CHRISETTE MICHELE [I Am]

f0045842_22235170.jpgデビュー前よりJAY-ZLost OnesNASCan’t Forget About Youに客演し、その名を広く知らしめてきたDEF JAM期待の大型新人女性シンガー。そして遂にこのクリセット・ミッシェルのデビュー・アルバムが登場しました。「DEF JAMが送り出す大型新人」というコピーを聞くと豪華プロデュースに豪華客演と凄いド派手なイメージを抱いてしまいそうですが、これが予想していたサウンドと全く違ったサウンドでビックリ。さらにはこのクリセット・ミッシェルというシンガーの素晴らしさにもビックリという、イイ意味で驚かされたアルバムです。とにかく後世に残る素晴らしいアルバムなんで是非とも聴いてもらいたい。

ニューヨークのロングアイランド出身のこのクリセット・ミッシェル。1983年生まれの現在24歳。幼少から教会でゴスペルを歌っていた彼女。
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DEF JAMのCEOであるLAリードに発掘され期待の大型新人としてJAY-ZNASのそれぞれのアルバムの重要曲に起用されたのは前述した通り。さて「DEF JAM期待の女性シンガー」というからには凄いソウル系シンガーかポップ系シンガーかを想像するでしょうが、彼女の音楽は全く違います。JAY-ZNASに客演したそれぞれの曲を聴いても分かるんですが、彼女が他のシンガー達と大きく異なるのはジャズ・シンガーの要素が非常に強い事だ。

クリセット・ミッシェルビリー・ホリデーエラ・フィッツジェラルドなど女性ジャズ・シンガーの系譜を受け継いでいるのです。50年代のジャズ・ボーカリストのような佇まいを携えています。だから今回の「DEF JAM期待の大型新人」というふれ込みはいわゆる「諸刃の剣」であって話題性は十分だが、逆に大きな誤解を招く恐れもあるかもしれません。彼女はメアリー・J・ブライジのようなR&Bシンガーではなく、ジャズ・シンガーの要素が強いというのは強調しておきたいですね。
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さてDEF JAMのCEOであるLAリードが力を入れてるだけあって、このクリセット・ミッシェルのデビュー・アルバム「I Am」には例に漏れず凄い制作陣が揃えられています。まずはBLACK EYED PEASからWill.I.Am、そしてNASの作品で御馴染み(最近はエイミー・ワインハウスなども手掛ける)のサラーム・レミ、そして久しぶりのベイビーフェイス、そしてジョン・レジェンドなど超豪華な布陣。でも派手なパーティ・チューンなどはなくジャズ・シンガーとして(R&Bシンガーとしても)のクリセット・ミッシェルのヴォーカリストとしての才能を最大限に引き出す事に成功しているといって良いでしょう。

個人的な事を言わせてもらうと、HIP HOPなトラックよりも彼女が映えるのはやはり隙間を活かしたR&B的なトラックやジャジーなトラックだ。その意味ではWill.I.Am(左写真)の手掛ける2曲は正直もう一歩。最近かなり売れっ子でどこでも出ずっぱりのWillだが、個人的には最近は大ネタばかりの大雑把なトラックがf0045842_22353696.jpg多くなっているように思えます。今回の彼の手掛けたBe OKボブ・マーリィCould You Be Lovedをサンプリングしたトラックですが大雑把感がかなり強いし、途中で登場するWillの毒にも薬にもならないラップも正直いらないです。もう1曲Let’s RockRUN-D.M.C.の大ネタHere We Goを使ったこれまた大雑把な曲なんで正直もう一つ。ファーギーにはいいだろうがクリセット・ミッシェルには似合わない曲ですね。サラーム・レミの手掛けるまるで90年代のような無骨なHIP HOPトラックのGood Girlなども少し違和感がありますね(悪くはないんだけど・・・)。

f0045842_22363492.jpgその意味では久しぶりに登場のベイビーフェイス(右写真)の手掛けたYour Joyなんてホントに素晴らしい。良く分かってますね。2本のアコースティック・ギターとクリセット・ミッシェルの歌だけで引っ張る前半から、ストリングスが絡んでくる中盤、終盤にかけてドラムが入り盛り上げる展開なんてまるで、60年代のカリフォルニアの女性フォーク・シンガーのようで素晴らしいですね。もう1曲ベイビーフェイスの手掛けたBest Of Meも彼女のジャズ・シンガーとしての特性を十二分に引き出した素晴らしい曲です。

1stシングルにもなったIf I Have My Wayも隙間を活かしたジャジーなR&Bでクリセットのコケティッシュな一面が見えるヴォーカルが素晴らしいですね。これぞ彼女の真骨頂でしょう。そしてジョン・レジェンドが制作し美しいピアノを聴かせるLove Is You。この曲なんてまるでジョン・レジェンドの曲のようなクラシック調なジャジーなナンバーです。
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最終曲のIs This The Way Love Feelsなんて、もう至福のソウル・ナンバー。教会で歌ってきたというだけあってゴスペル・シンガーとしても側面が非常に出ており、徐々に盛り上げていきクライマックスではもの凄い高音のシャウトを披露するクリセットの声がほんとに素晴らし過ぎます。スティーヴィー・ワンダーのようなスピリチュアルで崇高なトラックがこの曲をずっと聴いていたいという気持ちにさせます。オルガンとギターで引っ張る後半なんてほんとに至福を感じますね。

DEF JAM期待の大型女性シンガー」ではありますが、そのイメージとはかけ離れた魅力を持つこのクリセット・ミッシェル。このアルバムは早くも年間ベスト・アルバム候補の一枚です。必ずチェックして欲しいです!彼女は間違いなくアリシア・キーズインディア・アリーを越える存在になるでしょう。
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by Blacksmoker | 2007-07-01 00:07 | R&B / SOUL
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