DAMON & NAOMI @京都UrBANGUILD 11/11(火) 2009


もう「元Galaxie 500」という肩書きは必要ないでしょう。マサチューセッツ州ボストンのデーモン・クロコウスキーナオミ・ヤンによるフォーク・デュオ「Damon & Naomi」が昨年に引き続いて来日。
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今回のツアーのタイトルは「Lost Gaijin」。松尾芭蕉「奥の細道」をこよなく愛するという、日本の文化(特に文学)にかなり深い関心を持つ彼ら。今回の来日公演はアーティストが普段は公演を行うことのない日本の地方都市(青森や宮城や広島など)まで2人で細かく廻るツアーで、まさしく「Lost Gaijin」=さまよえる外国人という言葉がピッタリですね。

個人的な趣向ですが、こういった「インディ・バンドがアメリカン・ルーツ・ミュージックに接近した」音楽が大好きで、例えば昨年に初来日公演を果たしたIdaなんてめちゃくちゃ大好きなバンドです。Yo La TengoThe Pastelsなんかもそうですね(The Pastelsはグラスゴーのバンドだけど)。
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彼らに共通するのは、単なるルーツ・ミュージックに接近するだけでなく、そこに「サイケデリックな要素」が加味されていることだろう。

パンクロック・バンドがルーツ・ミュージックに接近するとモロにカントリー路線のシンプルなサウンドになることが多いのですが(技術的な問題もあるんでしょう・・・)、彼らのような元々は激しいサウンドでならしていたバンド達というのは、ルーツ・ミュージックにフィードバック・ノイズや不協和音、さらには消え入りそうな浮遊感のあるサイケデリックなサウンドが導入されている。シンプルなカントリーもそれはしれで良いのですが、やっぱり「中毒性」という点ではサイケデリックな方が好きですね。

会場に着くと、当初アナウンスされていた「デーモンとナオミの2人による編成」とは違い、ギタリストとして栗原道夫がステージに参加していました。80年代から活動する孤高のバンドGhostのギタリストであり、即興演奏を得意とする天才(最近ではMerzbowともコラボレーション作品をリリースもしていますね)。
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Damon & Naomi栗原道夫は、活動初期の頃からの付き合いで毎回アルバムに参加している仲で、2000年には「Damon & Naomi with Ghost」名義でアルバムもリリースしています。

そんな栗原道夫の多彩なギターが2人のシンプルで美しいフォーク・サウンドに彩りを与えます。デーモン・クロコウスキーのアコースティック・ギターをかき鳴らしながら歌う枯れた声に、寄り添うナオミ・ヤン、そして栗原道夫という3人のアンサンブルが、まるで昔から組んでいた一つのバンドのように素晴らしいサウンドを聴かせてくれます。
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でも数曲登場したら、数曲休憩というルーティンで、Damon & Naomiの音楽が持つシンプルなフォークとサイケデリックという両方の側面をしっかり見せてくれていて楽しめましたね。個人的には、彼らの中で最も好きな、ナオミがリードを取るA Second Lifeが聴けたのも嬉しかったです。最後には何と、前座バンドのメンバーも加えて何とJacksのカヴァー遠い海へ旅に出た私の恋人も!
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去年に同じ場所で観たIdaもそうでしたが、全く飾らない出で立ちのミュージシャンが全く飾らない音を奏でる。ただそれだけなのに、何でこんな素晴らしいサウンドが出来るんでしょうか?おそらく、それは彼らの体に染み付いた様々な音楽が熟成された結果なのであり、それこそが彼らの「歴史の深さ」なのでしょうね。
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猛烈に感動するわけでもなく、衝撃的な迫力があるわけでもないけれど、ただただじんわりと、そしてしんみりと聴き入ってしまう素敵なライヴで。また来日の際には小さなライヴハウスで観てみたいですね。

     
     
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by Blacksmoker | 2009-12-04 01:16 | ライブレポート
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