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DAVID BYRNE @ なんばHatch 1/23(金) 2009


ロック界においてのデイヴィッド・バーンの功績。
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ロックとアフロ・ファンクの融合。
ロック界の目をブラジル音楽を向けさせた。  
ライブというものの見せ方を変えた。

もっともこれ以外にもデイヴィッド・バーンの功績はたくさんあると思いますが、個人的にこの3点は絶対に外せない功績。①はもちろんTalking Headsにおいての「Remain In Light」。その革新的なサウンドは今でも十分に衝撃的。そして②はバーンが編集した画期的なブラジル音楽のコンピレーション盤「Brazil Classics」シリーズ。若いリスナーにはブラジル音楽入門編として欠かせない盤で、これがブラジルの若い世代の音楽を広く世界に紹介した功績は計り知れません。

DAVID BYRNE @ なんばHatch 1/23(金) 2009 _f0045842_1504165.jpgそして③はやはり映画「Stop Making Sense」でしょう。今までに何千何百の様々なロック・バンドのライヴ映像作品が出ていますが、この1984年の「Stop Making Sense」はその中でも燦然と輝く不朽のクラシック。ライヴというものがアイディア1つでこんな凄いものになるんだという事はほんと驚くばかり。今観ても全くその斬新さと革新さは失われていません。まさしくクラシック中のクラシック。まだ観てない人は今すぐチェックして欲しいです。

さて、そんなデイヴィッド・バーンの7年振りの来日。

9月の北米ツアーからスタートした今回のワールド・ツアーのタイトルは「songs of David Byrne and Brian Eno」
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もちろんブライアン・イーノとのコラボレーション盤「Everything That Happens Will Happen Today」をサポートするツアーですが、それだけでは曲も少ないから「せっかくなんでブライアン・イーノと以前にコラボレーションしたTalking Heads時代のアルバムからもやっちゃおう!」的なツアーでもあります。つまりTalking Headsとしての2nd「More Songs About Buildings And Food」 、3rd「Fear Of Music」、そして4th「Remain In Light」の3枚のアルバムからの曲も披露するという事ですね。これは面白い(でもイーノはライヴ活動が嫌いなので不参加)。

上下白のシャツと白のズボンという真っ白な出で立ちで登場したバーンは髪の色まで真っ白。もう56歳なんですね。でもその出で立ちには異様なオーラがありますね。
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バンド・メンバーもバーンと同じで全員真っ白のシャツにズボン。編成はベース+ドラム+パーカッション+キーボードの4人に、男女3人のコーラス隊という、バーンも合わせて8人編成。ギターはバーン1人が担当です。ギター以外は「Stop Making Sense」と同じ編成です。ベースとパーカッションの2人は2003年に出たライヴDVD「Live At Union Chapel」の時と同じメンバーですね。

1曲目は「Everything That Happens Will Happen Today」よりStrange Overtones。歌い始めて改めてビックリしましたが、めちゃくちゃ歌が上手い。
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少しもブレない安定感のある声が伸びやかに響きます。年々その声の艶が増してきてホントにウットリするくらいの素晴らしさ。近年クラブ・ミュージック界でそのモテぶりが著しいバーンの声ですがその理由もこれで分かりますね(The BPAToe Jamはもう聴きましたか?)。そしてレコードではブライアン・イーノの分厚いコーラスが入るところは、コーラス隊3人のゴスペルのような分厚いコーラスがガッチリとサポートしてレコードと遜色ない出来になっておりましたね。

そして2曲目から早くもTalking Heads「Fear Of Music」からのナンバーI Zimbra投下。バーンのカッティング・ギターが炸裂するファンク・ナンバーに会場中の年齢層のヤケに高い観客も大喝采。ベースの音もブリブリでファンキーさ加減も更にアップ。この曲から若い男女3人のダンサーが登場し(彼らも同じ白の衣装)、前衛舞踊を加味したステージに。
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この時点でステージ上には11人という大人数。「Stop Making Sense」のステージを彷彿させます。このダンサー達がなかなか面白く終始飽きさせません。

新作よりOne Fine Dayを挟み、次は何と何と1981年の「My Life In The Bush Of Ghosts」よりHelp Me Somebody。こんな曲やるとは思ってませんでしたね。サンプリング時代以前のカット&ペースト・ファンク。しかし今聴いてもその斬新さは全く衰えていないところが凄い。
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続いてもTalking Headsナンバー。名盤「Remain In Light」からHouses In Motion。惜しげもなく投下されるTalking Headsナンバーに会場からは大喝采。当初は新作からのナンバーが中心の構成かと思いきやTalking Headsのナンバーで盛り上げて、そDAVID BYRNE @ なんばHatch 1/23(金) 2009 _f0045842_245595.jpgの合間合間にクールダウンさせるかのように牧歌的な新曲を挟んでいくという構成になっていましたね。特にTalking Headsナンバーは変なアレンジを施さず、非常に原曲に近い形で披露されていたのには嬉しい驚きでしたね。バーンのギターを弾くときの「ニワトリのような首の動き」も健在です。そして3人のコーラス隊が歌だけでなくダンスにも加わりこれまたとても良いパフォーマンスを見せてくれます。「Stop Making Sense」でいうところの黒人ギタリストのアンディみたいな盛り上げ役的な働きがイイですね~。黒人・白人が渾然一体となった編成も昔からのバーンのライヴの特徴ですね。

サウンドトラック「The Catherine Wheel」からマニアックなMy Big Hands(Fall Though The Cracks)、そしてHeavenCrosseyed & Painlessなど往年のTalking Headsナンバーの目白押し。その間に新作からの牧歌的ナンバーを挟みこみクールダウン。でも飽きさせないアイデアのパフォーマンスは健在で、Life Is Longでは全員がオフィス・チェアに乗りパフォーマンス。歌いながらイスを回転さすだけで絵になるのはバーンくらいのものでしょう。
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そしてキーボードのイントロが流れただけで会場中が熱狂のOnce In A Lifetime。このイントロ聴いただけで鳥肌立ちますね~。ほとんど原曲の通りのアレンジです。しかもバーンはあの印象的なPVの動きも真似てて笑えます。ダンサー達もPVのバーンの動きを真似た動きで、腕を手刀でトントンする「あの動き」などもやっていましたよ。後半のバーンのギターが炸裂するところも素晴らしい!しかしライヴ全編に渡ってギターを弾きまくるバーンの演奏ぶりも見事です。
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さらにトドメはLife During Wartime。もちろん「This ain't no party, this ain't no disco this ain't no fooling around」は大合唱。25年前の「Stop Making Sense」ではこの曲の時にトンでもない動きをしていたバーンですが、さすがに激しい動きはなかったですが、代わりに女性ダンサーのソロタイムがあったりと見せてくれます。

大声援に迎えられアンコールは3回。DAVID BYRNE @ なんばHatch 1/23(金) 2009 _f0045842_2105073.jpgTake Me To The RiverThe Great CurveAirなど全てTalking Headsナンバーというサービス旺盛振り。一旦ステージに引き込んでなぜか全員バレエの格好して登場。喝采を浴びながらBurning Down The House。キーボーディストの間奏の動きが「Stop Making Sense」でのバーニー・ウォーレルの動きだったのが笑えましたね。

そして最後は新作からEverything That Happensを優雅に厳粛に締めくくって終了。大歓声に送られ笑顔でステージを去って行きました。とにかく過剰なサービスぶりと斬新なアイディアの演出をステージに盛り込み、鬼気迫るパフォーマンスとは180度違ったフレンドリーで余裕のあるパフォーマンスを見せてくれました。愉快なパフォーマンスを見せながらどこか知的で気品に満ちた雰囲気もほんとカッコイイ。
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とにかく溌剌としたデイヴィッド・バーンの姿が一際印象に残った素晴らしいライヴでした。今回のライヴは古いファンから、私のような新しいファンまで両方ともを120%満足させたライヴだったんじゃないでしょうか。

やはりこのひとにはこれからもまだまだ素晴らしい作品が期待出来そうです。新作「Everything That Happens Will Happen Today」に収録されなかった曲もかなりあるそうなので、こちらも何らかの形で早くリリースされること願います!

   
by Blacksmoker | 2009-02-05 01:18 | ライブレポート
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