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LIGHTNING BOLT @ 京都UrBANGUILD 11/7(土) 2009


ここ数年でLightning Boltは様々なアーティスト達とのコラボレーションにより、その知名度をさらに上げて来た。
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特にドラマーのブライアン・チッペンデイルは、Bjork(金の亡者)のアルバム「Volta」への参加や、Boredomsの77台ドラム公演「77 Boadrum」への参加などで、ロック界一の「変態超人ドラマー」としての地位を着実に築いていると言っても良いでしょう。さらにはバンドとしてもGuitar Wolfとのスプリット・シングル「ウルトラ・クロス」に、Struggle For Prideと共に参加して、その特異な存在感を見せつけていました。
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全国のヘッズを落胆させた2006年の来日中止から3年。遂にLightning Boltが戻ってきました。しかも新作「Earthly Delights」をリリースした直後という絶好のタイミング。今回は全国12ヶ所を縦断するツアーで、日本全国の一癖二癖あるバンド達と共演します(東京公演では何とGuitar WolfStruggle For Prideが共演!)。

Ultra Bideの演奏が予想以上に良く、Lightning Boltの開演時間まであまり待った気はしなかったですが、Lightning Boltの時間になるとステージではなく客席の中にドラムセットとスピーカーが組み上げられていきます。もう彼らのライヴではお馴染みの光景ですが、やはり実際自分の目でこの光景を見るとかなり興奮しますね。

そしてLightning Boltの2人が登場。
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寡黙なベーシストのブライアン・ギブソンとは対照的に、陽性キャラなブライアン・チッペンデイル。周りを取り囲む客に、色々と喋りかけながらその場でセッティング。そしてお馴染みのマスクを被り、そこにマイクを突っ込みスタンバイ完了。そうなんです、初めて観る人に説明しますと、Lightning Boltはドラマーが歌い(叫び)ながら叩くというスタイルなのです。客席で演奏するというのも彼らの演奏スタイルです。

もう始まった瞬間から歪みまくったベースの爆音が鼓膜を劈き、ドラムがとんでもない速さで叩き始めます。客席の真ん中で演奏してるもんだから、客が目の前で押し合いへし合いし、シンバルは倒されるは(すぐにスタッフが立て直す)、それでも一向に演奏を止めることなく、そのメチャクチャな状況を更に自分達の味方にして、とんでもないグルーヴが生まれています。
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曲はもう何の曲をやってるのか既に判別出来ませんが、変拍子バリバリの超高速ドラミングは、もう「凄い」という言葉でしか表現出来ません。「タイト」や「正確無比」という言葉とはある意味正反対に位置する傍若無人に暴れまくるドラムは圧巻です。さすがロック界一の変態ドラマー、ブライアン・チッペンデイル。ハンパないヤバさです。目の前1mで観ていたんですが、もう凄すぎて笑ってしまうくらい。
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そんな大暴れするドラムの横で1人で寡黙にベースを弾くブライアン・ギブソンの全く対照的な姿がこれまた笑えるくらい面白い。何なんでしょうこの凸凹感は(笑)。

そして、彼らのライヴのもう1つの主人公は我々周囲にいる客に他なりません。僕らが騒いで、暴れて盛り上げれば盛り上げるほど、どんどんLightning Boltの演奏のテンションが上がってくるんです。まさに「観客参加型」。これがLightning Boltのライヴの真の姿なのでしょう。何もかも規格外。最高すぎるぜ!
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まあ彼らのライヴは何度も何度も観るものではないかもしれませんが、こんな凄くて面白いライヴは人生で一度は観たほうが良いですよ!絶対に損はしないですからね。
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by Blacksmoker | 2009-11-18 15:43 | ライブレポート

コトリンゴ @ Cafe Martha 10/27(火) 2009


初めてコトリンゴの名前を聞いたのは2006年。1stアルバム「Songs In The Birdcage」が出たとき。坂本龍一の「commons」レーベルからのリリースという事で、教授自らかなりプッシュしていたのを憶えています。その時はちゃんと聴くことなくスルーしてしまって、2ndが出たときもスルーしてしまってました(iTunesで無料配信されていた曲おいでよは聴きましたが)。
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しかしその後、自分の好きなミュージシャンのアルバムの中でかなりコトリンゴの名前を見掛けるようになってきてて、かなり気になってました。そして、ようやく1stアルバムを手に入れましたが、これが個人的にかなりのヒット。コトリンゴは自分のお気に入りのミュージシャンになっていましたね。

f0045842_2048371.jpgそんな中で、9月に彼女の3rdアルバム「Trick & Tweet」(右写真)がリリース。彼女の音楽性である「ピアノを主体にした不思議なポップ・ソング」という根本はそのままに、おおはた雄一Sakerockらのゲスト参加もあって、より生演奏感を増し、さらにはよりバラエティに富んだ内容となっており、かなり素敵なアルバムになっていました。

さて、そのコトリンゴの3rdアルバム「Trick & Tweet」のリリース・ソロツアーに行って来ました。場所は阿波座のCafe Martha。以前にニール・カサールもココで観ましたが、アットホームさ雰囲気がかなり良い場所なので、こんな所で観れるなんて嬉しいですね。かなり楽しみだったので開場時間前に行ったら僕ら以外に誰もいなくて、一番に並ぶ事が出来たので最前列のソファで観る事が出来ました。

現れたコトリンゴはアルバム・ジャケットの時から更に短く髪を切っていましたが、イメージよりもかなり大人しそうな人です。ピアノの前に座り、囁くようなMCと共にスタート。
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一聴して他のアーティストと違うのは、まずそのピアノの弾き方でしょう。もの凄い音数。これはモロにクラシックやジャズ畑出身の人の弾き方ですね。指の動きが尋常じゃないくらい速くて、かつ繊細。そしてダイナミックでありながらも優雅なピアノ演奏に、一気に視線が釘付けになりましたね。さすがバークレー音楽大学卒というのはダテじゃない。
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そして雲のように軽やかに浮遊するコケティッシュなヴォーカルがまた不思議な魅力満載です。言葉を置いていく感覚(センス)が抜群に良い。最小限の言葉で表現する詩のも非常に小気味良いですね。彼女の歌は「音の響き」(言霊)を重視しているような気がしますね。この辺の独自の言語センスは、おそらく彼女がバイリンガルという事にも関わっているのでしょう。彼女は、おそらく歌詞が最初に出来て、そこにメロディをはめていくタイプの人だと思います。
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様々な音が入っているアルバムと違って余分な音を省いているだけあって、彼女の歌とピアノにより焦点が当たることによって、彼女の不思議なメロディ・センスが浮き上がってくるのですが、彼女の描くメロディは、シャボン玉のように儚くも美しくホントにクセになりますね。安藤裕子が作詞を担当した友達になれるかな?は生で聴くと、アルバムで聴くよりその良さが引き立ちますね。
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「Trick & Tweet」のツアーながらも、1stや2ndの曲も多数挟んだ選曲(僕の好きなこんにちは またあしたおいでよなども)で、前半と後半に分けた2部構成。時間にすると2時間くらい彼女の素敵な音楽をじっくりと堪能することが出来ました。

アルバムでも感じましたが、ライヴを観てさらに思ったのは、やはりこの人は凄い才能の持ち主です。アルバムを出すごとに他の才能あるミュージシャン達との交流が増えていってるのも、彼女にそういう才能と魅力があるからでしょう(凄い才能でありながら、かなり天然系の女性なので一見そんな風には見えないんですが・・・)。
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クラムボン安藤裕子が人気を得ている現在なら、このコトリンゴも間違いなく聴かれるでき人ですよ。まだ聴いた事のない人は是非チェックしてみて下さい。

  
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by Blacksmoker | 2009-11-12 20:37 | ライブレポート

BILL FRISELL [Disfarmer]


Unsung」という言葉をご存知だろうか?

生きている時には全く日の目を見ることはなかったが、亡くなって後に評価されるようになった人のこと。例えばヴィンセント・ヴァン・ゴッホであったり、日本でなら山下清であったりする人ですね。個人的には、架空の少女「ヴィヴィアン・ガールズ」を人知れず描き続けたヘンリー・ダーガー(昨年、彼の生涯を追った映画「非現実の王国で」もありました)が思い浮かべられますね。

そんな「Unsung」の1人、マイク・ディスファーマー(1884-1959)。
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アーカンソー州の山間部にあるハーバー・スプリングスという小さな街で1917年から写真館を40年間営み、街の人々の写真(ポートレイト)を撮り続けた男で、その後独りでその写真館の中で死んでいるのを発見されている。1974年にこの写真館を買い取った夫婦によって、ディスファーマーの撮った写真が大量に発見され、これが近年になってもの凄い評価を受けるようになったのです。
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マイク・ディスファーマーという人はとても変わった偏屈な人物だったようで、どんな時でも黒いスーツと、黒い帽子に、コートを着て、毎夜街を徘徊し、子供達を脅かしたりしていたそうです。そして誰とも口を利かず、住人からは恐れられていたようですね。実は彼の本名はMike Meyersという名前でしたが、Meyersがドイツ語で「農夫」=Farmerという事を嫌がって、「非農夫」=Disfarmerに変名したというエピソードもあります。
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彼は写真を撮る方法も一風変わっており、天井からの自然光を使い撮影していたそうで、納得のいく写真が撮れるまで一時間以上もカメラの前に立たせたりしたこともあったと言われている。その独特な手法によって、彼の写真は一際異彩を放つものになっているのです。ただ、ディスファーマーはこれらの写真を別段外に向けて発表しようとしたわけでなく、ただ黙々と自分の為に撮り続けていたというのが興味深い。
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さて、そんなマイク・ディスファーマーの残された写真にインスパイアされ音楽を付けたのが、今回の主人公であるビル・フリーゼル(下写真)。
Blacksmokerの最も好きなギタリストです。
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このアルバム「Disfarmer」(右写真)は、ビル・フリーゼルを中心とし、彼を含めた4人のミュージシャンが、ディスファーマーの写真の中に写った人物達の背景や感情を音楽によって表現するというとても興味深い作f0045842_1542765.jpg品だ。Cuong Vuのアルバムや、さらにはEarthのアルバムなどにも参加したりとアヴァンギャルドな方向にも足を突っ込みつつも、最近はアメリカン・ルーツ・ミュージックへの傾倒をあらわにしているビル・フリーゼル(その動きはライ・クーダーとも共振しているようにも思えます)。そしてこのアルバムは、そのビル・フリーゼルのアメリカン・ルーツ・ミュージックへの傾倒の最もたる作品になるであろう素晴らしい作品です。もちろんNonesuchからのリリース。

注目すべきはビル・フリーゼル以外の3人のミュージシャン。これがルーツ・ミュージック好き(ちょっと上級編)なら唸るほどの実力派揃いのメンバー。

まずはグレッグ・リース
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もうビルの作品ではお馴染みのスティール・ギター・プレイヤー。最近ではジョー・ヘンリーのアルバムでも素晴らしい働きを見せていたし、Eaglesの再結成アルバムにも参加していたりしてましたね。個人的にはクレジットにこの男の名前を見るだけでも安心してしまうほど信頼感があります(ちなみにビル・フリーゼルの組んだ弦楽器5本によるバンドThe Intercontinentalsのアルバムの中に入っているListenという曲でのグレッグ・リーズの弾くスティール・ギターがホントに素晴らしいので是非聴いてみて欲しいです)。

そしてもう一人は、ヴァイオリン奏者のジェニー・シェインマン
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この女性は要注目です。ジョン・ゾーンらとも交流を持つNYアヴァンギャルド・ジャズ・シーf0045842_27641.jpgン出身の人でありながら、ノラ・ジョーンズらとも親交を持つ実力派。既に自身のソロ・インストゥルメンタル・アルバムも何枚もリリースしており、昨年は何とヴォーカル・アルバム「Jenny Scheinman」(右写真)までリリースするという凄い女性なのです(しかも歌も上手い)。そのヴォーカル・アルバム「Jenny Scheinman」はかなり素晴らしい出来なので絶対にチェックして欲しい作品です。

そして最後の一人は、ベースのヴィクター・クラウス
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知る人ぞ知る名ベース・プレf0045842_2141276.jpgイヤーであり、シンガーソングライター。さらには、あのアリソン・クラウスの弟という凄い血統なのです。そしてジェニー・シェインマンに続いて、この人も歌えるんです。2004年にNonesuchからリリースされた彼のソロ・アルバム「Far From Enough」(右写真)は個人的に、アメリカーナを代表するシンガーソングライターの大傑作だと思いますね。これも是非チェックして欲しいです。

さて、そんな3人の実力派のミュージシャンを従えてビル・フリーゼルは雄大に、時には繊細にディスファーマーの写真から感じ取られる印象を音にしていきます。ビル以外の3人のミュージシャンも、個々がかなりの実力派でありながら、ここではあくまで主人公であるビル・フリーゼルのギターの音色を最大限に活かし見事にサポートしています。その音の映像喚起力はとてつもなく冴えています。
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ビル・フリーゼルDisfarmer Themeという1つのテーマ曲を作り上げ、その曲を色々とアレンジして、違った曲に変えている曲が多く、耳慣れたフレーズが何度も出てきてとても心地良いです。これらの曲を作るためにビルはノース・キャロライナからサウス・キャロライナ、さらにはジョージアからミシシッピを車で廻り、ディスファーマーの生きたアーカンソーのハーバー・スプリングスまで赴いたそうです。そうする事により、その空気感までもこの楽曲の中に映し出す事に成功しているように思えます。
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このアルバムにはビルの自作の曲以外にも、アーサー・クルーダップ作のエルヴィス・プレスリーがカヴァーした事でも有名なThat’s Alright, Mama、さらにはハンク・ウィリアムスLovesick BluesI Can’t Help It(If I’m Still In Love With You)のカヴァーを挟み、どちらかと言うと、とりとめもなくゆっくりと流れるアルバムの音楽にメリハリを付けていますね。

さらに終盤に出てくるArkansas Part.1からPart.3の連続する3曲は、1949年から1963年にアーカンソー州の州歌だったArkansas Travelerを基にビルが自ら作った素敵な曲です。
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どの曲もディスファーマーの写真のようにコンパクトでありながらも情景の浮かんでくる非常に映像的なサウンド。時間を忘れてしまう程の気持良さがあります。写真に写った人の表情の奥にあるものに想像しながら聴くのが、このアルバムの最も正しい聴き方なのでしょう。
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さらには、ディスファーマーがどんな事を考え、どんな思いを込めてこれらの写真を撮ったかということにも思いを巡らせて聴くのも面白いでしょう。私もディスファーマーの写真集が欲しくなってきましたね。
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是非ともディスファーマーの写真と共に聴いて頂きたい素敵な作品です。

   
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by Blacksmoker | 2009-11-08 01:08 | COUNTRY / BLUEGRASS

This Is It!

京都にて。
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Tシャツもマイケルでした。凄い子だなぁ・・・。
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by Blacksmoker | 2009-11-01 01:54 | Live Shots