<   2006年 05月 ( 11 )   > この月の画像一覧

「The Blues」DVDシリーズ 第3回。

「Red, White & Blues」(監督:マイク・フィギス) 

f0045842_23122915.jpgリービング・ラスベガス」の監督マイク・フィギスが手掛けたこの作品。60年代以前に白人が認めようとしなかった黒人のブルースを、いち早く認めたイギリスが舞台になります。そして、この海を渡ってきた新しい音楽を熱狂的に受け入れたイギリスの若者達が主人公です。彼らは「ブルース・ロック」という独自の英国製ブルースを生み出し、それはアメリカに逆輸入され白人のブルースが黒人に受け入れられるという現象を生み出します。アメリカでブルースが再評価されるキッカケになるのです。

さて、前述の主人公となるイギリスの若者ですが、これが超豪華。ピーター・グリーンヴァン・モリソンスティーヴ・ウィンウッドミック・フリートウッドエリック・クラプトンジョン・メイオールジェフ・ベックトム・ジョーンズエリック・バードンなどなど。彼らは当時皆10代そこそこでブルースの洗礼を受けるわけです。そして彼らがブルースとの出会いやその魅力について喋る喋る。とにかくこれでもかというくらい固有名詞が出て来ます。もちろんビートルズ、ストーンズも出てくるし、クリームも出て来ます。中でも一番熱く語っているのがエリック・クラプトン。目を輝かせながら喋りまくってます(下写真はCREAMで、真ん中がクラプトン)。個人的な事を言わせてもらうと、クラプトンは歌を歌うより黙ってギターを弾いているのが一番カッコイイと思います。
f0045842_23192118.jpg
劇中様々なミュージシャンが「ジョン・メイオールがブルース・ロックの創始者だ。」と言っているのが印象的でした。しかしこの映画、映画というよりもテレビのドキュメンタリーといった感じで、どうも盛り上がりに欠ける出来でした・・・。


f0045842_23244026.jpgただ貴重な映像もあり、特に英国にツアーで来たアメリカ南部出身の、シスター・ロゼッタ・サープ(右写真)という女性ブルースマンの映像は凄かった。ゴスペル・コーラス隊をバックにフェンダーのギターでR&Bをブチかます映像はマジぶっとびます。教会音楽なのにドラムも入ってます。この映像だけでも観る価値はアリ。


[評価] ★★★★★ ☆☆☆☆☆
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-30 23:43 | 「THE BLUES」 DVDシリーズ

SEPULTURA [Dante XXI]

個人的な事なんですがボクシングをやってます。車でジムに行くときは音楽をかけていますが、普段良く聴いているレゲエやフォークなどを聴いているとどうも気合が入らない時がある。sakanaのアルバムを聴いていても絶対アガりません。そんな時はハードコアとかメタルが一番盛り上がる!(ちなみにジムではヒップホップがガンガン流れている。)

そこでそんな気合を入れたい時に最適なアルバムを紹介しましょう。ブラジルが生んだスラッシャー、セパルトゥラの新作です!やっぱヤバイよね、コイツらは。

1996年の歴史的超名盤「Roots」を最後にVo.のマックス・カヴァレラが脱退しソウルフライを結成し、残った3人は新たに黒人ヴォーカリスト、デリック・グリーン(下写真)を加入させ新生セパルトゥラf0045842_052720.jpgを始動させました(ちなみに「Roots」を出した時の絶頂期に行われるはずだった来日公演はマックスの脱退により直前に中止になっています。マイメンnakataと私はこのライブのチケットを買っていたので相当のショックを受けました…)。最初こそ弩級のインパクトをシーンに与えた両バンドですが、以降この数年は両バンドともどうも精彩を欠いている気がしてならない。どうもインパクトが足りないのだ。そしてセパルトゥラの方は、今聴いても全く色褪せる事の無い文句無しの名盤「Roots」で確立した土着的トライバル・メタルの要素がどんどん無くなってハードコア色を強めている。

f0045842_0523620.jpgその極めつけといっても良いのがこの新作「ダンテXXI」。これは最近の燻ったセパルトゥラのイメージを払拭してくれる会心作です。タイトルにもありますが今回のアルバムは、あのイタリアの詩人ダンテの最高傑作と言われる「神曲」をモチーフにして制作されています。原作の通りアルバムも「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」と3つのパートに分かれている。そしてこのアルバムで彼らは一層ハードコア色を強めたメタル・サウンドに回帰している。まるであのスラッシュ・メタル名盤認定アルバム「Arise」に匹敵するスラッシャーぶり!黒人ヴォーカリスト、デリック・グリーンの断末魔のような叫びにも一層磨きが掛かって物凄い迫力だ。1曲目のイントロから続く2曲目のイゴール・カヴァレラ(下写真)の鬼のようなドラミングとゴリゴリの即死級なギター・リフに熱くならない男は完全にフェイクですよ。
f0045842_0592658.jpg
もちろんただ速いだけではなくチェロホルンシタール、そしてオーケストラも導入した意欲的なサウンドになっている。だがやはり基本はスラッシュ・メタル!オールドスクールなスラッシュ・リフを踏襲した曲もあるが、基本は2006年版のアップデイトされたスラッシュ・メタルですね。前作までの迷いを微塵も感じさせない会心の出来。
f0045842_134795.jpg
ソウルフライの新作「Dark Ages」もかなりのスラッシュ度だったがこっちも負けていないです。個人的にはソウルフライの方が好きなんですが、セパルトゥラもなかなか盛り返してきましたね。この2組が健在ならまだまだメタルも楽しめますね。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-26 01:15 | METAL

YONDER MOUNTAIN STRING BAND [Yonder Mountain String Band]

化けた!これは一皮剥けましたね~!

f0045842_23542638.jpgブルーグラス界の若手筆頭株、ヤンダー・マウンテン・ストリング・バンドの新作は今までの作品の出来を軽く上回り、多方面に十二分にアピールする作品となりました。

ヤンダー・マウンテン・ストリング・バンド(日本では「ヨンダー」と紹介されていたが「ヤンダー」が正しいby B.O.Mレコードの店長)は1998年にコロラドで結成されライブをメインに活動しているブルーグラス・バンド。年間150本以上もライブをこなし、今までに3枚のスタジオ盤もリリースしているが、それ以上に4枚のライブ盤をリリースしている筋金入りのライブ・バンドだ。
f0045842_038546.jpg
歴史の長いブルーグラス界でも彼らやアリソン・クラウスニッケル・クリークケラー・ウィリアムスなど若い世代のブルーグラッサー達は純粋なブルーグラスというよりいろんなジャンルの音楽の影響を自然に自分の音楽に反映させるので彼らは「ニュー・グラス」と呼ばれている。その「ニュー・グラス」の中でもヤンダーが人気を得たのは、やはりグレイトフル・デッドをルーツとする「ジャムバンド・シーン」においてブレイクしたのが大きい。ブルーグラスのドライブ感を取り入れた即興演奏はジャムバンド的発想で若いヒッピー達からは絶大な信頼感を得ている。今や全米一のフェスティヴァルとなったジャムバンドの総集結の「Bonnaroo Music Festival」でもヤンダーは常連で、ブルーグラス・ファンよりも全米のロック・ファンを味方につけてどんどん大きくなってきてるわけです。
f0045842_0185934.jpg
そしてその絶好のタイミングでリリースされるこのセルフ・タイトル新作はヤンダー・マウンテン・ストリング・バンドの意気込みを感じれる傑作です。プロデューサーにはベックやバッドリー・ドロウン・ボーイ、最近ではジェイムス・ブラントなどを手掛けた完全なロック畑のトム・ロスロックを起用。そのおかげで今までのスタジオ作品の垢抜けない古くさい音から一転ハイブリッドなロック・サウンドになりました。だからと言って彼らの魅力が失われたわけでは一切なく、幅広い層にアピール出来るポピュラリティなサウンドを獲得したと言っていい。そうなんです。これはロック・ファンにこそ聴け!と言いたい作品なのです。

バンジョーフィドルマンドリンといった楽器のドライブ感全開の超速弾きサウンドはロック・ファンには新しい魅力だろう。そしてブルーグラス界では「禁じ手」といってもいいドラムを入れた曲も登場!彼らのただならぬ意気込みが感じられます。色々な新要素を入れながらも、それがとっちらからず完全に一つの方向へ昇華した素晴らしい傑作。ストリング・チーズ・インシデントの最新スタジオ作「One Step Closer」と同じ良質なメロディに重点を置いた作品です。是非ロック・ファンに聴いていただきたい!ハンク・ウィリアムスⅢの新作と共に是非チェックして欲しい。

最後にやはりヤンダー・マウンテン・ストリング・バンドの最大の魅力はライブです。昨年フジロックで待望の初来日を果たしたわけですが、大雨の中にもかかわらず観客を熱狂させたステージは感動モノでした。個人的には昨年のフジロックのベf0045842_0312781.jpgスト・アクト。ドラムが無いなんて信じられないくらいのドライブ感で、その熱いステージに大雨の中ということも忘れて楽しみました。最高に楽しかったです。4人が横一列にビシっと並んでいるフォーメーションも壮観。しっかりブルーグラスの精神を継承していたのも偉大でしたね。ライブ盤も4枚も出してるんでこっちもチェック!最近出た「Mountain Tracks Vol.4」はライブDVDも付いてるんでこれがオススメです。

ちなみにこのバンド、今の名前になるまでは「BLUEGRASSHOLES」というトンでもない名前だったとか…。こういうおバカなセンスも良いですね~。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-22 00:51 | COUNTRY / BLUEGRASS

THE STREETS [A Grand Don’t Come For Free]

f0045842_0204828.jpg新作「The Hardest Way To Make An Easy Living」(3rd)もとても面白くて良いアルバムだったザ・ストリーツ。その新作もかなり気に入ってて紹介したいのですが、その前にやはり前作「ア・グランド・ドント・カム・フォー・フリー」(2nd)を紹介したい。個人的にこのアルバムは2004年に一番多く聴いたアルバムであり、2004年のダントツのベスト・アルバムでしたからね。

きっかけはラジオからこのアルバムの曲「Could Well Be In」をたまたま耳にしたが最初。シンプルなピアノ音のループをバックに女性の声で「So I reakon I could well be in~♪」と歌われる美しい曲に一発でヤラれたわけですが、当時名前は知っていたが聴いたことのなかったザ・ストリーツ(「UKのエミネム」とか言われてたので逆に聴く気がしなかったのが正直なところ…)がこんな良い曲あるんだと驚いてアルバムをゲットしたわけです。そしてアルバム聴いてみたら想像以上のアルバムの完成度と素晴らしい楽曲に一発でハマってしまいました。

f0045842_0264315.jpg簡単に説明すると、ザ・ストリーツはイギリスのバーミンガム出身のMCマイク・スキナー(左写真)のソロ・ユニット。超早口でスキルフルに繰り出される彼のラップは確かにエミネムと比較される要素はありますが、トラックはイギリス出身らしくUKガラージやグライムのリズム・トラックが中心です。グライムのMCとしてそのスキルは非常に評価されています。

さてこの「ア・グランド・ドント・カム・フォー・フリー」ですが、このアルバム自体が1曲目から最後まで一つの大きなストーリーになっているのです。内容ですが、イギリスのある1人の若者が経験する出会い・別れ・挫折・裏切りなどを描いたもので、そのストーリーからはTHE WHOのアルバム「四重人格」 と比較されたりもしていましたね。私もはっきり言ってこのアルバムのマイク・スキナーのリリックにやられたわけですが、これが僕らの世代なら思わず共感してしまう内容なのです。

銀行のATMで前に並んでいる婆さんに超イライラしたり、女の子とのデートで緊張しまくったり、クラブで待ち合わせてた友達ブッチされてキレてたり、後ろ姿が超カワイイと思った女の子の顔見たら最悪だったり、友達に裏切られたり、彼女にフラれたり、また新しく始まる一日を一生懸命生きようと思ったりと、若い時に誰もが経験する事が実に等身大のリリックで表現されていて共感しまくりです。「なんだこいつ、俺と一緒じゃん!」って思うわけです。あまりにもシンクロしていて思わず感情移入しすぎてしまう事も何度もありましたよ。イギリスの若者達が新しい等身大のヒーローとして絶賛した理由も実に良く分かります。メランコリックなリリックには呼応してトラックも最高にメランコリックで泣けますね。(こちらでこのアルバムに収録されている名曲「Dry Your Eyes」のライブ映像が観れます。)
f0045842_0271175.jpg
1stと違ってダンス・トラックはあまりないのだが、マイク・スキナーの最高のリリックに最高のトラックが組み合わされたかなり完成度の高いアルバムでこれは何年先でも十分に鑑賞に値する名盤です。ザ・ストリーツは特に歌詞が重要なので、日本盤を買って対訳をチェックして下さいませ。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-20 00:37 | UK GARAGE / GRIME

BILL FRISELL TRIO @ Blue Note Osaka 5/16(火) 2006

私の最も好きなギタリストの一人、ビル・フリーゼルの来日公演に行ってきました。

最近もかなり精力的な活動で、特に数年前に彼が新たに結成しf0045842_19384149.jpgTHE INTERCONTINENTALSというバンド(弦奏者5人とドラム1人という)では、ブラジルやアフリカ音楽を吸収したとても美しい音を聴かせてくれたし、今のところスタジオ録音の最新作「Unspeakable」もストリングスやパーカッションを取り入れた無国籍な音楽を聴かせてくれています(しかもグラミー受賞)。去年出た2枚組ライブ盤「East/West」も素晴らしいです。

そして今回の来日公演はトリオ編成。そのメンバーは、

ビル・フリーゼル(Guitar)
ブライアン・ブレイド(Drums)
サム・ヤエル(Organ)

この3人の名前をちょっとでも知っている人ならこのメンバーが凄いのが分かるでしょう。ブライアン・ブレイドはリチャード・ボナとの共演でも有名な新世代のジャズ・ドラマー。ボブ・ディランとの共演もある超実力派です。サム・ヤエルといえば、やはりジョシュア・レッドマンのバンドのメンバーとしてが一番有名ですね。ハモンドB3の名手。そういえばノラ・ジョーンズの1stアルバムにも参加していましたね。自分と20歳以上も若いミュージシャンを従えたビル・フリーゼル(55歳)がどんなステージを見せてくれるんでしょうか?

f0045842_19403293.jpg結論から言ってしまうと、ブライアン・ブレイドの1人舞台のようなステージでした(写真左)。いや、他の2人が目立っていなかったという訳では決してないんですが、ブライアンのドラムが全てを持っていった感があります。叩き方や音色など凄い独特。ゆったりと演奏しているかと思えばタム回しとか異常に高速で、並んだ4台のシンバルのどれかを「パーン!」 と叩くキメのプレイはカッコ良すぎです。ビル・フリーゼルのギター・フレーズに絶妙に合わせてくる順応さも見事。超見応えのあるプレイの連続に興奮しました。

さてブライアン・ブレイドが目立っていたとはいえ、ビル・フリーゼル御大のプレイもなかなか渋かったです。クリーン・トーンで短いフレーズを弾きていき、気に入ったフレーズは繰り返し弾いてみて、他のメンバーについて来させる。僕がビル・フリーゼルを好きなのはこのクリーン・トーンのギターの音色なんです。この音色で弾かれる謳歌的なフレーズが大好きですね。そして演奏に熱が入ってくるとエフェクターを使用してディストーション・ギターを炸裂させる。歪んだ不協和音。この辺はほんとエイドリアン・ブリューに似ている(象の鳴き声みたいな音とか特に)。穏やかな顔してるのに凄い熱気の篭ったプレーは観ていて楽しい。終始ステージに背を向けてプレーするマイペースな感じもこの人ならでは。
f0045842_19461461.jpg
あとサム・ヤエル(写真下)ですがさほど目立たず完全にサイドマンに徹していていましたね。片手でベース音も弾いてこのベース音がメインになっていたので、自慢のハモンドB3の音が余り披露されなかったのが残念・・・。
f0045842_19474130.jpg
ほとんどが即興をメインにした演奏が中心で、静かな演奏の中にかなりの熱量を詰め込んだプレイの応酬が最高にクールでした。予測不能な演奏の展開は十分に楽しめましたがやはりブルーノートじゃなくクアトロでやればもっといろんな人に観てもらえるので良いんじゃないかと思うんですけどね…。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-18 00:02 | ライブレポート

CALEXICO [Garden Ruin]

f0045842_0232149.jpgアリゾナ州トゥーサンを拠点とする一風変わったロック・バンド、キャレキシコの3年振りの新作「ガーデン・ルーイン」があまりにも素晴らしい出来なので紹介します。

「一風変わった」というのはそのサウンドのユニークさにあります。「キャレキシコ」という名前自体がカリフォルニアメキシコを合体させたもので、その名の通りサウンド自体も非常に混血的無国籍サウンド。マカロニ・ウェスタン風のサウンドから、チカーノ・ロック、サーフ・ロックなどを取り入れた面白いユニークな音がこのバンドの特徴です。

以前はインストゥルメンタル曲が中心だったこのバンド。最近では歌の要素を取り入れた楽曲に比重を置くようになってきていましたが、何とこの新作では全曲ヴォーカルを入れた歌物アルバムになりました。

以前のような無国籍サウンドの要素は残しつつも、ポップなメロディを歌う事を最重要視したような楽曲がズラリと並んでいる。シンプルなフォーク・ロックと言っても過言ではないくらいだが、非常に風通しが良く爽快なサウンドがかなり気持ち良い。キャレキシコのリーダーでもありボーカルも取るジョーイ・バーンズの声も清涼飲料水のように滑らかで透明感のある声で、時や場所を選ばない普遍的に素晴らしい歌声だ。ときにライアン・アダムスを彷彿させる良い意味で枯れた味のある声ですね。そして、彼らの魅力の一部でもあるチェロやペダル・スティール、トランペット、バンジョーなどの音も健在で、シンプルでいながらも実に豊潤な音楽性が、そこらのインディー・ロック・バンドとは一線を画しています。
f0045842_0271222.jpg
今回は歌詞にも重点を置いた作品ということなので、読み返してみるとなるほど非常に意味深な言葉の多い詩ばかり。ボブ・ディランのような隠喩的表現の使い方が憎いです。自然環境についての曲や、(おそらく)戦争批判の曲など結構ポリティカルな内容です。ダテに15年以上も活動してないですね。歌詞やサウンドに実に説得力がありますね。とにかくメロディが素晴らしいので、是非万人に聴いて欲しいアルバムです。

個人的には、もし今からバンドやるならキャレキシコのように時代に左右されない、様々な音楽を内包したバンドをやってみたいですね。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-16 00:36 | ROCK

sakana [Sunday Clothes]

音源が出れば必ずチェックしたくなるミュージシャンっていますよね?いつの時代でも出ていれば必ずレコードだけは買ってしまうというような(まあそういうミュージシャンというのは得てしてそんなに有名じゃない場合が多いんですけど・・・)。世間に騒がれなくてもひっそりと良質の作品を届けてくれる信頼出来るミュージシャンっておそらくみんな一つや二つあると思います。私にとってSebadohルー・バーロウなんてモロそんなミュージシャンですね。

f0045842_135917.jpgそして今回紹介するsakanaも私にとってはそんなミュージシャン。先日ひっそりリリースされたsakanaの新作「Sunday Clothes」も派手さはないが素晴らしい作品です。

sakanaはギターの西脇一弘とヴォーカルのポコペンによるデュオ。ちなみに2人は夫婦。20年以上も活動を続けていて今までに13枚もアルバムをリリースしている。アコースティック・ギターを主体としたフォークが基本なんですが、フランスやブラジルのような異国情緒の漂う不思議な雰囲気があります。ギターの一音一音の響きを大事にする西脇氏のギターが特徴的なんですが、それよりもやはりsakanaといえばポコペンさんの独特なボーカルが最大の魅力です。その日本人離れしたクセのある歌い方は唯一無二(昔はフィッシュマンズ佐藤伸治ともよく比較されていましたね)。お世辞抜きに私はポコペンさんは日本で最高のヴォーカリストだと思っています。

今回の新作も新機軸というものはないけど、ゲストにバッファロー・ドーター大野由美子が参加。彼女がスティール・パンを演奏していてこれまた異国情緒たっぷりで地中海にいるような雰囲気にf0045842_184085.jpgさせてくれます。ブラジル音楽のサウダージ感も出ていますね。そしてポコペンさんの歌詞はとてもユニークなものばかり。ありきたりな表現があまりなくて面白い。相当な表現力です。「シチュエーションもの」 な曲なんか、登場人物の関係性が全然理解出来ないことも多い。そういう不思議な歌詞も含めて非常に魅力的です。

ちなみにポコペンさんは非常に天然な人で、ライブではいつもよくわからない事ばかり喋ってます。その横でいつも寡黙な西脇さんがうつむきながら微笑んでいるアットホームな雰囲気のライブでとても楽しい。あんまり大阪には来てくれないけど、以前に京都でのライブでは私のリクエストした曲をやってくれたりしてとても良い人達でした。

最後にsakanaHPでは西脇氏によるsakanaのバイオグラフィが載っています(結構長いけど)。とても良い話なので是非読んでみて下さい。この人達を少しでも理解出来ると思いますよ。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-13 01:26 | FOLK

レゲエ馬鹿道場(VERSION) 第四回。

暑いです!夏がやってきたようです。そうです、レゲエの季節がやってきました!今年の「横浜レゲエ祭」は八景島から横浜スタジアムに場所を移し3万人動員させるようです。こちらも負けてられないので「レゲエ馬鹿道場」盛り上げていきます。

さて、今回は趣向を変えまして「あんな人もレゲエなのか?」 特集です。

f0045842_10384323.jpgまず一人目はポール・サイモン。そうです、サイモン&ガーファンクルのあの人です。もうすぐ新譜もリリース間近(プロデュースはブライアン・イーノ!)のポール・サイモンですが、この人がレゲエなんて意外と思うでしょうが、この人は1972年にジャマイカへ行って録音を敢行しています。70年代というとジャマイカのレゲエがアメリカやイギリスで新しい音楽の潮流を生み出し、「パンクvsレゲエ」共闘時代が到来しました。ジョン・レノンもこの頃「70年代はレゲエの時代になるだろう」 と発言している。ただボブ・マーリィ&ザ・ウェイラーズの1st「Catch A Fire」が1973年リリースだからボブ・マーリィ以前のレゲエ界のスターといえばジミー・クリフです。

そのジミー・クリフ(下写真)のプロテスト・ソング「Vietnam」 (この曲はボブ・ディランが史上最高のプロテスト・ソングと称したほど)に感化されたポール・サイモンが、この曲をレコーディングf0045842_1051109.jpgしたのと全く同じミュージシャン、そして同一スタジオで制作された曲が、1972年にリリースされた彼の1stソロ・アルバム「ポール・サイモン」(上写真)のオープニングを飾る「Mother And Child Reunion」 (日本語タイトル:母と子の絆)という曲です。この曲はジミー・クリフの「The Harder They Come」「You Can Get It If You Really Want」 といった代表曲と同じルーディな空気感を詰め込んだ名曲でアメリカでも大ヒット。スタジオ・ワンのコクソン・ドッドがこの曲をホレス・アンディに歌わせたレコードが本国ジャマイカでも大ヒットし、白人がジャマイカ録音したレコードとしては初めてのヒット曲となったそうです。なかなかメッセージがあって良い曲ですよ。女性コーラスやオルガンの音がまんまジミー・クリフですけど。

さて長くなりましたが、二人目(二組目)はレッド・ツェッペリン!この人達も実はレゲエをやっております。それは1973年リリース「Houses Of The Holy」に収録されf0045842_1045549.jpgている「D'Yer Mak'er」 です。これもレゲエですよね!しかもツェッペリン流解釈のぎこちないレゲエ。基本的にロバート・プラントは頭悪いので歌詞の内容はただの失恋ソングですが、なかなか乾いたレゲエの空気感を出しています(相変わらずジョン・ボーナムのドラムはパワフル過ぎて違和感ありますが…)。「Ⅳ」 で大ヒットかました後の試行錯誤の時代だったツェッペリンなので新しい音楽としてレゲエは彼らにとって新鮮だったろう。彼らが喜んで取り入れたのは容易に想像出来ますね。彼らにとってはとても珍しい曲です。ちなみに「D'Yer Mak'er」 って言葉は、 「ジャマイカ」と読みますので。未聴の人は是非チェックして下さい。

この後、ストーンズ「Goats Head Soup」 (山羊頭のスープ)を録音しにジャマイカに渡り、クラプトン「I Shot The Sheriff」 をカヴァーし大ヒットさせる。そしてボブ・マーリィの世界的ブレイク。レゲエが形骸化したロックを侵食していくわけです。

こういう方向からレゲエに入っていくのも面白いですね。

Jah Rastafari !!!
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-10 11:14 | レゲエ馬鹿道場(VERSION)

BRIAN ENO 「77 Million Paintings」

最近ひそかに話題の多いブライアン・イーノ氏。
f0045842_2162651.jpg
昨年は久々となるアルバム「Another Day On Earth」 (ボーカル・アルバムとしては実に28年振り!)をリリース。今年になってからも80年代の映像作品をDVD化した「14 Video Paintings」 もリリースされたし、Nonesuchからはデイヴィッド・バーンとイーノが1981年にリリースした名作「My Life In The Bush Of Ghosts」 がリマスター盤として再発。そして4月には何とラフォーレミュージアム原宿において音楽映像インスタレーション展が開催されていた。個人的には、昨年末オーストラリアに行った時に「Ambient 1: Music For Airports」 (1979)をずっと聴いていたという事もあって、昨年から何かしらイーノ氏の名前を絶えず聞いていましたね。

f0045842_2131942.jpgさて、今回紹介するのはイーノ氏初のPCアプリケーション映像作品「77ミリオン・ペインティングス」。これは前述の音楽映像インスタレーション展において会場で使用されていた作品でもあります。これがなかなか面白い作品なのです。

この作品についてイーノ氏は「一種のヴィジュアル・ミュージックである」とコメントしている。PCの画面上にイーノ氏が長年かけて描いた絵画や写真、複数の作品をランダムに映し出し、ゆっくりと融合させ変化させていく。この複合絵画のコンビネーションはタイトルの「77 Million」の通り、まさに77,000,000通りの絵を生み出します。BGMとして流れるアンビエント・サウンドも幾つかの音のレイヤーを生成的に配合し、365日・24時間同じ音楽が流れることがないという作品です。

イーノ氏が手掛けてきた数々のインスタレーションがPCの画面上で自動的に生成されていくわけですが、いろんな抽象的な画像がゆっくりゆっくり変わっていく映像は究極の催眠効果を誘発します。しかも抑揚のないビートレスなアンビエントな音楽がBGMですからその催眠効果はさらなるf0045842_2181326.jpg相乗効果を生み出すので、まだまともに長時間は観れてないです…。これはデカいTV画面に接続して観る(というよりタレ流す)のがベストですね。「無視も出来るし、しっかりも聴ける音楽」 というコンセプトを元に30年以上前にイーノ氏によって提唱されたアンビエント音楽。この作品はイーノ氏のアンビエントの究極形とも言える作品だ。

ただ1つ気になることがあります。非常に綺麗な造形の抽象画が絶え間なく出てくる中にたま~に日本の女子高生の絵が出てくるのだ!これもイーノ氏の趣味なんだろうか?これだけは勘弁して欲しい…。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-08 02:38 | BRIAN ENO

New Maps Of Hyperspace 2006 @ Zepp Osaka 5/3(水) 2006

4ヶ月ぶりにサイケデリック・トランス・パーティへ行ってきました。やっぱ楽しいですね、サイケのパーティーは。

今回のパーティー「New Maps Of Hyperspace 2006」はゴールデン・ウィークだけあって超豪華メンツ。昨年リリースの「EMERGENCY BROADCASTING SYSTEM」 が絶好調のサイケ・トランス・シーンの最強ユニットGMS!そして齢60歳を超えてもいまだ現役のトランス界のゴッドファーザーRAJA RAMという2大巨頭が揃い踏み。もちろんこのメンツですのでZEPP OSAKAは2000人の超満員。かなりの熱いイベントとなりました。

深夜2:30を過ぎた頃に登場したGMS(下写真)。RIKTAMBANSIの2人からなるオランダが誇るまさしく最強ユニット。昨年出た3年振りの新作ではGMS史上最高のフルオン・サウンドで圧倒的な存在感を見せ付け、2005年10月以来の再来日。いやはや凄い人気f0045842_047253.jpgだ。RIKTAMBANSIの2人の煽動力も凄い!静と動を自在に使い分け、フロアを完璧に掌握。キラー・トラックの連続攻撃に、観客もそれに応えてアガリまくる狂乱のカオス状態。最初っから最後までアガリっぱなしの90分のフルセットでしたが、そんなんじゃ全然物足りないぜ

そして深夜4:00に登場したラジャ・ラム(下写真)はもはや説明不要のトランス・シーンのゴッドファーザー。TIP RECORDSの総帥にして、バリバリ現役のトップDJとして君臨する60歳を超える爺さんなのですが、そのDJぶりは爺さんとはf0045842_0525238.jpg思えない超ハイパー・パフォーマンス! 何なんだよこのハイパーぶりは。何回もこの爺さんのDJプレイは観てるが、毎回毎回素晴らしいアゲっぷりに完伏。もう笑えるくらいの素晴らしいアゲぶりは、ノーマン・クックなんかがまだ子供に見えるくらいですAC/DC「Thunderstruck」METALLICA「Enter Sandman」AEROSMITH「Walk This Way」などのヘヴィメタルなギターリフとフルオン・トラックをマッシュアップさせたトラックの応酬にフロアももう平伏す以外ありません。こちらも2時間を超えるプレイにもかかわらず、全く物足りない!ロックの客と違い、サイケの客は朝になっても全員元気なので、このラジャ・ラムのプレイの終わる6:00が盛り上がりの瞬間最大風速を記録。ラストはいつものあの曲の大合唱で締め。まだまだアンコールを求めるフロアに笑顔で去っていく姿もまさにゴッドファーザーでした。
f0045842_0534348.jpg
トランスのパーティーには良く行きますが、今年も全然勢い落ちてませんね。ここ数年は毎年が盛り上がりのピークを迎えてる気がします。ほんと嬉しい限り。勢いあまって「俺はこれからレゲエとサイケ・トランス以外はリスペクトしねぇ!」と言ってしまいそうになりますが、それは一時的な感情なのでご勘弁下さい。

あとMother HallがなくなったのでこれからデカいパーティーはZeppにシフトするんでしょうかね。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-05-05 01:01 | ライブレポート