DAVID BYRNEの声。


なぜこのデイヴィッド・バーンの声というのは、こうも人を惹きつけるのだろうか?
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やはり従来のロック的ではないところだろうか?過剰に演劇的なところか?粘着性のある声は何か不敵な感じだし。しかも最近多い「女性的なフェミニン」声でもない。どちらかというとおもいっきり男性的。そしてその声からはかなりの知性が滲み出ているのも、クセモノっぽさを感じさせる。なかなかこの声は代替できるものがないです。個人的にもミュージシャン、そして一流のボーカリストとして最も好きな人ですね。

しかし私はトーキング・ヘッズをリアルタイムで聴いていた世代ではなく、初めてこのデイヴィッド・バーンの声と「遭遇」したのは1997年でした。彼の5枚目のソロ・アルバム「Feelings」(右写真)からの1sf0045842_2355131.jpgtシングルMiss AmericaのPVをたまたまMTVで観て、その声の異様さと妙にクセになるメロディ、そして欧米的ではないリズムを持った曲に一発でヤラれてしまったのが初めての出会い。そこからどんどんこのデイヴィッド・バーン、そしてトーキング・ヘッズ、さらには彼の主宰する「Luaka Bop」レーベルの音楽の魅力にハマっていきました(このレーベルのCornershopがブレイクしていたのも同時期ですね)。そしてちょうどこの頃にトーキング・ヘッズの映画「Stop Making Sense」もリバイバル上映されて映画館に観に行って、その凄さに完璧にヤラれてしまいました。
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その後に出た2001年の6枚目のアルバム「Look Into The Eyeball」も素晴らしかったし、2003年にはスリル・ジョッキーからリリースされたデイヴィッド・マッケンジー監督の映画「Young Adam」のサウンドトラックとなる「Lead Us Not Into Temptation」の不思議な美しさに聴き惚れ、そして2004年にはNonsuchからのリリースとなった7枚目のアルバム「Grown Backward」の完成度の高さに驚き、どんどんこの人の音楽の魅力の虜になってきたわけです。

しかし、この人の声の魅力に憑りつかれている人は、やはり世界各地にいるようで、いろんな所でデイヴィッド・バーンの声を耳にする機会が増えました。ソロとしての作品は寡作にもかかわらず、最近でもこの人の声の存在は増すばかりです。
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例えば2002年に全英チャートを席巻したX-Press 2のダンス・ナンバーLazyにボーカリストとしてfeat.されてたり、そして2005年にはアメリカのDJユニット、Thievery CorporationThe Heart's a Lonely Hunterという曲にも参加していたし、さらには2007年のPaul Van DykFall With Meでもfeat.されていました。ここ最近のバーンのクラブ・シーンでのモテぶりはハンパじゃないですね。ダンス・ミュージックという時代の先端の音楽とデイヴィッド・バーンの声の相性の良さがバッチリなのが面白いです。

そしてダンス・ミュージックだけでなく、他のバンドへの参加曲もなかなか素晴らしく見逃せません。特にオススメしたいのは、2006年にリリースされたNY在住のブラジル民族音楽集f0045842_032074.jpgForro In The Darkのアルバム「Bonfires of São João」(右写真)にボーカリストとして参加した2曲。Asa Brancaルイス・ゴンザーガのカヴァー)とI Wishという曲ですが、これはかなり良いですよ。フルートやバリトン・サックスなどを散りばめた祝祭ムード溢れた楽しいノルデスチの音楽に、瑞々しい素晴らしいボーカルを披露してくれてます。実に高揚感溢れる曲です。

そして個人的に最もイチオシなのが2004年にリリースされたThey Might Be Giantsジョン・フランスバーグが主催した反ブッシュ政権f0045842_011228.jpgのベネフィット・コンピレーション「Future Soundtrack For America」(左写真)の中に収録されているソロ曲Ain’t Got So Far To Go。この曲は個人的にデイヴィッド・バーンの曲の中でもフェイヴァリットな1曲。Morcheebaがプロデュースしているのでおそらく「Feelings」の時の曲でしょう。オーケストレーションを使用し、バーンの声の魅力を最大限に活かしたとんでもなく素敵な1曲。この曲だけの為に私はこのアルバムを買ったくらいです(このアルバムにはそれ以外にも超豪華なメンツの未発表曲が揃っているので必聴)。それほどまでに素晴らしい曲なんです。是非とも聴いてみて欲しいですね。

あと2006年にはブラジル音楽界の女王マリーザ・モンチのアルバムUniverso ao meu redor」(私のまわりの宇宙)の中の曲Statue Of Libertyでもボーカルで参加。1分少々という短さでありながらやはり抜群の存在感を見せ付けていました。初めてこの曲を聴いた時、ヒューマン・ビートボックスと共に突然バーンの声が出てきてビックリしましたね。
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そしてそして、さらに驚かされたのが2008年に入ってから、Fatboy Slimノーマン・クックによる噂の新ユニットThe BPA(The Brif0045842_055779.jpgghton Port Authority)からの1stシングルToe Jamにもディジー・ラスカルと共にfeat.されていたこと!イギリスでは、これまたスマッシュ・ヒットを記録したこの曲は、ノーマン・クックの能天気で陽気なビートに乗せて、バーンの粘着性のある声が全編に渡って楽しめる曲で、やはりダンスビートとバーンの声が完璧にマッチした傑曲(PVも最高です!)。途中で入ってくるディジー・ラスカルの高速ラップも最高にクール。バーンの声を入れる事でちょっと異国的なカンジがしてくるのが不思議ですね。バーンの声がノーマン・クックのビートにちっとも負けていないです。またもやダンス・ナンバーにもバッチリ映える事を証明してしまったようです。

思うにデイヴィッド・バーンの魅力はやはりその「歌の力強さ」だ。「生命力の高さ」というべきだろうか、聴いていて生きている事を実感出来て、さらに高揚感をもたらすこの粘着性のある声は本当に魅力的だ。さらにアメリカ人でありながらその声は純に欧米的ではなく、どこかアフロ的要素も含んだ演劇的でドラマティックな声。だが逆に聴く者に非常に安堵感を与える声でもある。どこにいても異様な存在感を放つ独特の声ですね。
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さらに声だけでなくサウンド的にも実験的で冒険的。作品を出すごとに毎回こんなワクワクさせられる人も珍しいです。

さて前置きが非常に長くなってしまいましたが、そんなデイヴィッド・バーン。2008年の暮れになってとんでもなく素晴らしい作品を届けてくれました。
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次回はそのアルバムを紹介します!

 
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by Blacksmoker | 2008-12-25 23:19 | ROCK
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