<   2009年 12月 ( 2 )   > この月の画像一覧

FLYING LOTUS & HUDSON MOHAWKE @ Club Karma 11/22(土) 2009



いや~少し古くなってしまいましたが、ライヴレポート。

幕張の「Electraglide 2009」は行けませんでしたが、こちらには行ってきました。今や全てのビートメイカー達の新たなる指標となったFlying Lotus、そしてそのFlying Lotusに続く存在として最も注目されるHudson Mohawke。このWarp所属の2組による単独来日公演。
f0045842_17454649.jpg
会場に入るともうかなりの人の多さで、フロアはパンパン。既にHudson Mohawkeが始まっていおり、「7x7 Beats」に収録されているStar Crackoutが流れていました。およそ、最先端のビートメイカーとは見当もつかない、ファッションセンス・ゼロな出で立ち(何たって狼とか動物の柄がプリントされたスウェットに、首元には青いシャツが覗いている!)に、脱力感を覚えるが、音の方は紛れも無い天才。変則的だがファニーなビートが、フロアを揺らします。しかもHudson Mohawkeの曲はメロディがキャッチーなので親しみが持ちやすい。イントロ一発でフロアを沸かせる曲が非常に多い(Polkadot BluesOvernightなんて特に!)。なかなかステージの曲構成も素晴らしく、フロアのオーディエンスを確実に掴んでいましたね。そして見た目よりもかなり激しいライヴを展開してくれました。

そして、そのHudson Mohawkeの終盤からステージに登場したFlying Lotus。マイクを持ちMCまでやってしまうこの男はHudson Mohawkeのステージ以上の激しさ!
f0045842_17495555.jpg
あんな荒廃的で近未来的で無機質なビートを作る男なので、勝手に身構えていたコチラの予想を完璧に裏切る「陽性キャラ」。よく笑って、よく動いて、オーディエンスまでガンガンに煽るその動きで、Hudson Mohawke以上の盛り上がりを見せていたのは言うまでもありません。
f0045842_1753423.jpg
そして選曲はというと、もちろん「Los Angels」からの曲をふんだんに盛り込んだセット。どの曲もレコードよりビート感が全面に出ていて、よりヒップホップ方向に振ったサウンドになっており、フロアの「縦ノリ度」もかなりのものでしたね(その流れの中でCamelMelt!のイントロが聴こえてくる時のカタルシスは格別!)。
f0045842_1755225.jpg
Hudson Mohawkeと同じで、Flying Lotusも天才なのですが一見するとそんな風には一切見えない。Aphex TwinChris Cunninghamなどはそのキャラと音がかなり一致しているので理解出来ますが、Hudson MohawkeFlying Lotusは、ステージ上のキャラと音の雰囲気が違いすぎてて面白いです。やはりこのギャップの大きさは新世代ならではなんでしょうね。
f0045842_17565715.jpg
将来、彼らがもう少し年齢を重ねていき、ダンス的な側面より、もっとアーティスティックな側面を強調していく時期が来るとは思いますが、今回の若さ漲るエネルギッシュなステージングに個人的には大いに楽しませてもらいました。

それと同時に来るべきFlying Lotusの次のレコードが楽しみでなりません。

   
[PR]
by Blacksmoker | 2009-12-30 17:24 | ライブレポート

DAMON & NAOMI @京都UrBANGUILD 11/11(火) 2009


もう「元Galaxie 500」という肩書きは必要ないでしょう。マサチューセッツ州ボストンのデーモン・クロコウスキーナオミ・ヤンによるフォーク・デュオ「Damon & Naomi」が昨年に引き続いて来日。
f0045842_1262561.jpg
今回のツアーのタイトルは「Lost Gaijin」。松尾芭蕉「奥の細道」をこよなく愛するという、日本の文化(特に文学)にかなり深い関心を持つ彼ら。今回の来日公演はアーティストが普段は公演を行うことのない日本の地方都市(青森や宮城や広島など)まで2人で細かく廻るツアーで、まさしく「Lost Gaijin」=さまよえる外国人という言葉がピッタリですね。

個人的な趣向ですが、こういった「インディ・バンドがアメリカン・ルーツ・ミュージックに接近した」音楽が大好きで、例えば昨年に初来日公演を果たしたIdaなんてめちゃくちゃ大好きなバンドです。Yo La TengoThe Pastelsなんかもそうですね(The Pastelsはグラスゴーのバンドだけど)。
f0045842_13199.jpg
彼らに共通するのは、単なるルーツ・ミュージックに接近するだけでなく、そこに「サイケデリックな要素」が加味されていることだろう。

パンクロック・バンドがルーツ・ミュージックに接近するとモロにカントリー路線のシンプルなサウンドになることが多いのですが(技術的な問題もあるんでしょう・・・)、彼らのような元々は激しいサウンドでならしていたバンド達というのは、ルーツ・ミュージックにフィードバック・ノイズや不協和音、さらには消え入りそうな浮遊感のあるサイケデリックなサウンドが導入されている。シンプルなカントリーもそれはしれで良いのですが、やっぱり「中毒性」という点ではサイケデリックな方が好きですね。

会場に着くと、当初アナウンスされていた「デーモンとナオミの2人による編成」とは違い、ギタリストとして栗原道夫がステージに参加していました。80年代から活動する孤高のバンドGhostのギタリストであり、即興演奏を得意とする天才(最近ではMerzbowともコラボレーション作品をリリースもしていますね)。
f0045842_1335775.jpg
Damon & Naomi栗原道夫は、活動初期の頃からの付き合いで毎回アルバムに参加している仲で、2000年には「Damon & Naomi with Ghost」名義でアルバムもリリースしています。

そんな栗原道夫の多彩なギターが2人のシンプルで美しいフォーク・サウンドに彩りを与えます。デーモン・クロコウスキーのアコースティック・ギターをかき鳴らしながら歌う枯れた声に、寄り添うナオミ・ヤン、そして栗原道夫という3人のアンサンブルが、まるで昔から組んでいた一つのバンドのように素晴らしいサウンドを聴かせてくれます。
f0045842_146121.jpg
でも数曲登場したら、数曲休憩というルーティンで、Damon & Naomiの音楽が持つシンプルなフォークとサイケデリックという両方の側面をしっかり見せてくれていて楽しめましたね。個人的には、彼らの中で最も好きな、ナオミがリードを取るA Second Lifeが聴けたのも嬉しかったです。最後には何と、前座バンドのメンバーも加えて何とJacksのカヴァー遠い海へ旅に出た私の恋人も!
f0045842_147396.jpg
去年に同じ場所で観たIdaもそうでしたが、全く飾らない出で立ちのミュージシャンが全く飾らない音を奏でる。ただそれだけなのに、何でこんな素晴らしいサウンドが出来るんでしょうか?おそらく、それは彼らの体に染み付いた様々な音楽が熟成された結果なのであり、それこそが彼らの「歴史の深さ」なのでしょうね。
f0045842_1473455.jpg
猛烈に感動するわけでもなく、衝撃的な迫力があるわけでもないけれど、ただただじんわりと、そしてしんみりと聴き入ってしまう素敵なライヴで。また来日の際には小さなライヴハウスで観てみたいですね。

     
     
[PR]
by Blacksmoker | 2009-12-04 01:16 | ライブレポート