<   2006年 10月 ( 11 )   > この月の画像一覧

サウンドトラック「DEAD MAN WALKING」(Legacy Edition)

1996年に公開されたティム・ロビンス監督の「デッドマン・ウォーキング」

実在するカトリックの女性修道士ヘレン・プリジーンが引き受けたルイジアナ州アンゴラ刑務所において死刑を宣告された囚人の精神的アドヴァイザーの仕事を通して、死刑制度というものに改めて疑問を投げかけた作品で、死刑囚の視点だけではなく、被害者の遺族の視点も同時に描いており、「死刑制度とは一体何なんだ? 」と考えさせられる作品です。この作品でスーザン・サランドンがアカデミー主演女優賞を受賞し、死刑囚役を演じたショーン・ペンの迫真の演技も話題になりました。
f0045842_20305574.jpg
そしてこの映画のサウンドトラック盤も非常に素晴らしかった。

これは監督のティム・ロビンスがこのテーマに相応しいと思うアーティストにこの映画を観てもらい、そのミュージシャン達がこの映画に触発されて作った新曲を集めたアルバムなのです。ブルース・スプリングスティーンによる主題歌を始めとして、ジョニー・キャッシュライ・クーダーによる暗黒のカントリー・ブルース、パキスタンの宗教音楽の偉人ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンとパール・ジャムのエディ・ヴェダーの共演曲など素晴らしい曲ばかり。その他にはトム・ウェイツパティ・スミスメアリー・チェイピン・カーペンターライル・ラヴェットも参加しています。エディ・ヴェダーの参加した曲の素晴らしさは言うまでもないが、この他には死刑執行人の視点から描かれたスティーヴ・アールの曲と、インダストリアルなメタル・パーカッションをバックにクールに歌うスザンヌ・ヴェガの曲が良かったですね。

さて今回なぜこのサウンドトラック盤なのかと言うと、実は先頃このアルバムのレガシー・エディション盤がリリースされたのです。

f0045842_20395612.jpgこのレガシー・エディション盤というのは昔の名盤にデジタル・リマスタリングを施し、更に当時の貴重な未発表曲やライブ音源などを加えて再発するもので、最近でもサンタナオールマン・ブラザーズ・バンドのアルバムがレガシー・エディション盤で再発されたし、Matthew SweetGirlfriend」やSebadoh」などマニアが涙しそうなものもありましたね。ただ今回の「デッドマン・ウォーキング」のレガシー・エディション盤はエディ・ヴェダーによる未発表曲が1曲入ってるだけだ。しかも未発表曲というふれ込みだが、実はこの曲はパール・ジャムが「No Code」をリリースした時にアナログの7インチ盤で切られた「Off He Goes」のB面に入っていた曲なんで、パール・ジャム・フリークの私としては既にこの7インチは持っているので別に珍しくない。

では今回レガシー・エディション盤の目玉は何かというとDVDの映像です!この映画が公開された2年後の1998年に「”Not In Our Name”- Dead Man Walking -The Concert」という死刑制度に反対したアコースティック・コンサートがLAのシュライン・オーディトリアムで行われたんですが、その模様が初めてDVDとして映像化されたのです。

f0045842_20493241.jpgこれは凄い貴重な映像ですよ。このアルバムにも参加している永遠のパンク・スピリット、スティーヴ・アールによるアコースティック・パフォーマンスには胸を打たれるし、チェロを従えたライル・ラヴェットによるパフォーマンスもとても素晴らしい。まだまだ若いアニー・ディフランコ(左写真)のアコースティック・ギターを叩くように弾くパフォーマンスもかなり熱い。アニーのあの独特の奏法は絶対あのシカゴのブルースマン、サンハウスがルーツですよ。それと、アニーの履いている厚底ブーツが時代を感じさせます・・・。

そしてハイライトはエディ・ヴェダー!この頃のエディ・ヴェダーのオーラは尋常じゃないくらい凄いです。もう最初の一声の響きから一気に持っていかれます。絨毯の上に座ってリラックスして演奏する姿でさえも神々しさを感じます。
f0045842_20581171.jpg
パール・ジャムからジェフ・アメンを迎えての「Dead Man」を演奏する前にこんな面白いエピソードを話してくれています。

ティム・ロビンスに映画を見せて貰ってその場で”Dead Man”という曲を書いた。ティムに電話して”Dead Man”という曲が出来たと言ったら、ティムにこう言われたんだ。「ブルース・スプリングスティーンからも同じタイトルの曲が送られてきたんだ。エディ分かってくれ。あっちの方が先輩だから…」ってね。だからB面に入れたんだ

…かなり笑えます。

そしてアルバムにも収録されているヌスラット・ファテ・アリ・ハーンとスピリチュアルな「The Long Road」の演奏では、ヌスラットが他界してしまっているため彼の甥のラ-ハット・ヌスラット・アリ・ハーンが共演しているがこの人の声も凄い。カッワーリの変幻自在な声がとにかく圧倒的。思わず魅入ってしまします。ヌスラットのスケールの大きさにはまだ到達は出来ていないが、ラーハットも凄い才能だと思います。イスラム教の音楽との見事な邂逅です。タブラ奏者も素晴らしい演奏です。パーカッションにドアーズジョン・デンズモアも参加している豪華さで、このパフォーマンスだけでも必見です。
f0045842_2123659.jpg
さてこのコンサートの映像以外に必見なのはこのコンサートの前に行われた記者会見の模様。原作でもある本物のヘレン・プリジーンが語る死刑制度についての話はかなり考えさせられます。日本でも最近は凶悪犯罪の犠牲者の遺族が「あいつは死刑にしてくれ!」と言っている映像を良く目にします。でも世界的に見ると死刑制度は廃止の方向に向かっているのが現状だ。遺族の気持ちを考えると「なぜ?」ですが、それが現状です。死刑制度を推進している国というのは実は中国パキスタンアメリカ日本くらいだそうです(その当時は)。国家が率先して殺人を行うことがあってはならない。それがヘレン・プリジーンの活動の根源にあるもので、しかも驚くべきは彼女を支える団体というのがMVFRという殺人被害者の遺族団体という事。彼らのインタビューもありますが、最初は怒りに打ち震えていたという彼らが最終的に出した結論は「我々に必要なのは復讐ではなく回復」という事。これを毅然と言ってのける姿には尊敬の念を抱かずにはいられません。

あと死刑制度にかかるコストというのが凄い。終身刑の囚人1人を40年間収監するのに60万ドルの費用が掛かるそうだ。対して死刑の場合1人の死刑に対して事件の調査費や人件費、それにかかる時間、そして裁判や陪審員にかかる費用など合わせて平均600万ドルが掛かるそうだ。ニューヨークならそれが2000万ドル!凄いことですね。

凶悪犯を釈放しろと言っているわけではなく、どんな人間でも更生するチャンスが与えられるべきではないのか?という事なのです。更生する人もいるのに、死刑以外の制度はないのでしょうか?
f0045842_21101284.jpg
回復」それがこの活動の主旨であり、決して揺るぐことのない信念です。会見の中でアニー・ディフランコは「私も以前は死刑制度に対して考えなんて持ってなかったわ。でも一度考えてみて欲しい。」と言っていました。私もこの問題には意見など持ってませんでしたが一度死刑制度について考えてみようと思う。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-30 00:13 | サウンドトラック

FIRE BALL @ なんばHatch 10/25(水) 2006

今年横浜スタジアムで3万人を集めた「横浜レゲエ祭 2006」。
f0045842_2253467.jpg
そして大阪の「Highest Mountain 2006」でも3万人を動員。恐ろしいくらいデカくなっていくレゲエ・シーン。どこのダンス行っても超満員です。そのレゲエ・シーンのトップを走るグループと言えばこのファイアー・ボールを置いて他はない。
f0045842_229760.jpg
そのファイアー・ボールの単独ツアーに行ってきました。超満員。しかしホント久しぶりに観た彼らはもう以前とはまったく違った王者の貫禄で、盛り上がりも凄まじかった。今年観たライブの中で一番盛り上がっていたライブでしたね。とにかく昨年リョー・ザ・スカイウォーカーのツアーを観ても思ったが、アーティストもヤバいが客もヤバい!みんな心からレゲエが好きなヤツばっかなんで盛り上がりが尋常じゃないんですね。このシーンはちょっとやそっとじゃ廃れる事はないでしょう。それくらいしっかり根付いている。素晴らしいです。

さて開演前には、世界のマイティ・クラウンからSammy-Tが登場してジョグリング。ハンパないダブ・プレートとマイク捌きで上げまくり!Richie SpiceGyptianDamian”Jr.Gong”Marleyなどのヒット曲満載のジョグリングで会場の至る所で火薬銃が乱射!全員大合唱ですでに超ヤバイ状態です。

そんなヤバイ状態の後を受け継いだGuan Chaiのパフォーマンスもハンパなかったが、その後に登場したファイアー・ボールChosen LeeJun 4 ShotTruthfulの3人のディージェイ+シンガーのCrissの4人のもはや貫禄のステージング。もう死にました。
f0045842_2218479.jpg
一発目から新しいアンセム「Fire Way」を投下。全員がタオルをブンブン回して、もうタオルしか見えない異常な状態。その後も「Koomina」「Under The Blue Light」とヤバすぎる曲の連発でフロアがもうエラい事になってました。

このファイアー・ボールのバックをガッチリ務めるのはJungle Roots Bandドライ&ヘヴィのメンバーらベテラン・ミュージシャンからなるレゲエ・バンド。Home Grownの演奏と比べるとエッジが利いていて鋭い演奏を聴かせてくれる。かなりハードなレゲエ・バンドだ。しかもファイヤー・ボールの要望に合わせて演奏を変えるフレキシブルさも見事。ベースの音が下腹部に響くくらいヘヴィでしたね。

一際盛り上がった後は、4人のソロ・タイム。もともとファイアー・ボールは4人組だったわけではなく、各メンバーがそれぞれソロで活動してきただけあって実力も申し分ない(最初期はYOYO-Cもいた5人組でした)。歌もDJもこなすChosen Leeの実力は確かに昔から抜きん出ていたが、今回はアルバムでも顕著だったTruthfulのレベルアップぶりが目を見張りましたね。Crissも昔はあどけない少年のようでしたが、堂々とした素晴らしいシンガーになっていました。
f0045842_22202498.jpg
彼らの代表曲は全て網羅した完璧なセットリスト。ハイライトはマイティ・ジャム・ロックJumbo MaatchTakafinBoxer Kidの3人が登場した「Deep Redd」!東の横綱と西の横綱が揃い踏みした炎のヴァイブス満タンのハードコア・レゲエ・チューンに、もはや酸欠状態。メロウ・チューンではライターの海、アゲアゲのチューンでは客のタオルが大回転と、その辺のパンクスのライブより数十倍盛り上がっていましたね。

今の彼らの凄まじい人気ぶりはマイティ・クラウンや彼らの地道な活動の上に成り立っている。比べるのは酷な話だが、日本のヒップホップ・シーンがここまで落ちぶれたのはやはりアーティストの努力が足りなかったのだと思う。ちょっと注目されてきた時期に油断したのだ。レゲエのアーティスト達は地道な活動を続けた結果ここにいる。まるでアリとキリギリスみたいな話ですね。これこそ社会の縮図。

レゲエはもっともっとデカくなります。これからもファイアー・ボールの動向は目を離せません。そしてライブだけでなく是非ダンスの現場にも足を運んで、その熱さを体験して欲しい。レゲエは現場から生まれるものなんです。日本のレゲエだけでなく、ジャマイカのレゲエももっと聴いてみて欲しい。

これがレゲエの裾野を広げる事に繋がるのだ。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-28 00:02 | ライブレポート

サウンドトラック「BROKEBACK MOUNTAIN」

昨年度ゴールデングローヴ賞やアカデミー賞の主要部門を総なめにしたアン・リー監督の「ブロークバック・マウンテン」。やっと観ることが出来ました。
f0045842_22152588.jpg
ストーリー自体に大きな起伏があるわけでもなく、派手なアクションもなく、淡々と物語は進む。そこにアメリカ中西部ワイオミング州のブロークバック山脈の大自然の荘厳な風景が重なって行く。2人のカウボーイの愛が静かに深く描かれていたのが印象的で、最後のシーンの「Jack, I swear…」という言葉には不変な愛が絶妙に表現されていて、いろいろ考えさせられるものがありました。ゲイをテーマにしたという事でそのセックス・シーンが話題になっていたが、HBOのドラマ「Six Feet Under」を毎週観ている為か、全然過激でも何でもなかったです。

f0045842_2119152.jpgさて今回紹介したいのはそのサウンドトラック盤です。これが非常に素晴らしいので是非聴いてみて欲しい。「21グラム」や「モーターサイクル・ダイアリーズ」などのスコアを作曲したグスタヴォ・サンタオライヤによるうっとりするほど美しく幻想的なスコアを中心に、カントリー系のアーティストの素晴らしい楽曲を収録したアルバムになっています。

映画を観た人ならエンドロールで流れる「He Was A Friend Of Mine」が印象に残っているでしf0045842_21292918.jpgょう。「彼は俺の友人だった 彼は路上で死んだんだ」と歌われるこの悲しい歌は映画を観た全ての人に胸に刻まれる名曲になったに違いない。この曲を歌うのが今年で御歳73歳になるカントリー界の長老ウィリー・ネルソン(右写真)。今でも現役で活動する生きる伝説。最近もマリファナ所持で逮捕されたりと相変わらずのアウトローぶりに頭が下がります。この曲のクレジットはボブ・ディランが作曲となっているが、実はディラン自体もこの曲はブラインド・アーヴェイ・グレイというミュージシャンから教わったと発言している(ディランの「The Bootleg SeriesVol.1~Vol.3」に収録されてます)。実はボブ・ディラン(左写真)は1stアルバム用にf0045842_21332085.jpgこの曲をレコーディングしていたようだが収録を見合わせたと言われている。あの伝説のブルースマン、レッドベリーも1935年にこの曲を歌っていたという記録も残されている。アメリカ南部の黒人刑務所で歌われていた囚人による「Shorty George」という歌で、貧しさの為に野垂れ死にしたジョージという男を歌ったものだという。この曲の歌詞はそのままに時を越えてウィリー・ネルソンによって歌われる曲がこの「ブロークバック・マウンテン」の内容そのままで、非常に感慨深い曲ですね。

エミルー・ハリスによる「A Love That Will Never Glow Old」もヴァイオリンとストリングスの絡みが本当に美しい名曲です。

そしてこの映画のテーマに最も相応しいミュージシャン、ルーファス・ウェインライト(右写真)も2曲提供しています。1曲はテディ・トンプソンとのデュエットでロジャー・ミラーの名曲「King Of The Road」をf0045842_21404439.jpgカヴァーしています(そういやこの曲(オリジナルの方)は先日のフィオナ・アップルの公演でも流れていました)。もう1曲はピアノによる弾き語り「The Rain Maker」。この曲はエンド・ロールで「He Was A Friend Of Mine」の後に流れる曲で、ルーファス・ウェインライトがいかに素晴らしいヴォーカリストであり、天才アーティストであるかが分かります。彼は「I Am Sam」のサントラのビートルズのカヴァー「Across The Universe」でも名演でしたね。

この他にもメアリー・マクブライドジャッキー・グリーンといったルーツ系シンガー・ソングライターの曲から、生き方そのものがパンクなスティーヴ・アールの代表曲「The Devil’s Right Hand」やリンダ・ロンシュタットのヒット曲「It’s So Easy」など軽快なナンバーも収録されています。これらの曲がグスタヴォ・サンタオラヤの美しいスコアに挟まれて非常に良い流れを作っています。
f0045842_22163966.jpg
このサウンドトラックは映画だけでなくこの時代の音楽を疑似体験できる良いアルバムですので是非とも聴いてみて欲しいです。長い間聴き続けるアルバムになる事は間違いないでしょう。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-24 00:13 | サウンドトラック

FAITHLESS [Renaissance presents 3D](Mix CD)

11月に3年振りの待望のニュー・アルバム「To All New Arrivals」が発表される、最早イギリス最強ともいえるダンス・アクトになったフェイスレス

彼らのMyspaceではその新作からの先行シングル「Bombs」が聴けますが、これf0045842_22592945.jpgが前作「No Roots」から更に深化したスピリチュアルなプログレッシヴ・ハウスで俄然新作への期待が高まります。2004年には「No Roots」をリリースし来日公演も行い、2005年にはベスト・アルバム「Forever Faithless:The Greatest Hits」もリリースとかなり活動的でした。そして、待望の新作を前にUKのプログレッシヴ・ハウスの名門レーベル「ルネッサンス」からフェイスレス自身が選曲した3枚組のMIX CDがリリースされました。

フェイスレスは1995年にロロシスター・ブリスマキシ・ジャズの3人で結成されたダンス・ユニットで、最初の頃はトランスやハウスのダンサブルな音楽性でしたが、最近ではソウルやゴスペルやフォークなどのスピリチュアルな要素やアンビエントも取り入れた唯一無二のダンス・ミュージックになっている。
f0045842_23362994.jpg
実はメンバーは3人なのだが、ロロは全くメディアには登場しない。彼はレコード製作には関わるがライブや写真などには一切登場しないのです(このロロは実はあのDidoのお兄さんでもあり、最初期のフェイスレスはそのDidoがヴォーカルを取っていたそうです)。世間ではフェイスレスはDJでもあるシスター・ブリスとヴォーカルのマキシ・ジャズの2人組のように思われているかもしれなしが、実は3人組なのですね。

昨年のベスト・アルバムで活動に一区切りつけたフェイスレスですが、あのアルバムが表だとすれば、この「Renaissance 3D :Faithless」は正に裏フェイスレスの集大成とも言うべき内容の濃さ!実はこの「ルネッサンス」のMIX CDシリーズ「3D」はそのミュージシャンのルーツや嗜好が分かる好企画盤で第一弾はTomiie Satoshiが担当している。 その他にこのルネッサンスDave SeamanSashaDavid MolaresJohn Digweedなどプログレッシヴ・ハウス界の超大物達がリリースしている。
f0045842_23365379.jpg
今回のフェイスレスの3枚組のCDにはそれぞれ「Studio」、「Club」、「Home」とタイトルが付いている。「Club」と「Home」はそれぞれクラブで聴く用、自宅で聴く用として選曲がなされているが、「Studio」の方では今までのフェイスレス自身の曲のリミックスや、逆にフェイスレスがリミックスしたアーティストの楽曲が収録されている。

Club」の方は主にOxiaDeep DishD-Noxなどのハウスやプログレッシヴ・トランス中心の選曲のフロア仕様で夜に車で聴いてるとかなり大人なカンジでカッコイイですが、「Studio」の方の選曲がヤバイ!フェイスレスの楽曲を中心に懐かしのトリッキーブラック・グレープなどのリミックス、そしてドナ・サマーなどのソウル・ナンバーもミックスしたUKプログレッシヴ・ハウス好きには堪らない選曲です! 

そして「Home」の方はレゲエやヒップホップの太いベースラインに重点を置いたミドル・テンポなナンバー中心でLSKスクリッティ・ポリッティWord 21ホレス・アンディルーツ・マヌーヴァの極太グルーヴの間にジャングル・ブラザーズStraight Out The Jungle」やなぜかジョー・コッカーWoman To Woman」(2Pacの「California Love」のサンプリング・ネタですね)などが挟まれたチルアウト盤。最後のカサンドラ・ウィルソントッド・ラングレンの流れも絶品。我が家の夜のBGMとしてガンガンに流れております。ソウル、レゲエ、ハウスなど中心にディープ過ぎない選曲もとても良いですね。
f0045842_23401420.jpg
彼らのファンじゃなくてもマッシヴ・アタックとかソウル・ミュージックなどは好きな人はバッチリ楽しめる好盤。この時期にピッタリです。最近は車の中、家の中でも流れっぱなしです。MIX CDとかあまり買わない人も試しに買ってみて下さい。ハマると思いますよ。

あとフェイスレスとしてはf0045842_2341353.jpgやはり前作「No Roots」(右写真)が最高傑作です。マキシ・ジャズのラップもかなり政治的になって鋭い切れ味を増し、トラックは更に美しくスピリチュアルな深みに到達した傑作。全曲が切れ目なくミックスされておりアルバム全体の流れも最高だし、めちゃくちゃクールな「Weapon Of Mass Destruction」や「I Want More」などのヒット曲も満載ですのでこれも是非チェックして下さい。

そういや2004年の来日公演は大阪公演だけ3日前くらいにいきなりキャンセルになってかなりガックリ来ましたね。
f0045842_2357086.jpg
ライブも凄いらしいので来年こそは是非大阪でも来日公演をやって欲しい!
[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-21 00:18 | ELECTRONICA

JAH MASON [Princess Gone..The Saga Bed]

レゲエ界には数多くのJAHが存在する。

有名どころではJah ShakaJah CureJah WobbleJah Lionなどがいるし、Jah Worriorとか強そうなヤツもいる。ネットで検索するだけで何百人ものJAHが降臨されます。Jah Elvisという名前のフザけてるのかマジなのか分からないヤツもいますね。

そんな大勢のJAHの中で現在最も勢いのあるJAHがこのジャー・メイソン
f0045842_19262944.jpg
イギリスを拠点に活動するラスタ・デージェイだ。最近のレゲエ界のコンシャス・ブームの筆頭に位置するアーティストであり、ジャマイカではシズラケイプルトンに次ぐ人気を誇る。その格好から察するにラスタファリアンの中でも最も戒律の厳しい宗派「ボボ・アシャンティ」かな。

f0045842_19273017.jpgこの10月にGreensleevesレーベルから新作「Wheat and Tear」がスタンバイ中なのですが、実はこの5月にもVP Recordsからアルバムをリリースしたばかりなのです。それがこの大ヒット・アルバムとなった「Princess Gone…The Saga Bed」。今年リリースされた数あるレゲエのアルバムの中でも一際輝く傑作です。

まずはこのアルバムを語るには特大ヒット・チューン「My Princess Gone」抜きには語れない。この曲で、一見ハードコア&タフな怖ろしそうな外見のジャー・メイソンが歌うのは「失恋」について!「俺の王女様がどっか遠くに行っちゃったよぉ~」と歌われる何とも言えない弱々しさ全開の半泣きチューン。イカツい外見のハードコアなラスタマンとそこからは想像も出来ない失恋というギャップも相まって世界で特大ヒットを記録。ダンスの現場でもこの曲のイントロ一発でライター着火の定番キラー・チューンとなったわけです。どうしようもない諦観が込められた曲で、感情移入度ではCOLDPLAYThe Scientists」と並びますね。要チェックです。
f0045842_19462248.jpg
最近はその声に後光が差してきた感のあるシズラと比べると、まだまだジャー・メイソンにはその声にも荒々しさが残るが、ここは「一番勢いのあるJAH」なだけあって、熱いメッセージのこもったヴァイヴスでもってアルバム全曲を聴き通せる勢いがあります!ガナリ立てるDJスタイルから伸びやかな歌声など変幻自在の声がシズラを彷彿させますね。

このアルバムは今までリリースされていたシングル曲を集約したようなものだけあって全曲がシングル・カット可能な程の曲のクオリティが高い。全編ジャマイカのボブ・マーリィ所有の「Tuff Gong Studio」録音で、バックにはアール“チナ”スミスディーン・フレイザーなど全くもって安心できる布陣。「Stay In My Heart」では映画「Rockers」で主役を務めたあのリロイ“ホースマウス”ウォレスがドラマーで参加していてルーツ・ファンとしては嬉しい限り。
f0045842_194813.jpg
これからもっともっとビッグな存在になっていく事が確実なジャー・メイソン。その男前さで女性にもかなりの人気を誇ります。是非今のうちに押さえておきましょう。マチガイナイです。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-19 00:13 | REGGAE

FIONA APPLE @ 心斎橋クラブクアトロ 10/12(木) 2006

こえ~。コワいよ、この人!

昨年6年振りのアルバム「Extraordinary Machine」をリリースし見事復活したフィオナ・アップルの久々の来日公演。個人的には彼女のライブを観るのは初めて。いろいろ言いたいことはあるんだけど、一言で言うと「コワい」!
f0045842_2357997.jpg
あまりメディアには登場しない事で有名な彼女。ポップさのかけらもない楽曲、赤裸々な歌詞、年齢を感じさせない老成した声など、この人の魅力は一般的な女性シンガーとは一線を画したミステリアスさにある。ちなみに「Extraordinary Machine」をリリースするまでに6年も掛かったのはレコード会社から出来上がった曲を順に聴かせるように要求される事を拒否し、完全に周りから距離を置いて作ったからで、そういうエピソードも彼女のミステリアスさに拍車を掛けている。

今回のライブで感じたことは彼女は「危うい」という事。

視線は常に下向きで、決して観客とコミュニケーションを取ろうとしない。観客の声援に本気で照れながらぎこちなく喋り、歌になると全身を使って感情を表現し涙目になりながら絶叫。過剰とも言える感情表現に観ているコッチがハラハラします。今にも壊れそうなガラスのような繊細さ。非常に「危うい」。
f0045842_2358348.jpg
フィオナ・アップルのライブを観て思い出したのはデビューしたてのアラニス・モリセット。音楽性は異なるが、あのエキセントリックさと感情の表現方法はデビュー時のアラニスに非常に似ている。しかしアラニスの場合は爆発的に売れた1stアルバムの後インドへ行って「Thank You」という曲で全裸になってメディアに登場するという意味不明な行動に出た後、その方向性をすぐさま軌道修正して大衆に受け入れられる術を身につけて外へ向かって行ったのに対し、フィオナ・アップルは逆にその方向性を完全に自分の内面に向けて行っている。しかも周りもフィオナを大事に大事に扱うことで彼女がさらに周りを拒絶し内面に向かうのに拍車を掛けているように思える。

f0045842_054844.jpgもちろんそれがいけない事ではない。彼女のような表現方法を身につけているアーティストは数少ない。それがまだ28歳という彼女を孤高の存在にしている理由の一つでもある。しかし彼女のライブは観ている方が神経を使ってしまう程で、こっちが参ってしまいそうなくらい無防備だ。まるでヤク中のような不健康そうな風貌の彼女が身を粉にして歌う姿は、正直何回も観るのが辛くなってしまいそうな程生々しい。そういう意味で「コワさ」を感じましたね。

フィオナも歌を歌う事で救われるというより、全ての感情を曝け出すことで自己の存在を証明しているようです。ドスの利いた情念の塊のような歌声も迫力満点でしたよ。

ライブの方は、1st「Tidal」から3rd「Extraordinary Machine」まで満遍なく網羅したベスト的選曲。2ndからの曲はほとんどやっていました。思ったよりも3rdアルバムからの曲がライブ映えしていたのが新鮮な驚きでしたね。バックのバンドはNYのジャズ・シーンから出てきたような凄腕のミュージシャン達でドラマーなんてブライアン・ブレイドに影響受けまくってるヤツでしたね。

まあいろいろ言いたいことはあったんですが、フィオナ・アップルの存在感の前にはそういった事は意味を成しません。そのくらい圧倒的なライブ。
f0045842_064594.jpg
もちろん素晴らしかったのは言うまでもありません。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-16 00:07 | ライブレポート

CYRIL NEVILLE and TRIBE 13 @中之島公園 10/9(月) 2006

行ってきました!「中之島Music Carnival'06~大阪ニューオーリンズ祭り
f0045842_2104052.jpg

最後だけしか観てないのですが、えらい盛り上がっておりました。
f0045842_215549.jpg
トリは、ニューオーリンズの重鎮ザ・ネヴィル・ブラザーズシリル・ネヴィルが自身のバンド「Tribe 13」で登場!もう大盛り上がりでしたよ。最近は中島美嘉の「All Hands Together」にもアラン・トゥーサンと一緒に参加してたシリル・ネヴィル。ドラムだけでなく歌も歌いまくってましたね。
f0045842_2122526.jpg
ニューオーリンズ人の体には音楽が染み付いている。そして日常には音楽が溢れている。喜び・悲しみの感情は全て音楽で奏でられる。そんな人達の濃厚なニューオーリンズ・サウンドに直に触れられてとても素晴らしい体験でした。ニューオーリンズが復興したら必ず行ってみたいですね。

ちなみに会場ではガンボ・スープが食べられると思っていたんですが、無かったのが残念でした・・・。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-12 00:03 | ライブレポート

THE DEREK TRUCKS BAND [Songlines Live]

11月にまたまたやってくるエリック・クラプトン。最近のクラプトンにはほとんど興味がないBlacksmokerですが(個人的には黙ってギター弾いてる方が数段カッコイイと思う)、今回の来日には一つだけ重要なトピックがあるのです。

なんたってクラプトン・バンドのメンバーとしてデレク・トラックスがやってくるんです!
f0045842_017425.jpg
これはヤバすぎます!とにかくデレク・トラックスのスライド・ギターが観れるだけでこのライブは観る価値があるんじゃないかとさえ思ってしまう。現にクラプトンにはあまり興味ないけど、デレク・トラックスを観に行く人も多いんじゃないしょうか?

改めて言う必要もないがデレク・トラックスのスライド・ギターは凄い。しかしもっと凄いのは1979年生まれの弱冠26歳だという事!そんなに若いのにトンでもない腕前に驚愕するしかない。何たって9歳からプロとして活動して、既にマイルス・デイヴf0045842_018616.jpgィスサンタナヌスラット・ファテ・アリ・ハ-ンらと共演していると言うからもう開いた口が塞がりません。オールマン・ブラザーズ・バンドブッチ・トラックスの甥という家系に育ったというのもあるが、それだけではない。やはり天才と呼ぶしかないですね。「ブッチ・トラックスの甥」という形容詞はデビュー当初は必要だったかもしれないが、今はそんな事だけでは全く説明不足です。「現在アメリカで最も凄いギタリスト」と言う形容詞に異論のある人なんていないでしょう。

そして復活したオールマン・ブラザーズ・バンドの正式メンバーとしても参加し、寡黙で大人しい外見とは裏腹に驚異のスライド・ギターを炸裂させて一気にオールマン・ブラザーズ・バンドを若返らせた張本人でもあります。オールマン・ブラザーズ・バンドと言えば24歳の若さでバイク事故で死んだスライド・ギターの天才デュエイン・オールマンが伝説だが、このデレクデュエイン以上の実力を誇っているんじゃないか。

f0045842_0183736.jpgさてデレク・トラックスは様々な課外活動と平行して自身のバンド、その名もデレク・トラックス・バンドを率いて活動もしています。その名の通り彼の活動の中でも一番メインとなるバンドです。今年の4月に出た最新スタジオ作「Songlines」もジャムバンド的なスタイルでありながらジャズやインド音楽まで吸収した唯一無二の素晴らしい作品ですが、その作品のリリース後のツアーのライブを完全収録したDVD作品「Songlines Live」が早くも登場です。

はっきり言ってヤバイです!凄すぎです。この作品は全ロック・ファン、マストとも言っていい素晴らしさです。特にジャム・バンド好きはスルー厳禁です。スライド・ギターの凄さは証明済みでしたが、こうやって映像で観るとその凄さは数倍衝撃を受けるでしょう。

何たってボトルネック付けながら最初から最後までフィンガー・ピッキング(ピックは使わない)ですよ!そしてステージ中央に陣取り、一切言葉も発せず終始スライド・ギターを炸裂させてるんです。ギター音はほとんどエフェクターを使わず生音で勝負しているのも凄い。
f0045842_0191138.jpg
しかしこのデレク・トラックス・バンドデレクだけが目立つかと言えばそうでもない。ドラム、パーカッション、ベース、キーボード、コンガ、そしてヴォーカルという6人編成のバンドだが全員凄い実力者ばかり。特に全編に渡ってソウルフルでコブシを利かせた圧倒的な喉を披露するマイク・マティソンの力量には感動すら覚える。キーボード奏者コフィ・バーブリッジ(下写真)の凄まじい技やフルートまで演奏するマルチぶりも観ていて圧巻ですね。
f0045842_019323.jpg
何かもう1曲観るだけでも相当の体力を要する密度の濃さ。これが20曲というヴォリュームで堪能出来るんだからその凄さは推して知るべし。デレク・トラックスを全く知らない人でも十二分に楽しめる事を保証します。ちなみに10月に日本盤が出るようですが輸入盤の2倍くらいのナメた価格ですので、是非輸入盤でゲットして下さい。

あとデレク・トラックスのライブ音源はネットでほとんどアーカイヴ化されてますんで、是非チェックして下さい。そういやオールマン・ブラザーズ・バンドの最新ライブDVDでもデレクのスライド・ギターが堪能できるらしいので早速チェックしなきゃ!

これはクラプトンの来日公演行かないといけないですね…。
f0045842_0195382.jpg

[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-09 00:22 | ROCK

MICHAEL FRANTI & SPEARHEAD @ 心斎橋クラブクアトロ 10/4(水) 2006

この前のザ・リゼントメンツのライブも素晴らしかったが、マイケル・フランティ&スピアヘッドのライブは素晴らしすぎて言葉になりません!今年観た中でダントツのベスト・ライブです!
f0045842_14225897.jpg
先日リリースされた傑作『Yell Fire! 』のツアーという事になりますが、個人的には初めてのマイケル・フランティ&スピアヘッド体験。噂に違わず叩き上げのライブ・バンドの実力と、マイケル・フランティの本当に純粋な音楽を信じる力に心を打たれましたね。

客層は日本人もヒッピーやらサイケやら大学生やらスーツやら様々。外国人率もかなり高い。でもみんなちょっと音楽には詳しそうなカンジです。そして大歓声を受けてマイケル・フランティ&スピアヘッド登場。ギター、ドラム、ベース、キーボードという5人編成。しかしマイケル・フランティってデカいですね!190cmくらいある長身に長く伸びたドレッドという一見イカつい風貌だが、めちゃくちゃフレンドリーで優しいアニキ的なカンジです。
f0045842_14321651.jpg

1曲目は『Yell Fire!』のオープニングを飾るゆったりとしたレゲエ「Time To Go Home」だが、もう最初からマイケル・フランティに煽られて凄い盛り上がり。盛り上げ方も上手いが、客の反応も素晴らしい。1曲目から全員がジャンプしてるんだから凄い。続く「Yell Fire」では大合唱。「Like Peter Tosh Said…」というパートでは全員で「Legalize It!」のレスポンスもバッチリでした。これもタテノリで大盛り上がり。

f0045842_1439474.jpg新作からのナンバー中心で進むが、新作の曲はライブで映える曲ばっかりで驚きです。スピアヘッドの面々もズッシリとした演奏でしっかりサポート。ベースが凄い低音だがドラムは軽やかなんで全体的にライトな感じ。ヘヴィになり過ぎてないのが良いですね。ドラマーが、即興でボブ・マーリィ&ザ・ウェイラーズの「Get Up, Stand Up」を歌う一幕も。しかもしっかりピーター・トッシュのパートだけ歌ってました(「Get Up, Stand Up」はボブ・マーリィではなくピーター・トッシュが作った曲ですからね)。

そして懐かしい1st『Home』から「People In The Middle」を挟み、再び新作からアコースティック・ギターによる「Sweet Little Lies」。「真実に耐えられなくなった時は、少しは嘘を付いていいんだよ 今日はもう雨は降らない 誰かが戦争を終わらせてくれたと」と歌われる美しくも感傷的な曲ですが、ここではあまり感傷的にせず高揚感を感じさせるアレンジに。前奏では「上を向いて歩こう」のパートを挟んだりと飽きさせません。
f0045842_14443146.jpg
この後もアルバム『Stay Human』から「Sometimes」や「Soulshine」などを挟みながらも新作中心のセット。マイケル・フランティもステージを動き回り、煽りまくって、それに客がさらに応えるというアーティストと客が一体の理想的なステージ。アットホームでピースフル。政治的でもあるがシリアスになり過ぎず、しっかり楽しく踊れる最高の雰囲気です。「One Step Closer」では客が一体となって隣の人と肩を組み合って会場が一つになるというシーンも。こんなこと出来るのはマイケル・フランティくらいしかいないんじゃないかな。「Light Up Your Lighter」ではステージの照明を落としてライターと携帯の光だけで演奏するという憎い演出。

「俺はバグダッドに飛んで、ストリートで演奏しf0045842_1451294.jpgた。バグダッドでは両腕を失った子供達が必死で生きていた。バンドをやってるヤツもいて、そいつらは電話のコードをベースの弦に使っていたんだ。アメリカ兵にも会った。彼らはウソの戦争だと分かっていたし、皆家に帰りたがっていたんだ。」というスピーチの後に始まった「I Know I’m Not Alone」。これは彼のドキュメンタリー映画のタイトルにもなった曲でもはやU2のようなスケール感を持った名曲だ。この曲が始まった瞬間涙が込み上げて来そうになりましたね(隣にいた女性は泣いてました)。

そして前作『Everyone Deserves Music』から「What I Be」や「Bomb The World」も披露。途中には「ステージに上がってこいよ」と言ってくれて客をステージに上げてくれました。もちろん私もステージに上がってマイケル・フランティと肩を組んで一緒に歌いました。数年前にザ・ストゥージズのステージに上がってイギー・ポップザ・ストゥージズの面々に囲まれて感激して以来の最高の体験でしたね。
f0045842_14521858.jpg
Everyone Deserves Music」では自然発生的に会場の客が肩を組みだして大合唱。「Everybody Ona Move」ではもう最高潮の盛り上がりで終了。素晴らしい盛り上がりにマイケル・フランティも大満足だったようで、終わった後メンバー同士で何度も抱き合っていたのが印象的でした。「明日東京でライブがあるけど、今日ここに来てるヤツで明日も東京に来るヤツがいるか?もしいたら大阪公演に行ったと言ってくれればバックステージに入れてやるよ!」と言ってましたね。さすがアニキ!

終演後は自ら客席に降りてきてファンの1人1人と抱き合ったり、サインしたり、話したり、写真撮影に応じてくれたりとしてくれて、政治的な行動も多いがこの人の基本はやはり一般人と同じ目線で物事を捉えてるんだと感心しました。「常にファンと同じ目線」それそこが彼の音楽の原点であり、支持される理由ですね。もちろん音楽の素晴らしさは言うまでもありません。

f0045842_1501916.jpgTHE BEATNIGSではインダストリアルなサウンド、THE DISPOSABLE HEROES OF HIPHOPRITYではヒップホップなサウンドで政治的なメッセージを常に発信してきたマイケル・フランティが辿り着いた今のこのスピアヘッドとのバンド・サウンドは以前の先鋭的なサウンドの精神性を保ち続けたままより多くの人に届くようなメロディを身に付けてポピュラリティも獲得したと言っていい。

もはやマイケル・フランティは、ギル・スコット・ヘロンボブ・マーリィジョー・ストラマーなどと並列で語られるべき存在です。絶対観ておいた方がいいです。そして東京公演や朝霧に行く人は是非楽しんできて欲しい。その前に『Yell Fire! 』はチェックしておきましょう。
f0045842_1535923.jpg

[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-06 00:13 | ライブレポート

THE RESENTMENTS @ 梅田Rain Dogs 9/29(金) 2006

観れて良かった!

もう、ただただ素晴らしい感動的なライブ。これを観た人にとっては今年のNo.1のライブになった事は間違いない。そう言い切っても異論のある人はいないでしょう。

テキサス州オースティンからやってきたアメリカ最高のBar Band、ザ・リゼントメンツの初来日公演に行ってきました。ザ・リゼントメンツと言ってもいま一つ馴染みの無い人も多いでしょうが、実はこのザ・リゼントメンツとは知る人ぞ知るス-パーグループなのです。
f0045842_7232491.jpg
[ザ・リゼントメンツ]
スティーヴン・ブルトン: Guitars, Mandolin, Banjo, Vocals
ジョン・ディー・グレアム: Guitars, Lap Steel, Bass, Vocals
スクラッピー・ジャド・ニューコム: Guitars, Bass, Mandolin, Vocals
ブルース・ヒューズ: Bass, Guitar, Vocals
ジョン・チップマン: Drums, Vocals

f0045842_7471779.jpgよほどルーツ系ミュージックに詳しい人でないと、彼らの名前を聞いたことのある人は少ないかもしれないが、このバンドのメンバー全員がソロ・ミュージシャンであり、相当名の知れた実力派。スクラッピー・ジャド・ニューコム(右写真)は昨年も来日していたし、ソロ名義でCDもリリースしているので知っている人もいるでしょう。彼らが出したアルバムや、彼らが参加した音源など列挙すると膨大な量になるでしょう。彼らはテキサスでは引く手数多の凄腕ミュージシャンなのです。

その彼らが1999年オースティンの「サクソン・パブ」で毎週日曜に行うセッション・バンドとしてこのザ・リゼントメンツをスタート。彼らには「リハーサルは一切しない」というルールがあり、それぞれが即興的な演奏を毎週繰り広げる。そして、そのライブの素晴らしさが話題となり彼らは瞬く間に人気者となり、彼らの音楽の素晴らしさを世界に広めていっている。

その彼らの初来日公演の大阪はレイン・ドッグス。ザ・リゼントメンツにはなかなかぴったりの場所ではある。

ドラム以外の4人が横一列に並んで、思いっきりリラックスしながらスタート。全員がソロでやってるツワモノだけあって、皆が1曲ごとに順番にボーカルを取っていく。ジェントルな声のスティーヴン・ブルマン、男前で爽やかな声のスクラッピー・ジャド・ニューコム、小柄ながら酒と煙草がバッチリ似合うワルそうな声のブルース・ヒューズ、そして一番キャラ立ちした愛嬌のあるガラ声ブルースマンのジョン・ディー・グレアムとそれぞれ四者四様の声で歌われる。それにマンドリン、ラップ・スティールなど曲ごとに持ち替えて演奏するステージは観ていて楽しすぎる。

最初は濃ゆいブルース・ナンバーの連発、サン・ハウスの「Death Letter」もやってました。とにかくジョン・ディー・グレアムの声がカッコよすぎる。ラップ・スティールも音も最高にシビレる。陽気なおじさんみたいな親しみ深いキャラも素敵です。
f0045842_747507.jpg
そして一通りブルースをやり終えた後は美しいカントリー・ナンバーの応酬。ブルースの濃い洗礼の後は、優しい旋律のカントリーで包み込む流れが最高だ。個人的にはカントリー大好きなのでこの立て続けざまのカントリー・ナンバーに涙してましたね。特にスクラッピーの声が印象的でした。4人の弾く弦の絡みが非常に美しい!

ドラマーのジョン・チップマンの歌うナンバーを挟みf0045842_7532142.jpgながら、後半はロックンロールの連打。もちろんここで言うロックンロールとはMOTORHEADではなく、50年代の黒人ロックンロール。自然と客も大盛り上がりに。ザ・リゼントメンツのライブとは、アメリカ音楽史を一気に駆け抜けるような壮大で豊潤な音楽絵巻ですね。先日リリースされたばかりのボブ・ディランの傑作「Modern Times」を聴いているような感覚に陥りました。まさにアメリカ音楽史を巡る旅。余裕と貫禄のなせる技です。もちろん古いゴスペルもやってました。

ヴァン・モリソンShe Gives Me Religion」のカヴァーは繊細でありながらも、体の奥底にある熱い感情を絶妙に表現した素晴らしい名演。涙なしには聴けません。これで感情を揺さぶられないヤツがいるならそいつとは絶対に友達になれません。
f0045842_757595.jpg
そして時間を微塵も感じさせない大熱演に、年齢層高めの客でしたが最高潮の盛り上がり!いや、どんなヤツでもザ・リゼントメンツのライブには心を打たれるでしょう。興奮・感動・感涙なライブ。テキサスの音楽シーンの底知れぬ深さに興奮し、さらに深みにハマってしまった素晴らしい一夜でした。

未体験の人は、次回の来日公演には騙されたと思って行ってみて下さい。素晴らしい体験を保証します。

ちなみに9月はジョン・コーワン・バンドアサイラム・ストリート・スパンカーズ、そしてザ・リゼントメンツと続々と素晴らしいバンドが来日したルーツ音楽ファンには堪らない月間でしたね~。
[PR]
by Blacksmoker | 2006-10-04 08:09 | ライブレポート