2017年の12曲。

人種差別や#MeToo運動などが目を引いた2017年。分断/格差/利己主義に陥った世界にはマイノリティの声が届かない。そんな中で音楽で自分のアティチュードを示すのがミュージシャンだと思いますので、どんどん社会的・政治的になっていけば良いし、それとは別にラヴソングだった共存したって良いと思う。Kamasi Washingtonの曲でもありましたが、異なる価値観が融合することが「真実」なのです。レコードで聴くようになってからシングル単位で聴かないので、今年も1曲ずつ選ぶのが難しかったですが、自分の中で2017年という年を象徴してる曲なんじゃないかと思います。今年は12曲!


<2017年の12曲>

第1位
中川五郎 “トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース"
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1923年の関東大震災の発生直後に起こった朝鮮人虐殺の中で、世田谷のある橋の上で発生した事件とその後を描くフォークソングのルポルタージュとしての側面を存分に発揮させた曲。そして烏山神社に立てられた13本の椎木の恐ろしい真実。
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1曲17分にも及ぶ現在の日本のフォークソングが到達した一つのマイルストーン。



第2位
J.Cole “4 Your Eyez Only"
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凄い凄いと聞いていたが、ここまで凄い内容のアルバムだとは思わなかったアトランタのラッパーJ.Coleの新作。
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そのアルバムの最終曲は自分の亡き友人の娘に宛てた手紙という内容で、パーソナルで強く優しいメッセージに心打たれました。ほんと凄いリリック書く人です。



■第3位
Father John Misty “Leaving LA"
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これも長い曲で13分あります。歌詞を理解できないと魅力が半減する曲(アルバム自体もそう)だが、直接的じゃなくシニカルにLAを批判する面白さが分かればこれほど面白い男はいない。
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優雅なストリングスの上を堂々と歌い上げる一流のエンターテイナー。



第4位
Rhiannon Giddens “Birmingham Sunday"
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1963年にアラバマ州バーミンガムで起きたKKKのメンバーによる教会爆破事件で犠牲になった4人の女児を歌ったJoan Baezの曲を、50年以上経った現在に蘇らせたRhiannon Giddens。
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今の世界の状況への警鐘でもある重要曲です。ピアノが素晴らしい。



第5位
幾何学模様 “Nobakitani"
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日本のバンドなのにもう完全に海外の方が大人気のスペース・サイケデリック・バンドKikagaku Moyoの最新EPから。
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全5曲でもう一つのような作品ではあるので1曲を選ぶのは難しいんですが、和のテイストがここまでうまく融合したサイケデリックな音はないんじゃないか。とにかく素晴らしいバンド!


■第6位
Kamasi Washington “Truth"
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異なる価値観を表現した5つの楽曲が最後に一つの”Truth”という名前の楽曲に集約されるEPからその13分に及ぶ大曲。全くダレないし飽きないしずっと感動させられ続けました。
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これこそローカルでありグローバルであり、真のフリーダム。


第7位
Ben Ottewel “Watcher"
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日本では誰もが忘れたUKバンドGomez。さらにそのメンバーのソロアルバムとなるともうその注目され無さ加減がハンパではないんですが、そんな逆境でもこの男の声の求心力はいまだに私の心を捉えて離さなかった。この1stシングルのいなたさと清涼感に涙しました。


■第8位
Joan Baez “Nasty Man"
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ドナルド・トランプはフォークの女王の心まで動かし遂に25年振りの新曲を発表させてしまった。”不快な男”と題して優しく美しい声で徹底的にコキ下ろしているんですが、曲の完成度がもの凄く高いので聴きいってしまいます。やはりプロテストソングというのは歌詞もそうだが曲も素晴らしくないといけないという当たり前の事実を改めて教えてくれました。


第9位
Preservation Hall Jazz Band “Mad"
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ニューオーリンズの伝統音楽を守って伝えてきたミュージシャン達が年齢や病気で亡くなり続けている中で、この老舗バンドのメンバーも新旧の入れ替わりがある状況で新たに見つけた方向性は伝統を残しつつもその音楽を未来に繋がるようにアップデイトさせることでした。新作の中からニューオーリンズの過去と未来が同居したようなこの曲には希望を感じました。来日公演も良かったです。



第10位
David Rawlings “Lindsey Button"
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寡作なGillian Welchとその寡作な夫David Rawlingsですがようやく新作が出ました。もちろんGillian Welchも全面参加。昔からあるフォーク・ソング/アパラチアン・ソングを新たにアレンジし直して違った曲に蘇らせるんですが、この曲も古い曲だそうですがもうシンプルなアレンジで素晴らしい曲に生まれ変わりました。



第11位
Neil Young + Promise of The Real “Already Great”
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再びPromise of The Realと組んだアルバムからの先行シングル曲。トランプ大統領のスローガン"Make America Great Again”へのカナダからの回答"もうすでにGreatだぜ”。サウンドもアメリカのゴスペルやニューオーリンズなどのルーツ音楽を取り入れてて上手い。




第12位
Bell Witch “Mirror Reaper"
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1曲83分! シアトルのドゥームデュオによるとんでもない地獄度のフューネラル・ドゥーム。とにかく陰鬱で長い。最高。
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ドラマーの死を乗り越えて完成させた本物の葬送曲。(まあ曲というよりアルバムなんですけど。)


■次点
Lee Ann Womack “The Lonely, The Lonesome & The Gone"
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テキサスのカントリーシンガーの新作からのタイトル曲。郷愁的なカントリーソングですが、”この心の痛さは、古いHank Williamsの曲のよう / 孤独で、寂しくて、過ぎ去ったもの”という歌詞が凄い好きでした。

スカパー!

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by Blacksmoker | 2017-12-31 22:58 | 2017年総括
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