。遺作となった「The Donut」 でもJ ディラはこの声ネタのサンプリング手法を使っていたが、まだまだ発展途上のようなあのアルバムでも感じられたが、彼は新たなフェーズに向かっていたようだ。本当に偉大な才能を失ったと思う。

1曲づつ解説していくと長くなるのでこの辺にしといても、全編を通してなかなかアンダーグラウンドな臭いを保ちつつメジャー・フィールドも見据えた作りはさすがの一言。ソウルのネタ使いとメロウなラップの相乗効果で、またもや泣ける一枚となってます。最終曲のローガン・ミッシェルをfeat.した女性賛歌「Momma」 に大泣き確実です。ちなみに日本盤にはこのあとThe Notorious B.I.G.をfeat.した曲も入っているが、先日出たビギーのクソなデュエット・アルバムのアウトテイクのような出来なんでいらねー。

そしてこのアルバム、見事ビルボード200で初登場4位!マチガイナイ!!!
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by Blacksmoker | 2006-04-24 00:02 | HIP HOP

JESSE HARRIS @ Shinsabashi Club Quattro 4/18(火) 2006

最新作「Mineral」が極上の出来だったので、昨年のブルーノート公演の悲しいまでの閑散ぶりは上回る動員を期待して行った心斎橋クラブクアトロでしたが・・・またもやガラガラ!!何なんだよ一体!全部で50人くらいしかいなかったかな。ちょっとはノラ・ジョーンズ好きのOLが流れてきても良かろうに。昨年エイモス・リーの来日公演が盛況だったのを聞くと「何だかなぁ…」 って気になりますよホント。クアトロの最前列にテーブルが置いてあるトコなんて初めて見ましたよ。

しかしブルーノート公演の時もそうだったが、そんな状況とは裏腹にジェシー・ハリスはいたってマイペース。いつもの通りの最高品質のライブを披露してくれます。本当に素晴らしい才能ですよジェシー・ハリスは。こんな天才はなかなか現れるもんじゃないですね。
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開演前に「本日はスペシャル・ゲストとして6月にデビューする新人、サーシャ・ダブソンが登場します」 と場内アナウンスがあり、待っていたら出てきたのはジェシー・ハリスwithそのバンド。しかもそのままいきなり始まって拍子抜け。1曲目は最新作から「Slow Down」 でスタート。隙間を活かした最小限の音に、スイート極まりない透明感のある声、そしてハモンドB3オルガンの郷愁的な音色がニューヨークの空気感をそのまま運んでくれたような錯覚に陥る。ジェシーの声はいつ聴いても、何の抵抗感もなく自然に心に染み込んでくる。アルバムではベースレスのトリオ編成だがライブではベーシストが参加してボトムの利いた低音を聞かせてくれる。ボブ・ディランもカヴァーしたことのある「Corina,Corina」 ではアルバム・ヴァージョンと違って、丁寧にもディラン・ヴァージョンにする演出も憎い。

f0045842_20505942.jpgライブ中盤にジェシーの紹介で前述のサーシャ・ダブソン(右写真)が登場。ジェシーのギター1本をバックにかなりの歌唱力を見せ付けてくれた。ジャジーかつボサノヴァな音楽性は「NEXTノラ・ジョーンズ」というより畠山美由紀に近い。ジェシーとリチャード・ジュリアン(最近話題のLITTLE WILLIES)が全面バックアップした彼女のアルバムも話題になりそうだな。

その後も最新作を中心に素晴らしい曲を演奏するジェシー・ハリスのライブを観ていて、ひとつ気付いたことがあった。ジェシー・ハリスの書く全ての楽曲のレベルが高すぎて、その素晴らしい楽曲は1曲でもハイレベルなのにアルバムにまとめて並べられると互いの素晴らしさが目立たない気がするのだ(現にiPodのシャッフル機能でランダムに聴いていた時にジェシー・ハリスの曲が出てきた時の際立ち方はハンパないです)。駄曲が無いというのはこういう弊害もあるんだなぁと、次から次に演奏される名曲を聴きながら考えておりました。

こんな凄い才能があまり人気ないなんてほんともったいない…。2004年のグラミー賞最優秀楽曲賞の受賞者なのに。しかし、客が何人いようといたって控えめなこの天才はいつもと同じ素晴らしいライブを見せてくれる。そこがまた嬉しい。何でもニューヨークの「Living Room」というf0045842_20521313.jpgクラブでは毎週月曜日ジェシー・ハリスのライブが観れるそうで、しかも値段はたった5ドルストーンズイーグルスが150ドル近い、まるで消費費者金融並みの暴利を貪るコンサートをやるこのチケット高騰時代に5ドルですよ。こういう所も実に共感出来ますね。俺がニューヨーク在住なら毎週観に行ってるだろうな。

今回の来日公演は残り、名古屋・東京の2公演ありますので興味のある人は是非観に行ってみて下さい。
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by Blacksmoker | 2006-04-20 20:55 | ライブレポート

レゲエ馬鹿道場(VERSION) 第三回。

ご無沙汰してます!レゲエ馬鹿道場第三回目です。

さて今回はレゲエ界のミステリーを紹介しましょう。さあいってみよう第3回目はコイツだ!

HUGH MUNDELL「Africa Must Be Free by 1983」(1978)
ヒュー・マンデルアフリカ・マスト・ビー・フリー・バイ・1983


「アフリカは1983年に解放されるだろう」というf0045842_23225245.jpgこの予言めいたタイトルのアルバムで1978年に衝撃的なデビューを飾ったヒュー・マンデルという男。男というか少年なんです。なにせこの時わずか16歳!!! そしてこのまだ声変わりもしていない少年がラスタの主張を全面的に押し出したアルバムは、ルーツ・レゲエのハードコア・サイドを表した傑作となりました。


このアルバムをプロデュースしたのは、リー・ペリーと並ぶDUBのパイオニア、オーガスタス・パブロ(下写真)。彼の全面バックアップにより彼の才能は開花したといって良いだろう。例えるならドクター・ドレをバックにデビューしてきたエミネムみたいなもんです。ヒュー・マンデルを演奏面で支えるのはそのオーガスタス・パブロ率いるバンド「ROCKERS ALL STARS」。その構成員はロビー・シェイクスピアリロイ・ホースマウス・ウォレスジェイコブ・ミラーアール・スミス、そしてオーガスタス・パブロ。名盤f0045842_23375711.jpgと呼ばれるレゲエのアルバムのクレジットには、必ずこの中の誰かの名前が入っていると言っても過言ではない。このROCKERS ALL STARSによる尖鋭的な演奏にヒュー・マンデルの若い声で歌われるマイナー調の哀しげなメロディーが頭から離れません。ここにはレゲエのハッピーで陽気なメロディーは存在しません。(まあオーガスタス・パブロのプロデュースしたアルバムはほとんどこんな感じですけど。)

さてこのアルバムがなぜミステリーなのかという話が残っています。

1978年にヒュー・マンデルは冒頭の「アフリカは1983年に解放されるだろう」という予言した後、数枚アルバムを発表します。そして予言の1983年。彼は何者かによってf0045842_23562931.jpg暗殺されてしまうのです。原因・理由などは一切不明。未だにその真相は闇の中となっています。享年21歳の若すぎる死でした。「1983年に解放される」とはどういう事だったのだろうか?彼のこの言葉は何を意味していたのだろうか?その真意は今も謎のままです…。しかし、この「Africa Must Be Free by 1983」は彼の短かった人生の最高傑作であり、同時にレゲエ界屈指の名盤の1つでもあります。このアルバムを聴いて彼の才能を偲びましょう。でも夜に1人で聴くと、とても悲しくなりますのでご注意を。

ルーツレゲエの良質レーベルRasから発売されているCDには収録曲全曲のダブが付いた豪華盤ですので、こちらをチェックしてみて下さい。

JAH RASTAFARI!!!
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by Blacksmoker | 2006-04-18 00:09 | レゲエ馬鹿道場(VERSION)

GREEN DAY [Bullet In A Bible]

このDVDはマジで凄いぞ。いつの間にグリーン・デイはこんなデカいスタジアム・ロックのバンドになっていたんでしょう。

f0045842_1533410.jpg2004年の「American Idiot」 リリース以降の彼らはホント神がかっている。ビリー・ジョーのカリスマ性が凄い。この存在感はちょっとトンでもないですね。パンク・キッズからロックスターへの変貌ぶりに驚きます。何でも「American Idiot」 は既に1,000万枚以上売上げているそうだ。このアルバムからのシングル・カットも5枚目に突入。もはや彼らと張り合えるバンドはU2くらいなんじゃないかな?

これは2005年6月18日・19日の2日間にロンドン郊外のミルトン・キーンズ・ボウルで行われたライブを収めたDVDですが、何と2日間で13万人(!!!)を動員。偶然にも同じ日にロンドンではU2もスタジアム・ツアーをやっていたそうですが、そのU2の動員数を上回ったそうです。何たって1日で6万5000人ですからね。
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しかしグリーン・デイはこの大規模な観客の心を掌握し、一つにまとめ上げていく。その瞬間が手に取るように分かる。涙が出るくらい感動的だ。観客も全曲大合唱だし、バンドも全精力を使ってプレイする。これぞライブ・バンドの真髄。政治的発言も全然青臭くない。歌詞も政治的なものから、キッズから大人へ変わる不安や悩みを代弁した等身大の歌詞など実に共感できるものが多い。全てのキッズや昔パンクスだった青年たちの兄貴役を一身に受け止めて走るグリーン・デイは眩しすぎるくらいカッコイイ。
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by Blacksmoker | 2006-04-15 02:16 | ROCK

HAYDEN [Everything I Long For]

先日、マイメンnakataとジャズのレコードの発掘に行ってきました。フリージャズやらイタリアのジャズやらいろいろ漁ってきて、「50年代~60年代のジャズは、ジャケがマチガイなければ内容もマチガイナイ」 とかいろいろ喋ってまして…。

f0045842_124752.jpgそしてチャーリー・ヘイデンの話題になった時に、ジャズとは全然関係ない話題で、なぜか「10年位前にデビューしたヘイデンはヤバかった」という会話になって、たまたまiPodに入っていたヘイデンのデビューアルバム「Everythin I Long For」をさっそく車で久しぶりに聴いてみたらほんとにヤバかった!(ちなみにチャーリー・ヘイデンではありませんよ。ただのヘイデンです。)

1996年にカナダのトロントから現れた謎の新人ヘイデン。当時(ごく一部で)驚異の大型新人的扱いで話題になったので憶えている人もいるでしょう。雑誌などではベックカート・コバーンと比較されたりもしていましたね。今考えたらなぜだか良く分からんけど…。デビュー・シングル「Bad As They Seem」 は野太くヤボったい声で歌われる4トラックで宅録されたシンプルな弾き語りのフォーク・ブルース。こんな地味な歌がなぜ話題になったんだろうか?おそらくグランジ旋風が吹き荒れていた当時の時代性もあったんだろうが、ヘイデンの歌う歌詞の内容もその要因の一つだろう。この「Bad As They Seem」 は16歳の少女とその母親の両方に恋をする43歳の男の視点で歌われる。「どうしようもないこの状況は思ったとおり最悪だ」 と歌われる歌詞はフィクションだが実に生々しい。「何にも変わらない絶望的な状況」を歌うという行為はグランジ世代(Generation X)の代弁者のように映ったのかもしれない。

f0045842_1324118.gifその他の曲も非常に変な視点の歌詞が多い。愛人が出来た為に邪魔になった子供を車に閉じ込めたまま湖に沈めたスーザン・スミスという女性の実在の事件を、沈められていく車の中の子供の視点で描かれた「When This Is Over」 という曲の内容は強烈だし、湖で溺死した妻を忘れられず、冬になったらスケート靴を履いて湖に出て行く男の歌「Skates」 も不気味だ。女性とのうまくいかない関係を歌った少し変質狂的な曲も多いなぁ。曲調もあまり変化のないフォーク・ブルース。声質はトム・ウェイツに似ている。

しかし、なんて暗いアルバムなんだ!!こんな地味なアルバムが売れたのか?売れたんだっけ?その後全く名前を聞かなくなったので売れなかったのかもしれない。やはり地味すぎる存在だったからだろうな。でも、このアルバムは地味ながらも実に味のあるアルバムだ。ハマるとヤバい!当時ハマった人も多いんじゃないか?今あらためて聴くとヤバいですよ。1年に1回くらいは棚から引っ張り出してきて聴きたくなるアルバムですねぇ。

調べたらその後も何枚かアルバム出していたので活動はしてるようだ。なんかホッとした。
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by Blacksmoker | 2006-04-13 01:34 | FOLK

CASSANDRA WILSON [Thunderbird]

f0045842_101115.jpgジャズ・ボーカルの女王」的な存在のカサンドラ・ウィルソンの3年振りの新作です。

今回カサンドラが組んだプロデューサーは意外にもTボーン・バーネット。Tボーン・バーネットがカサンドラ・ウィルソンをプロデュースすると聞いて、その組み合わせで想像した音はアメリカン・ルーツ・ミュージック。普通ならそう思うでしょう。

しかし今回のレコーディングにはマイク・エリゾンドの名前が。HIP HOPヘッズなら彼がドクター・ドレ「2001」 に参加していて、あの新しいGファンク・サウンドの極太重低音ベースを弾いていた男として知っているだろう。最近ではフィオナ・アップルの復活アルバムの完成に手を貸した人物としても知られる。そして他にもこのアルバムにはケブ・モマーク・リボーの名前も。こりゃなんか聴く前から凄いアルバムになりそうな予感が…。ジャケもおっかないし。

そして実際聴いてみると1曲目からプログラミングされたドラム音で驚きますが、意外とルーツ・ミュージック色は希薄。やはりベースの低音が強烈に響いている。カントリーやゴスペルの明るい曲調を予想していたが、案外ダークでシリアスなムードが漂っている。これはブルースですね。ただシンプルなブルースではなくエレクトロニック色も絡めた実験的な音処理がなされている。
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しかしサウンドもさることながら、やはり最大の魅力はカサンドラの実に深い海のようなヴォーカルに尽きる。昨年ブルーノートでカサンドラのライブを観ましたが、凄い深みのある低音の利いた歌声に圧倒されましたね。このアルバムでも最も印象的だったのはカサンドラのヴォーカルとスライド・ギターだけで奏でられるトラディショナル・ソング「Red River Valley」 。これだけサウンドに工夫を凝らしても、一番印象的なのがギター1本だけの曲というのが皮肉だが、カサンドラの新たな魅力が引き出されたカッコ良いアルバムです。 

最後に一言。カサンドラの写真は斜めに写っているのが多いんですが、正面から見るとかなり太…(以下自主規制)。
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by Blacksmoker | 2006-04-11 01:07 | JAZZ

JESSE HARRIS [Mineral]

世間はどうやらジェシー・ハリスを誤解しているようだ。

ノラ・ジョーンズのDon’t Know Whyの作曲者』というのは彼の一部分に過ぎない。確かに知名度が上がり、おかげでメジャー・レーベルから作品をリリース出来るようになったが、これは諸刃の剣だった。おそらくレーベルからは「ノラ・ジョーンズをもう一度参加させてヒットを狙え」的な事を言われていたのは容易に想像できる。ノラ・ジョーンズにf0045842_095915.jpg悪気はないが、これが彼のイメージを決定してしまい逆に新しいファン層を開拓出来ない状況になっている。それが如実に現れたのが昨年のブルーノートでの来日公演。ここまで客の入っていないブルーノートは初めてだった。「クアトロだったら良かったのに…」 と思いながら観た彼の来日公演はしかし、スイート極まりない声で歌われる歌と隙間を存分に活かしたジャズやラテンのエッセンスを盛り込んだ演奏がとても素晴らしいものでした。世間は彼を誤解している。ジェシー・ハリスは稀代のシンガー・ソングライターとして後世に語り継がれる存在だ。

f0045842_0105788.jpg彼の事を理解してないメジャーとはおさらばしたのか、今回の4枚目の新作「ミネラル」は彼が新たに設立したレーベルよりのリリース。要するにインディペンデントに戻ったわけです。インディペンデントに戻ったからといって、音楽性が変わるわけでもなく、逆に以前に増して研ぎ澄まされたソングライティング・センスが光る名作になりました。もちろんノラ・ジョーンズは参加していません。

アルバム・タイトルの「ミネラル」 という言葉と同様に、みずみずしい音が非常に綺麗で北欧的な透明感も兼ね備えている。全編に渡るスローで柔らかな楽曲は、ボサノヴァに通じる時間の流れがある。オルガン奏者ラリー・ゴールディングスのハモンド・オルガンのヴィンテージな音がとても効果的だ。どこかジェイムス・テイラーを思わせる所もありますね。

しかしボブ・ディランもカヴァーした「Corinna Corinna」 をはじめ、ホントに良い曲ばっかりです。涙が出そうなくらい美しく綺麗です。もしもこのアルバムがあまり聴かれることなく世間に忘れられたとしても、このアルバムを聴いた人には確実に年月を経ても聴き続けられる名盤となるでしょう。

実は今月、再来日公演が控えています。しかもクアトロで!
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by Blacksmoker | 2006-04-07 00:25 | FOLK