サウンドトラック[The Hottest State]


俳優イーサン・ホークによる小説「The Hottest Statf0045842_9563332.jpge」が、イーサン・ホーク自身の監督によって映画化されました。この小説はイーサン・ホークの自伝的物語だそうで、駆け出しの俳優と一人のシンガーソングライターの女性の恋愛を描いたものらしいです。この「The Hottest State」ですがアメリカでは既に7月から公開になっていて、日本公開はもう少し先になりそうですが、今回紹介したいのはこの映画のサウンドトラック盤です。

この映画音楽を手掛けたのがジェシー・ハリス。そうです、またもやこの男です!
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6月に自身の新作「Feel」、そして畠山美由紀とのコラボレーション・アルバム「Summer Clouds, Summer Rain」をリリースしたばかりだというのに、間髪入れずにまたもや新音源が登場です。

アルバムの中にあるイーサン・ホーク自身の解説によると、ジェシー・ハリスイーサン・ホークは長年の友人だそうで、この小説「The Hottest State」の原稿を読んでもらいジェシーにその中のシーンに合う曲を書いてもらったそうだ(何でもジェシーは50曲くらいもくれたそうです)。そしてその中から曲を選び、その曲をいろんなヴォーカリストに歌ってもらった曲を集めたというのがこのアルバムです。
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しかし今回のこのアルバムはちょっと凄い事になっています!なんたってそのヴォーカリストの人選が堪りません。ノラ・ジョーンズウィリー・ネルソンファイストブライト・アイズエミルー・ハリスキャット・パワーM・ウォードザ・ブラック・キーズなどなどインディ・ロック勢からカントリー界の大御所まで網羅し、さらにはブラッド・メルドーによるピアノ・ソロや、ジェシー自身が歌う未発表曲などもあり凄い豪華な内容になってます。もはやジェシー・ハリスの独壇場と言ってもいいですね。

その中でも、やはり注目は何と言ってもノラ・ジョーンズの歌うWorld Of Troubleでしょう。
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ノラ&ジェシーのゴールデン・コンビに心躍らすファンの期待に120%応える名曲の誕生です。ノラ・ジョーンズはピアノも弾いており、隙間を活かしまくったジャジーな演奏はまるで彼女の新曲と言っても差し支えありません。このアルバムの中でもYou,The Queenという曲でヴォーカルを担当しているTony Scherrがギターとバッキング・ヴォーカルも担当しておりコーラスもさりげなく素敵です。アップライト・ベースを弾いているのが何とグレッグ・コーエンでした(あまりベースの目立つ曲ではないですが・・・)!グレッグ・コーエンはこの他にも数曲にベーシストとして参加しています。

個人的にオススメしたいのが、M・ウォード(左写真)によるCrooked Lines。新世代アメリカーナ・シンガーソングライターの中で最も気になるこの男。昨年出たアルバム「Post-War」がトンでもなく素晴らしかったM・ウォードの歌f0045842_1054797.jpgうこの曲Crooked Linesジェシーの以前のアルバムに収録されていた曲だが、その曲をM・ウォードがアコースティック・ギターで静かに静かに弾き語るロマンティック極まりない美しい曲。M・ウォードの声もウェットで繊細な深い声でホントにうっとりします。バックで印象的なピアノとコーラスを担当するのはノラ・ジョーンズです。ベースにはノラのアルバムではお馴染みのリー・アレキサンダーが弦の僅かな揺れまで聴こえる繊細な音を聴かせてくれます。M・ウォードノラ・ジョーンズの3rdアルバム「Not Too Late」にも参加して歌声を披露しているので是非チェックして欲しいです。

そしてもう1曲。新世代アメリカーナを代表するバンド、ブライト・アイズによるBig Old House。今年は新作「Cassadaga」も発表しビルボード・チャート初f0045842_1071022.jpg登場4位を記録、その後はサマーソニックにも総勢10人組の「ブライト・アイズ・オーケストラ」として登場したコナー・オバースト(右写真)のソロ・プロジェクト、ブライト・アイズですが、この曲Big Old Houseも完全にブライト・アイズ流に料理された曲に。リヴァーヴの利いたラウドなドラムと、キーボードによる印象的なイントロのフレーズ、そしてバックでさりげになるサイケデリックなエレクトリック・ギターの残響音など、どれを取ってもまさにブライト・アイズ色が出まくった曲です。後半のカオスっぽいところはまるでWilcoのようなカンジです。この曲も凄い良いです。

まあ、その他にも60年代の女性フォークシンガーのようなカナダ出身のシンガーソングライター、ファイスト(左写真)によるSomewhere Down The Road(原曲はジェシーのアルバム「Mineral」に収録)や、まf0045842_1023120.jpgるでカントリーのクラシックを歌うようなウィリー・ネルソンによるAlways Seem To Get Things Wrong(原曲はジェシーのアルバム「While The Music Lasts」に収録)、完全に轟音ブルーズ・ロックに解体したザ・ブラック・キーズによるIf You Ever Slip、そしてこれも素敵なピアノ・ソロ曲として生まれ変わったブラッド・メルドーによるロマンティックなNever See You、そして若きジョニ・ミッチェルのような女性シンガーソングライター、Rochaが歌う3曲の穏やかなフォーク・ソングも素敵です。他にもエミルー・ハリスキャット・パワーによる曲などもあって聴き所満載です。

しかしやはりこのアルバムを聴き終えて最終的に思うのはジェシー・ハリスのソング・ライティングの素晴らしさです。
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繊細だがメロディの際立つジャジーなフォーク・サウンドは、特に女性が歌うと凄く栄える曲が多いように思いますね(以前紹介した畠山美由紀しかりです)。そしてジェシー自身のヴォーカリストとしての素晴らしさも強調しておきたい。この個性的なシンガー達の中でもジェシーの声は全く埋もれることなく、むしろ際立つ繊細な声は本当に素晴らしいですよ。まさしく21世紀を代表する天才シンガーソングライターです。アルバム全体的の流れも素晴らしく、アルバム1枚を通して聴いてしまいたくなる構成になっています。終盤に配置された2曲のインストゥルメンタル曲の美しいさは特筆もの。ちなみにジェシー本人もこの映画に出演しているそうです。
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とりあえず2007年後半は怒涛のジェシー・ハリスのリリース・ラッシュですが、どれを取っても全くハズレなしのクオリティ。10年後に20枚くらいアルバム出てて、どれから聴いて良いか分からなくなる前に、今のうちにジェシー・ハリスの作品はチェックしてみて下さいよ!
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by Blacksmoker | 2007-09-20 00:13 | サウンドトラック
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