RYAN ADAMS [Easy Tiger]


ライアン・アダムスの才能はとどまる所を知らない。その溢れるアイディアが枯渇する事はまだまだないようだ。
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2000年にソロ・デビューして以降、7年間で早くも9枚目となるアルバム「Easy Tiger」の登場です。

f0045842_23342483.jpg2005年は3枚ものアルバムをリリース(フジ・ロックでのライブをキレて途中退場というのもありました)、そして2006年は全米・全英・欧州ツアーを行いながら、ホームページで大量の未発表音源を公開したり、更にはウィリー・ネルソンのアルバム「Songbird」のプロデュースと常に精力的で多忙な活動をしていましたが、2007年はこのアルバム「Easy Tiger」から始まります。

さて、ここではっきりさせておきたいのはライアン・アダムスは多作家だが、濫発しているわけではない。ライアンはアルバムでリリースする曲には一切手を抜かない。リリースを重ねるごとにどんどんアルバムのクオリティが上がっているのが凄いです。アルバムを重ねるごとに増す円熟さ(まだ32歳ですが)や、曲の深みにはほんと脱帽するしかないですね。

そのライアン・アダムスの最新化型がこのアルバム。ライアン・アダムスという男の「現在」を感じられると共に、彼のキャリア史上最高作と言えます。以前と変わった事は何もやってないし、音がドラスティックに変化したという事も一切ないが、曲の深みやヴォーカリストとしての深みのある声は、やはり2005年にリリースした3枚のアルバム群と比べても上がっています。
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今作の作風としてはライアン・アダムスの得意とするカントリー・ロックを主体としています。現代版THE BYRDSロデオの恋人」とも言うべき2005年のアルバム「Jacksonville City Nights」を更に推し進め、「Cold Roses」や「Love Is Hell」で披露したアート・ロック的な要素を上手く融合させている。

今回もライアンのバックを支えるのはザ・カーディナルズ
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このザ・カーディナルズの演奏はほんとに素晴らしい。演奏のダイナミズム、バンド全体の心地よいアンサンブル、各楽器の印象的なフレージング、隙間を持たせた「静」の表現方法など、個人的にはこのザ・カーディナルズの音にはあがない難い力を感じます。断然ソロの時よりもザ・カーディナルズとの音の方が好きですね。ニール・ヤングにはクレイジー・ホースがいるように、ブルース・スプリングスティーンにはE・ストリート・バンドがいるように、トム・ペティにはザ・ハートブレイカーズがいるように、ライアン・アダムスにはザ・カーディナルズがいる。このライアンザ・カーディナルズの生み出すマジックは素晴らしいです。

さて、このザ・カーディナルズのメンバーで注目したい男がいます。

2006年から加入したギタリスト、ニール・カサール
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このニール・カサールの加入によってライアン・アダムス&ザ・カーディナルズは更なるスケールアップと遂げたと言っても過言ではない(フジロックのステージでベースを弾いていた紅一点のキャスリーン・ポッパーは離脱した模様)。

ニール・カサールは自身もシンガー・ソングライターとして活躍するアーティストで、2006年には2枚目となるソロ・アルバム「No Wish To Reminisce」(左写真)をリリースし、来日公演もf0045842_2343257.jpg行っています。ちなみに、このアルバム「No Wish To Reminisce」はホントに素晴らしく、アメリカン・ロック/フォーク・ロックの傑作なので、是非ともチェックして欲しいです。ニールはまたヴォーカリストとしても非常に素晴らしく、クセのない伸びやかな歌声がこれまた良いんです。今回の「Easy Tiger」では、そのニールが非常に重要な役割を果たしています。バッキング・ヴォーカルや叙情感たっぷりのスライド・ギター、印象的なエレクトリック・ギターのフレージングなど大活躍です。ちなみにジャケットのライアンの写真もニールが撮影しています(最近のライアンのアーティスト写真はニールが撮影しているものがほとんどです)。

さてこの素晴らしいアルバム、全曲解説したいくらいですが、長くなるのでやめときますが、ホントに良いですね。ライヴで盛り上がるのが目に見えるHalloweenheadや、シェリル・クロウがコーラスで参加した叙情的なカントリー・ロックTwoグラム・パーソンズの魂が乗り移ったようなTears Of Gold、思いっきりブルーグラスなPearls On A Stringライアンのハーモニカが超メランコリックな感動的なバラードI Taught Myself How To Grow Oldなど素晴らしい曲ばかり。ライアンのアルバムの中でも最高作でしょう。
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是非とも、後世に確実に名を残すであろうこの天才の「今」を聴いてみて欲しい。
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by Blacksmoker | 2007-07-22 00:08 | ROCK
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