SA-RA CREATIVE PARTNERS [The Hollywood Recordings]


Dr.DreDJ PremierSwizz BeatzThe NeptunesKanye Westなど独自のサウンドで一時代を築いたヒップホップ・プロデューサー達。そしてその次に来るのはこの3人であることは間違いない。これf0045842_262895.jpgから様々なアーティストのアルバムで彼らの名を聞くことになるだろう。Sa-Ra Creative Partnersサーラー・クリエイティヴ・パートナーズ)のサウンドはヒップホップのNextスタンダードを提示する。そのサーラー・クリエイティヴ・パートナーズの新たな一手となるこの1stアルバム「The Hollywood Recordings」。まずは彼らの名刺代わりの1枚。ここにはヒップホップの次なる潮流を生み出すサウンドが詰まっています。

このサーラー・クリエイティヴ・パートナーズというのは、タズ・アーノルド(Taz Arnold)、シャフィーク・フサイン(Shafiq Husayn)、オンマス・キース(Om'Mas Keith)という3人のプロデューサーによるチーム。それぞれが実は錚々たる経歴の持ち主で、タズなどはDr.Dreのクリエイティヴ・コンサルタントとして1999年のクラシック「2001」にも参加しているそうです(アルバム・クレジットにその名前は見当たらないけど・・・)。
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それぞれが楽器を担当するのはもちろん3人ともヴォーカルまでこなすというマルチ・プレイヤーによる三者三様のスタイルが混ざり合ったサウンドなので、非常に幅広い要素を持っています。しかし、一貫して彼らのサウンドを特徴付けているのが「キーボードによる音作り」。Neptunesがどちらかと言うと打楽器的なパーカッシヴなサウンドを得意とするように、Kanye Westがソウルのサンプリングを得意とするように、Dr.Dreがビートとベースの「鳴り」を重要視した重厚なサウンドを得意とするように、サーラー・クリエイティヴ・パートナーズの得意とするのはキーボードによるサウンドだ。主にシンセサイザーや、エレクトリック・ピアノ、そしてフェンダー・ローズなどを使ったサウンドを基盤としている。曲のバックでは必ずと言っていいほど「ビョ~ン」とか「ピロピロ~」といった浮遊感のある音が鳴っています。
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彼らの音は、P-ファンク・サウンド(特にヴァーニー・ウォーレル)に影響を受けているのが良く分かる宇宙的で浮遊感のあるサウンドです。そしてP-ファンクだけではなく、Jay-Dee以降のあの無機質なドラムビートの後継者でもあります。日本のJay-Dee信者が挙って飛びついたサウンドという情報は誤りではなかったですね。あと、プリンスにも影響を受けているのが分かります。

f0045842_2122866.jpgさてそんなサーラー・クリエイティヴ・パートナーズのアルバム「The Hollywood Recordings」ですが、実はこのアルバムは当初Kanye Westのレーベル「G.O.O.D」からリリースされる予定でしたが、直前になって急遽インディ・レーベルの「Babygrande」からのリリースとなった曰くつきのアルバム。実は以前にサーラー・クリエイティヴ・パートナーズが「G.O.O.D」に加入した事が発表されたにも関わらず、なかなかリリースが滞っていたのですが、どうやら先日「G.O.O.D」との契約は解消になったみたいですね。残念。

しかしこのアルバム、インディ盤だからといって侮るなかれ!もの凄いクリエイティヴィティ溢れる音だし、さらにゲスト陣もまったくもってメジャー盤と遜色ナシの豪華さです。そんなゲストに名を連ねるのは、エリカ・バドゥタリブ・クウェリビラルクラプトファロア・モンチカポーン& N.O.R.EそしてJディラJay-Dee)などなどそうそうたるメンツ。これだけでもフツウなら買いでしょう。まったくインディ・リリースという事が残念なくらい。ゲストの参加していない曲では3人でヴォーカルを担当しており、そのファルセット・ヴォイスが素晴らしく、まるでプリンスを彷彿させます。

注目は、やはりシングルにもなったタリブ・クウェリを迎えたFeel The Bass。Tf0045842_216141.jpgR-808ドラムマシンによる少しオールドスクール的なビートにタリブのファストでストレートなラップが映える傑曲です。その他にはエリカ・バドゥ(右写真)のあの独特な歌声を贅沢にもコーラスに配置したメロウなFly Away。バックで鳴るギターの音もプリンスばりです。女性シンガーRozzi Daimeを迎えたキャッチーなソウル・ナンバーSo Specialでは、Rozzi Daimeの伸びやかなヴォーカルをメインにサーラーの3人がコーラスに回ってガッチリと曲を引き締めています。曲構成が非常に上手いですね。このRozzi DaimeTracyという曲でもヴォーカルを執っておりここではラップも披露しています。かなりクールな声でカッコイイので今後注目ですね。キャッチーでカワイイLadies Singなど女子ウケの良い曲がたくさんあります。

一方、野郎共が注目なのはファロア・モンチによるFish Fillet。この曲なんかモロにJay-Dee以降のサウンドを継承したビートで、そこにあのファロア・モンチの痺れるフロウが切り込む様には血が騒ぐ事マチガイナシ。さらに最終曲Thrillaでは何と故J ディラ(Jay-Dee)のラップをフィーチャーした派手なパーティ・チューン。ヘッズは男泣き確実です。

インディ・リリースとは非常にもったいないこのアルバム、ヒップホップ、R&Bファンはマストなアイテムです。次なるヒップホップ・スタンダードはサーラー・クリエイティヴ・パートナーズです。そして音だけでなく、彼らのファッションにも注目して欲しいですね。
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ちなみに9/2より待望の来日公演を行うこのサーラー・クリエイティヴ・パートナーズですが、来日メンバーはタズ・アーノルドオンマス・キース2人のみ・・・。バック・バンドには日本からCro-Magnonがサポートするという変則的な編成。しかもタズオンマスの2人はヴォーカルのみ担当ということらしいです。ゲスト・ヴォーカルには前述のRozzi Daimeと、アルバムにも参加しているサーラーが全面バックアップしてアルバム・デビューを果たす女性シンガーErika Rose(下写真)も参加するそうですが・・・。
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果たしてこのライヴはどうなんでしょうか・・・。
 
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by Blacksmoker | 2007-09-04 01:39 | HIP HOP
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