MICHAEL FRANTI & SPEARHEAD [Yell Fire !]

世界のラジオにマイケル・フランティを!

これは我が敬愛するピーター・バラカン師匠のご宣託です。
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そしてU2のボノはこう言った。

マイケル・フランティは21世紀の偉大なスポークスマンだ。

混迷する世界で音楽の力を信じて活動する男マイケル・フランティの3年振りの新作「Yell Fire!」f0045842_23571366.jpgリリースされました。チェ・ゲバラのようなジャケに象徴されるように非常に政治的な内容を含んだアルバムです。マイケル・フランティと言えば音楽活動と同じくらい政治的な活動にも力を入れていて、近年ではアメリカの平和活動には必ずといっていいほど彼の名前を見ることが出来る。前作「Everyone Deserves Music」(これも傑作です!)では、平和を祈るピースフルなアルバムだったが、このアルバムには戦争という問題が大きく影を落としている。

実はマイケル・フランティは2004年に戦時下のイラクやパレスチナやイスラエルに単身飛びアメリカ兵に会いにいき彼らの前で演奏も行っている。そしてアメリカ兵だけでなく、敵国のイラク兵の前でも演奏したり、イスラエルとパレスチナでも一般人の前で演奏を行っている。2004年f0045842_054053.jpgといえば日本人ジャーナリスト3人が人質になったのもちょうど同じ時期なので、そういう状況下でイラクに渡るというのがどれほど命がけの行為か分かるでしょう。この彼の旅を追ったドキュメンタリー映画「I Know I’m Not Alone」(左写真)が昨年アメリカでは公開されている。これは戦争の陰で必死に生きる現地の人間達に焦点を当てたドキュメンタリーだそうで、実は輸入盤ではDVDでリリースされている。

その旅と平行して制作されていたこのアルバムは今までのマイケル・フランティの活動が如実に反映された力強い作品だ。このアルバムは半分がジャマイカで録音されているそうで、それゆえに前作ではHIP HOP色が強かったが今回はレゲエ色が強いスライ&ロビーをベースとドラムに迎えボトムの安定した演奏を聴かせてくれる。このアルバムを聴いているとマイケル・フランティは既にボブ・マーリィザ・クラッシュのように政治色と音楽性の2つを同時に昇華させた存在になりつつあるように思える。
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シリアスなムードにはならない陽性なメロディーや、優しく美しいバラードなども聴けるがアルバム全編に渡って1本芯の通った説得力のあるサウンドで非常に聴き応えあるヘヴィな作品です。ベン・ハーパーの最新作「Both Sides Of The Gun」とも共通するストロングなサウンド。ただ、このアルバムはシリアスな作品だけじゃない。マイケル・フランティはイラクへ行った時に現地の人達が口を揃えて「私達は戦争の事や政治の事を歌った歌なんてもう聴きたくない」と言っていた事に衝撃を受けたそうで、それを反映してか意外と政治的なリリックは多くなく、踊れるロック・アルバムにもしっかりなっている。

アルバムのインナーにあるイラクでの写真やぎっしりと書かれた歌詞を見ながら、なかなか考えさせられる物がありましたよ。「Sweet Little Lies」の歌詞では思わず涙が出ましたね。
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世界にはもっとマイケル・フランティの音が必要だ。今ならそう思えます。10月の来日公演は絶対行きます。
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by Blacksmoker | 2006-09-27 00:34 | ROCK
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