2010年 02月 05日 ( 1 )

OK GO [Of The Blue Colour Of The Sky]


完全に化けました!

f0045842_1152736.jpgYoutubeで爆発的ヒットとなったHere It Goes Againを収録したアルバム「Oh No」以来、実に4年振り。シカゴ出身のロック・バンドOK Goの3rdアルバム「Of The Blue Colour Of The Sky」は前作から全く別のバンドかと思えるほどの変貌ぶりに度肝を抜かれます。

変貌と言っても「後ろ向きな方向」や「ガッカリな方向」へ行ったのではなく、完全にバンドとして前進したと言っても良いでしょう。これは嬉しい誤算です。OK Goといえば、いわゆるギターを中心としたロック・バンドというのが一般の共通認識だと思いますが、今回のアルバムではその認識は覆されるでしょう。
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この3rdアルバム「Of The Blue Colour Of The Sky」OK Goが向かったのは、サイケデリック・ロック・サウンド。今まで、このバンドを好きな人にはこの変化はもしかしたら賛否両論かもしれませんが、個人的にはめちゃくちゃハマリましたね。

さて今回のアルバムのプロデューサーに迎えられたのは何とデイヴ・フリッドマン

マーキューリー・レヴの元メンバーにして、フレーミング・リップスMGMTClap Your Hands Say Yeah、さらには日本のZazen Boysなど手掛ける「サウンドの魔術師」。この人の作り出すサウンドは、ベースやドラム中心ノリズム・オリエンティッドなサウンドで、いびつなくらい歪んだミックスが特徴でもある。前作「Oh No」をプロデュースしたのがThe CardigansFranz Ferdinandの1stを手掛けたスウェーデンのトーレ・ヨハンソンだった事を考えると、この変化は相当なものだという事が分かります。

そしてその成果は1曲目の1stシングルであるWTF?(下写真)からして、もう一目(一聴)瞭然。またもや面白過ぎる映像のPVが話題のこの曲ですが、一発でデイヴ・フリッドマンと分かる残響音のあるドラムと、恐ろしく歪みまくった重低音ベースからしてもう全く違うバンドです。
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さらに全編ファルセットのヴォーカル、そしてギターはカッティング中心の音に抑えられ、ハンドクラップ音やコーラスなど様々な音は左右のスピーカーに分離して散りばめられています。ミックスもヴォーカルを前に出さずに楽器の音の中にわざと埋もれさせるデイヴ・フリッドマン独特のミックスになっています。最初聴いた時はかなり面食らいましたが、強力なリズムと微妙なキャッチーさはハマるとつい口ずさんでしまうほどクセになります。

続く2曲目の2ndシングルThis Too Shall Pass。これも一発録りのPV(下写真)が最高な曲ですが、この曲の歪みっぷりも凄いです。
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超ポップなのに音はエゲつないくらい凶暴です。普通のスピーカーなら音割れするヘヴィ過ぎるベースとドラムを中心に、キャッチーなコーラスにピアノ、そして子供の合唱隊も入ってきてかなり賑やかな曲で、彼らの代表曲になるだろう出来ですが、今までのOK Goとは全く違うサウンドです。よく聴くと色々なサイケデリックなエフェクト音が挿入されてたりしてて面白く、車のスピーカーで聴いてると気付かない仕掛けが、高出力のスピーカーで聴くとちゃんと聴こえてくるので驚きますね。

次の曲All Is Not Lostでは、ようやく従来のOK Goらしいメロディが出てくるが、やっぱりベースとドラムの音はもの凄い歪んでいます。さらにその上にアコースティック・ギター2本が左右のスピーカーに振り分けられていて、その上を浮遊するファルセット・ヴォーカルが被さります。これがとてもサイケ感覚を増長させてくれますね。
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とにかく冒頭3曲で、このひねくれぶりだが、この後も全く新しいOK Goのサウンドに驚かされるでしょう。前作「Oh No」の中では異色だった曲Oh Lately It’s So Quietが、今回のアルバムのサウンドに最も近いような感じがします。

レコーディング時にメンバーが一番聴いていたのがプリンス「Purple Rain」だったみたいだが、なるほどこの作り込んだ密室感やファルセットの歌声、ベース中心の適度なファンキーさ、後半の80’s感はその影響がありますね(I Want You So Bad I Can’t BreatheEnd Loveなんて特に!)。プリンスだけでなくTalking Headsの影響も見え隠れするのもポイントですよ。
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ギター1本の弾き語りLast Leafでさえも、シド・バレットジョン・フルシャンテのソロのようなあやうい幽玄な雰囲気が漂っているし、Back From Kathmanduも普通なら爽やかなアコースティック・ソングであろう曲が、中期のビートルズ(はたまた「Their Satanic Majesties Request」期のストーンズ)を彷彿させる緻密に作りこまれたなアシッドなソフト・サイケデリック・サウンドに変身しています。終盤のドリーミーなWhile You Were Asleepなんてもはや以前のOK Goの面影さえ残していませんね。
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このように以前のギターポップ・バンド的なサウンドを期待していた人には、この変化がどう映るか分かりませんが、個人的にはこの方向は大正解だと思います。こんなポテンシャルを持ったバンドだとは思いもしませんでしたね。そこをデイヴ・フリッドマンが上手く引き出し見事なまでのサイケデリック・ポップ・アルバムとして結実させた大傑作

フレーミング・リップス好きなら絶対チェックして下さい!

  
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by Blacksmoker | 2010-02-05 10:49 | ROCK