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JESSE HARRIS [Feel]


アメリカで成功するのに必要なエンターテインメント的な部分は僕は備えていないから商業的アーティストにはなり得ないと思う。

これがジェシー・ハリスの自分評。
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なるほど的確に分析してます。彼のファンも、もはやジェシーには商業的成功以上に良質な作品を作り続けていってくれる事を望んでいます。

JESSE HARRIS [Feel] _f0045842_1792212.jpg素晴らしい傑作となった(といってもジェシーの作品は全てハズレなしですが)前作「Mineral」から僅か1年で早くも新作「Feel」が登場です。ファンの期待通り素晴らしい曲が詰まったアルバムです。

その前に、ここで少し話を遡ります。今、手元に今年の3月に行われたジェシー・ハリス&リチャード・ジュリアン&サーシャ・ダブソンの来日公演でのジェシーのセットリストがあるんですが、そのセットリストにはこうあります。

[Jesse Harris @ Kyoto Taku Taku 21.03.2007]

①Slow Down
Shadow
The Wind
④It Will Stay With Us
I Would
Feel
⑦Start All Over
You And Me

披露された8曲中、ピンク色の5曲がこの新作「Feel」に収録されていたのです。どうりで聴いた事のない曲が多かったわけですね。
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さて、その新作「Feel」ですが、いつもながらに繊細で優しい曲が17曲。どれもがこれぞジェシー・ハリスといった素敵な曲ばかりです。前作で大きくフィーチャーされていたハモンドB3オルガンの郷愁的な音色は今作では影を潜めており、代わりにラテン・パーカッションが使われた曲が多く見られます。今作に参加しているブラジル人パーカッショニスト、マウロ・レフォスコの存在が大きな役割を担っていると言えます。ジェシー・ハリスの書く曲と、このマウロ・レフォスコによるラテン・JESSE HARRIS [Feel] _f0045842_17155495.jpgパーカッションのリズムの融合がとても面白いです。でも以前に紹介したカルリニョス・ブラウンの新作「A Gente Ainda Não Sonhou」と同様に、パーカッションがメインではなく味付け程度。基本はジャジーでソフトなアコースティック・フォーク・ミュージック。音数の少ない空間の多い音作りはいかにもジェシー・ハリスらしいです。先の来日公演にも参加していたリチャード・ジュリアンや、ベースのティム・ランツェルも参加していますね。そしてライヴでも使っていたバンジョーを使った曲もあり、なかなか楽しませてくれます。

ソングライティングにかけては、もはや説明の必要もない天才的センスが十分に発揮されていますので、クオリティも申し分ない出来映えです。しかしいつも思うのですが、ジェシーの曲というはほんとに宝石のような輝きを放っていますね。そして、その輝きの中には必ず優しさが含まれています。そこいらのシンガーソングライターなんかが10年掛かっても書けない曲を1年そこらで何十曲もさらっと書いてしまう物凄い天才ですね。
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そしてジェシー・ハリスのファンにとってはまたも素晴らしい傑作の誕生でしょう。まだジェシーを聴いた事のない人は早くこの才能に触れてみて欲しいと思います。
by Blacksmoker | 2007-08-16 00:36 | FOLK
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