RICHIE SPICE [Spice In Your Life]

フジロック行きてぇー!!と、心の中で叫びながら平静を装っていた今日一日でした。

しかし暑い日が続きますね。季節柄レゲエばっか聴いてますので、レゲエ・アーティストを集中的に紹介しましょう!

f0045842_2319350.jpg以前にジプシャンの回でも言及しましたが、ジャマイカのレゲエ界では2004年頃から過激化するスラックス(下ネタ)やバッドマン・チューンの反動でコンシャスなラスタ系のアーティストによるシリアスなメッセージを持った曲がより好まれるようになってきている。2006年現在でもその傾向は同じ(若干アゲ系のダンスホール・チューンが復活している気もするけど…)で、多くの若手ラスタ・シンガーの台頭が目覚ましい。その中でも最もブレイクしたのが、リッチー・スパイスだ。今回はこのリッチー・スパイスのブレイク作にして名盤「Spice In Your Life」を紹介します。

リッチー・スパイスは1971年生まれ。8人兄弟のうち既に3人がミュージシャン(2人の兄、プライヤーズスパナ・バナーは、有名なシンガー)という家系で育ち、20代半ばでシンガーとして活動するが全く鳴かず飛ばず。その彼がブレイクを果たしたのが30歳を超えてからというから人生何が起こるか分からない。ブレイクのきっかけは「Earth A Run Red」という曲の大ヒット。この曲で一躍大ブレイクを果たし、ジャマイカのレゲエ界にその名を轟かせる事になる。
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この「Earth A Run Red」の大ヒットの理由はキャッチーなメロディもさることながら、かなりシリアスな内容を歌っている事でしょう。何たってコーラスは「地球が赤く染まる 10代の子供たちが食べ物を探しまわる どこかで子供が死ぬのが聞こえる」というもの。このシリアスさが人々の心を捕らえたのでしょう。そして子供たちへクラックや銃には気をつけろというメッセージを発している。これぞ名曲!!

このアルバム「Spice In Your Life」には「Earth A Run Red」も、もちろん収録されているが、この他にもブッシュの名を出して批判する反戦チューン「Blood Again」や、アフリカ系黒人であることに誇りを持とう呼びかける「Black Like Tar」や、愛を受けられない子供を憂う「Crying Out For Love」など、シリアスなナンバーが目白押し。ここまでシリアスな内容でありながら曲調は全く暗くない。もちろんラスタなのでマリファナ賛歌「Marijuana」もガッチリ収録。

リッチー・スパイスの歌詞の特徴f0045842_23252360.jpgは、ラスタファリズムを前面に押し出した宗教臭いところがないところでしょう。「世界中の人々にメッセージを届けたいからジャマイカ人にしか分からない事は歌わない」と発言しているのも若手ラスタ・シンガーならではの考えで面白いです。こんな発言をバニー・ウェイラーバーニング・スピアアイジャーマンが聞いたら大激怒しそうですが、ユダヤ人ラスタのマティスヤフなどが活躍する現在においてはこういう考えは個人的には全くもって大歓迎ですね!もちろん前述の偉大なレジェンド達もリスペクトしまくってますので誤解のなきよう。

サウンドは生演奏主体のかなり作り込んだ音で、コーラスの掛け方などかなりこだわっているのが分かります。随所にディーン・フレイザー(プロデューサーとしてもクレジット)の哀愁あるサックスの音が素晴らしい味付けをしてくれています。ジャマイカの音の魔術師ボビー・ディジタル(Wu-Tang ClanのRZAの変名ではありません)の手掛けた「Crying Out For Love」の繊細なサウンドが美しすぎる!

リッチー・スパイスの声はジャマイカではあの「Mr.Cool Rulerグレゴリー・アイザックスf0045842_2335481.jpg比較されるほどだそうです。個人的には全然違うように思えるんですが、確かに様々な歌い方を披露するリッチーの独特な声(特に高音の伸びが素晴らしい!)は偉大なシンガーと比較されても十分に張り合える要素を多分に持っていますね。

最近のレゲエで良いアルバムない?」と聞かれたら間違いなくこのアルバムをオススメします。

もちろん他にもたくさん良いアルバムありますので、それは次回にでも…。
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by Blacksmoker | 2006-07-29 00:02 | REGGAE
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