INDIA.ARIE [Testimony Vol.2 :Love & Politics]


f0045842_1852490.jpgもう出ないかと思ってましたよ!前作「Testimony Vol.1 :Life & Relationship」から2年半。本来ならば2007年にはリリースされているはずだったインディア・アリー「Testimony Vol.2 :Love & Politics」、遅れに遅れてようやくリリースです。

前作「Vol.1」はリリース時にかなり聴いたアルバムですが、今回の「Vol.2」のリリースを機に改めて「Vol.1」を聴き直してみるとやはりかなり素晴らしいアルバムだと再認識。
f0045842_1811450.jpg
そしてこの前作を聴くとやはり1stシングルだったエイコンをfeat.したI Am Not My Hairのサウンドの浮きっぷりも目立ってしまうわけです。この曲は別に悪い曲では全然ないんですが、「人気のヒットメイカーを迎えました」感が出まくりのレコード会社主導のようなサウンドで、過去のインディア・アリーの曲の中で違和感のようなものを感じていました。(さらにこのI Am Not My HairSwizz Beatzのリミックスまであって、レコード会社は現代のR&BやHIP HOP方面へ猛烈にアピールしようとしているように思えたわけです。)
f0045842_18125533.jpg
それが原因かどうか分かりませんが、インディアモータウンを離脱(インディアを発掘したモータウンの社長キダー・マッセンバーグが退任して、新しい女社長が就いたこともおそらく原因の一つでしょう)。今作より自身の立ち上げたレーベル「Songbird」からのリリースになっています(でもユニヴァーサル傘下のレーベルではあるみたいです)。前作がビルボード・チャートで1位を獲得し、さらに内容も素晴らしく、しかも2部作の2作目がすぐにリリースを控えているという順風満帆な状況下でレコード会社を移籍するなんて事態は異常とも言えることですからね。しかもスティーヴィー・ワンダー・チルドレンとしてモータウンを離れるという事はかなり厳しい選択だったとは思いますが、それを乗り越えてリリースされた事だけでもファンとしては感涙でしょう。
f0045842_1814511.jpg
そして今作の内容も前作に全く引けを取らない大傑作

「アコースティック・ソウル」路線をさらにワールドワイドに拡大し、なおかつ非常に明るいポップな曲が満載。もろにスティーヴィー・チルドレンだったインディアがミュージシャンとしてここまで大きな進化を遂げたことは感慨深いものがりますね。アルバムもビルボード・チャート初登場3位を記録!さすがです。
f0045842_18185424.jpg
アルバムのサブ・タイトルである「Love & Politics」の通り、今作にはラヴ・ソングと政治的な歌で占められており、とりわけラヴ・ソングの割合が3/4くらいあります。そしてそのラヴ・ソングだけを抜粋してみると、一連の恋愛過程がストーリーになっています。

Therapy(私にはあなたのセラピーが必要なの。)[初恋]
 ↓
Chocolate High(あなたを食べちゃいたいわ。)[浮かれ中]
 ↓
He Heals Me(彼が私を癒してくれるの。)[まだまだ浮かれ中]
 ↓
River Rise(神様、私どうしたらいいの?)[苦悩中]
 ↓
Yellow(出ていかないで!)[号泣]
 ↓
Long Goodbye(私はもう泣かないわ。お別れよ。)[惜別]

ってなカンジ。結局は別れてしまうわけですが。

さて今作はゲストの多様ぶりにも注目です。1stシングルTherapyに参加しているのがグランプス・モーガン。最初この名前を聞いたとき「誰だっけ?」と思いましたが、ジャマイカが誇るレゲエ・バンドのモーガン・ヘリテイジ(下写真。中央がグランプス)のメンバーじゃないですか!こんな人もいたんですね。でもこの曲、曲調はレゲエではなく開放的なアコースティf0045842_18195356.jpgックなソウル・ナンバー。ポップな疾走感が素敵です。ただグランプス・モーガンが全然目立っていなくて不思議だったのですが、これは実はアルバム・ヴァージョン。このアルバム・ヴァージョン以外にグランプス・モーガンが野太い低い声でガッチリ歌っているレゲエ・ヴァージョンがあります。個人的には絶対このレゲエ・ヴァージョンの方が今のインディ・アリーには合っていて好きですね。グランプス・モーガンHPでこのTherapyのレゲエ・ヴァージョンが聴けますので是非聴き比べてみて欲しいです。 「Therapy Remix」とは謳っていますが、おそらくこのレゲエ・ヴァージョンの方が最初のヴァージョンでしょう(アルバム・ヴァージョンのグランプスの登場頻度は不自然なくらい少ないし・・・)。もしかしたら、レーベルは変わったがまた前作のようなI Am Not My Hair問題みたいな事が起こったのかもしれません・・・。

そして最も注目度の高い曲と言えば、やはりミュージック・ソウルチャイルド(右写真)を迎えたChocolate High。この男、マチf0045842_18271471.jpgガイナイですね。特に最近のミュージック・ソウルチャイルドの勢いは凄い。現代ソウル・シンガーとして最高峰に立っていると言っても過言ではないですね。つくづくRadioのようなサウス路線に行かなかったのは正解でしょう。メアリー・J・ブライジとのデュエットifuleaveも素晴らしかったですが、この曲もかなり素晴らしい出来!2人の優しい掛け合いが美しいスティーヴィー・ワンダー直系の極上ソウル・ナンバー。流麗なピアノと薄っすら響くストリングスも最高です。

その他に注目なのはThe Cureという曲。この曲でのゲストはトルコ歌謡界の女王セゼン・アクス
f0045842_18284699.jpg
このコラボレーションは凄い。トルコだけでなく周辺諸国まで絶大な人気を誇るこのセゼン・アクスが登場するだけでも驚きですが、インディア流のアコースティック・ソウル・ナンバーに絶妙に絡み合うイスタンブール独特のメロディが不思議な異国の雰囲気を醸し出していて素敵です。前述のTherapyのレゲエにせよ、この曲にせよ恐ろしいまでのクロスオーヴァーぶり。まったく音楽の枠に囚われていない自由さがイイですね。アルバムの中にはインディアが世界各国を旅している写真が多数載っていますが、この旅の影響は今回のアルバムにかなりの影響を与えていると言っても良いでしょう。
f0045842_18302743.jpg
その他にもなぜかMCライトがハードコアなラップをキックするナンバーがあったり、前作でのI Chooseにも参加していたケブ・モが今回もドブロを炸裂させる濃厚ブルーズ・ナンバーがあったり、ゴスペル・シンガーのテレル・カーターをfeat.したりとホントに多彩です。そして前作ではイーグルスドン・ヘンリーのカヴァーThe Heart Of The Matterを完全に自分の曲にしていましたが、今回は何とシャーデーPearls。素晴らしい選曲!これも素晴らしい出来ですよ。個人的には終盤のバラードLong Goodbyeに号泣!
f0045842_18315920.jpg
今回も前作に全く引けを取らない大傑作です。これは何年後に聴いても色褪せないアルバムですね。是非ともチェックしてみて欲しい作品です。っていうかマストですよ。

しかし何でこの人はアルバムごとにジャケットがイマイチになっていくの?前作もジャケットに「??」なカンジで微妙だったけど今作は今までで一番良くない(泣)・・・。
[PR]
by Blacksmoker | 2009-04-30 17:04 | R&B / SOUL
<< JESSE HARRIS @ ... 2日目終了! >>