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MARCUS INTALEX [Fabriclive.35]


ロンドンが誇るクラブ「FABRIC」。
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世界のトップDJ達が必ずプレイするこの大規模なハコですが、このFABRICが2001年より企画しているのが「Fabric」と「Fabriclive」という2つのMIX CDシリーズ。これまでにこのシリーズには、世界に名立たるDJ達が続々と登場しています。「Fabric」シリーズは主にテクノ、ハウス系のDJ達を中心にしており、もう一つの「Fabriclive」シリーズは主にドラムン・ベースやブレイク・ビーツ系のDJ達を中心にしています。

さて今回紹介するのがこの「Fabriclive」シリーズの35作目の最新作。現在MARCUS INTALEX [Fabriclive.35]_f0045842_14562898.jpgまでにこのシリーズにはジェイムズ・ラヴェルDJ HypeAndy CファビオThe FreestylersディプロHigh Contrastなどが登場していますが、このシリーズの最新作に遂にこの男、マーカス・インタレックスが登場です。ドラムン・ベースの新しい未来を拓くプロデューサーとして個人的には最も注目しているこの男がこの「Fabriclive」に登場となると期待せずにはいられません。

まずはこのマーカス・インタレックスという男を紹介しておきましょう。マーカス・インタレックスはイギリスのマンチェスター出身のドラムン・ベースのプロデューサー/トラックメイカー。
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彼の創り出すサウンドは、High ContrastNU:TONEなどに代表されるHospital Recordsのアーティストらが得意とするソウルやジャズのエッセンスを取り入れたドラムン・ベースだ。所謂「リキッド・ファンク」と言われてます。しかしマーカス・インタレックスのサウンドはそれらのサウンドよりももっとディープでスピリチュアルでソウルフルなドラムン・ベースだ。最近のコマーシャルになり過ぎたドラムン・ベースと違って、即効性よりも持続性(音楽として長く聴き続けられる事)の重きを置いたディープなソウル・ミュージックの未来型のようなサウンド。

そのマーカス・インタレックスの主宰するレーベル「SOUL:R」からZero ToleranceMARCUS INTALEX [Fabriclive.35]_f0045842_14591442.jpgどかなりソウルフルなドラムン・ベースのアーティストを輩出しており、今個人的にはかなり信頼の置けるレーベルです。そしてマーカス・インタレックス自身もCalibre(カリバー)らと組んだユニット「Mistical」で、2006年に素晴らしいアルバム「Eleventh Hour」をリリースしています(これはマジでヤバイのでチェック!)。

さて、そのマーカス・インタレックスによるこのMixですが、これが期待以上の出来。マーカスのレーベル「SOUL:R」から、前述したMisticalZero ToleranceをはじめとしてLynx & KemoAlex Perezといったアーティスト達、その他にも要注目のCalibre(左写真)やCommixといったマーカス・インタレックスMARCUS INTALEX [Fabriclive.35]_f0045842_1534699.jpg並ぶ次世代クリエイターの新曲・未発表曲がズラリ。ここには新しいドラムン・ベースの最新進化型があります。個人的に大きな期待を寄せていたHigh Contrastの新作がかなりイマイチだった私にとって、マーカス・インタレックスらの創り出すサウンドはまさしくドラムン・ベースの未来です。ダブ・ステップと違い疾走感があるのも爽快です。個人的にはINSTRA:MENTALによる桃源郷のような美しい上モノにドラムというよりパーカッションと言った方が正しいようなリズムが流麗なPacific HeightsBANGO COLLECTIVEによるポエットリー・リーディングを導入したFaithlessを更に進化させたようなディープなApocalypseは圧巻の一言。Calibreのトラックももちろん素晴らしいサウンドです。

カウンターカルチャーとして始まったドラムン・ベースも徐々に商業化の波にのまれていく昨今。その波にのまれることなく、ディープにソウルフルに進化するこの漆黒のグルーヴはかなり心地良いです。
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2007年は、Rufige Kruゴールディ)がストリート感溢れるハードコアな新作を発表し、ドラムン・ベースのオリジネーターとして底力を見せつけましたが、このマーカス・インタレックスはドラムン・ベースの世界を新たに切り開きます。全然タイプは違いますがどちらもドラムン・ベース界にとっては超重要作品です。どちらも是非ともチェックして欲しいです!

最後に、この「Fabriclive」シリーズですが、10月にリリースされる「36」にはJames Murphy、そして12月リリースの「37」にはJusticeが登場するようです。
by Blacksmoker | 2007-09-27 00:13 | DRUM & BASS
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