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Café Tacvba [Sino]


さて、2007年も残り僅か。そろそろ総括をしなければいけない時期ですね。個人的にこのアルバムは間違いなく2007年のベスト・アルバムなので紹介しておきます!

メキシコが誇るロック・バンド、カフェ・タクーバの4年振りの新作「Sino」。今年最も聴いたアルバムですね!素晴らしい大傑作です。

f0045842_0161933.jpgしかしカフェ・タクーバと言っても、やはり日本では一部の人しかしらないマニアックなバンドと思われているフシがありますが、これは大きな誤解カフェ・タクーバは自国メキシコでは既に国民的人気の超ビッグなバンドなのです。過去にはラテン・グラミー賞を3回、グラミー賞も受賞している超大物。非英語圏のバンドなので日本での知名度はおそらくかなり低いですが、音楽好きでこんな素晴らしいバンドを知らないのは後で必ず後悔する事になるので今のうちにチェックする事をオススメします。

そのカフェ・タクーバ。1989年にメキシコシティのアートスクールの学生ルーベン・アルバランを中心に結成された4人組のロックバンド(ドラムはいません)。
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なかなかその音楽性を言い表わすのは難しいのですが、サルサやマリアッチなどメキシコならではの音楽性をルーツに、パンクやエレクトロニクスをごちゃまぜにしたとても変わった音楽性のバンドです。そのカフェ・タクーバというバンド名は植民地の象徴であるコーヒー(カフェ)とメキシコのネイティヴの部族の言葉を掛け合わせたものだそうですね。ちなみに以前はタクーバは「Tacuba」という綴りだったのですが、メキシコのタクーバ通りに実在するカフェに訴えられ「Tacvba」という表記に変えた経緯があります。

1992年に1stアルバムをリリースして以降、2006年までにオリジナル・アルバムを5枚リリースしていますが、その音楽性はアートスクール出身ならではで、一筋ならではいかないものばかり(しかしどれも傑作ばかりです!)。
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そして、このカフェ・タクーバのもう一つの特徴にボーカリストであるルーベン・アルバラン(下写真)のカリスマ性が挙げられます。とにかくこの男の存在感は凄い。生まれ持ったスター性というのはまさしくこの男の事ですね。音楽性は全く違いますがトーキング・ヘッズデヴィッド・バーンや、TOOLメイナード・ジェイムス・キーナンとかTHE FLAMING LIPSウェイン・コインとかそんなカンジの少し普通ではないカリスマ性を放つ男なのである。ボーカリストとしては天性の陽性な声を持っていて一聴してすぐに彼だと分かります。
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さらに面白いのはこの人、アルバムごとに名前がコロコロ変わるんです。今はルーベン・アルバランでしたが、前作では「エルフィーゴ・ブエンディア」、その前は「ヒタ・カンラグア」でした。ほんとに変な人です。最近はずっと帽子を被ってて顔を見せません。ちなみに身長がプリンス並みに小さいです。

そのカフェ・タクーバ、以前はかなり変なバンドというイメージでしたが、2003年の5作目「Cuatro Caminos」において一気にそのポップ性が爆発。ロック色をより強め、「風変わりなラテン・バンド」から「ポップなメロディを持ったエクスペリメンタルなロック・バンド」として認められることになる。当時海外のメディアではレディオヘッドとよく比較されたりしていましたが、「実験性」と「大衆性」を両立させたバンドという意味では、確かにその比較は間違っていなかったと思います(もちろんカフェ・タクーバの方が圧倒的に陽気なカンジですが)。個人的にはレディオヘッドというよりは、キワモノ・バンドから一気にポップ性を増したロック・バンドに変貌を遂げたという点においては、その音楽性はWEENに近いものがありますね(中毒性のあるポップなメロディなんかは特に!)
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さて、そんなカフェ・タクーバの4年振りとなる新作「Sino」。もちろんラテンの巻き舌ボーカルはそのままですが、前作よりも更にラテン色は薄まり、ロック・バンドとしての色合いを強めています。そして今まで以上に際立ったメロディは過去最強。その爽やか過ぎるポップさは、そこら辺の爽やかなメロディを売りにしている若手バンドなど足元にも及ばない完成度です。

今作をプロデュースしているのが、グスタボ・サンタオラヤ(右写真)。映画「バベル」「ブロークバック・マウンテン」「21グラム」「モーターサイクル・ダイアリーズ」などf0045842_0524956.jpgで印象に残る音楽を手掛けた映画音楽家(特に「ブロークバック・マウンテン」ではホントに素晴らしい音楽を提供していましたね)。カフェ・タクーバは、以前よりグスタボ・サンタオラヤをアルバムのプロデューサーとして起用していますが、今作での恐ろしいほど全くスキの無い完璧な曲構成はやはり彼の手腕によるものが大きいでしょう。

そしてドラムレスという特殊な形態を活かした柔軟な揺れ幅の楽曲で(中にはガッチリと生ドラムを入れた曲もありますが)、アルバム全体に全く中だるみを感じさせません。前作同様にシンセサイザーを取り入れているのがなかなか面白いですね。中にはTHE WHOWon’t Get Fooled Again(無法の世界)を彷彿させる曲もありますね(51300)。ポップで爽快な楽曲についつい耳を奪われがちですが、よく聴くと全ての曲がめちゃくちゃ緻密に作り込まれている職人的サウンド。ヘッドフォンで聴くとその凄すぎる音作りに驚愕します。
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ちなみにこのアルバムからの1stシングルとなるVolver A Comenzarは、シンセサイザーを大フィーチャーしたポップ度全開な曲ですが、時間が何と8分もあるという大曲!普通メジャーなバンドなら1stシングルに8分の曲なんて持ってこないですよね。こういう一筋ならではいかないのもカフェ・タクーバらしいです。

その他の曲もほんとにポップさが爆発した曲ばかり。ルーベンのどこまでも突き抜けた明るい声が素晴らしいですね。繊細でありながらも内に秘めた力強さを感じさせるこの声はまさしく唯一無二。そしてギターも安易にサイケデリックに走っていないところもカフェ・タクーバというバンドのこだわりを感じさせます。
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もうこれは聴いてもらうしかないですが、Blacksmokerが全身全霊を以ってオススメしたい一大傑作。2007年最優秀アルバム賞、文句なしに確定のグレイトな作品です!

実はこのカフェ・タクーバ、先月11月に初来日を果たしています。しかし東京&福岡2公演のみ、しかもイベント出演という事であまり話題にならなかったですが、是非とも2008年は単独ツアーで再来日して、そのライブ・バンドとしての実力も見せ付けて欲しいですね。

ちなみに彼らのPVはいつも面白いので是非観て頂きたい。

前述した1stシングルVolver A ComenzarのPVはコチラで視聴できます。ちなみにバンドは後半に登場。

そして前作のヒットPuntos Cardinalesコチラ

どちらも素晴らしい名曲ですよ!
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by Blacksmoker | 2007-12-24 00:27 | ROCK

idea6 @ 渋谷Jz Brat 12/8(土) 2007


すみだトリフォニーホールでの「アトリエ澤野コンサート」を終え、渋谷へ直行しイタリア・ジャズ界のレジェンド、ジャンニ・バッソディノ・ピアナ擁するidea6の待望の来日公演を観てきました。

前回紹介した素晴らしいアルバム「Steppin’ Out」をリリースしたばかりのidea6。しかもジャンニ・バッソ76歳、そしてディノ・ピアナ77歳という、「今回見逃したら次はないかもしれない」御大なので、これは絶対にスルーできないライブです(ちなみに前回の来日公演はジャンニ・バッソの体調不良の為に中止になってますので・・・)。しかも今回はクラブ・ジャズ・シーンでも大人気のジェラルド・フリジーナと、idea6の仕掛人でありイタリアのデジャヴ・レコードを主宰するパオロ・スコッティの2人がDJとして出演するという豪華なラインナップ。まさしく「イタリアン・ジャズ祭り」といったカンジです。

f0045842_20262053.jpgまあDJといってもたいそうな物ではなく完璧にBGM担当。正直、お酒飲んだり、ご飯食べたり、話したりでほとんど誰も聴いてなかったですが、よくよく後で考えてみたら、こんな人気DJをバックに飯食ったりして、かなり贅沢なBGMでしたね・・・。そういえば来日直前にジェラルド・フリジーナらも参加しているidea6リミックス盤(右写真)もリリースされてましたね。これも要チェックです。

さて前座の日本人ジャズ・バンドWhat’s Upが終わり、しばらくして遂にidea6の登場。高齢フロント3管のうちレコーディングには参加していたトランペット奏者のグイード・ピストゥッチだけは不参加でしたが、あとはレコードの通りのラインナップ。ド派手な赤いジャケットを着込んだジャンニ・バッソ、そして見た目は「シチリア島のマフィアのドン」かと思うくらいの貫禄のディノ・ピアナ(眼光が鋭い!)の登場に会場が「おお!」となりましたね。さすがはレジェンド。
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さてその御大達の演奏ですが、60年代のバッソ=ヴァルバンブリーニ楽団の時のようなシャープでキレのある躍動感のある演奏ではもちろんないですが、それを補って余りあるフレージングやメロディの柔らかさが何とも言えない心地良さを生んでいましたね。こういうグルーヴは若さだけではなかなか出すこと出来ません。

オープニングは(たしか)Juniorでスタート。選曲は2nd「Steppin’ Out」からの曲を中心に、1st「Metoropoli」からも数曲組み入れたセットでしたね。しかし御大2人とも体調は頗る良好そうで一安心。特にジャンニ・バッソ(下写真)にいたってはよく笑うし、よく喋るかなり元気で陽気な爺さんでしたね。でもソロ・パートはだいたい1人16小節くらいの長さだったので観ている分には少し短めだったかも・・・。まあ爺さんには無理をさせられません。
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しかし、陽気なジャンニ・バッソとは対照的なのはディノ・ピアナ。寡黙だが目の鋭さがハンパないです。ダブルのスーツでビシッとキメた姿は貫禄ありまくり。そしてその御大2人ですが、自分達が演奏してない時はステージから他の若手メンバーの演奏をじっと観察しているのです。ディノ・ピアナにいたってはピアニストのアンドレア・ポッツァの後ろに立ってじっと彼の演奏を見てる(下図)のです!
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ワシらがしっかり指導してやるから、やってみなさい」的なカンジの構図が、彼らの師弟関係を想像出来てとても素敵でしたね。若手の育成にも抜かりなしです。さて中盤に入り、御大達は一旦ステージを降り、代わりにステージには女性ヴォーカリストのフランチェスカ・ソルティーノ(下写真)が登場。
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この人がソロでなかなか素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。曲はガーシュインAin’t Necessarly So。ジャジーで少し気だるい雰囲気を醸しつつも、妖艶なムードで場の空気を変化させてました。

その後、御大達も加わり、後半は一気に加速。もちろん曲はTune Up。やはりこの曲の適度な疾走感は心地良い!中盤のソロ回しではフランチェスカのヴォーカルのスキャットも加わり賑やかな展開。会場からも大声援が起きてましたね。
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今回このフランチェスカ・ソルティーノidea6のライヴに参加したことにより、ライヴとしての面白みが飛躍的に上がったと思います。昔チェット・ベイカージャンニ・バッソが録音したこのTune Upですが、当時のヴァージョンよりも躍動感のある仕上がりになっているのは、やはりこのフランチェスカのおかげでしょうね。

そして個人的に大好きな曲Dance Of The Cricket。生で観れたらもう泣くんじゃないかと思っていたこの曲もしっかりやってくれました。何と言ってもアンドレア・ポッツァのピアノの跳ねるようなメロディの素晴らしいこと!そこにトロンボーン、サックス、トランペットの3人が一気に被さってくる瞬間はカタルシスの嵐。終盤を少しカットしたショート・ヴァージョンでだったので、終わり方が少し強引な感じもしましたが、前半部分の再現には、顔は笑ってましたが心の中では感動して泣いてました。
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1stからは確かNew BornMinor Moodなどお馴染みの曲もしっかりと披露してくれたので、かなりの満足度。アンコールに2回も応えて出て来てくれたりと、御大達もサービス満点でした(しかも2回目のアンコールではディジー・ガレスピーの曲もやってくれました!)。

各パートのソロ・タイムもしっかり盛り込み、フランチェスカのヴォーカルでアクセントを付け、御大がガッチリと見せ付ける。何と素晴らしい構成でしょう!もう何も言うことはありません。当初はイスもなしで立ちっぱなしだったので「おじいちゃん、大丈夫なのかな?」なんて余計な心配をしたりしていましたが、杞憂だったようですね。
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まさしくイタリアのジャズの真髄に触れることの出来た素晴らしく充実した夜でした。ジャンニ・バッソディノ・ピアナこれからも長生きして素晴らしい作品を作ってください!

 
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by Blacksmoker | 2007-12-21 00:13 | ライブレポート

VLADIMIR SHAFRANOV TRIO & KIYOSHI KITAGAWA TRIO @ すみだトリフォニーホール 12/8(土) 2007


澤野工房が贈る冬の恒例ジャズ・コンサート「アトリエ澤野コンサート」。澤野社長がレコードではまだその素晴らしさが伝え切れていないと思っているアーティストを是非とも生で観てもらおうという為のこのコンサート。東京まで観に行ってきました。

今回の「アトリエ澤野コンサート」はNY在住のベーシスト、北川潔(右写真)を中心とするトリオと、澤野工房の顔ともいえるロシア人ピアニスト、ウラジミール・シャフラノフのトリオが登場です。今年の5月に澤野社長と直接話をした時に「今度出る北川潔のレコードは凄い事になるよ」と興奮しながら語ってましたが、先日リリースされたその新作「I’m Still Here」は、ドラムにブライアン・ブレイドを迎えた超強力トリオ(あとはピアニスト)での録音で文字通りハードでタフな演奏を聴かせてくれましたが、そのレコードと同じトリオでの来日。
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北川潔のストイックなウッドベースも見物ですが、やはり話題はブライアン・ブレイドのドラムでしょう!昨年はビル・フリーゼルの来日公演にも帯同し素晴らしいプレイを見せてくれたブライアン・ブレイドを迎えた強力布陣。かなり期待していましたが、ここで大トラブル発生!
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ステージ左前に座っていたのですが、スピーカーの接触不良で「ザ・・ザザ・・ザ・・ザ・・・」というノイズが発生してしまってました。2曲目が始まったトコで廊下へ出て係員に「スピーカー壊れてますよ」って言ったら、3曲目以降はベースとドラムの音がスピーカーから消えてしまいました。ピアノの音はちゃんと聴こえましたが、ベースとドラムは全て生音しか聴こえない状況・・・。私は3列目だったので生音で聴けただけマシだったかもしれませんが、後ろの人は多分ピアノの音しか聴こえないという悲惨な状況だったと思います・・・。
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まあそんな悪状況下でしか判断出来ませんが、北川潔のストイックなベースを主体にし、添えるように静かなピアノ、そして強弱のコントラストをはっきり出した独特のドラムが華やかではないが静かに燃える炎を心に持ったハードボイルドなジャズ・サウンドを聴かせてくれてました。まさしく「漢(おとこ)のジャズ」という言葉がピッタリでしたね。最後のブライアン・ブレイドのドラム・ソロも凄かったですが、その分スピーカーから音が全く聴こえないという状況は残念でなりませんでした・・・。

さて続くは、ウラジミール・シャフラノフ・トリオの登場。

ウラジミール・シャフラノフはロシア人ピアニスト。澤野工房から「White Nights」(右写真)などをはじめ数々の名盤をリリースしている、もはや澤野工房の顔とも言f0045842_18575639.jpgえるピアニストです(始まる前に澤野社長がステージに登場し、このシャフラノフがいなければ澤野工房は存在していなかったという事を熱く語っていました)。澤野社長が力説していましたが、シャフラノフのピアノは「弾くというより、飼い慣らしている」。確かにその表現がピタリで、実際もの凄い速い動きなのですが、その速さを全く感じさせないくらい静かで滑らか。鍵盤の左から右まで全ての音域を使い表現力豊かなタッチで滑らかに演奏されるそのピアノはもう極上の一言。あのデカい体からここまで美しい音が出せるなんて驚きです。勢いに任せるようにドっと弾いたかと思うと、ふと演奏を止め、他のメンバーの演奏を見て、また一気にピアノを弾きにかかる姿はなかなか独特。シャフラノフのピアノはかなりクラシックの影響が強いですね。
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他のメンバーはフィンランド人のベーシスト、ペッカ・サルマントとスウェーデン人のベント・スターク。2人ともシャフラノフのピアノを最大限に活かした抑えたプレーでバックを静かに務めます。190cmを超える巨漢ドラマーのベント・スタークは今回初めてライブに参加したとの事だが、その巨体からは想像も出来ないくらい繊細なドラムが冴えていましたね。シャフラノフのピアノのピッチが上がっていくのに合わせて、ドラムのピッチも上げていくシーンなどは息もピッタリ。ドカドカ叩くパートもありかなりたくさんの見せ場を作っていました。

1曲1曲が終わるたびに、シャフラノフ自身がマイクで曲を紹介していくのも非常に分かりやすかったですね。「次の曲は○○○です。楽しんでください」という感じで非常に紳士的。ピアノを弾いている姿もまた非常に紳士的でした(キース・ジャレットみたいにノってくると奇声を発するような事もないし)。

演奏された曲もガーシュインLove Walked InジョビンEste seu olhar、そしてMy Romanceなどとても耳馴染みのあるスタンダーf0045842_19101849.jpgド・ナンバーを中心にしていて誰でも楽しめる内容。最後の一音まで気持ちの行き届いた繊細でロマンティックなピアノが素晴らしかったです。アンコールはシャフラノフ1人で登場し、この時期にピッタリのAve Mariaのソロ演奏。贅沢な演奏です。そして最後はモリコーネのCinema Paradiso。会場を優しい空気に包み込むシャフラノフのピアノは心にジ~ンと響きました。

やはりレコードも素晴らしいが、こういう素敵な場所で生で観るとまた全然印象が違ってみえますね。シャフラノフの息遣いまで感じれるような素敵な時間。贅沢な一時を過せました。
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by Blacksmoker | 2007-12-14 00:26 | ライブレポート

DAFT PUNK @神戸ワールド記念ホール 12/6(木) 2007


いやぁ凄かったなぁコレは・・・。
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ダフト・パンクがいつの間にこんな凄いアクトになっているとは!昔京都のメトロで観た時とはエライ違いでしたね。
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アルバムは1枚も持ってませんがほとんどが聴いたことある曲でした。
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とにかく凄かった。
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以上。
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by Blacksmoker | 2007-12-10 01:15 | ライブレポート

idea6 [Steppin’Out]


イタリア屈指のジャズ・コレクターにしてDejavu Recordsのオーナーであるパオロ・スコッティが仕掛けるプロジェクト「idea6」(イデア・シックスと読むようです)。

f0045842_22133935.jpg先日リリースされたばかりのidea6の2ndアルバム「Steppin’Out」が素晴らしいので紹介しましょう。以前にマリオ・ビオンディを紹介した時に「現在のジャズ・シーンを牽引しているのは間違いなくイタリアだ」という事を言いましたが、まさにそれを証明するようにこの作品も充実しまくっています。クラブ・ジャズという括りに否定的な古参のジャズ・ファンも十分納得させられる素晴らしいサウンドです。

そもそもこのidea6というのは新旧イタリアのジャズ・シーンの名手が揃ったユニットで、その名の通り6人組。そこに名を連ねるメンバーの顔触れが凄い。まずはイタリア・ジャズ界の黎明期を支えた人物であるサックス奏者のジャンニ・バッソ(下写真)。
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1950年代後半から1960年代にかけてオスカル・ヴァルダンブリーニと共に「バッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテット」を率いて活動したイタリア・ジャズ界のレジェンド。イタリアのジャズを語る時に絶対に欠かせないこの「バッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテット」。初期の頃のアメリカのウェスト・コーストの影響下にあるサウンドから脱却しイタリアならではのテンポの良いハードバップ・サウンドを確立した超重f0045842_22191826.jpg要バンドである。彼らの作品はまだCD化がされておらずファンの間ではアナログ盤が既にレア盤化していましたが、先日1967年録音の「Exiting 6」(左写真)が世界初CD化されファンを涙させたばかりです。ちなみに日本人としては耳馴染みなのは懐かしの「アメリカ横断ウルトラクイズ」の曲!この曲はおそらくかなりの人間が耳にしているでしょう!これはバッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテットの1960年録音の「Walking In The Night」に収録されているCrazy Rhythms(試聴はココで!)。オリジナル盤は激レアだが、Dejavuから再発されてますので見付け次第即ゲットして下さい!

そんなジャンニ・バッソ、1931年生まれなので現在76歳!そんな彼がidea6のフロントを務めます。最近ではイタリア・ジャズ界の若手実力派トランペッターのファブリツィオ・ボッソと「バッソ=ボッソ」名義でアルバムもリリースしており、いまだバリバリの現役です。

そしてもう1人、idea6のフロントを務める人物がトロンボーン奏者のディノ・ピアナ(下写真)。
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ジャンニ・バッソと共にバッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテットでも活動したこちらもレジェンド。ちなみにディノ・ピアナは1930年生まれなので実に77歳です!

最後にもう1人、バッソピアナと共にフロントを務める3人目の人物がトランペット奏者のグイード・ピストゥッチ。彼も60年代に活躍したミュージシャンだ。

そんな超高齢な3管をフロントに据え、そのバックでドラム、ベース、ピアノを務めるのが親と子ほどの歳の離れた3人のミュージシャン(ちなみにドラマーのステファーノ・バグノーリ(下写真)は前述のバッソ=ボッソのレコードでもドラムを務めています)。
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まあ要するにフロント3管はおじいちゃんなんです。しかしアスリートと違ってミュージシャンというものは年齢を重ねる事によって、より素晴らしい作品を残します(ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブが良い例ですね)。このidea6も例外ではない。トロンボーン、サックス、トランペットという3管の出す音が素晴らしいのです。もはや若さ漲る鋭いプレーではないが、実に豊潤で余裕のあるサウンドで、聴いていると実に贅沢な気分にさせてくれます。転がるように滑らかなジャンニ・バッソのサックス、渋すぎる低音の響きを利かせるディノ・ピアナのトロンボーン、印象的なメロディを奏でながら自由に駆けるグイード・ピストゥッチのトランペット。素晴らしいではないですか。

更に輪をかけて素晴らしいのがピアニストのアンドレア・ポッツァ。(下写真)
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もう全てのフレージングが反則かってくらいの感涙のプレイ。跳ねるようなピアノが実にフレッシュな空気を送り込んで、このidea6のサウンドを全く新しいモーダルなサウンドにしているのは間違いない。今回のアルバムで唯一ポッツァが作曲したDance Of The Cricketsの素晴らしさと言ったら!何たるロマンティックで想像力を掻き立てる曲だろうか。上品さと躍動感が見事に同居した超名曲。跳ねるピアノに、3管のハードバップな音がかぶさるオープニングは何度聴いても鳥肌が立ちます。

今回のアルバムには、3曲にボーカリストとして女性シンガーのフランチェスカ・ソルティーノ(下写真)が参加していてこれまた見事な歌唱を聴かせてくれています(良い意味でクセの少ない声ですね)。
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オープニングを飾るマイルス・デイヴィスTune Up(この曲はバッソチェット・ベイカーと録音したものの再演です)でのフランチェスカのボーカルは、この曲に全く新しい生命を吹き込んでいます。途中で披露されるスキャットも完璧です。最終曲のガーシュインのスタンダードIt’s Necessarily Soでの歌声も気高くもありセクシーでもあり素敵です。

さて一時的プロジェクトと思われたこのidea6ですが、前作より更に躍動感溢れるサウンドをこの作品では聴かせてくれます。アメリカのジャズの影響を受けながらも、イタリア独自のハードバップを追求した「粋」な感覚が溢れていてめちゃくちゃクールです。最も古いミュージシャンによる最も新しいモーダルなジャズを堪能してもらいたい。
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そしてそのidea6、今週末遂に単独来日公演を行います。ジャンニ・バッソディノ・ピアナグイード・ピストゥッチというフロント3管はもちろん、ボーカルのフランチェスカ・ソルティーノも参加のこの公演。こんな凄いメンバーが観れるなんて!Dance Of The Cricketsが生で聴けたらもう死にそうです…。
 
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by Blacksmoker | 2007-12-06 00:35 | JAZZ

JESU @ 心斎橋クラブクアトロ 11/28(水) 2007

遂にこのバンドも初来日を果たしました。

ジャスティン・K・ブロードリック率いるJESU
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結成したのが2001年なのでその歴史はまだ短いのですが、JESUの前身バンドであるGodfleshでの14年の活動でも遂に日本の地を踏むことが無かったので、ファンにとってはまさしく待望の来日になりました。Godfleshでは無機質なマシン・ビートとヘヴィなギター・リフを融合させた当時ではなかなか数少ないバンドで、荒廃したインダストリアル・サウンド(懐かしい呼び方!)がマニアには絶大なる人気を誇っていましたが、解散後にジャスティンが進んだ道はMy Bloody Valentineばりの轟音サイケデリック路線。叫ぶことをやめ空間的な轟音ギターのサイケデリック・ノイズの海の中で深いエコーのかかったノーマル・ヴォイスで浮遊感のあるメロディを歌うというJESUのサウンドは、ジャスティンがもはや新たな領域にいることを見せてくれました。

そのJESUのライヴ。結論から言うと3人組ながら考えうる最大の音響によるスケールの大きい美しいライヴでした。今の彼らの音楽性に匹敵するのはMy Bloody Valentine(最近遂に復活を果たしたけど)や、Sigur Rosといったバンド達だろう。
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とにかくシンプルで何もないステージに、ギター、ベース、そしてドラムのみ(あとSEで使うMac G4が置いてあるくらい)。この3人という最小の人数から出される音がもうハンパない轟音と音圧。しかもSUNN O)))のような生命の危険を感じるような轟音ではなく、聴いていると幸せになってくるような気持ちの良い天上のホワイト・ノイズ。この轟音に身を委ねているだけで精神が浮遊するような最高の気分になります。

ヴォーカルとギターを兼任するリーダーのジャスティン・K・ブロードリックのあまりにも若々しい青年のような容姿にはかなり驚きましたが(Napalm DeathGogfleshなど合わせると20年以上のキャリアだが、デビューしたのが15~16歳くらいなのでまだ40歳くらいでしょうか?)、JESUのギター・サウンドは数々のバンドで培われてきたサウンドの集大成ともいえる超強力な音でした。ベースもエグいくらいの重低爆音で、このサウンドの音圧を構成する一旦を担っていましたね。
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そしてレコードを聴くだけでは気が付かなかった事なんですが、ライヴでJESUのサウンドの轟音サウンドの要になっているのがドラムでした。超シンプルなセットから繰り出される、もの凄い音でズドーンと響くスネア、そしてハレーションを増長させるシンバルの残響音が強烈です。しかもジャストなタイミングで叩き出される正確無比なリズムが凄かったです。

この強烈なドラムを叩くのがテッド・パーソンズ。ノイズ/インダストリアル/ジャンク・バンドの始祖とも言われる80年代伝説のバンド、SWANS(下写真:右から2番目がテッド・パーソンズ)のドラマーだった人物です。
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あの終末感漂う荒廃した絶望的なSWANSのサウンドにおいて、無慈悲とも言えるジャンク・ビートの根幹を支えていたのがこのテッド・パーソンズです。スキンヘッドで、腕にはビッシリとタトゥーの入った超ワイルドな風貌ながらドラミングは超タイト。この男がいなければJESUのライヴのサウンドは全く違ったものになっていたハズだ。「シンバルを2発入れて、ズドンとスネアを1発」というリズムの繰り返しがほとんどだが、強力でジャストなリズムのドラミングは素晴らしかったです(ちなみにテッド・パーソンズは、あの16人しかいなかったProngの初来日公演 in 大阪でもドラム叩いてました!)。
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選曲のほうはJESUにとって一気にポップさを増したアルバム「Conquerer」からの曲がほとんど(新作EP「Lifeline」からは1曲もなしでした)。多幸感溢れる轟音ホワイト・ノイズの海にのみこまれてまるで天国にいるような心地良さでしたね。
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途中に「Silver」などの名曲を挟みつつ、ラストは1st「Jesu」からFriends Are Evil。SEの不穏なインダストリアルなイントロから、超ヘヴィなギター・リフが繰り出されるGodfleshを彷彿させるナンバー。ドラムのヘヴィなサウンドも完璧で、殺気漲る凶悪なサウンドが一気に現実へ引き戻してくれましたね。その後、ドラム、ベースが去った後、たった一人でステージに残りハウリング・ノイズを出し続けるジャスティン・K・ブロードリックの姿が異常に神々しかったのが印象的でした。

今回初めて経験したJESU。予想以上にバンドとしての一体感があり、かなり肉体感溢れるアグレッシヴなライヴ。そして何よりJESUファン、そしてGodfleshファンをも力で捩じ伏せて納得させたかなり強力なライヴでした。
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次こそはジャスティンのアンビエント・ユニットFinalでの来日も期待します!
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by Blacksmoker | 2007-12-04 00:34 | ライブレポート