AKRON/FAMILY @京都メトロ 6/11(木) 2009


こんな凄いヤツらだったとは!!

常々「ライヴがとんでもない」と噂されるAkron/Familyの来日公演を観てきましたが、これは噂に違わない凄いバンドだ。
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今、インディロック・シーンでは新たなる地殻変動が起こっている。

Animal CollectiveがNYロック・シーンの重鎮へと成長し、それに続くGang Gang Danceなども独自の成長を遂げている。そしてネオ・シューゲイザーと呼ばれるNo AgeDeerhunter、60年代フォーク/バロック音楽を彷彿させるFleet Foxes、更にカナダからはNeko Caseなど、続々とオーヴァーグラウンドに登場し、なおかつ商業的にもある一定の成功を収めているのです。

その中でNo Ageと共に今最も注目されているのがNYを拠点に活動する異能音楽集団Akron/Family
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デヴェンドラ・バンハートを発掘したSwansマイケル・ジラの目に留まり、彼の主催するレーベル「Young God」から2005年に1stアルバムをリリースしているこのAkron/Familyf0045842_9131578.jpgヴェンドラ・バンハートととも共通するその雑多すぎるサウンドはいわゆる「フリー・フォーク」の文体で語られることの多かったAkron/Familyですが、3月にリリースされた新作「Set ’em Wild, Set ‘em Free」(右写真)では、更に大きく進化したと言っていいでしょう。前作発表後に4人組から3人組になり、「Young God」からも離れたこの新作で、今まで正体を掴みづらかったAkron/Familyが、よりバンドとしての一体感を高めたサウンドに変化した素晴らしい作品でしたね。

そんな素晴らしい新作を引っ提げての待望の来日公演。

ステージ後方には新作のジャケットにも使われているお馴染みのアメリカ国旗を掲げています。そして登場した3人はアパラチアン山脈から出てきたような風貌。ギターのセス・オリンスキーはTシャツ&ジーンズ&長髪&髭&眼鏡という由緒正しきヒッピー・スタイル。そしてベーシストのマイルス・シートンは白いタンクトップを着たマッチョな労働者風スタイル、そしてドラマーのダナ・ジャセンは民族衣装を着たこちらも完全なヒッピー・スタイル。
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そんな時代性とはかけ離れた3人ですが、見た目とは裏腹にミュージシャン気質(何でも全員が20個以上もの楽器を扱えるそうです)。見た目は緩いのですが、音の方は3人とは思えないほどダイナミックでラウド。さらにバンドとしての一体感が加味されて圧倒的なサウンドを聴かせてくれます。さらにギターのセスがキーボード&サンプラーを使って繰り出すSEやエレクトロニックなビートがその有機的なサウンドと融合しAkron/Familyしか出せないサウンドを演出します。さらにSEで曲間を繋ぎ、ほとんどノンストップで曲が続いていく構成も面白いです。
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そして凄いのはこの一見バラバラな個性の3人がThe Bandばりに素晴らしいコーラス・ハーモニーを見せ付けるのです。観ていてビックリするほど美しいコーラスに驚いてしまいましたね。
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さらに圧巻は中盤に用意されたジャム・セッション。前座で登場したあふりらんぽSistertailというバンドのメンバーが総勢10人以上もステージに上がっての一大サイケデリック・セッション!
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サックスやメロディカを加え、あとの他のメンバーはパーカッションを叩きまくりで、まるで90年代初期のBoredomsのような得体の知れないマグマのようなパワーを感じるセッションでしたね。これがこのAkron/Familyのライヴの凄さか!

そういえばライヴが始まる前にAkron/Familyを召喚したレーベル「コントラリード」の人が出てきて「彼らはライヴが盛り上がれば盛り上がるほど、どんどん力を発揮しますから」と言っていましたが、それが良く分かります。Akron/Familyのライヴというものは観客とバンドが一体になって創り上げていくものなんですね。今回の京都公演は(他の公演は観ていないので分かりませんが)、まさしく客とバンドが一つになって凄まじいエネルギーを生み出していたと思います。特にそのエネルギーの質量はハンパなかったですね。その後ベースのマイルスは盛り上がりすぎて客席にベースを弾いたままダイヴ!クラウドサーフィンをしながらベースを弾くというハジけっぷりでした。
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そして、その大セッションのまま、新作のオープニング・ナンバーEveryone Is Guiltyに突入。ここでテンションが上がりきったフロアのエネルギーが爆発。この日のピークを記録したのは言うまでもありません。
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しかし、こんなテンションで毎回ライヴをやってるなんて、こりゃ凄いバンドだ。No AgeにしてもこのAkron/Familyにしても、ライヴという場所でレコード以上の力を発揮しますね。やはり人気が出るだけのことはある。

そして最後は、ハジけきったフロアの客を癒すかのような静かなゴスペル・ナンバー。3人のコーラスが美しいです。さっきまで暴れまくっていたメンバーが繊細で美しいコーラスを見せてくれる姿はとても感動的な光景でした。
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バンドならではのダイナミックさと、見た目とは裏腹の繊細さが同居し、客のエネルギーまでも自分達のエネルギーに昇華させていくAkron/Family。彼らにはまだまだ無尽蔵の力がありそうな気がしますね。もっと大きな会場でやることが出来れば更なる力を発揮しそうですね。

とにかくこのバンドは観れて良かったです。まだ未体験の人は次回の来日こそは観る事をオススメします!
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by Blacksmoker | 2009-06-30 08:54 | ライブレポート
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