ロック界においてのデイヴィッド・バーンの功績。 ①ロックとアフロ・ファンクの融合。 ②ロック界の目をブラジル音楽を向けさせた。 ③ライブというものの見せ方を変えた。 もっともこれ以外にもデイヴィッド・バーンの功績はたくさんあると思いますが、個人的にこの3点は絶対に外せない功績。①はもちろんTalking Headsにおいての「Remain In Light」。その革新的なサウンドは今でも十分に衝撃的。そして②はバーンが編集した画期的なブラジル音楽のコンピレーション盤「Brazil Classics」シリーズ。若いリスナーにはブラジル音楽入門編として欠かせない盤で、これがブラジルの若い世代の音楽を広く世界に紹介した功績は計り知れません。 そして③はやはり映画「Stop Making Sense」でしょう。今までに何千何百の様々なロック・バンドのライヴ映像作品が出ていますが、この1984年の「Stop Making Sense」はその中でも燦然と輝く不朽のクラシック。ライヴというものがアイディア1つでこんな凄いものになるんだという事はほんと驚くばかり。今観ても全くその斬新さと革新さは失われていません。まさしくクラシック中のクラシック。まだ観てない人は今すぐチェックして欲しいです。 さて、そんなデイヴィッド・バーンの7年振りの来日。 9月の北米ツアーからスタートした今回のワールド・ツアーのタイトルは「songs of David Byrne and Brian Eno」。 上下白のシャツと白のズボンという真っ白な出で立ちで登場したバーンは髪の色まで真っ白。もう56歳なんですね。でもその出で立ちには異様なオーラがありますね。 1曲目は「Everything That Happens Will Happen Today」より「Strange Overtones」。歌い始めて改めてビックリしましたが、めちゃくちゃ歌が上手い。 そして2曲目から早くもTalking Headsの「Fear Of Music」からのナンバー「I Zimbra」投下。バーンのカッティング・ギターが炸裂するファンク・ナンバーに会場中の年齢層のヤケに高い観客も大喝采。ベースの音もブリブリでファンキーさ加減も更にアップ。この曲から若い男女3人のダンサーが登場し(彼らも同じ白の衣装)、前衛舞踊を加味したステージに。 新作より「One Fine Day」を挟み、次は何と何と1981年の「My Life In The Bush Of Ghosts」より「Help Me Somebody」。こんな曲やるとは思ってませんでしたね。サンプリング時代以前のカット&ペースト・ファンク。しかし今聴いてもその斬新さは全く衰えていないところが凄い。 サウンドトラック「The Catherine Wheel」からマニアックな「My Big Hands(Fall Though The Cracks)」、そして「Heaven」や「Crosseyed & Painless」など往年のTalking Headsナンバーの目白押し。その間に新作からの牧歌的ナンバーを挟みこみクールダウン。でも飽きさせないアイデアのパフォーマンスは健在で、「Life Is Long」では全員がオフィス・チェアに乗りパフォーマンス。歌いながらイスを回転さすだけで絵になるのはバーンくらいのものでしょう。 大声援に迎えられアンコールは3回。「Take Me To The River」や「The Great Curve」や「Air」など全てTalking Headsナンバーというサービス旺盛振り。一旦ステージに引き込んでなぜか全員バレエの格好して登場。喝采を浴びながら「Burning Down The House」。キーボーディストの間奏の動きが「Stop Making Sense」でのバーニー・ウォーレルの動きだったのが笑えましたね。 そして最後は新作から「Everything That Happens」を優雅に厳粛に締めくくって終了。大歓声に送られ笑顔でステージを去って行きました。とにかく過剰なサービスぶりと斬新なアイディアの演出をステージに盛り込み、鬼気迫るパフォーマンスとは180度違ったフレンドリーで余裕のあるパフォーマンスを見せてくれました。愉快なパフォーマンスを見せながらどこか知的で気品に満ちた雰囲気もほんとカッコイイ。 やはりこのひとにはこれからもまだまだ素晴らしい作品が期待出来そうです。新作「Everything That Happens Will Happen Today」に収録されなかった曲もかなりあるそうなので、こちらも何らかの形で早くリリースされること願います!
by Blacksmoker
| 2009-02-05 01:18
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