GLASVEGAS @ Big Cat 1/21(水) 2009


2008年のイギリスから出た新人ロック・バンドの中で最も耳を惹かれたのがこのスコットランドのグラスゴー出身のグラスヴェガス
f0045842_1394671.jpg
90年代の「ブリットポップ」以降、イギリスから出てくる新人に対しては、どちらかというと期待感より懐疑的な見方をしてしまう人が多いでしょう。もちろん私もその1人。特に「大型新人」とか「NMEで絶賛」とか書いてあると余計に疑ってかかってしまいます。そもそもイギリスのロックバンドというもの自体もあまり聴かなくなったような気もしますが・・・。

さてそんなNMEが「オアシスの”Definitely Maybe”以来の衝撃」と絶賛するこのグラスヴェガス。別に今さらNMEで絶賛されててもどうでも良いし、何気なく聴いてみただけのこの1stアルバム「Glasvegas」(右写真)でしf0045842_1403668.jpgたが個人的にかなりの衝撃を受けました。ザ・ジーザス&ザ・メリー・チェインマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン直系の美しいギターのシューゲイズ・ノイズの中に、一際真っ直ぐに響くヴォーカル。そして明快で爽快感のあるメロディの楽曲がとにかくフレッシュ。言ってみれば新しいサウンドではないし、先鋭的でもないがこの真っ直ぐ過ぎるアルバムは時代性を感じさせないもので、何年経っても普通に聴けるアルバムだと感じましたね。あとそんなサウンドでありながら、ヴォーカルが若き日のジョー・ストラマーに激似というパラレルぶり。さらにドラマーが女の子でしかも立って叩くというビジュアル面も話題でした。

そんなグラスヴェガスが早くも初来日。本国では既にヘッドライナー・ツアーも敢行している人気ぶりで、それを見込んでか日本での会場もクアトロよりも大きめのBig Catでしたが、予想外のガラガラぶり。半分くらいしか埋まってなかった状況でしたね・・・。残念ながら日本ではあんまり人気ないみたいです。

さて、暗がりの中スモークいっぱいのステージに4人のメンバー登場。やっぱりヴォーカルのジェイムズ・アランは写真で見る通り「若き日のジョー・ストラマー激似」。しかも革ジャンにリーゼントという出で立ちまでそっくりです(でもかなりのなで肩)。ドラマーの女の子は写真で見てると結構カワイイかと思ってたんですが、横幅が大変な事に・・・(以下略)。
f0045842_1414556.jpg
1曲目は、アルバムのオープニングを飾るFlowers And Football Tops。SEと共にギターのリヴァーブかかりまくりのギターのフィードバック・ノイズ。そこにキャロライン・マッケイの叩く、ドラムマシンかと思えるほど単調でシンプル極まりないタムの音がドスンドスンとリズムを刻みます。「タムとシンバルしかないドラムセットを立って叩く」なんてスタイルは完全に、初期のボビー・ギレスピーがドラム叩いていた頃のザ・ジーザス&ザ・メリー・チェインですね。そしてこちらもエコーのかかりまくった力強いヴォーカル。この声が加わる事によりグラスヴェガスの音楽が他のバンドのサウンドと一線を画すようになります。やっぱり凄いインパクトのある声だ。リアム・ギャラガーの声にも匹敵する図太さもあります。生命力高そうな感じ。
f0045842_1473459.jpg
アルバムでも1曲と1曲の曲間がフィードバック・ノイズで埋められて音がほぼ繋がっていましたが、ライヴでも同じ構成でフィードバックの残響音が次の曲のイントロに繋がっていきます。とにかくボーカルもギターもエコーかかりまくり。やはりギターの音の美しさがかなり素敵です。個人的には音圧でぶっ飛ばされるくらいの音のデカさを期待してましたが、意外と音圧は小さく「フィードバック・ノイズの壁」を感じるまでには至らなかったのが少々残念でしたね。あとライティングなどもとても凝っていて、シルエットを強調させたバックライトや、ハレーションを使ったライティングなど「見せ方」にも凝ったものになっていてフレッシュでした。
f0045842_1482063.jpg
しかしドラムはホントにシンプル!ザ・ジーザス&ザ・メリー・チェインの1stのドラムとほぼ同じ!1回聴いたらすぐに真似出来るほどのシンプルさ。当初「これならドラムマシンで十分なんじゃないの・・・」と思ってましたが、後半になるにつれ徐々にドラミングも熱を帯びてきてグルーヴを感じさせるものに。そして意外にもキャラ的に面白い女の子で、フロントの寡黙な暗めの男3人を中和させる華やかさも持ち合わせていて、こf0045842_1485486.jpgキャロラインもこのバンドになくてはならない存在というのが分かりましたね。ただ2nd以降もこのままのドラムなら、バンドの楽曲の幅があまり広がらないんじゃないかという危惧もありますが・・・。ザ・ジーザス&ザ・メリー・チェインが2nd以降変化したようにこのバンドも次回ドラムがどうなるか楽しみですね(ジザメリみたいにドラムマシンになっちゃったりして・・・)。

1stアルバムの曲はほとんど披露。やはりシングルのGeraldineGo Square Goの際立ち方は他の曲より群を抜いて良いですね。終盤ではギターとヴォーカルの2人で登場しアコースティックの弾き語りで、「Please Come Back Home(限定クリスマス・アルバムに収録されている)も披露。フィードバック・ノイズに頼らなくとも十分に通用する事もアピール。
f0045842_1571887.jpg
そして本国では大合唱を起こすといわれるDaddy’s Goneも日本でも大合唱とはいかずとも「小合唱」くらいは起こっていましたね。ホントに良いメロディの曲です。

f0045842_1581278.jpg1stアルバムしかリリースしていないので持ち曲の全てを披露しても1時間にも満たなく、その後どんな曲をやるんだろうと思っていたらアンコールもなく55分程で終了。あっという間に終わってしまいました。ただ早々と切り上げた感は無く、もう全部出してやる曲がないって感じでした。(ちなみに東京公演ではロネッツBe My Babyのカヴァーも披露していたようです。そういや、このBe My Babyのドラムのリズムを使ってジザメリJust Like Honeyを作った話は有名ですが、このJust Like Honeyのドラム・パターンまんまなのが、グラスヴェガスDaddy’s Goneなのは完全に意図的でしょうね。)

まだまだ荒削りで未熟さも見え隠れするライヴでしたが、このグラスヴェガスが未完の大器な存在では間違いないです。これからもっと大きくなっていくでしょう。

願わくば、ライヴではもっともっとギターのフィードバック音をデカくして欲しいですね!

     
[PR]
by Blacksmoker | 2009-02-01 01:31 | ライブレポート
<< DAVID BYRNE @ な... THE FIVE CORNER... >>