JOE HENRY @京都磔磔 3/30(火) 2010


ここ数年、気になるルーツ系ミュージックのレコードのほとんどがジョー・ヘンリーのプロデュース作だ。
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軽く振り返っても、

Elvis Costello & Allen Toussaint「The River In Reverse」
Solomon Burke「Don’t Give Up On Me」
Ani Difranco「Knuckle Down」
Mary Gauthier「Between Daylight And Dark」
Loudon Wainwright Ⅲ「Starnge Weirdos」
Allen Toussaint「The Bright Mississippi」
Ramblin’ Jack Elliott「A Stranger Here」
Carolina Chocolate Drops「Genuine Negro Jig」
Mose Allison「The Way Of The World」
Salif Keita「La Différence」 (これは一部のみですが)

などなど膨大な数に及ぶ。

これらのほとんどがジョー・ヘンリーの所有するカリフォルニアのサウス・パサディナにある「ガーフィールド・ハウス」というスタジオで録音されているのです。

そのジョー・ヘンリーの作るサウンドは、どこかノスタルジックでロマンチックさが漂うモノクロームな音像が特徴だ。さらには楽器の鳴りがとても生々しく響き、あたかも目の前で演奏されてるかのような感覚に陥ります。(ちなみにどのレコードも、ドラムがいつも印象的な音をしているなと感じていたんですが、僕の後輩曰く「それはジョー・ヘンリーがいつも使っているドラマーのジェイ・ベルローズの出す音なんですよ。ジェイ・ベルローズジョー・ヘンリー以外のアルバムでも同じドラムの音出してますよ」との指摘が。なるほどね。)
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さらに、プロデュース作だけでなく自身のソロ・アルバムもリリースしており、2003年の「Tiny Voices」、2007年の「Civilians」、そして2009年には「Blood From The Stars」とそれぞれ文句なしに素晴らしい作品でしたね。

1986年にソロ・キャリアをスタートさせているという結構長いキャリアを持つジョー・ヘンリーですが、今回の来日が何と初来日となります。やはり、ここ最近の注目度の高さを物語るようにこの日の磔磔は、普段僕が行く磔磔のライヴより俄然多い客入りでしたね。
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今回はジョー・ヘンリー以外はベーシストのデイヴィッド・ピルチ、そしてキーボードのパトリック・ウォーレンというトリオ編成。この2人は最近のジョー・ヘンリーの作品では必ず参加しているメンツですね。ちなみにデイヴィッド・ピルチインディア・アリーマデリン・ペルー、そしてパトリック・ウォーレンボブ・ディランブルース・スプリングスティーントム・ウェイツリズ・ライトなど錚々たるミュージシャンのアルバムに参加している超凄腕ミュージシャンです。
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さてライヴの方ですが、結論から言ってしまうと「今年観た中で最も素晴らしいライヴの1つ」と言っても良いでしょう。かなり感動的なライヴでした。まさかあのジョー・ヘンリーの作品の中のノスタルジックでロマンチックな世界観をライヴでも体感出来るとは驚きです。もう途中で何度もウットリし、何度も涙腺が緩む瞬間がありました。

まず第一にジョー・ヘンリーの声の魅力だ。49歳にもかかわらず若々しく、それでいてどこか哀しさが漂うその声は、サウンド以上にノスタルジック。さらには彼の弾くアコースティック・ギターの音と絡むとその効果は何倍にも増長する。決して一流のボーカリストではないが、そうでなくても心の琴線に触れる声の持ち主だ。
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バンド・メンバーもジョー・ヘンリーと旧知の仲だけあって妙なチグハグさなんて微塵も見せない息の合いよう。特にパトリック・ウォーレンのキーボードはオルガンやシンセやSEなど大きく活躍しており、トリオ編成とは思えないほどの音の厚さを見せていました。デイヴィッド・ピルチも同様に素晴らしく息の合った演奏で、足に鈴を巻きつけてドラムの代わりもやっていましたね。

新作「Blood From The Stars」の曲を中心に、長いキャリアのそれぞれから代表曲を随所に配置した構成は、この人が昔からいかに素晴らしい曲を書いてきたかをまざまざと見せ付けられている気がしましたね。個人的には911にインスパイアされたFlags、そしてピアノの弾き語りで披露されたOur Songがハイライトでしたね。僕が最も好きなOur Songの弾き語り(そして後半にバンドの演奏が加わる)は何と感動的な瞬間だったろうか!
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さらにはジョー・ヘンリーの奥さんの姉である、あのマドンナがアルバム「Music」に入れた「Don’t Tell Me」の原曲Stopもしっかり披露。ホントつくづく曲が素晴らしく、まだ持っていない初期のソロ・アルバムも全部揃えたくなりましたね。

やはり感動的なライヴというのは体感時間が短く、1時間半があっと言う間。でもその間はジョー・ヘンリーの創るノスタルジックで、ロマンチックな世界にずっぽりと浸かっていました。終わった後も、その余韻がなかなか抜けませんでしたよ。
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今回は初来日というだけあってキャリアの代表曲を網羅した形でしたが、これからはジェシー・ハリスのように毎年来日してもらって、その長いキャリアの中にあるもっともっと様々な素晴らしい曲を披露して欲しいです!(プロデュース業が忙しくて難しいか…)

ホント素晴らしいライヴでした!
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by Blacksmoker | 2010-05-13 21:41 | ライブレポート
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