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DWELE [Sketches Of A Man]


ここ最近のDweleの活躍ぶりは凄い。
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昨年のEarth, Wind & Fireの素晴らしいトリビュート・アルバム「Interpretations」の中でも個人的にベスト・トラックだったのがDweleの歌ったThat’s The Way Of The World。浮遊感のあるロマンティックなDweleのボーカルが最高に気持ち良い1曲で、オリジナルを凌駕する素晴らしい出来でした(もちろんLedisiDevotionも良いですが!)
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そしてCommonのアルバム「Finding Forever」の中のThe Peopleや、さらにはKanye Westのアルバム「Graduation」の中のFlashing Lightsでもフィーチャリングされていましたし、Souliveの別プロジェクトでもあるファンク・バンドLettuceのアルバム「Rage!」にもフィーチャリングされ何とカーティス・メイフィールドMove On Upをカヴァーしていたりとあらゆる所で大活躍。そしてそのどれもが印象に残る素晴らしい客演を見せてくれました。

f0045842_3225582.jpgそんな中でリリースされたDweleの2年振りの3rdアルバム「Sketches Of A Man」は、その充実振りが発揮された1枚。でもその音楽性は驚くほど以前と変わらずのスタンス。(Jaheimが「The Makings Of A Man」とくれば、Dwele「Sketches Of A Man」ですか!)

さて個人的に思っていた事ですが、客演時のDweleは印象に残る素晴らしいパフォーマンスをするのですが、オリジナル・アルバムの印象がそれに比べて薄い。もちろん内容は極上のソウル・ミュージックなのですが、他のソウル・シンガーと比べると独特の「アク」が強くなく、またガツンと一発パンチの効いたメロディのシングル曲があるわけでもないのでアルバム全体がスーっと流れていってしまう印象がありました。2003年の1st、そして2006年の2ndともに同じような印象があったのですが今回の新作を聴いて、自分のDweleの聴き方が間違っている事に気が付きました。

Dweleのアルバムはシングル単位で楽しむものではなく、アルバム全体をゆっくりと楽しむようにあえて作られている」という事実。

その事に気付くと前2作の流れも至極納得がいく。そしてこの新作もアルバムの流れを考えた作りになっているのが分かります。
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まず1曲目のオープニングでは「Sketches Of A Man」のタイトル通りスケッチの音から始まり、最終曲のエンディングに再びスケッチの音で終わっていく構成になっています。

収録曲は全20曲。普通ならこの曲数を見るとかなり引いてしまう量ですが、実はそのうち6曲が1分半くらいのイントロになっていて曲間なく次の曲へと繋がっていくので、気が付くと次の曲になっている。これも意図的な構成だ。アナログ盤で聴かれる事を意識した構成でもありますね。
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そしてこのアルバム全体の流れはホントに気持ちが良い。次から次に心地の良いメロディが流れ出てくる気持ち良さは、アルバム全体を楽しまないと味わえません。

ただそんなアルバムの中にもしっかりとキーポイントなる曲も配置されているのもニクイです。まずはOpen Your Eyes。これはボビー・コールドウェルのカヴァーなのですが、ヒップホップ・ヘッズf0045842_3331097.jpgにはCommonThe Lightの元ネタとしての方が有名でしょう!この曲でしっかりと聴く者を惹きつけ、ファンクっぽい小曲Workin’ On Itを挟んで登場するのが、地元デトロイトの盟友Slum Village(左写真)を迎えたBrandiJ・ディラのビートを継承したようなデトロイト・テイストな1曲。この曲も流れるようなメロディが絶品です。

ストリングスを取り入れた曲、ピアノを弾き語り、アコースティック・ギターを使ったネオ・ソウルなど、様々なヴァリエーションの曲が大袈裟ではなく、実にナチュラルな流れで収まっている(15曲目のShadyは、デトロイトでシェイディとくればEminemの事かと思いましたが全然違ったようです・・・)。
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そして相変わらずアルバムのプロデュースからアレンジ、そして演奏まで手掛ける天才ぶりも存分に発揮。その中性的な声の響きも相まって、やはりDweleにはスティーヴィー・ワンダーの影響が色濃く見られますね。スティーヴィーの系譜を継いだアーティストの筆頭でしょう。
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これはホントに素晴らしいアルバムです。このアルバムを聴いている時は、思わず時間を忘れてしまう至福の作品。シングル単位でしか聴かれなくなった現状に真正面から向かい合うアーティスティックな姿勢も素敵です。是非ともこの素晴らしい作品をじっくりと堪能して頂きたいです。もちろんDweleの弾くフェンダー・ローズの美しくも儚い音色も健在です!
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by Blacksmoker | 2008-10-29 02:56 | R&B / SOUL

TORCHE [Meanderthal]


アンダーグラウンド・メタル/ハードコア界の新たな勢力ともいえる「Hydra Head」レーベル。Isisアーロン・ターナーの主宰するこのレーベルにはPelicanJesu、さらにはXasthurHarvey Milkなどグレイトなバンドが多数在籍しています。

f0045842_2403261.jpgその中で、このTorcheは新作「Meanderthal」で完全に化けたと言ってよいでしょう。この手のバンドの中では頭一つ抜けた感がありますね。既に欧米では圧倒的な人気を誇るTorcheの2ndにして早くも最高傑作です(イギリスではMogwaiのレーベル「Rock Action」からのリリース)。

フロリダ出身のこのTorcheは元Floorのメンバーであるスティーヴ・ブルックスを中心に2005年に結成された4人組。ギターにはスラッジ・コア・バンドCavityの元メンバー、ホワン・モントーヤもいる。(ちなみに「Hydra Head」からCavity「Laid Insignficant」が再発されています。)
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もともと轟音スラッジ・ギターリフにハードコアの疾走感を合体させたスタイルですが、今回の新作ではまず異常なほどメロディがポップになっているのが大きな変化だ。ギター・リフや、歌のメロディはもう異常にポップ。クセになるほどの中毒性のあるメロディが最高です。ボーカルも血管ブチキレの絶叫系ではなくノーマル・ボイス。そしてそれに寄り添うコーラスのハーモニーが異常に気色悪くて逆に気持ち良い。
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そしてやはりこのアルバムで最もグレイトなのはギター・リフの素晴らしさ。マジでこのTorcheのリフはヤバイです。全く飽きさせない変幻自在の多様なリフの応酬に加え、その音圧がハンパではない。空間を埋め尽くすほどのノイズまみれの脳神経直撃の轟音ヘヴィ・リフが疾走する様は快感の一言。1曲目のインストTriumph Of Venusから一気に耳を惹きつけられます。
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個人的には、この手のリフを作らせたらMelvinsの右に出るものはいないと思っていますが、このTorcheのリフもそれに匹敵する強力さです。Convergeの轟音さと、Pelicanの整合感を合体させたような強力さがありますね。ちなみにこのアルバムをプロデュースしているのがConvergeのギタリストのカート・バルー。なるほど納得。この整合感ある轟音ギターは見事です。途中に切り込んできて脳神経を刺激する高音域なギター・ソロもイイ。
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強力な轟音リフに、異常なほどポップなメロディという相反するものの融合したサウンドはジャケットの分裂症気味のアートワークがピッタリです。このジャケットの悪意のユーモア・センスはモロにMelvins譲り。ちなみにこのアートワークは凄いです。開いていくとでっかい一つの絵が完成するというもの(下写真)。
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この異常に凝ったアートワークの為に日本盤の発売が遅れてしまったというシロモノなので、一見の価値ありです。

全13曲。でも2分前後の曲が間髪入れずに疾走して一気に駆け抜けてしまうのであっという間の39分。爽快です。っていうか、どんどん高揚感が増していく至福の39分です。
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終盤AmnesianMeanderthalのラスト2曲は問答無用のミドル・テンポのスラッジ地獄。グレイトな轟音スラッジ・サウンドがこれまた最高です。この2面性もTorcheの魅力ですね。

是非とも聴いてみる価値のある1枚です!
 
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by Blacksmoker | 2008-10-16 02:10 | ROCK

IDA @ 京都UrBANGUILD 9/30(火) 2008


結成16年目にして初の来日。

結成したばかりの若いバンドが容易に来日を果たせるこの時代に、16年間日本盤もリリースされているバンドがまだ日本の地を踏んでいないなんて逆に驚きます。

その長い時間にアイダはじっくりと熟成され、まるでワインのような芳醇なサウンドになりようやく日本のファンに味わってもらえる機会が来たわけです。とっても良い話じゃないですか。
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でもアイダというバンドはメンバーの出入りなどあれ、そのサウンドの根幹は16年前から何も変わっていない。彼らの初期のアルバムを聴きくらべると、よりその変わらなさが実感出来るはず。「若さ」や「瑞々しさ」はそりゃ16年前と比べれば後退しているかもしれないが、アイダの標榜する「誰でも共感できる良い音楽」はまったくもって不変です。
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今回の初来日公演はダニエル・リトルトンエリザベス・ミッチェルの夫婦を中心として、ベースにカーラ・シックルトン、ヴァイオリンにジーン・クック、ドラムにはルース・キーティングという主要メンバーが勢揃い。ヴォーカル/ギターのダニエル・リトルトンを除いて4人全員が女性。そしてこの5人が揃ったアイダが日本で観れる機会なんてそう滅多にあるもんじゃない。
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さて、アイダというバンドはメンバーがそれぞれ楽器を持ち替えて演奏したり、ヴォーカルも全員がとったりするバンドだ。だから今回のライブでの一番の収穫は「この曲はこういう演奏だったのか」とか「この曲はこの人が歌ってたんだ」という発見があったこと。アイダというバンドは一発で盛り上がれるような派手な曲のないバンド(でも何年経っても色褪せない素晴らしい曲が多いバンド)なので、ついつい演奏面に関してはスッーと聴いてしまうことが多い。しかし、こんなにもせわしなく楽器を持ち替えて演奏するシーンを目の当たりにすると、次にアイダのアルバムを聴くときにはそういう背景を想像することが出来るので、なかなか面白く聴くことが出来るでしょう。

そして長年バンドをやってきているだけあって、その演奏力やパフォーマンスも実力に裏打ちされた見事なモノ。表面的ではなく、その奥に深い源流が見える演奏の素晴らしさにも感服しましたね。(以前にアイダプリンスのアルバム「Dirty Mind」の全曲カヴァー・ライブも敢行した事のあるほど。その他にもおびただしい程のカヴァー曲のレパートリーの多さがアイダというバンドのポテンシャルを物語っていますね。)
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しかも凄いのがほぼ全員がコーラスをとるのですが、これがホント絶品の美しさ。これはなかなか鍛錬しないと出来ない技です。ほとんどの曲で2人~4人のコーラスが入るというこだわりもアイダの特徴だ。懐かしの1stアルバムからのNick Drakeでの5人全員の息の合ったぴったりのハーモニーの感動的な美しさは個人的にこの日のハイライトでしたね。
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ヴォーカルは主にダニエル・リトルトンエリザベス・ミッチェルの2人がメインですが、ベースのカーラの存在もかなり大きい。ベースだけでなく、ピアノやギターなど楽器を持ち替え、ダニエルエリザベスの2人を後ろからしっかりとサポートする姿がとても印象的。そのカーラがリード・ヴォーカルをとるMan In Mindや3rdアルバムからの名曲Poor Dumb Birdが、ライブでは良いアクセントとなり、より彼女の存在感の大きさを浮き彫りにしていたと言ってよいでしょう。

個人的にアイダのアルバムでは一番好きな2000年の「Will You Findf0045842_1464813.jpg Me」(右写真)から、Down On Your BackMan In Mind、そして名曲Shotgunなど盛り沢山で披露してくれたのが嬉しい。特にShotgunは、日本語でジーンが「何かリクエストありますか?」と言ったので、私が「Shotgun!」とリクエストしたら、「演奏忘れてしまったけど、なんとかやってみます」と言ってやってくれたのが最高の思い出ですね(2回目のリクエストではThank Youをリクエストしましたが、あいにく応えてもらえずでしたが・・・)。
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昨年の最新のアルバム「Lovers Prayers」から初期のアルバムに渡って、アイダの16年という長い歴史を辿る2時間10分にも及ぶライブ。インディー・ロックからフォーク、そしてカントリーにまで至るアイダの音楽の幅の広さがじっくりと堪能できましたね。しかし2時間を超えるライブと言っても熱演というよりは、静かに深い、じんわりと感動的なライブでしたね。音楽が徐々に体に染み込んでくる感じが堪らないです。
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アイダというバンドは決して表舞台に立って活躍するバンドではない。そういった地点とは全くの正反対の位置にいると言って良いだろう。しかし彼らは音楽を心から愛する、実に素朴だが芯の熱いミュージシャン。そんな飾らないアイダの音楽が心から大好きだ。
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そして私は何年経ってもアイダの音楽を忘れた頃に思い出したように取り出して聴き続けるに違いない。


最後にですが、会場で販売されていたアイダの本「勇猛果敢なアイダのものがたり」(下写真)を購入したのですが、これがホントに素晴らしい出来栄えでした。アイダの歴史や、ディスコグラフィ、メンバーや関わった人々へのインタビュー、そして様々な角度からアイダというバンドを考察したコラムなど、アイダへの深い愛情がヒシヒシと感じられる140ページにも及ぶ丸々一冊アイダの本。
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しかもCD付きで新録のカヴァーや未発表曲が全11曲収録されている豪華な内容。「Jackass」のテーマ曲として有名になったMinutemenCoronaや、ハンク・ウィリアムスI’m So Lonesomeのカヴァー、そして日本の童謡、その他にも韓国の童謡なども収録されています。表紙も可愛くて素敵すぎです。是非アイダに興味が出た人はオリジナル・アルバムと共に買ってみて下さい。
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by Blacksmoker | 2008-10-09 00:49 | ライブレポート

GANG GANG DANCE @ 鰻谷sunsui 9/23(火) 2008


NYのアヴァンギャルド・シーンの”NEXT BIG THING”とも言えるGang Gang Danceの来日公演に行ってきました。
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4月に予定されていた来日公演が延期となり、その振り替公演として実現した今回の来日公演なのですが、新作にして彼らの最高傑作ともいうべき「Saint Dymphna」がリリースされたばかりという絶好のタイミングでの来日になりました。

BattlesAnimal Collectiveらのライブを観て思うのですが、NYのアヴァンギャルド/アート・ロック系のミュージシャン達はその音楽も斬新だが、ライブがめちゃくちゃ面白い。その他にもBlack DiceLiarsなども、ライブが凄い良いみたいですね(あとTV On The Radioなんかもそうかな)。

そしてこのブルックリン出身のGang Gang Dance。この手のNY周辺のアーティストの中では最もライブが凄いと話題のバンド。様々なトライバル・ビートが乱れ飛ぶサイケデリアが特徴の彼らの音楽は、ライブではどう表現されるのかとかなり期待してましたが、コレが予想以上のぶっ飛び具合でかなりの衝撃度でした。
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やはり目を引くのはボーカルのリジー・ボウガツォス。ヒッピー系の風貌で元気に立ち振る舞うこのフロントマンの存在感は抜群で、しかもパーカッションなども担当しライブではその見た目以上に重要な役割を果たしていたと言っても良いでしょう。ボーカルに関しては、めちゃくちゃエフェクトが掛かかりまくっててよく聴き取れませんでしたけど・・・。
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そして個人的に最も印象的だったのが、キーボードやサンプラーなどのエレクロトニクスを担当するブライアン・ディグロウ(下写真右)。ライブで効果音やエレクトロ・ビート、そして大音量のノイズをせわしなく繰り出すこの男がGang Gang Danceの要だ。
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そしてその他にもブライアンは、リジーのボーカルをその場でエフェクトをかけて残響させたりとまるでダブ・ミックスのようなエンジニア的働きもしていましたね。曲と曲の間を空けずにDJ的に次の曲に繋いでいくのも新鮮でした。

さらに圧倒されたのがその音量。サイケデリックなノイズやビートの音圧がロック・バンドとしてはハンパなく凄い。鼓膜まで響いてくるノイズに意識をもっていかれそうになりましたね。終演後もずっと耳鳴りが止まないくらいの大音響でした。
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Animal Collectiveのようなジャンク的な要素もあり、そのトライバルでパーカッシヴな要素はボアダムズをも彷彿させるこのGang Gang Dance。新作の「Saint Dymphna」でも顕著だった80年代なエレクトロ感や、My Bloody Valentine直系のサイケデリック・ノイズ、そしてグライムまでも飲み込んだその無国籍でトライバルなサウンドが爆発したライブ。

そしてその新作でさらにポップ感を増した楽曲はライブでは更にその効果を増して強烈な存在感を放っていましたね。美しいノイズの残響音の中にパーカッションが鳴り響く幻想的なVauum、最後のロング・ヴァージョンで披露されたカオス度の高いFirst Communionなど特に新作からの曲が際立っていました。
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噂に違わずかなりの衝撃度だったこのGang Gang Dance。これから彼らがNYのシーンの顔となるのはまず間違いないと、耳鳴りが残る頭で思ったのでした。

 
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by Blacksmoker | 2008-10-04 02:55 | ライブレポート

V∞REDOMS @ Studio Partita 9/20(土) 2008


もう15年くらい前だろうか、初めてボアダムズを観た衝撃は忘れない。

ステージ上に大きなシンバルを片方ずつ持ったボーカルの山塚EYEと、吉川豊人の2人がそれぞれステージ右端と左端に分かれ、その2人が中央に走ってきて真ん中でシンバルをバッシ~ンと叩く。それが延々と15分以上も続けられるというジャンクなライブ。開いた口が閉まらない程の衝撃を受けましたね。
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以降、1994年の「Chocolate Synthesizer」のオープニングAcid Policeに度肝を抜かれ、「Super Roots」シリーズに困惑し、1998年の「Super Go!!!!!」のサイケデリック・トランス路線に狂気し、「Super æ」で完璧なボアダムズ信者に。その後ボアのメンバーらによる様々なユニット(AOAROVO7VO7Sun pm0:00)まで手を伸ばして、それらの出演するレイブ・パーティなどには必ず行くようになりました(サイケデリック・トランスにハマったのもこの頃ですね)。
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その後も「Super Roots 7」「Super Roots 8」「VISION CREATION NEWSUN」とリリースし、孤高のサイケデリック・バンドへと変貌したボアダムズ。この頃の壮絶なライブは今でも鮮明に覚えていますね。

ただそれ以降ボアダムズのライブを観る機会に恵まれず、さらにボアダムズ自体も正規リリースがないまま時が流れ(「Re Bore」シリーズなど企画盤は多々ありましたが・・・)、疎遠になっていました。

その後、山本精一HiraATRもいなくなったボアは進化を重ね「V∞REDOMS」名義で活動を開始。
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ドラム4台とエレクトロニクスを操るEYEという形態になり頻繁にライブを行うようになりましたが、なかなかこのV∞REDOMSを観る機会がなかったんですが、遂に観る機会に恵まれました!

場所は関西の重鎮Kuranaka1945の主催するイベント「Zettai-Mu」の13周年記念イベント。会場は住之江区の名村造船所跡地にあるStudio Partita!そういえば、ここでボアダムズとかAOAが1999年12月31日に行ったカウントダウン・イベントにも行ったなぁ(あの時はショーン・レノンが普通に客で遊びに来てましたね)。

さて久しぶりに観るV∞REDOMS
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EYEYoshimiだけは不動だがあとは全く違うメンバーになってましたね。ドラム4台にギター1人、そしてその真ん中にEYEがいるというまあ普通のロック・バンドにはありえない楽器の構成。あのギターの人ってDMBQの人じゃないの?(後でみたらやっぱりDMBQ増子さんでした。)

EYEの合図に合わせてまずは3人のドラマーがゆっくりゆっくりとビートを鳴らしますが、さすが3台とあってもの凄い音の迫力です。そして徐々に3台のドラムのビートが早くなってきた頃に突如会場の客席後方がザワザワし出し始めたんで後ろを振り返ると、何とデッカい神輿に担がれたドラムセットとドラマーが満員のフロアの真ん中を突き進んでくるではないか!!
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もう会場中押し合いへし合いのパニック状態!そしてフロアのど真ん中に移動したドラムセットでもの凄いドラムソロ。ステージ上の3台のドラムのもの壮絶なトライバルなビートと、後ろから聞こえてくる生のドラムの音がまさに5.1chサラウンド・システム状態でもうカオスに近い状態でしたね。
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そしてその後ステージに辿り着いたドラマーも加わり4台のドラムによる空前絶後のドラム乱打大会。いやぁコレはちょっと凄い事になってましたね。とにかく4台のドラムの音圧がハンパない。

そしてそのドラムに指示を出すEYE。彼の合図によってドラムの音が大きくなったり小さくなったりして観ていてめちゃくちゃ面白い。彼の操るヴォイス・モジョレーターやサンプラーやキーボードなどのエレクトロニクスからはサイケデリックな効果音が飛びまくり。
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さらに意外だったのはEYE自らもマイクを握って奇声や不思議な言語を発していたり、10年前を彷彿させるようにステージ上で暴れていた事。最近ではもうステージでは暴れたりすること無いと思っていたのでかなり驚きでしたね。ステージで絶叫したりする姿は90年代中盤のジャンクな頃のボアダムズを彷彿させましたね。そう思っていたらEYEが「Acid Police!」と延々と連呼していて、「まだAcid Policeなんてやってたんだ!」とかなり驚きましたよ。まあ全然違う曲になってましたけど・・・。
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そして圧巻だったのが、ギターのネックを何本も何本も左右に突き出させた自作の楽器。これをEYEが棒でガンガン叩くとギターらしからぬ凄い音が響き渡る仕組みになっていて、これをEYEがドラムに合わせて叩きまくって音を出していました。しかしどうやってこんな楽器を思いつけるのか分かりませんが、とにかく見た目のインパクトが強烈です。
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ボアダムズというバンドは昔からそうでしたが「インパクトの持続」が出来るバンドだ。普通のバンドなら観客にインパクトを与えることが出来るのはおそらく瞬間的だが、これをボアダムズは延々と持続的にインパクトを与え続けてくれる。そしてそれがボアダムズのライブが儀式的で、酩酊的で、衝撃的と言われる所以。その姿は今も全く変わらずです。

全編に渡ってEYEが指揮する即興演奏といったカンジですが、とにかく4台のドラムが圧巻。中盤以降でドラマーが2人になって2台で演奏を続けていましたが、4台のインパクトに比べるとかなり物足りなく感じてしまいますね。終盤で再び4台に戻った時の音の方ががやはり圧巻でした。
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「VISION CREATION NEWSUN」で一つの到達地点を極めた感のあったボアダムズ。その後バンドは一旦解体され今のV∞REDOMSへと進化しましたが、この形態もまだまだ発展途上のような感じ(もちろんライブは凄かったですが)で、これからも更なる進化を遂げて次のレベルへ到達してくれるでしょう。来年くらいにもう一度観てみたいですね。

昨年2007年7月7日に77台のドラムを使ったライブ(下写真)に続き、今年の2008年8月8日には88台のドラムを使ったライブを行いましたが、是非来年2009年の9月9日は99台のドラムでのライブに挑戦して欲しいですね。
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by Blacksmoker | 2008-10-01 16:57 | ライブレポート