DAVID SYLVIAN [When Loud Weather Buffeted NAOSHIMA]


瀬戸内海に浮かぶ離島「直島」に滞在してました。
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過疎化の進む小さな島に現代美術作品やインスタレーションなど様々な芸術活動を展開し、世界的に有名な「アート・アイランド」として再生した直島。島に残る自然と現代アートの見事な融合が素晴らしく、島民の人達の独特な時間の流れも相まって、この島だけ時間が止まっているような錯覚に陥ります。
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安藤忠雄の建築した「地中美術館」や「ハウスミュージアム」、「OVAL」、そしてSANAAによって設計された「海の駅」など素晴らしい建物も圧巻ですが、それ以上に印象的なのが「本村地区」という古い村の中に、既存の建物を使って展開される「家プロジェクト」。

由緒ある古い街並みという「日常」の空間の中に突如として現出する「非日常」の空間。これがほんとに面白い。そしてそのアートの数々を丁寧に親身になって説明してくれるのが全て島民の人たちというのが素敵です。いかにこれらの作品が彼らに愛されているのかが分かります。

その中で直島では2006年10月と2007年2月に「Naoshima Standard2」という展覧会が行われたのですが、そこに参加したアーティストの中の1人がデヴィッド・シルヴィアン
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この人はソロ以降の作品が本当に魅力的だ。特に自身のレーベル「Samadhisound」を立ち上げてからが特に面白く、即興ギタリストのデレク・ベイリーや、ラップトップ・アーティストのフェネス、さらには日本の高木正勝らとのコラボレーションなど、そして新バンドのNine Horsesのアルバムなど刺激的な作品を展開してくれている。
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Samadhisoundからは他にもデレク・ベイリーの作品や、自身のアルバム「Blemish」Nine HorsesのアルバムのRemix盤も出ていて必聴です。

今回、デヴィッド・シルヴィアンが「Naoshima Standard2」に提供したのは「When Loud Wf0045842_050755.jpgeather Buffeted NAOSHIMA」と名付けられた作品(右写真)。これは冬の時期に直島を訪れたデヴィッド・シルヴィアンが暴風雨に晒される直島をイメージして作られたサウンド・インスタレーション作品で、当時は「Naoshima Standard2」を訪れた人にiPodが貸し出され、この作品を聴きながら直島の街を歩く事が出来たそうです(その時に行ってみたかったですね)。

直島に滞在し、シルヴィアン自身が自らフィールド・レコーディングした風の音や鳥の声、雨の音など様々なサウンドがコラージュされた作品で今回SamadhisoundからリリースされたCD盤の方では実際の展示作品に手が加えられたものになっているそうです。シルヴィアン以外に数人のミュージシャンが参加しています。そこにはフェネス、ノルウェーのSupersilentのトランペット奏者アルヴェ・ヘンリクセン(下写真)といったもの凄い面子が名を連ねています。
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その他にも尺八奏者のクリーヴ・ベル(下写真)、そして作曲家のアキラ・ラブレーといういずれもクセ者ばかりです。
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内容ですが、全1曲70分21秒のサウンド・コラージュ。曲として一定のリズムがあるわけでもなく、細切れにされた音が連続する。時折現れるフェネス(下写真)による美しいグリッチ・ノイズ。クリーヴ・ベルによる尺八。そして消え入りそうなファルセットの歌声の断片などが更に不思議な雰囲気で、一種のアンビエント作品と言ってもいいでしょう。
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インナー写真には暴風雨にさらされる海辺の家のモノクローム写真が1枚あるだけだが、鶴見幸代によるアートワークなども含めて不気味で幻想的な雰囲気を持っている。直島に残る昔ながらの自然信仰(天変地異も含めて)の尊さ、そしてそれと同時に畏敬の念が表現されているようにも思えます。
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一度でも直島に行ったことのある人ならば、あの島の風景を思い出しながら聴くとより楽しめる作品。個人的には直島に滞在していた時は非常に天候に恵まれていたので、雨の吹き荒ぶ状況が想像し辛いですが・・・。

いつかはそういう天候の時に、この作品を聴きながら直島を歩いてみたいものですね。
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by Blacksmoker | 2008-06-08 00:28 | ELECTRONICA
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