COCOROSIE [The Adventures of Ghosthorse and Stillborn]


f0045842_12333396.jpgディヴェンドラ・バンハートアニマル・コレクティヴアントニー&ザ・ジョンソンズらのブレイクと共に、2年程前から世界的に注目されてきた「フリー・フォーク・シーン」。その彼らと深く交流を持ち、シーンの中核に位置するこの姉妹デュオ、ココロージーの2年振りの新作「The Adventures of Ghosthorse and Stillborn」を紹介しましょう。まさしくジャケットの絵の通りの音ですね。幻想的でありながらも、少しグロテスクさも含んだグリム童話のような世界です。

ニューヨーク在住のシアラビアンカのキャサディ姉妹によるこのユニット。シアラの愛称ココと、ビアンカの愛称ロージー。合わせてココロージー。彼女らの音楽は非常に独特です。
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シアラが担当するハープやピアノを主体にして、その上からビアンカが奇抜なサンプリングのサウンド・コラージュを施して何とも不気味でカワイイ童話の世界のような空間を作り上げています。ヴォーカルは2人が担当。ビョーク(金の亡者)とかジョアンナ・ニューサムと同種の浮世離れした浮遊感のある声がこれまた魅力でもあります。

一気に注目を浴びる事になった前作「Noah’s Ark」では、そんな事お構いなしな独特なマイ・ワールドぶりを発揮して完全に完成された彼女達だけの閉ざされた箱庭空間を見せ付けてくれましたが、今作では非常にオープンな作風。グリム童話的な独特の音世界は今作でも健在だが、メロディの良さが格段に増しています。
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今までは掴み所のないメロディが多かったですが、輪郭のくっきりしたメロディやサウンド・プロダクションによって非常に聴きやすくなっています。ビョークの作品を手掛けるヴァルゲイル・シグルドソンによるプロデュースによるアイスランド録音が功を奏していますね。今まで完全に閉じこもった自分達だけの世界を創り上げてきた彼女達のベクトルを外界へ向ける事に見事に成功しています。

1曲目Rainbowarriorsから今までとf0045842_12433348.jpg気色が違います。輪郭のハッキリした打ち込みのビートにラップのようなビアンカ(左写真)のヴォーカルに、浮遊感のあるシアラの幻想的なコーラスが被さる今までのココロージーには無かった明るくキャッチーな素敵な曲に仕上がっています。まるでEELSのようなカンジですね。でもスクラッチ音、馬の鳴声、ホイッスル、口笛、電子音、シンセサイザー、おもちゃのサイレンなど無数のコラージュがされているのは相変わらずで聴いていて面白いですね。

みんな日本に行きたがってる」と歌われる童謡のようなメロディのJapan、おもちゃのピアノの幻想的な旋律をバックにシアラ(下写真)の美声が映えるWerewolfジョアンナ・ニューサムのようにビアンカがグランド・ハープを弾き語るAnimalsなど非常に良い曲が多いですね。
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その一方で今までの彼女達の世界観を踏襲するオルゴールの単音をバックにシアラが消え入りそうに歌うBloody Twinsや、メロディカにこれまたシアラのフィールド・レコーディングのヴォーカルが入ったBlack Poppiesなどの曲もしっかり入っています。今回特に気が付いた事は、シアラの歌が非常に上手いという事。ビアンカのラップのような歌との対比もしっかりされていて非常に良いですね。

彼女達の作品の中で、最もメロディの際立った開かれた傑作です。即効性はありませんが、じわじわ効いてくる良盤です。前述したRainbowarriorsのPV(何と監督はミッシェル・ゴンドリー!)がココで観れますので是非チェックして下さい。

f0045842_1257965.jpgそしてもう1つオススメなのが、ココロージーシアラMatteah Baimによるプロジェクト、Metallic Falcons(メタリック・ファルコンズ)。東欧圏のメタル・バンドのようにイカつい名前ですが、音は全然違います。こっちはココロージーよりももっとフリークアウトしたサイケデリック・フォーク。2006年に1stアルバム「Desert Doughnut」(右写真)がリリースされていますが、こちらも相当歪んだ幻想的なフォークです。

ココロージーが気に入った人はコチラもチェックしてみて下さい。
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by Blacksmoker | 2007-06-13 00:12 | FOLK
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