畠山美由紀 [Summer Clouds, Summer Rain]


f0045842_177100.jpgさて前回紹介したジェシー・ハリスの新作「Feel」と同時にリリースされたこの畠山美由紀の新しいアルバム「Summer Clouds, Summer Rain」。これは何とジェシー・ハリスが全面プロデュース。ジェシーはプロデュースだけでなく、ソングライティング、演奏も全てジェシーが担当。メインでヴォーカルをとる曲もあり、プロデュースというよりもコラボレーションと言った方が良いでしょう。実はこのアルバムはジェシー畠山美由紀のたった2人だけで作られているのです。まるで畠山美由紀を主人公にしたジェシー作のヴォーカル・アルバムのような出で立ち。

さて、ジェシー・ハリスという人は自分の曲以外に、女性アーティストに提供した曲も非常に多い。
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言わずもがなのノラ・ジョーンズを筆頭に、リズ・ライトマデリン・ペルートリスタン・プリティマンサーシャ・ダブソンといったNYのシンガー達だけでなく、日本人アーティストではbirdなどもジェシーが曲を提供しています。その愛され方を見ると、彼の曲は女性に好まれるという証明です。

そして本編の主人公、畠山美由紀に話を戻しましょう。
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実は個人的には日本の女性シンガーの中では最も好きな人の一人でもあります。Port Of Notes時代からソロに転向してのアルバムは全て持っています。その他にもDouble Famousをはじめとして数々のユニットにヴォーカリストとして参加していますが、その包容感があって母性を感じさせる畠山美由紀の歌声は日本にはなかなかいないタイプのシンガーです。更に言うと日本語詞よりも英語詞による歌の方が映える日本人離れした希有なシンガーだと思います(個人的にはソロ転向後も悪くないですが、Port Of Notesの時の畠山美由紀が好きですね。実は彼女の中で一番好きなのはPermafrostで歌ったAfricaです)。

この新作「Summer Clouds, Summer Rain」は、そのカヴァー曲の選曲センスもなかなか秀逸。

ビートルズBlackbirdビリー・ホリディI Cover The Waterfrontなどはスタンダードf0045842_1202774.jpgだが、ニール・ヤングWonderin’なんてマニアックなものや、マリーザ・モンチUniverso ao meu redorなんて新鮮なカヴァーや、大正時代の唱歌浜辺の歌なんてのも。このバラバラな選曲が畠山美由紀の声によって同一線上にしっかり収まっているのも見事。ハンク・ウィリアムズの「I’m So Lonesome I Could Cry」のカヴァーなんてのもやってます。まあこのI’m So Lonesome I Could Cryのカヴァーはハンク・ウィリアムズのトリビュート・アルバム「Timeless」でのケヴ・モによるカヴァーの素晴らしさに勝るものはないですが、今回のカヴァーも素朴ですがハンク・ウィリアムズのソングライティングの秀逸さを浮き立たせる良いカヴァーですね(まあ、ケブ・モのカヴァーの方が20億万倍素晴らしいですけどね)。

そしてジェシー・ハリス作の新曲3曲もなかなか素朴だが侮れません。畠山美由紀による日本語詞も実に自然にはまってます。
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フォーキーなまぼろし、ボサ・ノヴァ調のSummer Clouds, Summer Rain、そして前半をジェシーが歌い、後半に畠山とのデュエットを聴かせるAlways Seem To Get Things Wrongは完全にジェシー色に彩られてます。最近のお気に入りなのかバンジョーを使った曲が多いですね。あとジェシーの以前のアルバムにも入っているWhile The Music LastsThis Is Goodbye畠山美由紀による日本語詞でリメイク。新たな魅力で蘇っていて面白い。唯一の畠山美由紀作詞・作曲によるあなたみたいも素晴らしいので必聴です。
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従来よりも抑え気味の歌い方は彼女のアルバムの中でも異色ではありますが、彼女の魅力を堪能出来る素敵なアルバム。長く愛聴していくアルバムになりそうです。
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by Blacksmoker | 2007-08-23 00:56 | FOLK
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