KAADA [Music For Moviebikers]

この男が再びやってくれました。

f0045842_2121585.jpgカーダの新作「Music For Moviebikers」は夢のように美しく、その精巧に創り上げられた虚構の世界の中に迷い込んでしまうと抜け出すことが出来ません。

カーダはノルウェー出身のジョン・エリック・カーダという男のソロ・プロジェクト。1975年生まれなので50 Centやベッカムや米倉涼子と同じくまたもや私と同じ歳です。ノルヴァンゲルという港町に生まれたこのカーダは映画音楽家としても有名で、2002年にはノルウェーの映画祭の音楽部門では最も栄誉ある賞を最年少で受賞している若き天才です。

2003年に出た1stアルバム「Thank You For Giving Me Your Valuable Time」では50年代の古き良きアメリカ音楽(ビッグバンド・ジャズやイージー・リスニング)へのオマージュともいうべき妖しくもノスタルジックな世界観を創り上げていましたが、今回の新作ではチェロやヴァイオリン、ビオラ、マンドリン、カリンバなど弦楽器を中心としたオーケストラによる緻密な室内音楽をやっています。ミュージカル・ソウやダルシマーの奇妙な音も面白い。

Music For Moviebikers」というタイトルから、てっきり猥雑なf0045842_21261358.jpg70年代ロックのような音を想像したのですが全く違いましたね。美しくも儚い幻想的な音が全編を支配していて夢見心地にさせてくれます。何曲かは女性コーラスが入った曲もありますが、必要最低限に抑えられ効果音的な扱いです。あくまで主役はオーケストラによるスケールの大きなサウンド。Mercury Revの「All Is Dream」のような世界観ですね。箱庭宇宙とも呼べそうなサウンドです。アメリカン・ゴシックな世界観も感じますね。

もちろん映画音楽という事を意識していると思われるが、「起→承→転→結」のあるような楽曲ではなく、ある場面場面の音を表している為か「起→承」までしかないような曲もあるし「」で終わる曲もある。アルバム全体で1曲を構成しているといった方が良いですね。「Thank You For Giving Me Your Valuable Time」もそうであったようについつい何度も何度も繰り返し聴いてしまうアルバムです。しかも何度聴いても全然飽きの来ない構成が見事です。

今までのカーダには、MR.BUNGLEの「California」のように変態がマジメのふりして音楽やってるようなどこか怪しくコワれた臭いがかなり感じられましたが、何か今回のアルバムにはあまりそんなコワれたところは感じられず本物の映画音楽家の作品のような佇まいです。ジャケットの白鳥非常に怪しいですけど…。

ちなみに今作も前作に続いてマイク・パットンの「Ipecac Recordings」からのリリーf0045842_21344419.jpgス。カーダにはパットンの狂気と同種のものを感じられるので、まだまだ私は騙されているだけかもしれませんね。マイク・パットンカーダが共同で創り上げたアルバム「Romances」(「KAADA/PATTON」名義でリリース)は、この「Music For Moviebikers」と同じ世界観でありながらもかなり狂気が滲み出てきている作品で、これもかなりハマります。ここで全曲視聴可能ですのでこちらも併せてチェックして下さい。
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by Blacksmoker | 2006-09-01 00:01 | サウンドトラック
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